想い出の場所へ

  

樹木のぬくもりが好きと言うあなたと、
よく ここまでドライブした。
何処へ行こうかと聞くと、
あなたはいつも 同じ応えで。
人混みを避け、 喧騒を避け、
ここで 二人きりの時を過ごした。
でも、 あなたの瞳は 遠い・・・・・・
僕は あなただけを観ていたのに

あなたは もう いないけど、
よく 一人、ここに来る。
もしかして、 あなたが来やしないかと。
面影を求めて

あなたはいつも 無理に微笑んでいたね。
何があったのかは いつも言わないけど、
僕が側にいる事で、それでいいなら、
今だって、 すぐに迎えに行くよ。
そして また、この 想い出の場所へ、
いつだって 連れて来てあげるよ。

どうしているのだろうか
夢は 見ているだろうか
独り、 耐えているのだろうか
ここへの想いは、まだ あるだろうか

やさしい木漏れ日が好きと言うあなたと、
よく 二人でここへ来たよね。
あなたはいつも 同じ瞳で・・・
言葉を避け、 想いを 避け、
ここで二人、 静かに過ごした。
憧れの女性 (ひと) は遠く、
抱きしめても、 遠く、 遠い

あなたはここにはいない
あなたは ここへは 来ない
ただ、 想い出が、
想いだけが ここにいる
愛しさと、 憧れと、
恋しさと、 はかない想いと、
苦しみ、 痛み、 言葉、 ぬくもり
全てが この、想い出の場所にいる

  

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