雪景色
私MEMEが生まれ育った街は新潟駅のすぐ近くでしたので、
このような自然と接することがあまりありませんでしたが、
私が結婚で東京に出てから2年後の「新潟地震」で、我が家近辺が
大変な被害に会ったこともあり、実家は郊外に越しました。
海に近いそこの住宅街は、ちょっと歩くとこのような静かな散歩道があり、
母の丁度いい絵の材料になったようです。
シーンと静まり返った雪景色の中にいると、自分の存在さえ幻想のような
気配がしてくるものです。
かすかな物音も、普通とは違う響きで耳に返ってきます。
ザク・ザク・・・
雪に足を取られながら、構図を頭に入れてポジションを見つめる母の姿が
想像するだけでいとおしくなります。
(母は全部頭の中に構図・色をしまってから自宅に帰り、絵筆を取ります)
今の実家は引っ越してから40年近くにもなるのに、一度も私の夢には出て来ません。
夢に出て来る母と実家は、いつまで経っても元の生まれ育った家。
不思議と共に、自分の記憶の頑固さが笑えます。