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ジャンクションなし・1ディスク1コマンド

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「話し」は作中表記なんだなコレが |
第5話は、バラムを発ち、ティンバーでのSeeD初任務が始まるところからである。戦闘としては、ボスの「ナムタル・ウトク」戦を取り扱っていこう。当サイトの日誌でお馴染み、1話1ボス体制である。
…さて、まずここで、現在のFF8やり込み勢に恒例の行動として知られているのが、「カードクイーンにコモーグリを渡し、ドールへ移動させること」である。カードクイーンは、FF8のカードゲームに対して、様々な有益・不利益な行動をもたらしてくれるが(本人いわく、「ルールの乱れを監視するため」)、その行動の一つとして、「特定のカードを渡した状態でドールへ移動させると、新たなレアカードを流通させてくれる」というものがある。仕組みがかなり複雑なうえに、そもそもドールは完全な寄り道ポイント、そしてラストのDISC4では全ての町に入れなくなるとあって、よほど電波塔を高く保っている人で無ければ気付けない。もし、FF8のフルリメイクが為されるなら、基本部分を残して、大幅な改善が行われることだろう。
――では、そのルールについて、細かく紹介をしておこう。
とまあ、こんな感じで。やる気のなくなる複雑さであり、DISC3まででカードコンプリートを目指すという場合、かなりの苦労が必要となるだろう。
…だが、上記の情報を踏まえた上で、この「DISC1の、ティンバーへの出発前」という状況における最良行動が、「クイーンにコモーグリのカードを渡し、ドールへ移動させる」となるのだ。クイーンから、「アーティストの父の話し」=“新カードの生成ルール”を聞けるのは、ドールに移動してからであるが、それを聞いたうえで改めて要求されたカードを渡す必要はなく、あくまで「ドールにいるクイーンが持っている状態」のみが条件である。よって、バラムであらかじめコモーグリを渡しておくことで、移動と新カード流通の、一石二鳥が行えるのだ。
――ちなみに、バラムからは、ドール:ガルバディア(デリングシティ)=3:5の割合で移動をする。ドールは、確率低めの分類に入るが、それでもまだ大丈夫である。場所によっては、狙った場所に移動する確率が1/8かつランダムハンドが付いていたりするからな。ということで、空気なCC団のほうのクイーンとは異なり、カードクイーンは、常に我々の頭を悩ませてくれるのだ。
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「こんな会話あったっけ?」と思っていたら… |
そうして。ティンバー行の列車に乗ると、最初の「ラグナ編」がスタートする。ご存じ、FF8の名物イベントであり、謎の男:「ラグナ」を主人公に据えたミニシナリオが、何度か挿入される。ストーリー要素としては、主要キャラの過去や世界の成り立ちなど、多くの重要要素に関わっており、もっと大々的に演出しても良さそうだが、本編シナリオの(当時としての)豪華さとは裏腹に、あくまでフレイバー程度にサラッと流される。だが、そういう渋い作風も、また良しというものだ。または、初回プレイでの謎めいた感覚を重視したということかもしれない。
…そして、バトル的には、ラグナたちの能力が、スコールらと連動しており、所持アイテムなど、共有している要素がある。むしろ、ギルなど、別枠となっている物を把握したほうが早いくらいだ。レベルも完全にスコール側のキャラたちと一致しているため、残念ながら、サイファー稼ぎのような、「メインキャラのレベルを上げない形での育成」は行えない。
――それ以外にも、ラグナ編では、ピンポイントで重要な点が、いくつか存在する。例えば、ラグナ編2:セントラ発掘現場では、「ブラックホール(青魔法デジョネーター)」の最速入手タイミングが訪れたり、激レアアイテムの「高出力発生装置」を入手するための布石が打てたりする。映画撮影編でのルブルムドラゴンといった強敵や、例のフリーズバグに絡んでいることなどもあって、話題に事欠かないというものだ。本プレイでも、全てのラグナ編について、じっくり掘り下げて楽しんでいこうと思う。
さて。ティンバー行の列車で挿入される第1回ラグナ編では、バトル的な要素は存在しない。新モンスターとして、「フンゴオンゴ」、そして「クリープス」(凱旋門地下の、水車が回っている極小マップ)と出会えるが、これといって稼ぎ相手としての魅力が存在するわけでもない。戦闘・探索でのレアアイテムも特に無いことから、雑魚から逃げ続けて物語を進めれば、それでOKだ。
――ところで。このラグナ編では、「バラムのホテルにあるティンバー・マニアックスを読んでいるどうか(駅のティンマニは無関係だが、読むとホテルの物が消える)」で、ラグナが酒に強いかどうかが変化する。その際は、“個室でのラグナとのジュリアの会話シーンが変化する”…ということが知られているが、実は、そちらについては、「いちど暗転した後に、ラグナが寝てしまっているか否か」しか変わらず、ほぼ変化なしと言って良い。一方で、地味な点として、デリングシティ到着直後のキロス&ウォードとの会話が変化し、そちらについては非常に絶妙なので、全セリフを引用してみたいと思う。周回をしている人も気付かないような点であり、改めて、FF8スタッフの細やかな調整を感じるものだ。
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後ろの席でくすくす笑ってる2人も良い… |
続いて、更にしょうもない掘り下げをしてみたい。テーマは、「ジュリアのピアノ」である。ホテルのバーで演奏され、「Eyes
On Me」のピアノ版と言える曲であり、サウンドトラックでの名称は「Julia」(【YouTube】)である。メインテーマのアレンジ版の一つであるが、作中世界では逆であり、まずこのピアノ曲があって、そこに歌詞を付けることで、「Eyes
On Me」が生まれたのだという。その際の物語の流れは、このラグナ編と、そしてDISC2開始時のラグナ編(ウィンヒルのやつ)で説明されているので、注目していなかった、または忘れてしまったという人は、再プレイの際に、是非ご覧いただきたい。
それはそうと。この「ジュリアのピアノ」は、普通にゲームをプレイしていると、特に違和感を覚えるような演出ではない。しかし、各種の検証のため、高速モードを使っていると、ラグナが席に戻り、キロス・ウォードと「査定+1」「男気
−3」などという会話をしたあとに、非常に不自然な空き時間が発生してしまったのだ。
…というのも、ここでの話の流れは、“ラグナたちの席に、ピアノを弾いていたはずのジュリアが現れる。ラグナとジュリアは、個室に場所を移して会話を続ける”というものだ。しかしながら、高速モードで演出を素早く送ると、ジュリアがなかなか席に訪れてくれない。具体的に、ジュリアが訪れてくれる(キロスが「あ」と、ラグナの背後に迫るジュリアに気付く)のは、BGMの演奏が終わったあとだ。言われてみれば当然の話である。だって、ジュリアはピアノを弾いているのだから。ピアノの音が流れながらラグナへ話しかけに来たら、それは分身の術か遠隔操作になってしまう。まさかの、ジュリア=アルティミシア説である。
――さて。高速モードを使わなければ、“最短経路を進み、ボタン連打でメッセージ飛ばしをする”という方式でも、極端に不自然な沈黙は発生しない(厳密には、少し違和感を覚える程度の時間は確保できる)。よって、文字が読める程度の速度で普通にメッセージ飛ばしをしていけば、まさにドンピシャというタイミングで物語が進むだろう。これは、高速モードで、BGM以外を早送りできるようになったことで、初めて気付けたゲームデザインだ。スタッフが、「ゲーム内キャラのピアノ演奏」という部分で、物語性を破綻させないよう気を付けていたという、当時の制作努力が伺い知れるというものだ。
ちなみに。こちらも初めて気づいたのだが、この場面でのジュリアのピアノ演奏は、必ず1ループしか流れない。よって、思いっきり寄り道をしたり、ステージへ向かわずビビり続けたり、サブキャラとの会話を繰り返したりしていると、不自然な無音区間が生まれてしまう。これは、高速モードを使わずとも、1分ほど放って置くだけで、全バージョンで観察可能だ。
――そして、それに対しても、作中では、「音楽が終わると、ジュリアの手の動きも止まる」という整合性のある演出が為されている…のだが、残念ながら、移行区間である「演奏を終えて、手を下ろす」というモーションが用意されておらず、“楽曲が終了して、次に画面を切り替えたときに、ジュリアが手を下ろしている”という設定になっている。よって、移動せずに待ち続けると、BGM演奏が終わったにもかかわらず、ジュリアは手を動かし続けている。エアギターならぬエアピアノだ。だが、そういう残念なところを、あえて愛するのも、またレトロゲームの楽しみ方である。
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草 |
そういうわけで、一連の会話イベントを終えると、第1のラグナ編は終了だ。ちなみに、スコールは、この夢について、セルフィとは異なり、「楽しくなかった」と感想を残しているが、嘘だぞ、ツッコミ入れてクソ楽しんでたぞ。
…そして、列車を降りると、まさに忘れた頃に、“森のフクロウ”のワッツが、「いや〜。ティンバーの森も変わったッスよね」と話しかけてくる。これに対する正解の合言葉は、ガーデン出発時に聞いた通り、「まだフクロウはいますよ」なのだが、間違えても問題なく物語は進む。デメリットはSeeDランク(=僅かなギル)だけであり、直後のイベントシーンの追加によって一瞬で元が取れる(正解するとすぐアジト列車に乗り込むが、失敗時はそこが延長される)。よって、再プレイの際は、堂々と間違えてやろう。
――そしてその後は、リノアを仲間に加え、ワッツからアンジェロのカード(初代PS版より絵が劣化している…)を入手したりもしながら、大統領誘拐作戦をスタートさせる。一応、作中世界としては、死と隣合わせの極めて危険な作戦であるが、ゲーム的には、制限時間に引っ掛かる危険性は極めて少なく、無駄に凝った窓の仕掛けも不発に終わるということで、ただ移動してパスコードを入力するだけである。というわけで、物語における“フレイバー”的な要素が強いのであるが、ただ、そのフレイバーが、ゲーム体験としては極めて重要だ。ここで制限時間が無限だったり、または列車強奪イベントなしでボス戦へ進んでいたら、物語の印象は大きく低下してしまっていただろう。
ちなみに、そのブリーフィングで使われる模型について、「赤い大統領列車だけ、リノアが作ったので汚くなった」という会話があるのだが、当時から汚いとは特に感じておらず、もちろんリマスター版でも綺麗なままであり、違和感のある会話となってしまった。なお、リノアは「デリング大統領に対する憎しみ」と言っているが、考えてみると、リノアが大統領を恨む理由は特に無いので、その矛盾を示した演出…なのか?
そして。ここでも、どうでもいい掘り下げをしてみたい。パスコードを入力する場面では、「△・□・○・×」のボタンを使って、1234の文字で構成された4桁のパスコードを入力することになる。ちなみに、PS1オリジナル版や他機種版だと、「上1
右2 左3 下4」という順番になっているが、PS5でプレイする際は、例のアレのせいで、○と×の数字対応が入れ替わっており、ややこしいことになりそうだ。しかし、幸い、ミニヘルプが常時表示されており、さすがに画面上の配置まで交代していることはない。そして、“中央をまたぐボタン配置”であっても、それ単体がおかしいというほどでも無いため、結果として、ゲーム性の破綻には至っていない。FF8スタッフは、将来的にボタン配置が入れ替わることまで予見していたのだ(そんなことはない)。
…それはそうと、このパスコード入力場面で、ガルバディア兵に発見されてしまうと、即ゲームオーバー、または大幅なタイムロスになる…なんてことはなく、その場でやり直せる。まあ、異様に簡単なので、わざと失敗しようとしなければ見ることは無いだろうが、敵兵に見つかって画面がホワイトアウトしたあと、「なんでもない、気のせいだ」とイーノックみたいなことを言えば、その場で復活が可能だ(「失敗したから、終わりだ」を選ぶとゲームオーバー。ここ以外で普通にタイムが0:00になっても終了)。また、その際に、リノアのアドバイスが2種類あるほか、“パスコード入力に対するルール全体”を、再び聞くことも可能だ。そして更に、制限時間も2分プラスされるというメリットが得られる。逆にデメリットは、例によってSeeDランクだけなので(発見0回:1UP 1〜9回:変化なし 10回:1DOWN)、全く気にする必要はない。ゲーム進行不能バグも発生しないので安心だ。
――さて。こういう展開で、私が何をするか分かるだろう。そう、どこまで時間を増やせるかやってみたのだ。ここでの失敗は、2分以内に行えるので、最速で失敗していると、どんどん制限時間を増やしていける。リマスター版の恒例要素として、高速モードでもカウントダウンは早くならないため、効率が良い。ということで、失敗を繰り返すことにより、制限時間を99分59秒まで伸ばせることが分かった。残念ながら、この遊び方はスタッフに想定されており、3桁に行ったり、表示がバグったりすることは無いようだ。何はともあれ、リノアが「99分!」と色付きセリフで教えてくれるため、なかなか笑えるというものである。
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なん…だと…? |
それでは、ボスの「ナムタル・ウトク」戦へと挑んでいこう。
…さて、現在地は、作戦終了直後のアジト列車であり、大統領(偽)の逃走と、敵の追跡を防ぐため、走行中という場面であろう。つまり、外に出て、育成やHP調整をすることができない。というわけで、詰みとなって、謝罪文案件とになりかねないのだが、ジャンクションなしプレイとしては、ナムタル・ウトクの前に出現する「デリング偽大統領」との戦いの場面で、HP調整が可能である。なお、必勝法として、ナムタル・ウトクはアンデッドのため、フェニックスの尾を使うと即座に勝利できる(偽大統領はアンデッド扱いではない)。そのため、わざとやらない限り、ここで詰みになるのは難しいと言える。
――しかし、同戦闘では、運要素が強く絡むので、HP調整が面倒と感じることもある。ここでのHPは、戦闘前に全回復すると思っていたのだが、実は僅かだけ調整できる。というのも、事前のラグナ編でのHPを引き継ぐ仕様となっているからだ。まず、スコール=ラグナだが、あらかじめ戦闘不能にしていても、ジュリアと遊ぶためにHP1で復活してしまい、それが最低値となる。1だと少なすぎて、偽大統領の打撃(30〜40程度)で死んでしまうため、こだわるなら、ラグナ編の戦闘で2桁後半くらいにしておくと良いだろう。また、キロスはゼルに、ウォードはセルフィに、それぞれ対応しており、ともにそれぞれ「キロスとウォードの状態で全回復」している。よって、初期レベルなら、セルフィはHP満タンとなるが、ゼルは438/544と、少し下がった状態での登場となる。最も下げたいセルフィのHPが満タンなのは残念だが、仕様を理解したうえで、多少の調整をしておくと、その後のバトルが楽になるかもしれない。
■追記(2025/11/25):このラグナ編では、ラグナ=スコールは固定ですが、キロスは「パーティ並びで上側」、ウォードが「下側」のキャラに対応します。よって、並び替えでセルフィを上側にしておけば、ナムタル・ウトク戦に、セルフィHP438/482で挑むことが可能です。
そして! 今回、初めて気付いたのだが、どうも、FF8のアンデッドには、物理攻撃を半減する共通耐性があるらしいのだ。
…というのも。検証プレイのため、私は、ナムタル・ウトクに、ゼルの「メテオストライク」を当てていた。ご存じの通り、ゼルのメテオストライクは、「現在HPの1/4のダメージを与える」という、FF8版グラビデと同じ効果を持っている。つまり、この数値の3倍が、現在のHPということだ。そして、登場直後のナムタル・ウトクに、メテオストライクを当てたところ、300程度のダメージが出た。つまり、敵の現在HPは、約900である。
――でも、それは大きなミステイク。ナムタル・ウトクのHPは、「50
+ レベル値×300」という分かりやすい式で決まり、全員初期レベルならば、Lv6:1850か、Lv8:2450となる。300与えて900、つまり初期HP1200というのは、どちらの値とも明らかに一致しない。ライブラを仕掛けてみても、HP値に異常は無い。デリング偽大統領には、通常と同じ割合ダメージを与えられたため、バトル自体が特殊な異常空間というわけでもない。そして、ディアボロスまで戻って「グラビデ」を持ってきて使ってみたところ、同条件で600程度のダメージを与えられたため、「敵が割合ダメージ自体への部分的な耐性を持っている」ということもない。
というわけで。結論としては、「ナムタル・ウトクには、オートプロテスと同じ耐性が存在する」というものであった。「物理扱いの割合ダメージのみが軽減される」という不可解な状況や、敵の体力(物理防御力)が高いわけではないのに、物理ダメージが大幅に下がってしまう理由も、それで説明できる。
…という投稿を、Twitter(現:X)に行ったところ、当サイトにプレイ日誌も投稿されている「鰹節」氏から、「FF8のアンデッドには、物理攻撃を半減する特性がある」ということを教えていただいた。完全に初耳であるが、それならば、この特殊な現象が全て腑に落ちるというものだ。
――しかしまあ、この性質について、私はこれまでのプレイで、全く気付いていなかった。FF8のアンデッドは4体おり、ボスが「ナムタル・ウトク」「アバドン」、雑魚が「ライフフォビドン」「ブラットソウル」だ。少ないように思えるが、FF8はそもそもモンスター数が130体しかいないため、割合としては普通であろう。ボス2体は、必ず戦ううえ、ナムタル・ウトクについては、毎回のように、登場直後にメテオストライクで攻撃を仕掛けていた。それでこれまで、「物理半減」という違和感に気付けなかったのだ。まあ、昔は“やり込み=高難易度プレイ”であり、「敵が倒せればOK!」という時代だったからなのだが、やはり、今から遊ぶのであれば、“細かいところを掘り下げるプレイ”として、考え方を変えていかなければならない。
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完全無欠に思える「ジエンド」の、唯一の弱点 |
それでは、本プレイのメインパートのはずの、ボス攻略へと入っていこう。まずはいつも通り、ボスの詳細すぎる詳細パターンから書いていく。
というわけで。いつもながら、FF8オタク専用文章であり、分かるような分からないような…という感じであろうと思われるので、重要なところをピックアップしてみよう。
このうち、「ウガガー!!」は、約140のダメージでカーズの追加効果を持つ、非常に厄介な攻撃だ。
…さて、FF8のカーズは、特殊技が発動不能になるという内容であり、ジャンクションなしプレイでは致命的だ。自動解除には、非常に長いターンが必要となり、基本的には期待できない。しかもあろうことか、イデア(2回目)など、初手で必ずカーズを全員に掛けてくる敵まで存在するため、「相手が動き出す前に瞬殺する」「表示済の横向き三角
▶は消えないため、あらかじめ回復手段を用意しておき、カーズになった直後に解除・上書きする」などの対策が必要となる。
――さて。ナムタル・ウトクの「ウガガー!!」は、初手の行動として、必ず使用してくる。しかも、1/4の確率で発生する行動スキップを選んだとしても、スクリプトの関係上、次のターンも同じ判定が繰り返される。また、カーズの発生率は100%ではないのだが、3ターンルーチンであり、第2ターンと第3ターンで何もしなかった場合は普通に次へと進むため、「ウガガー!!」がかなりの頻度で飛んでくるように見える。
やれ、本バトルについては、攻撃自体のダメージは大きくなく、それなりの時間の耐久も可能だ。さらに、敵は「サイレス」を使ってきて、ジャンクションなしでは無害どころかピンチ度を上げてくれる。しかしながら、この「ウガガー!!」の頻度と内容により、長期戦での勝利を狙うのは得策ではない。
かくして。通常のジャンクションなしプレイでは、敵の「割合ダメージを無効にできない特性」を使い、ゼルのメテオストライクを主体として攻めていくと良い。ただし、前述の通り、アンデッドの共通耐性によって物理ダメージは半減されるため、効率は良くない。敵HPが残ってしまった場合に備えて、セルフィの「スロット」魔法を用意しておくと盤石だ。弱点を突く炎魔法だと、ファイアが200強・ファイラで300強・ファイガなら700弱という程度のダメージを与えられる。ちなみに、聖は3倍弱点なので、ホーリーならば、敵HPと乱数次第だが、1発撃破も可能だ。スロットでの登場頻度はかなり低く、「ホーリーを活躍させる」というテーマバトルとなるが、頑張れる人は頑張ってみよう。
…そして、今回の「ジャンクションなし・1ディスク1コマンド」だと、デュエルは、切り札として温存しておきたい。そして、連続剣も、主人公:スコールの技ということで、使いたくなる場面は多いだろう。ならば当然、今回も目指すのはスロットである。この後、DISC1では炎を弱点とする敵は出ない(そもそも、セルフィが参加する強制戦闘がない)ため、「ファイア」「ファイラ」「ファイガ」は、ここで使い切って良い。その他、「アルテマ」は、もうエルヴィオレ戦で使ってしまったためアウトだが、「メテオ」や「ホーリー」でも良いだろう。ちなみに「ジエンド」は、アンデッドに無効化されるという僅かな隙があるため、このバトルでは駄目である。その他、今回プレイでは、既にディアボロス戦で使ってしまったが、「グラビデ」ならば、メテオストライクと違って“半減されない割合ダメージ”を与えられる。
というところなのだが。実際にやってみると、なかなか難しい。バトル自体は、セルフィのHPをギリギリに調整し(カーズがあるため、ナムタル・ウトクの攻撃に耐えることは度外視する)、敵が偽大統領から変形する時間を使ってスロットを回す…というシンプルなものなのだが、例によってリマスター版ではレスポンスが悪いため、狙った技を出すのは難しい。また、出オチに失敗したところで、敵の攻撃がセルフィ以外に当たってくれれば、バトルの延長&スロット時間を稼げるのであるが、よりによってセルフィが狙われることが多く、開幕で失敗が確定する。さらに、偽大統領のLv6とLv8でのHP差が大きい(322と458)ことなどから、準備不足のままナムタル・ウトクに変身させてしまったり、逆に交代が遅れてセルフィが偽大統領に噛み殺されてしまったりと、しょうもない失敗パターンも増えてくる。実戦では、まず全員で2セット打撃を加え、その後にセルフィのHPを減らしていく…という方式を採用していったが、たまに発生するクリティカルのせいで、それすら目論見が狂わされることもある。まあFF8は、★特殊技運ゲー★だから仕方ない。
――しかし、怪我の功名ということか、最終的には、「ファイガ×3」による一撃必殺という、これ以上ないくらいの理想パターンで勝利ができた。コマンドの消費数が1つで済み、バトル時間が短くなって動画映えもし、「メテオ」や「ホーリー」など、他の敵にも有益であろう攻撃技も温存できた。個人的には、どうせなら3倍弱点のホーリーを使いたかったが、それに準ずるくらいの成果である。
■動画■
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FF7 |
そういうわけで。ナムタル・ウトクを倒した後は、ティンバーの探索を進めていく。なお、町のデザインとしては、無計画に敷かれた線路が印象的であり、「駅の周りに築かれた村が、やがて国家へと発展していった」のだろう。そう考えると、「交通の要衝」、特にFF8だとエスタ対策として、ガルバディアに最初に押さえられたのも、分かるというものだ。FF12のラバナスタもそうだが、経済的に重要な都市は、軍事価値も高いのである。
――と思って、ふと、アルティマニアを見てみると、全く違っており、どうやら「アルカイックガス」なる天然資源が取れるため、それ目当てというのが理由らしい(初版 第18刷 P.36)。なるほど、町全体に漂う、くたびれた雰囲気や薄汚れた感じは、ガス採掘というキツい仕事を象徴していたのかもしれない。ちなみに、作中ではそのような話は全く触れられていない。NPCすら誰も話しておらず、完全なる死に設定と化している。ちなみに“TIMBER”は「木材」という意味であるため、かつては木材の輸送で暮らしていたが、やがてガスが見つかり、そして生活様式が一変していった…みたいなネタができたかもしれない。うむ、それはFF7でやったので、没にしたのだろう。
というわけで。ティンバーの探索でまず行くのが、ペットショップだ。FF8の「ペットショップ」は、G.F.およびアンジェロに関する物品を購入できる店として登場する。実はティンバーとエスタにしか存在しない。その縁もあってか、ティンバーには、やたらと多くの猫が住んでいたりする。そして、購入するのは、「ペット通信3号」と「4号」だ。それぞれ、「インビジブルムーン」と「アンジェロリバース」を覚えさせられる。なお、武器改造やゼルのデュエル(表示されなくても知っていればOK)とは異なり、ペット通信は、読まなければ技が増えない。
…さて、これらの技のうち、「インビジブルムーン」は、ご存じ、味方全員を無敵にする技であり、初期のジャンクションなしクリアーでは、この技の連続発動が生命線とされていた。一方で、封印対象とした時のインパクトの強さから、「ジャンクションなし+インビジブルムーンなしクリアー」というものも存在し、これまた縛りプレイとして流行をした。私はどちらも経験済みであるが、今回は、「DISC4枚で合計4回」という、無制限でも完全封印でもない、独自の制限回数がある。また、漫然と使っても、2ターンちょっと「たたかう」を使える回数が増えるだけなので、どういうふうに使用するかというのが重要になる。まあ、ラスボス戦の例のアレをやり過ごすためは確定として、その他の場面は、またその時に考えることとなるだろう。
――いっぽうの、「アンジェロリバース」は、アンジェロがバトル中に乱入し、戦闘不能キャラへとフェニックスの尾を使ってくれる。リノア参戦時しか発動しないが、対象はリノア以外もありうる。また、戦闘不能になった瞬間に発動することもあるため、できるかどうかは別として、ラスボスの例のアレを初期レベル+無敵なしという極限条件で抜けられる、唯一の技としても知られている。なお、ジャンクションなしでは、戦闘中の蘇生が行える唯一の手段であり、ポーションを使う「アンジェロリカバー」と異なりデメリットも無いため、基本的には即取得となるだろう。本プレイでは、乱入型はどうしようか…。斬鉄剣でバッサバッサというのもアレだし、やっぱり、入力コマンドと同じで、各ディスク1回という扱いにしようかなあ。
ちなみに。世界観的には、犬はアンジェロしか存在しないというわけではなく、例えばドールにも住んでいたり、DISC2のバラム封鎖イベントで出番があったりする。「ペット通信」なる雑誌が存在することから、恐らく、あの世界では、我々の知っている動物とは異なる、魔法的な力を持った存在として考えられているのだろう。そう言えば、前述の2体も、ただの背景ではない、ちゃんとした役割が存在する。あれだ、我々の世界でいう「魔女の使い魔は黒猫」みたいに、あちらの世界だと犬を飼うのがブームなのかもしれない。
さて、この町の雰囲気としては、ガルバディア支配下の街ということで、かなりシビアな雰囲気が展開されていてもおかしくない。実際、18年前のガルバディア侵攻時(ちょうどラグナ編1と同じ時期)には、既に「森のフクロウ」を結成していたワッツとゾーンの親が銃殺され、わざわざデリングがトドメを刺しに来たという。それなのに、その息子たちは遊んでいるようにしか見えないが、この辺りの矛盾は、珍しく作中でも指摘されている。放送局の前で、選択肢を拒否しても指摘させられるので、再プレイの際は注目してほしい。
――それはそうと、実際の作中では、それほど抑圧されていないようにも見える。町中に敵としてガルバディア兵が出るというくらいであり、当の住民は、ユーモアに溢れた人が多い。町中には野良猫が歩き回っているし、話の長い編集長や、へそくりを取られて拗ねる老人、列車の跳ね橋で遊ぶ危険な子供に、今年に入ってから15人にフラれているという強すぎる女性など、愉快なNPCが目白押しだ。豆知識だが、FF8の町はあまり多くなく、特にDISC2以降はF.H.とエスタくらいしか存在しない。町の探索は、DISC1ならではの魅力ということで、あちこち歩き回っておこう。
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従来の縛りと違い、キスティスやリノアも低レベルのほうが楽になる…はず |
さて。ティンバーでは、物語上の強制戦闘として、酒場の前で、「ガルバディア兵×2」と戦闘になる。何ということの無い敵であるが、経験値を持っているため、計画的なプレイであれば、倒し方を工夫したい。兵士ということで、「カード」は無効であり、「たべる」もまだ使えない(※ガルバディア兵は食べられる)ため、「ブレイク」による石化が一択だ。入手は、G.F.ディアボロスにAP30を取得させ、「ST魔法精製」から作るのが良いだろう。
…いっぽうで、ジャンクションなしプレイだと、セルフィの「スロット」で発動させることになる。そもそもの登場率自体が低いのだが、本プレイ特有の難点もあって、それが敵の攻撃だ。通常のジャンクション封印攻略ならば、ブレイクよりも遥かに出やすい「ブライン」や「サイレス」を使い、まず敵の攻撃から縛っていくと楽になる。ところが、今回プレイでは、ブラインは既にディアボロス戦で使用済みであり、サイレスも、たぶん無いと思うが、この後の戦いで使う可能性があり、節約しなければならない。さらに、バトルメンバーについては、スコール・セルフィ・リノアの3人である。スコールとリノアは固定であるうえ(ちなみに、メンバーチェンジは、誘拐作戦終了時に一度だけ行え、町中では不可能である)、リノアは生かしておくと「アンジェロラッシュ」で勝手に攻撃してしまう可能性があるため、盾としても使えない。
――かくして、本バトルでは、スコールとセルフィだけで、時間稼ぎのためのコマンド入力もできない中(連続剣は相手にダメージを与えてしまうので駄目)、セルフィが死ぬより早く「ブレイク」を発動させるという戦いになるのだ。というわけで、だいぶ塩味の濃い戦いであった。ちなみに、いざ「ブレイク」を出せたとしても、それが敵に均等に掛かるか、そして1回で成功するかという問題もあるが、実戦では、運良く「ブレイク×2」での一発勝利ができた。
ちなみに。やり直しをする場合、セーブポイントは、ティンバーのホテルにあり、少し遠いが、セイレーンの「隠しポイント発見」を付けていると、それよりはほんの僅かだけ近くの、駅からの再開が可能だ。なお、ドローポイント(見えていなくても利用できる)とは異なり、隠しセーブポイントは、「隠しポイント発見」を装備していなければ利用できないことで知られている。なお、本プレイでは、通しでのジャンクションなしにはこだわっておらず、微妙なところであるが、「隠しポイント発見」によるセーブポイント利用は許可したい。アルテマウエポン戦が楽になるね!
倒さないのが一番楽です。
さて。物語としては、テレビ局へ向かうと、シナリオが進行する。物語の各要素としては、「大文字と小文字が乱雑になっているだけで、ただの英文な妨害電波」に、上でも書いたが「強制的にスコールへ愚痴らせるリノア」、「やたらとかっこいいガルバディア国歌をバックに、政治家らしい喋り方をするデリング」、「額面通りの平和宣言と捉えてしまうセルフィ(かわいい)」、そして「サイファー乱入後に『ガーデン』と口にしてしまって激しく後悔するゼル(このせいでバラムガーデンにミサイルが撃ち込まれとも考えられる)」など、自分が10代の頃には理解できなかったシーンが目白押しだ。
…ちなみに演説の内容は、“魔女を使って世界と対話する”=政治的圧力を掛けるという意味である。その「大使」である魔女イデアを見せびらかすのが、まさしくゲーム冒頭でドールの電波塔を狙った理由でもあった。間違っても純粋な平和宣言ではない。長い期間の後に再プレイをする人は、そのような細かい点についても、当時との受け取り方の違いを味わってみよう。
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ス「サイファーが壊したことにするか…」 |
そうしてティンバー編が終わると、次は列車でガルバディアガーデンへ向かうことになる。なお、徒歩で外に出ることも可能だが、「駅の前でゾーンがキスティスにチケットを渡すシーンを見たあと、目の前の駅に入らず、門まで行く」という遠回りが必要になるうえ、門を出ると同時に列車も出発してしまい、車内での会話シーンが無くなってしまう。徒歩側の追加シーンも無いということで、わざわざ選ぶ必要は無いだろう。
…そして、外では「学園東駅」で降りる必要がある。駅は2つしかなく、最初の駅で降りれば良い。また、もし下車に失敗したところで、「スタンド・バイ・ミー」風に、線路の上を歩いて戻れば、雑魚戦は発生しない。ここでの問題は、むしろ「【駅の西にある森】を超える」のほうであろう。マジで何でもないただの森であるため、初回プレイでは、迷ってトンチンカンな方向に進んでしまったことを覚えている。まあ「学園東」=「ガルバディアガーデンの東にある駅」=「そこから西に進め」と言われれば、その通りなのであるが。
――それはそうと、「学園東駅」を超えた先は、「ドール駅」という名前である。ここで、物語冒頭にSeeD実地試験が行われたドールの町へと、再訪ができる。なお、“実地試験の翌日が初任務への出発”であり、あの戦闘から最短で1日、途中に描写されない夜があったとして、1週間も経っていなさそうだが、町はすっかり復興を遂げている。壊されることに慣れているのだろう。
さて。ここも寄り道ポイントらしく、様々なイベントが用意されている。まずは、カード関連だ。本日の日誌の冒頭でも少し触れたが、クイーンに、コモーグリを渡してバラム
→ ドールと移動させたので、「アーティストの父の話し」を選択すれば、キロスのカードがデリングシティへと流通する。その後は、謎に別室に案内されるパブのオーナーから「セイレーンのカード」を奪い、絵描きの孫から「コモーグリのカード」を奪い返したあと、クイーンの元に戻り、適当なレアカードを渡して、今度はガルバディア(デリングシティ)へと出荷をする。これで、カード面でやるべきことは終わりだ。
――ちなみに、ドールには、初期ルールとして、悪名高きランダムハンドが存在する。今回は、「呪いの爪×100」→「ダークマター」狙いで、低レベルカードを100枚などと集めており、レアカードが選出される確率は激渋に思える。だが、実査には、それなりの確率で選択されてくれることから、恐らくは、持っている枚数に関わらず、まず「カードの種類」を参照してランダム選出されるということなのだろう。
その他、例によって、ドールには、寄り道ならではの楽しさもあるので、そこも抑えておく。まずは、雑誌系のアイテムとして、2冊の「ティンバー・マニアックス」(パブ2階、ホテル客室)が存在するほか、パブのオーナーの個室で本の山を調べると、1/32の確率で「オカルトファンU」が手に入る(1回だけ)。なお、1回の訪問につき3個までアイテムが拾えるが、部屋から出れば、オカルトファン以外のアイテムは復活するため、「フェニックスの尾」の稼ぎなどに使えないこともない。
…また、電波塔のほうの道は、まずドール兵が警備しているのだが、2回近づくと、そこを超えることができる。その後、結局は電波塔まで辿り着けないものの、かつてボスとして登場したX-ATM092のコミカルな姿が見られたり、DISC1〜3の範囲で、時期と回数を問わずにガルバディア兵&エリート兵と戦闘できるので、「たべる」に使えるという用途があったりする。
――その他、1370000ギルもの修理費を請求されるSeeDたち(Aランク給料で46回ぶん)、「俺が…… おじちゃん……」、画家の孫の宝探し、SeeD派遣要請で増税の心配をしている老人や、X-ATM092にムービーで踏まれた車のその後、変な口癖のホテルマン、「あのさぁ…」なパブの美女など、当時のFFが持っていたコミカルな世界観が目白押しだ。2周目以降のFF8では、是非、足早にガルバディアガーデンへと進まず、枝葉の部分を楽しんでみよう。
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次はリノアのうざ絡みから |
というわけで。今回の日誌は、これで終了である。初任務のラグナ編1から、時間制限イベントとナムタル・ウトク戦を経て、ティンバーから脱出する。それだけの内容であり、その気になれば1段落くらいでまとめられそうだ。だが、せっかく今の時代にFF8をやっているというのに、そんなあっさりした遊び方をしては勿体ないというものである。
――そういうわけで。このあたりから、DISC1も終盤と言える感じになってくるが、まあ、これまでのペースからして、残り1話で終わるわけがなく、あと2話が必要となるだろう。これまで、図らずとも1ヶ月に1回のペースになってきたが、とりあえず、年内にDISC1くらいは終わらせたいな…!
(2025年11月23日)
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