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オクトパストラベラートレサ編 ノーセーブノーダメージクリアプレイ日誌
不思議と心は澄み切っていた。
1点の曇りもなく、ただ無心で画面を見つめる。
机上の理論を実践に移す時が来た。
証明となるか、空論となるか。
その真偽は誰も知らない―――
厨二っぽい書き出しとなったが、いよいよ「ノーリトライ・ノーダメージクリア」の実戦編である。
最初から最後までノンストップという意味では「一発勝負」だが、相当数のやり直しが見込まれるという意味では、複雑な思いがある。
集中力は高めつつも、何度かやり直すことが前提という覚悟を持ちつつ、実戦に臨んだ。
なお、通しプレイの模様はゆっくり解説動画にしている。
折角の成果物、解説を入れ、多くの方に理解してもらえるようにと思って作成した。
通しで5時間のプレイを、一部加速して2時間の動画にまとめたので、お時間のある方はご覧いただけると嬉しい。
ただし、ゆっくり解説動画の作成は人生初の試みであったため、心苦しいながら、レイアウトがダサい、見づらい等の難点がある。
寛大な心持ちで、ご容赦いただけると大変有難い。
1.無限回廊〜終わらない1章〜
動画には成功時のプレイしか入っていないが、その裏には多くの失敗があった。
撮り始めて2時間、リセットに次ぐリセットで、1章すらも突破できずに辟易していた。
「3回に1回は突破できる」と豪語したのは、誰なのだろうか。
・Take1
マイヤ洞窟への道で複数エンカに遭遇。
「山賊よび」で一撃だが、まだ傭兵よびを覚えるJPが貯まっておらず、やむなく逃走を選択。
結果、
Take1は洞窟にすらたどり着けず、開始3分で終了となった。
・Take2
タイトルと矛盾するが、2回目にしてミック&マック撃破まで進めた。
問題は、動画だと15分45秒、海隠れの岩窟で歩いてリーフ稼ぎをしようとした時に起こった。
入口付近を歩き、短時間で出入りするだけなので、エンカすることなくリーフを稼げる、はずだった。
何故エンカしたし!???
テストプレイで10回以上走り、エンカせずに済んだ区間だったが、本番でまさかのエンカウント。
不意打ちはされなかったが、一撃で倒す手段はなく、逃走を試みるも、危険度45の壁に跳ね返されて撃沈。
単なる失敗以上に、テストプレイの前提が覆されたという恐怖が、私を襲い始めていた。
・Take3〜10
想定外の事故で狂った歯車は戻らない。
3回に1回突破できる区間で、10回もの足止めを受ける羽目になった。
その失敗の数々をご覧いただこう。
不意打ち(Take3,6,7,8,10)
ミック&マック撃破失敗(Take4,9)
複数出現&逃げ失敗(Take5)
ただ、頭を抱えるしかなかった。
2章にすら進めない。始まりすらしないやり込みに、途方に暮れるほか無かった。
2.再起(Take11)
不意打ちを受けることなくJPを稼ぎ、ミック&マック戦までたどり着いた。
Take4,9の失敗が蘇る。
どこかの日誌で75%勝てると書いた。テストプレイでは実際に75%勝った。
だが、そんなことはどうでも良い位、私には絶望感が立ち込めていた。
そして実戦、踊り子を呼んだ―――
まただ。
また終わった。
クリティカルが出ずに撃破失敗。
もう、日を改めてやり直そう。
カメラを切ろうとした瞬間、トレサが敵の攻撃を回避した。
初めてのことだった。
回避上昇の装備無しで、ボスの攻撃を躱すなんて。
慌てて画面を見返すと、敵の様子がおかしいことに気付いた。
「・・・暗闇か!」
踊り子よびの追加効果が発動していた。
追加効果の存在は知っていたが、テストプレイのミック&マック戦では発動していなかったため、完全に存在を忘却していた。
トレサは見事、マックの攻撃を2発回避。
トレサにターンが回り、風よびでマックを撃破した。
撃破後、シナリオ進行の操作を難なくこなしているようでも、頭は茫然としていた。
ただ、度重なる練習で覚え込ませた体が動いているだけだ。
10回の足止めから、急転直下の逆転勝利。
未知の展開を前に動揺を隠せないが、徐々に平静を取り戻す。
Take2で失敗した海隠れの岩窟も、出入りまでの間隔を短縮して対応し、事なきを得た。
早く学者を取得したい、早くエンカ半減で安心したい。
逸る気持ちに対し、道中ではまた想定外の事態が起こった。
"Who are you?"
危険度1の道すがら、見慣れぬ敵が出現した。
この敵にはこの攻撃でブレイク・・・といった事前の記憶がショートを起こす。
数秒置き、通常プレイ時の記憶が呼び起こされ、敵の名称を確認することで、ようやく合点がいった。
その名はキャットリン。
このゲームに詳しくない方も、以下の特徴を見れば、他のゲームの似た存在を想起されることだろう。
・出現率が低い
・最大HPは1桁だが、防御と回避が高く、なかなかダメージが通らない
・よく逃げる
・経験値がオイシイ
ドラクエのメタスラ的存在が、このキャットリンである。
エンカ半減で大半の路上エンカをカットする本プレイでは、出会うことを想定していなかった。
テストプレイでは一度も遭遇せず、通常プレイ以来のエンカウントであった。
どう倒すべきか、防御と回避の高い、鉄壁の敵への対処を決めあぐねていたが、撮影中という焦りがあったのか、はたまた何かが吹っ切れたのか、残金を見て「踊り子よび」に勝負を託した。
2発の攻撃のうち、片方は回避されたものの、もう片方が命中し、何とか撃破。
今日は何かがおかしい。
キャットリンを倒せた幸運よりも、何が起こるか分からないという漠然な不安の方が大きかった。
学者までもう一歩、西ノーブルコート平原では運悪くエンカするも、不意打ちは取られず、神官よびで一撃必殺。
キャットリンのお陰でテストプレイ以上にトレサが成長しており、不意打ちされる確率が下がっているのかもしれない。
以降のブックマーク歩行では、一度もエンカウントすることなく、動画では29分23秒より、浄化の森のリーフ稼ぎに突入。
(ただの)ノーダメージクリアでは1時間半だったが、今回は2時間半歩いた。
前話で書いた通り、7人全員(※)を仲間にするため、1章をクリアする人数が増えるなど、チャートの見直しで出費が増えたのだ。
(※)Octo=8つの/Path=道
想定外続きの興奮を抑え、無心に戻るには良い機会だったかもしれないが、やっぱり面倒。
稼ぎ後で失敗したらまた稼ぐのかと思うと、憂鬱でしかなかった。
稼いだら(2時間半を4文字に凝縮)、買い物をして、6人の1章をこなして仲間を集め、トレサ2章に臨んだ。
3.1%のひらめきと、25%の回避
前話で書いた、「不意打ち回避」と「行動速度+50」目的のJP稼ぎは、途中加速しつつ動画1時間10分〜1時間20分の区間に収められている。
途中で不意打ちを受けることなく、無事完遂できた。
残るリセットポイントは、2章ボスと4章ボスの2戦のみ。
とはいえ両方突破できる確率は約3分の1。
多少のやり直しは覚悟していたが、可能なら一発突破したい。
勝利条件は「3人先制」。装備で可能な限り速度を高め、後は天に任せると決め、ボス部屋に恐る恐る踏み込んだ。
た、の、ん、だ、ぞ、、、
(動画1時間42分10秒)
テリオン、オリベルク、お前ら・・・
茫然自失の様子が動画にも表れている。
ねへほもん、固まって動かない
過去の4時間半が走馬灯のように蘇る。
そうか、また繰り返されるのか。
私は何リーフ稼いだら、ゴールに至れるのだろうか。
だが、不思議と苛立ちや落胆といった感情はなかった。
ただただ「無」が広がるのみ。
いや、ほんの僅かな期待感があったのかもしれない。
テストプレイでは試していない、JP稼ぎの段階で思い付いたセカンドプランを、ぶっつけ本番で試すこととした。
プリムロゼ「古兵よび」
配下兵を一掃する動き。これは予定通り。
トレサ「緊急回避」
かばうも挑発も使わない、単発の緊急回避。
戦術と呼ぶのもおこがましい、ただのギャンブルであった。
「1ターン目のオマールの攻撃がトレサに来れば回避して勝ち。他に来れば負け。」
作戦立案段階の冷静な脳では、4時間半経過時点で、25%の賭けをチャートに組み込む発想は浮かばなかった。
数々の不測の事態を乗り越え、単調なリーフ稼ぎを経て、不意打ちのプレッシャーに晒されながらJP稼ぎを行った、特殊な精神状態にあったからこそ、僅かな可能性を掴むセカンドプランを閃いたのかもしれない。
まさか、すぐに実行に移す時が訪れようとは、
そして、
まさか、本当にトレサが回避しようとは、思わなかった。
4.完遂
3章ボスは確殺。何も問題ない。
「ねんちゃく糸」の習得を忘れたことなど、ほんの些細なことだ。
あぁ、2章の衝撃的な勝利でネジが抜け落ちたのだろうか。今思い出しても自分に腹が立つ。
本プレイ、動きがぎこちなくなる局面は何度かあったものの、RTAでない以上、動画の見栄えが悪くなる以上の問題はない。
しかし、アビリティの習得を忘れるという行為は、やり込みの成功率に大きく響くミスであるため、猛省せねばなるまい。
まぁ、テストプレイで全勝、元々99%の勝利が保証されているボスだ。多少ミスで勝率が下がったところで、結果には響かなかったのだが。
そして4章。最後のボスが迫る。
予定通り、最大HPの低い仲間3人に入れ替えた。
装備、アビリティ習得、サポートアビリティのセットを何度も見直した。
思い残すことは無い。
緊張しても仕方ない。やることは、2つしか無いのだから。
・トレサが先攻を取る
・チャート通りに動く
5時間がフイになる未来も十分にあり得るとしても、進むしかない。
最後の祈りを捧げた―――
勝利が、そして、本攻略の成功が約束された瞬間であった。
トレサが先攻した。
だが、不思議と喜びの感情は湧き上がらない。
過去の経験から、「好事魔多し」という言葉が自分に染み付いていたのだろう。
全ての行動は固定されているが、1つでも間違えれば敗北に繋がる。
慎重に、そして慎重に、コマンドを選択していった。
とはいえ、さすがの私も、この瞬間を見るとガッツポーズを浮かべずに居られなかった。
5連撃回避。
テストプレイで幾度となく見た光景も、本番で見た喜びは格別であった。
この全弾回避のために、本攻略のチャートが組立てられたと言っても過言ではない。
全ての努力が無事、結実したのであった。
後はエスメラルダを2度目のブレイクに入れ、計4回の古兵を使用し、勝ち切った。
5.感想戦
落ち着いて、完走した感想を考えると、ただ恥ずかしい限りであった。
3章ボスのプレミもそうだが、2章ボス戦は作戦構築の時点で、まだ改善の余地があったとは。
25%の回避作戦に気付き、すぐに実行に移す機会が来ようとは思いもしなかった。
更に事後検討すると、かばう+緊急回避作戦を2章に持ち込む案もあったかもしれない。
トレサ&プリムロゼの2人を商人役として、他に2人低レベルキャラを持ち込むという作戦である。
2章ボスは1ターン目に誰かの先攻が確定しているので、商人役の素早さを上げておけば、どちらかが先にで緊急回避×2を使えるはず。
もう一方の商人も素早いはずなので、ある程度の早さで行動順が回り、古兵よびを使用。
敵は3体だが、2回分の緊急回避で何とか足りるはずだ。
これなら勝利条件は、今まで通りの「3人先攻」に加え、「緊急回避×2で凌ぎ切る」というパターンも生まれる。
低レベルキャラしか瀕死状態に出来ず、緊急回避が無い方の商人はかばえないため、4分の1の確率で緊急回避できない場合があるものの、相当勝率は上がるはずだ。
ただし、2章ボスまでの道中で最大2回のエンカウントがあるため、そのエンカウントで多少レベルが上がっても、「HP30%以下」を保てるかは計算が必要だ。
低レベルキャラが2章でレベルが上がり過ぎると、4章のかばわれる役が足りなくなるため、この作戦の実行は大変かもしれない。
「7人全員回収」というネタの裏に、未回収のハンイットが居るため、2章の低レベルキャラはハンイット1人とし、4章は今回同様アーフェン、サイラス、オフィーリアとする案もあるだろう。
まぁ、粗い作戦だろうと、クリアできたから試さないが。
6.SPECIAL THANKS
という訳で、この「ノーリトライノーダメージクリア」は成功裡に幕を閉じました。
完遂できて良かった!!!
準備段階では、いかに美しい作戦を・・・みたいに考えますが、終われば結果オーライで全てが片付くんですよね。
発売して2年と、歴史の浅いゲームのため、基本は自作で組み立てたやり込みではありますが、それでも感謝している先人の方がいらっしゃるので、(勝手に)御礼申し上げます。
・かたショ様(C:SaGa
-やり込み攻略譚)
自粛期間中、暇になり庭をネットサーフィンしていると辿り着きました。
ゲームは別ながら、「ノーセーブノーダメージ」という文字の羅列を見て、自分もプレイしたくなりました。
作戦段階で(最序盤以外)勝率100%、本番は実行するのみという境地には至れなかったので、いつか機会があれば、別のゲームで挑戦したいです。
・RTA in
Japan様
RTA動画から、ノーダメージクリア、できるかも?と可能性を感じました。
1章で海賊が寝ている映像や、古兵連打で葬り去られるボスを見ていると、ついプレイしたくなりました。
・MS-06様(ティアサガノーセーブノーダメージ)
昔から繰り返し読んだ攻略レポートで、読むたび狂気を感じます。
ノーセーブノーダメージの苦行ぶりを知っていたからこそ、本番で慎重になれたし、そもそも身の丈通り、計5時間程度で終わる攻略範囲を選べたのだと思います。
最終戦の「初期レベルの主人公を盾にする」という作戦は、今回のかばう戦法に通じる面があり、密かに着想を得ていたのかもしれません。
・つる様
毎度執筆の場を与えていただき、ありがとうございます。
次は極力FFで書きます。
・読者の皆様
お読みいただき、時々コメントをいただけ、非常に励みになりました。
次回作を書く機会がございましたら、その際も宜しくお願い致します。
では、本やり込みはこれで以上です。
ねへほもん先生の新作に、ご期待ください!(完)
(2020年6月21日) 557 PV
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