過去

  

君が誰のものであったかなんて、
僕は気にしない。
過去なんて、誰にでも一つや二つはあるものさ。
僕は、今の君が好きなんだ。
それで、いいじゃぁないか。
・・・・・・・・そう、思っていた。
でも、君が僕のものになってからは、
君に会う度に、君にふれる度に、
夜ごと、君を抱く度に、
僕の中で過去の影が、大きくなっていった。
  君は、僕以外のヤツと愛しあっていたんだ・・・
いや、それは過去の事。今は僕だけだ。
でも、
君の髪にふれたヤツがいたんだ。
君の手に、唇に・・・・・・
君の、今にも折れてしまいそうな、そのからだに・・・
君の、弱く、今にも消えてしまいそうな、その、声に
    僕は、やりきれない思いにさいなまれる。
    今は僕のものなのに。
    過去なんて気にしないと言ったのは、この僕なのに。
    もう、君を 愛せない・・・・・・・・・・

  

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