MEMEのことども 21〜30
02/7/11 (30) 【 車中ウォッチング 】 暑い!台風一過の今日は今年一番の暑さらしい。 今日は上野の奏楽堂でのコンサートにお出かけ。 このところまたまたご成長遊ばした我がお腹が邪魔をして、着るお洋服がない・・・。 何とか辻褄を合わせて身体を押し込み、夕方の電車に乗り込む。 やっこら座って前の方に目が・・・。 いつもの「人物ウォッチング」が始まる。 50歳前後とオボシキご婦人。スカートが・・ありゃりゃ・・凄い!三段になっているティヤードの各段に共布の小さなギャザーフリルが縫い付けてある。 ギャザギャザフリフリフリ・・・。 ちょっとぉ!そんなに可愛いスカートを履いているのなら、膝くらい付けて座ってくださいよぉ! 膝下ストッキングが食い込んでいるのが丸見え。 しかも、足先をチョンと重ねているものだから、ナニのラインが「菱形」。 視線を上に持って行くと、まぁ素敵なブラウス! 茶の皺加工の涼しげな生地。大きな薔薇の模様の部分がシースルーに。 だが待てよ・・。襟元から裾までフリフリ、七分の袖口にもフリフリ、これじゃぁ、上下合わせて「フリフリ6重奏曲」だ。 目をまた上に・・・。 まぁ!素敵な帽子! オーガンジーの涼しげな材質。右に大きな共布のブーケが可愛い。 だけどぉぉ!ツバを下に下げて被ってくださいよぉぉ! 波打つ半透明のツバに顔を半分隠し、ものうい表情で一点を見つめる美女・・・というシチュエーションで被るような帽子でしょうがぁ・・・。 それを、むりやり反対に上に撥ね上げるなんて・・・。 きっとこの蒸し暑さに、目の前で揺れるツバが鬱陶しかったのね。。 台風からやっと開放されたんですものね。分かる分かる・・。 (じゃ、そんな帽子を被って出かけなければいいのに・・) これじゃぁなぁ・・。【ナポレオンハット】だよな・・。 それに、50にもなったら、黒いゴム紐は顎にかけないでくださいよぉぉ! 小太りの顎に食い込んでいるでしょうがぁぁ! 手に持っているバッグもナニやら高級そう。 この方はきっと出かける時、上から下まで「茶色」に統一して、「完璧!」と鏡の前でニンマリ、ウィンクなどしてたかも。 お顔立ちといい、お洋服の高級さといい、材質の涼しげな選択といい、どれをとっても完璧なのに、総合すると笑っちゃうイメージが・・・。 人のことは言えない・・・。私だってウォッチングされているかも・・。 それにしても車中人物ウォッチングは、♪♪ 「やめられない ♪ 止まらない ♪ カッパエビセン!」 ♪♪
02/7/5 (29) 【人は見かけに・・・】 電車がある駅に到着すると、わいわいと人の波が吸い込まれてくる。 昼下がり、買い物帰りの人だろうか三々五々それなりの位置へ・・・。 私の隣に座った二人連れ。 男性はW杯の審判長のようなおつむ。それに、白地にグリーンの民族柄の長目のシャツ姿。 女性は・・紫色の華やかなシャツに白いパンツ。 頃は45歳前後? 透けるつばのある帽子の女性。お二人とも黒々としたサングラス。 そう・・・。ここまで書けばお察しのように、どうみても「○○組」に所属しているあねさんとだんな風。 なにやら楽しそうに会話が途切れない。 と・・。ある駅に近づくと、審判長がツと立ち上がり、手を差し伸べた。 きらり光る白い歯。やさしさと愛しさを瞳にほのともして、「さぁ・・」と右手を差し出して促す。 見ると、反対の手に涼しげな可愛いバッグを下げている。しかも、紫のスカーフがひらり結んであるもの・・・。 うれしそうに差し出された手につかまり、「よっこらしょ!」と立ち上がる紫おばさん。 私より素晴らしい(?)体躯。 ころころと審判長の手につかまりながらホームに消えて行った。 手を差し出した時の審判長の微笑みと、愛溢れるまなざし・・・。(あ、この時はサングラスを取っていたのね) それに呼応して、うれしさを巨体に滲み出しながら付いていった紫おばさん。 いいなぁ・・・いいなぁ・・・。 最初の「おわっ」という姿勢が、自分で恥ずかしくなったことでした。 それにしても、私って、電車の中の事ばっかり書くのね!(~_~;)
12/7/5 (28) 【おっぱい】 コンサートに出かけるのに、着ていく服が無い・・・。 お腹のあたりがみんな「パツパツ」。 あれやこれや出してみるが、いかんせんこの所全然自分の服を作る時間が無かった・・・。 自作自演をモットーに今まで生きてきたので、既製服を買う事に抵抗がある私。 (というか・・・。合うサイズがないっ!(-_-;)) またまた間際の「幅だし作戦」開始! ダブルの前合わせのボタンを微妙にずらし、ウェストダーツを少しずつ内方に縫い直し。 ほっ・・・。これで巨大なウェストが何とか収まる・・・。 こうして自分で何とかしてしまえるのが「仇」なんだよなぁ! 思い切った素敵な洋服を買えない自分。(-_-;) 取り敢えず髪も整え、ばっちりお化粧もし、「幅だし服」を着て電車の中の人に。 そこでつらつら考えた。 そもそもこのすさまじい巨体(主人や友達は、「気にするほどじゃないわよぉぉ」って言ってくれる。でも、自分が一番良くしっている・・・鏡の中の失神しそうな私)になったきっかけはなんじゃろ??と。 結婚した時は160cmの「40kg台」。 まあまあのスタイルだったと自認!(?) 長男を出産して「+5kg」、次男を出産して「+5kg」。 これには悲しい親心が・・・。しくしく・・・。 当時から、バストはバッチリ有った私。 授乳は「ほいさ!お任せ!」と軽く考えていたのに、いざ新米ママになった時、思わぬ事態が・・・。 なかなか上手くいかない。 姑が気使ってくれて、おっぱいの出るような物を次々食べさせてくれるが、ただただ私の血となり肉と化していく・・・。 しっかり自分のものにしてしまった(したくなかった)授乳期。 後で分かったこと。「私の乳首が小さすぎた・・・」 小豆粒程の小さい乳首は吸いにくかっただろう・・・と。 怪獣伝の最初の原因が「小さな乳首」とは・・・。(・・;) それからの「ご成長」は、ここで語りたくない程・・・。 後に身に纏った「15kg」は、少なくともおっぱいには責任がない・・・。(・・;) その辺の言い訳はまた後日・・・。 結婚時の体重から、25kgの俵を背中に背負って生活していることになる。 なんともご苦労さん!ご苦労さん! (・・;) この際、「内分泌腫瘍の手術で、脂肪代謝が上手くいかないのだぁ!!」などと弁解はよそう・・・。 (しっかり弁解している!)
02/7/5 (27) 【生まれ変わっても・・・】 ある週末の、窓から春の兆しを含んだ光がキラキラ遊んでいる穏やかな朝。 トーストにサラダ、ヨーグルトにコーヒー、それに、バナナを添えてゆっくりした朝食。 何だか、満たされた気分。 「ねぇ、私達って幸せな結婚だったよね。」 思わず感傷的になって口ずさんだ私。 「うん」と主人。 お調子に乗った私、「生まれ変わってもまた同じ生活を一緒にしようね〜っ!」 「・・・・・・」 ありゃぁ?この「間」は何じゃ! 「う〜ん・・・。」 と主人。 はぁ? この「〜」は予期せぬ事だったので、ちょっとうろたえる私。 「そうだね!」という返事が、当然すぐに返ってくると思っていたのに・・・。(・・;) 「もう少しゆったり過ごしたいね!」・・・。 (゚.゚)うっ・・。 わん!こりゃ参った! いつも「ママが一生懸命何かに取り掛かっているのを応援するのが僕の喜び!」みたいなことを言ってくれていたのに・・・。 ほんの出来心で軽く言った「生まれ変わっても・・・」発言なのだから、「うん、そうしよう!そうしよう!」でいいじゃないさぁ! そんなに真剣にならなくてもぉ! 私だって次の瞬間には「だ〜れが!」という気にならないとも限らないのにぃ! 結婚以来の色々な出来事が走馬灯のように頭を駆け巡る・・・。 姑・小姑(5人!)のわんさかいる家に新婚から同居して、10人家族に揉まれたけなげな(?)私。 一緒になってからの40年が一瞬に蘇る。 アノ時の事!この時の事・・・。 決して全てが上手く行った訳でもない越し方・・・。 でも、手を取り合い頑張って来たじゃないぃ〜〜。 もうしらない! (-_-;) これは私の心の中の会話。 一瞬の動揺の間も、穏やかな春の光が窓で踊っている・・・。 「そうね。じゃ、そうしよう!」 これで二人の会話は終わり。 ほ〜ら・・。やっぱり私って良い奥さんでしょうがぁぁ! あれれ、ちょっと的が外れてた・・・。 「もうちょっとのんびりこんと」生活するなら「OK!」という意味だったのね。 でもさ! 結婚する時上司に報告に行ったら(職場結婚)、「彼女のような【ジャジャ馬(!)】を乗りこなせますか?」と聞かれて「勿論大丈夫です!」と見栄を切ったとききましたよ! アノ時覚悟を決めたんじゃなかったの? それにしても上司殿!何故に私を「ジャジャ馬!」と! 信じられない!(-_-;) そういえば某銀行に勤めていた独身時代は、「お茶」「お花」「お琴」「書道」「絵」と、一週間をフル活用。 男性とのお付き合いなど「暇がありません!」だったなぁ・・・。 その隙間に入り込んできた主人は確かに凄い! 結婚してからの私は、二人の息子を育てながら、主人の姑・小姑・弟嫁たちのお洋服を一手に引き受けて頑張ったじょ! (それが現在のドレス製作の基礎) なにもかも手作りで育てた我が家の幸せ。 貴方の整髪も40年してあげたでしょうが・・・。 ぐちぐちぐち・・・。 「ジャジャ馬」をメトッタ貴方が悪い! (-_-;) ・・・。 あれ?やっぱり私の不利! 来世は「大和なでしこ」を・・・と思われても仕方ない・・・。 とつ・おいつ・心の中は右往左往。 数日後その話題に触れたら、「何?それ・・・」だって。 きまぐれな気分で何となくの返答だったよう・・・。 そうよね!そうよね!当たり前よね。 「貴方はわたしのもの」。 それにしても、こんなにナイーブな内気な私を、どうして「ジャジャ馬」なんて言ったのさ!上司どの! 40年前の事を思い出して、心の中で「リベンジ」している私。 やれやれ・・・。
02/5/13 (26) 【ルーズストッキング】 わいわいがやがやと電車の扉あたりにさざめいていた高校生の一団。 松戸でさっと人が降りて座席が空いたので、私の向かいの席に3人座る。 今流行りの「小顔」のかわいこちゃん達。 ミニの襞スカートの足を広げて、うっ・・・ばか!見えるだろうが・・・。 目が合ったら教えてあげようとMEMEおば(あ)さんはじっと彼女の顔をみているが、全然気が付いてくれない。 私の隣にはうら若き男性が・・・。 慌ててちらりとみると、「わたしゃ見えてません」とばかりに下を向いている。 もう! 普段パンツ姿が多い為、足を広げて座る事に何の抵抗も無くなっているのだろうか・・・。 いやん!また見えてる・・・。もう! はらはらどきどきしていると、中の一人が何やらカバンの中からびろ〜ん!と白いものを取り出した! なに?これ! 白いなが〜い物体2本。 1メーター以上もあるかと思う靴下だ! これがあの「ルーズソックス」というものの使用前の姿か・・・。 と・・・。 今まで履いていたハイソックスを脱いで、その「殿中でござる」のようななが〜いソックスに履き替え始めた。 わっ! またまた凄すぎる・・・。目のやり場がない風景がそこに出現したのであった! もう!どうしてくれよう・・・。 目にリキを入れて念力をだしているMEMEには全然気付かず・・。 隣のわかもんは?・・・と盗み見をする。 あ、本を取り出して読み始めた・・・。 もう片方も同じように履き出す。 ひぇ!またまたちらちらと・・・。ばか! なが〜い靴下を襞襞にして膝から下に収めると、あんな物体がちゃんと見慣れた「ルーズソックス」に変身するのも見事だ。 (感心しているばやいか!) となりの若もんは・・・? 一層深ぶかと本に顔を擦り付けて・・・。 一通リの履き替えが終わったところで柏駅に。 何事も無かったように高校生達はさざめきながら「靴下の女」と共にホームに降り立って行った。 ほ〜〜っ・・・。 隣の若もんと共に、深いため息をついたことでした! やれやれ、イマドキの高校生は・・・。ふぅ・・・。 MEMEおば(あ)の命が1年3ヶ月縮まった出来事でした。
02/4/16 (25) 【ほんまもん】についての考察 朝の連ドラ「ほんまもん」が終了し、新しく「さくら」が放映され始めた。 「ほんまもん」の時は、「そんな馬鹿なぁ・・・」という話の展開に毎日あきれていたが、それでもその時間になると、いそいそとテレビの前に。 今までの歴代の「朝ドラ」の話の展開にも、いつも大きな疑問を抱きながらやっぱり欠かさず見ている私って・・・。(^_-) 「ほんまもん」を見ていないと分からない事だが、ちょっと考察(!?)してみよう。 疑問点を述べよ(思いつくまま順不同) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 >まず、主人公の「ほんまもん」の「舌」を持っていることへの自信は何処からきているのか? >しいたけ作りで生計を立てていた父親が、いきなり店を持てるようになる不思議。 >いくら立派な「舌」を持っていたとしても、熊野の山の生活をしていた父親に凝った料理は、そんなに簡単に作れる? >父親亡き後、膨大な借金を背負ったまま店を続ける不器用な娘「木葉」。店の不振にもかかわらずどうやって借金を返していたのか? >店のオーナー達の「しかつめらしい」表情。お料理ってそんな顔で頂くようなものじゃ無いんじゃない? >試食会に集まったオーナーが、一口食べただけで「う〜ん!・・・素晴らしい」などと大騒ぎ。もっとちゃんと味わってから騒いで! >どんな難問にも、自分の料理を食べさせる事で納得して貰えると思い込んでいる「木葉」の強引さはどうして? >「さぁ!どうだ!」と言わんばかりの視線で、食べている人をじっと睨みつけている木葉。目の前でそんな視線を感じたら、美味しいものも味が分からなくならない? >ご主人や子供の事を全然気にしない木葉。信じられない。 >熊野の山でおじいさんとほら貝を吹いたりする時、ちゃんと一揃い白装束が揃っているのはなぜ? >熊野の山中の廃校を改造して料理店を開いた木葉。大阪の店の借金はどうなったの? >お客が来ない熊野の店。でも、いつも食材は揃っている不思議。いくら冷蔵庫があるにしても、そんなにストックできるものでもないでしょう・・・。 >でも、突然訪れた客に「マツタケ」など信じられない素材でちゃんと立派なお料理を出している不思議。 >しかも、「お客が食べたいものを作る方針にする!」とのたまう!突然「うにが食べたい!」なんて注文があったらどうするの? >野越え山越えやってきたお客に、「だいこんずくし」なるお料理を供用。完全におしつけでは? >お客が殆ど無いお店なのに、二人の若者を使う不思議。 >大阪の店を任されているハズの女性が、ちょくちょく熊野の店にやってくる不思議。 >それも、お店関係の人々全員が集合したりして・・・。 >しまいには、「ただで宿泊出来る施設を作る!」と簡単に云ってのける木葉。 >確かに「野越え山越え」やってくる方達に宿泊して頂くアイディアは結構だが、寝具のクリーニングなどはどうなるの? >子供の世話をしてくれている元同級生に、いつまで甘えていられるの?だって、その人にも第二の人生のチャンスがあるかもしれないのに! >最後のシーン、唐草模様の風呂敷に「すりばち」を包み、背中に背負って「外国」!に出発。今までのお店達はいったいどうなるの? もう!何だか訳が分からない筋立てで、私も腹立ってしまう・・・。 じゃぁ見なければ?・・・。それでも見てしまう私。 ほんとに何が何やら分からない「連ドラ」だったが、はっきりしている事は、「デブで・体力が無くて・すぐ息切れして・出不精で・膝が痛くて・年寄りで・お腹が空いている時食べる食事が一番!」と思っている私には、決して熊野のお店に出かける事は出来ないということ。 つまり、「ほんまもん」のお料理は食べられないということ! いいんだぁ・・いいんだぁ・・・。(いじけている) 私64歳には、「お腹いっぱい食事が出来ること」が人一倍幸せに感じられるんだもん! そんな時代に幼少期を過ごした「特典」で、何でもとびきり美味しく感じられるんだもん! で・・・。今のデブMEMEが出来上がってしまったのか・・・?(・・;)
02/4/10 (24) 利家さま 春の柔らかい日差しが訪れて、駅へと歩む足取りも軽い。(?) 今日はお出かけ。 家に篭っている時とはまるで「別人28号」の気分で、颯爽といざ!出陣! 久しぶりの遠出。 電車の中も軽々した服装の華やぎが感じられる。 ラッシュも終わった電車の中はゆったりムード。 と・・・。 途中駅から乗ってきた人々の中に、まぁ!今放映中の「利家とまつ」の「利家」そっくりの若者が・・・。 私の斜め前に座る。 この年になっても、美しい人には素直に感動する私。 移りゆく窓の景色を見るふりをしながら、どうしてもその「利家」さまに視線が行く。 うんうん。二重になりかかったような一重の目。 凛々しく上がった形の良い眉。 鼻梁太く意志のある存在の鼻。 何より、端がきゅっと締まった唇の形よさ。 これはもう、テレビの「利家さま」より数段素敵! 時々目をつぶって、アンニュイな風情。 着ているものもモノトーンで統一して、密かな計算が・・。 うっとり、ちらちら、気付かれないような視線を送っている私、64歳! と・・・。 美しい横顔を見せながら、ポケットから何やら取り出した。 ガムだ・・。 包みから取り出したガムをあの美しい口に。 包装紙をたたんでポケットにいれる仕草も完璧! 青々と剃り上げた顎が、硬目のガムを噛み潰すため、きりりと盛り上がる。 その頬の筋肉さえ素敵! ・・・・・。 次の瞬間、私の夢のような鑑賞タイムは終わったのでした! 「なんで口を空けてくちゃくちゃガムを噛むのよぉぉ!」
01/12/4 (23) まつげ 2ヶ月前に「帯状疱疹」なる不思議な病気に罹ってしまった。 良く耳にする「痛いんだ〜あの病気にかかると!」という話は聞いていたのだが、さて、自分がなってみると、何とも鬱陶しい。 左の目の上がごろごろするなぁ・・・と思っている間もなく、お岩さんのように腫れてきた。 それと同時に、電気くらげになったかと思う程その周辺が【びりびりびり】 しまいには、細い目がもっと細くなり、顎を突き上げないと前が見えないようなていたらく。 しかも、びりびりが頬から唇にまで広がってきて、こりゃ〜絶対に変!と不安になってくる。 しかも、しかも、熱がある感じ。 ふらふら・びりびりしながら電気くらげのように放電しながら歩いて眼科へ・・・。 やっぱり「帯状疱疹」が目に来ているとか。 皮膚科にも行きなさいとの命令で、またもや電気くらげの如くビリビリふらふらと皮膚科に・・・。 それからは病院通いの梯子で毎日【びりびり】との戦い。 耳や頭や、ついには首の後ろまで痛くなってきて、「あぁ・・・。美人薄命かな・・・」と密かに「美人の仲間入り」をホクソエンダリしたものだ。 ところがどっこい! やっぱり「世にハバカル運命」が付いているらしく、徐々に回復に及んで、やっと痛め止めから開放されたのが一ヶ月半後の事。 瞼にへばりついていた「かさぶた」がようやく取れて、あ〜さっぱり! まだまだ赤みは残っているけれど、これで「お岩さん」から脱却!とよろこんだ。 と! 何やら左目のまぶたのあたりがすかすかしている・・・。 近眼で老眼で小さくて細い目をよ〜〜ぉく見開いて観察したら!! 無い!有るか無しかのけなげな我が睫毛が、ごっそりカサブタと一緒に消えている! ただでさえビューラーにはさまらないほど短い我が睫毛だったのに、左目三分の一がごっそり無くなってしまい、あらららぁ・・・としばし呆然。 でも、そこがわたくし! 考えた! 「これからお嫁に行くわけじゃ無し! ドンマイ!ドンマイ!」 それにしても、「睫毛がなくなったぁぁぁ!」と騒ぐ私にのたまった主人の言葉! 「大丈夫、大丈夫、全然気がつかなかったよ。」。 そりゃないでしょうがぁぁ! ま、彼なりの慰め方だったのだと思いましょう・・・。 う〜ん・・・。もしかしてこっちの方がショックだったかも。(゚゚)
01/6/9 (22) いのち 2 今日は土曜日。 二階に住む孫娘の「はぴ」ちゃんからまた電話がくるかな? 「おばあちゃ〜ん。今日泊まりに行っていいぃ?」 にんまりしながら「ママがいいっていったらね!」。 かくしてまたうれしい泊まり客の来訪となるのが毎週の常。 ここに二世代住宅を建ててから早3年近くになる。早い早い。 孫達も小4と小1に成長して、めっきり大人っぽくなってきたので、この習慣もそろそろ終わりかな・・・と思いながら大事にしているこの頃。 もう、小4のお兄ちゃんは余程でないと泊まりに来ない。 早朝からの「少年野球」の練習を気にして、早々の就寝を心がけているから・・・。 思えば、ここで一緒に上下の階で住むようになってから、心落ち着いた素敵な時間を過ごしてきた。 長男一家に感謝!の気持ちがふつふつとして来る。 2年ほど前のある土曜日。 「お泊まり保育(?)」の夜、動物のテレビを見ていたはぴ。 食うか食われるか・・・のシーンを見て言った。 「ライオンって悪い!生き物を食べちゃうんだもん!」 あまりの憤りに、私は言った。 「でもね・・・。みんなそうやって生きているんだよ。はぴちゃん・・・。 だってほら、おばあちゃんちの玄関につくった「つばめ」の巣にいる雛だって、 生きた蛙やトンボやムシムシちゃんを食べて大きくなっていったでしょう?」 ハッとしたようなはぴちゃんの目。 話を続ける・・・。 「人間だって、お肉やお野菜を食べて生きているでしょう? お野菜だって、お米だって、みんな生きていたものなんだよね。それを頂いてはぴちゃんも大きくなっていくんだよ!」 真剣な目になったはぴに、「悪者」ではなく、自然の摂理なのだということを説明しようとして、ちょっと戸惑う・・・。 「だってぇ〜!鹿さんを殺したんだもんん!悪いよ!」 「はぴちゃんもみんなも、お肉大好きだよね!おいしいよね! そのお肉も、豚さんだったり牛さんだったり、鳥さんだったりしてたんだよ。 それを人間が食べるんだから、みんな同じなの・・・」 じーっと私の目を見つめて無言のはぴ。 と・・。目に涙がふつふつと溢れてきて、叫んだ。 「だってぇ・・・だってぇ・・・」彼女の頭が混乱している・・・。しまった!ちょっと早すぎたか・・・。 拒食症になったらどうしよう・・・! だんだん激しく、のどちんこまで見える位真剣に泣き出したはぴを抱き寄せ、「ん〜んよしよし・・・、はぴちゃんはいいこだ・・」と意味のないことばで抱きしめている私。 どうなることかと心配したが、その後、その問題からさらりと逃げられてほっと一息! 翌朝の食事のハムもおいしそうに食べてくれた・・・。ほっっ! いや〜・・・どきどきの一瞬だった。 宮沢賢治の「なめとこ山の熊」の心境に達するのは容易ではない。 *【なめとこ山の猟師で、毎日猟で熊を仕留めて生活している男の話。 殺生はそれはそれ。しかし、生き物に対しての崇高な感謝と敬愛の気持ちを持ち続け、夕焼けの中、仕留めた熊に祈りを捧げている・・・。 そんな話だったように記憶している。 人間って・・・。矛盾だらけ・・。 これからも、いろんな矛盾に出会うだろうはぴちゃん達。そして私。 でも、人間って、動物って素晴らしい・・・。
01/6/9 (21) いのち 1 窓の外は、鳥たちの声がかしましい。 雛の巣立ちが近い証拠。 「ちっちっ!」「ぎゃ〜ぎゃ〜」 むくどりの「警戒音」のなんとけたたましいことよ! 引越して来る前の家の戸袋を、毎年「むくじろう」くん(何故か、我が家で巣を作る子には代代この名前がつくことになっている・・・)たちにも、いつもこの「声」で悩まされていたものだ。 窓から顔を出して「し〜っし〜っ」などと人差し指を口にあてて合図を送ってみても、むくじろうくんは隣りのミー子をターゲットに「ギャ〜ぎゃ〜」「ちっちっちっ」。 また憎らしいことに、わざとミー子も欠伸などを装いながら、車庫の屋根で寝そべっている。 隣りの神経質な奥さんに、毎年平謝りしてクッキーなどを手土産にご挨拶(むくじろうに成り代わって・・)には伺っているのだが、そう毎度の大騒ぎに、いい顔もして貰えない・・・。 戸袋の中でのドラマは、いつかちゃんとした形で書きとめておきたいものだが、テキストボックスでは語り尽くせないので今回は省略するとして、巣立ちの瞬間に毎年立ち会うことが、私の最大のイベント。 初めての巣立ちを見た時の感動は、その一日だけでも物語が出来そう・・・。 昨夜来の濡れた新緑が、朝日にきらきら輝いているある朝。 そろそろかな・・?の期待が当って、妙に親と子が興奮している様子。 さぁ!と、主人を送り出してからの私は「お産婆さん」状態。 窓からじっと彼らの観察を開始! 10時、いよいよ雛の巣立ちの時間だ! (晴れた日の10時前後に巣立ちが始まる習性) と! 朝から狭い戸袋の中で羽ばたきの練習やら興奮状態の子供の内の一羽が、戸袋の引手用のくり貫きの上にピョン!と飛び上がってきた! 「うっ・・!」ガラス越しに、10cmの距離で見る成長した彼! 毎日何回も直接戸袋を覗いて、「うんうん良い子良い子」などと話をしているので、私の顔には怯えない。 それにしても、戸袋の狭い空間でわさわさしている彼と違って、随分大きくなったものだ! 産まれてからずっと暗い中で過ごしてきた彼にとって、取ッ手に飛び上がった瞬間に広がる「光の煌き」に、目が点! 大きく見開かれた真っ黒い目にキラキラ光が反射して・・・。 息を呑む私にも気付かぬまま、思い切って飛び立つ! その間10秒くらいだっただろうか・・・。 私の目からは涙が・・。 親の餌運びと、競って口を開けるチビ達の28日。 毎日のドラマがここに結集したことになる。 一羽が飛び立つと、次々に興奮した子達が巣立って行く・・・。 一人一人を見送ったあと、虚脱状態の私。 と、あれ? ・・・ん?・・・小さな音がことこと・・。 戸袋を覗いて見ると、さっきは空っぽだと思っていたのに、こそこそと奥に逃げて行く子が・・・。 時間を見る・・。もう2時・・。 10時頃巣だって、その日にいろいろな事に慣れて夜を迎えるという自然の習慣を知っている私には、巣立ちが午後にずれ込むことの意味が恐ろしい。 親が時々覗きに来るが、餌は持ってこない。 その日は朝からぴたりと餌を与えないで、巣立ちを促している。 飛び立った兄弟達も、一人前にはしゃぎながら覗きにくるが、最後の子は戸袋の中でうろうろするだけ・・・。 余りの心配から、「鳥の博物館」へ電話。 学芸員の方の「野鳥は、弱い子供を親が見離すことがあります」の回答に、座り込む・・・。 さぁ!こうしてはおれない! 隙間からハムを上げたりしても見向きもしない子・・。 こうなったら戸袋を外してこの子を何とか出さなくちゃ! (言い忘れたが、戸袋に戸が二枚入った状態の隙間に巣がアル) 意を決して、そろりそろりと戸を引き出す・・・。 と! 最後の子が隙間から飛び立った!!! うっ! よろり空でよろける・・・。思わず胸に手が・・。 と!その時、一羽の親がびゅ〜んと飛んできて、姿勢を持ち直した雛と並んで視界から消えた。 その瞬間!もう一羽の他のチビの姿が後を追って・・・。 ちゃんと様子を見ていたのだ・・・。 でも、空に向かっては飛んで行かなかった・・。低空飛行で、下方に向いて飛んだけど、あの後大丈夫みんなのところに行けたのだろうか・・・。 我に返って時計を見ると 4時。 へなへなへな・・・と座り込んだ私。 夕焼けの空をずっと眺めて涙を流して一日のドラマは終わったのでした!
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