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管理人の日記
カレーです。
そうそう、この緊張感が狩りゲーなんだよ! |
3日連続Vitaゲーム紹介企画の第2弾は、「ゴッドイーター2
レイジバースト」である。このゲームは、ご存じの通りPSP・Vitaの定番タイトルとして親しまれている狩猟アクション:「ゴッドイーター」シリーズの作品であり、『レイジバースト』は『2』のいわゆる“完全版”に当たる。収録されているのは、『2』の全内容とそのエンディング後を描く追加シナリオ、そして新モンスターに新システムである。うん、この内容だと「完全版」というよりは「続編」に近いと思うんだけど、狩りゲーのこの手の商法は正直よく分からんなあ…。
――さて。俺は「ゴッドイーター」シリーズについては、PSPの『バースト』(『1』の完全版)時代から遊んできており、2013年に発売された『2』も真っ先にプレイした。だが、それが俺にとって敵とマップが新しくなっただけの凡庸な続編という評価に終わり、メインシナリオをクリアしてそれでやめにしてしまっていた。しかしながら、今回『レイジバースト』を購入したのは、『1』『バースト』のリメイク作品である『リザレクション』というものが新たに出ると聞いて、再びシリーズに興味を持つに至ったからである。過去作のリメイクより、まずは新作をプレイするべきであろう。
そんなわけで。本作『レイジバースト』を遊んだ俺の感想としては、「ここまでのゴッドイーターシリーズの集大成と呼べる作品」というものである。
…まず、本作には『2』のミッション・シナリオ・無料有料DLCを含む全内容が収録されており、そもそも『2』自体が、『1』『バースト』から世界観の都合上収録できないものを除いて多くを引き継いでいることから、その完全版である『レイジバースト』はここまでのシリーズ4作の大半が詰まっていると言って良い。メインシナリオも、『2』編の30時間+『レイジバースト』編の30時間と、追加部分だけで1作ぶんの量が存在する。“2”のしかも完全版とあって初心者は敬遠するかもしれないが、シリーズで1作だけ買うのなら『レイジバースト』が一番のオススメと断言して良いだろう。
――続いて、今作で新たに加わった要素について述べていこう。まず、本作で最も良かったのが、グラフィック・サウンドという分かりやすい部分が大幅に進化したことである。というのも、前作『2』のハードはVita/PSPであるが、PSPベースで開発がスタートしたということもあり、Vitaとしてはそこまでクオリティが高いと言えるものではなかった。ところが、今作『レイジバースト』ではハードがVita/PS4となったため、クオリティが大きく上がっているのである。まずグラフィックに関しては、半分以上のマップが前作の使い回しという悲惨な状況だった『2』に比べて非常に多くの場所が用意されており、マンネリ感が大きく軽減されている。またサウンドに関しても名曲が多く、新モンスター:クロムガウェインのテーマである「賭したもの」や、“(ラスボス名)がコミケに行く時のテーマ”などと呼ばれている「Repulsa」などは個人的にかなりのお気に入りである。そして、敵へのダメージ数値が表示されるようになったのも大きく、剣と銃を自由に使い分けられる本作において、手間の掛かる銃形態を使用する意欲を大いに高めてくれた。その他、ハイスピードで爽快なアクション部分はこれまで通りであり、追加シナリオやモンスターのクオリティも満足の行くものだったように思う。
というわけで。大きな穴は無いように思える『レイジバースト』なのであるが、実は極めて重大な問題点が存在する。難易度が低すぎることだ。
…というのも、『レイジバースト』編のシナリオは『2』のクリア後にプレイするものであるため、最初から難しめのバランスに調整されているのだが、難易度13辺りを境にプレイヤー側の戦力が大爆発してしまい、ほとんどの敵が1〜2分程度で倒せるようになってしまうのである。そのあまりのヌルさを物語るエピソードを一つ紹介しよう。本作では、「サバイバルミッション」という途中で回復アイテムの補給が利かない連続討伐が数多く採用されている。そのため当初の俺は、回復アイテムを節約したり、「消費アイテム入手」のスキルを発動させたりと工夫して立ち回っていた。ところが、ゲーム後半では、「バースト時間30%延長」「バースト中近接攻撃体力吸収」などの極めて強力なスキルを容易に発動させられるようになり、適当に□ボタンを連打しているだけで大抵の場面で回復量が被ダメージを上回るようになってしまった。「補給が利かない」ということがウリのサバイバルミッションなのに、クリア時に回復アイテムが1個も減っていないというのもザラである。その他にも、「ブラッドレイジ」など、プレイヤー側が有利になるシステムがあまりにも充実しすぎている。もはやここまで来るとゲーム性に影響を与えるレベルであり、シナリオ終盤のプレイ意欲に大きな影響を与えていた。もう「狩猟」と呼ぶより「無双」という感のほうが強いくらいである。ただでさえマンネリと言われることの多いゲームなのに、ここまで簡単になってしまうとねえ…。
――他にも。本作の装備強化システムに「スキルインストール」というものがあり、ミッションクリア後に獲得できる「遺された神機」というものを用いて4つまで自由にスキルを付けられるというものなのであるが、その操作性がどうしてこんなことになったのかサッパリ分からないくらいに劣悪なのである。付けられるスキルは剣・銃・盾の枠を合計して12個なのであるが、これらを一覧で管理できる画面が無く、しかも「超越者:体力Lv.10/ふんばりLv.10/バースト時間Lv.10」のように1枠で複数のスキルが発動するものの存在が混乱に拍車を掛けている。そして、Lv.10を超えたスキルは無駄になってしまうため、結果としてキャラを強化するためには何度も何度もメニュー画面を移動しながら検討を繰り返さなければならない。界隈では表計算ソフトの使用が推奨されているほど悲惨なUIであり、「キャラクター強化」というゲームプレイのキモが非常にウンザリするものになってしまっていた。やれ、複雑になりすぎたシステムから不用なものを淘汰することも立派な“進化”であると思うのだが、世界観の都合上それができなかったのだろうか。
その他の点としては、エンディングにおける例のアレのことが存在する。まあ個人的には、絶対にあってはならないというほどでは無いものの、やはり無いほうが物語全体が引き締まっていたように思うのだ。やれ、FF13みたいな終わり方をした『2』からは一転、今回はFF7みたいな格好いいシーンがラスト付近に存在するのだが、即座にそれが茶番化される展開にはさすがに笑うしか無かった。恐らく、完全なハッピーエンドで終わらせたかったという面があったのだろうけれど、さすがにちょっとアレはやりすぎだよねえ…。
しかしながら、それらの難点を考慮に入れたとしても、本作『レイジバースト』が前作から大きくパワーアップした大作であることは疑いようも無い。不満点も致命的なほどでは無いため、PSvitaで爽快な狩猟アクションを楽しみたい人にとっては最もオススメできる作品であると言えるのだ。
…そして。ネックとなっていた難易度面も、最近ではソロプレイを行うという面で解決してきている。本作では、オフラインでもCPUの操るキャラクターを3人まで連れて行くことができ、クリアを目指すのなら4人で挑まない手は無いのであるが、そこをあえて1人で挑むのである。そうして戦ってみた本作のメインモンスター:「クロムガウェイン」は、最初は素早い動きに翻弄されて手も足も出なかったが、何度も戦っていくうちに敵の太刀筋が見えてくるようになり、どんどん戦うのが面白くなってきた。4人だとゴリ押しになりがちなバトルも、1人だと「相手の攻撃を回避した隙に何回攻撃するか」などという戦略性が生まれてくるのである。そんなわけで、最近では少し時間があればVitaを起動して、クロムガウェイン戦を楽しむようになってしまった。もちろんそのままだとヌルすぎるため、難易度設定で敵の攻撃力を上げることも忘れない。やれ、この手のゲームにおいて、ストーリー進行や回収素材などのためでなく、純粋に敵と戦うことを目的としてゲームをプレイするのは、2010年の「モンスターハンターポータブル3rd」以来5年ぶりである。ひょっとしたら、このソロのバランスこそが、制作者が本当に味わってもらいたかったものなのかもしれない。
――というわけで。少し楽しみ方は変わってしまったものの、この「ゴッドイーター2
レイジバースト」は、名実共にシリーズの集大成と言える作品であり、皆さまにもお勧めできるタイトルであると言える。俺も、発売日からかなり遅れてプレイを始め、一時期は積んでいたようなこともあったのだが、最終的にはプレイできて良かったように思うのだ。うーん、どうしよう、『リザレクション』も買っちゃおうかなあ…。
(2015年12月26日) 4913 PV
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