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管理人の日記
本来なら滅茶苦茶うれしいニュースのはずなのですが……
この作戦の起源にして頂点さ本当に好き |
今週月曜日、驚きの発表が為された。FF12のPS4移植版である「FF12:THE ZODIAC AGE」が、来年2017年に発売されることが決定したのだ。この発表に、俺を初めとするFF12信者は歓喜した…と思いきや!
なんとその戦闘システムはインターナショナル版のみをベースとするらしいのだ。この情報に、多くのFF12ファンは複雑な思いを抱えることになったのである。本日は、このことについて語ってみることにしよう。
…まず、原作である「ファイナルファンタジー12」は、2006年3月にPS2で発売された、FFシリーズ正統ナンバリングの一作品である。その最大の特徴として、「ガンビット」という簡易的なプログラミングを組んで自動戦闘を行うシステムが採用されていることが挙げられる。例えば、「@HP<70%の味方 -
ケアル」「A目の前の敵 - たたかう」という組み合わせならば、普段は通常攻撃を行いつつ、HPが減ると自動的に「ケアル」を使ってくれる…といった感じだ。その特異な戦闘システムから、「何が面白いのかサッパリ分からない」という全否定が未だに寄せられる反面、システムを理解した際の戦略性はシリーズでも最大級である。また、昨今の“オープンワールド”にも繋がりうる広大なマップとやり込み要素は、今なお色褪せるものではない。ちなみに、発売は2006年ということで、FF12はもう10年も昔のゲームなのであるが、それを聞いて驚きだという人も多いだろう。FF12は、10年が経った今となっても通用するゲーム性を備えた、FFシリーズ最高傑作の一つなのである。
――というわけで、そんな傑作が現行機であるPS4に移植されるのは当然とも言えることなのであるが、そこで物議を醸しているのが、「PS4版のベースとなるのがインターナショナル版」ということである。その“インターナショナル版”とは、2007年8月に発売された「FF12 インターナショナル:ゾディアック・ジョブ・システム」のことであり、ファンの間では「INT版」の他、頭文字をとって「IZJS」などとも呼ばれている。特徴として、全員が自由に育成ができたオリジナル版とは異なり、INT版では「ジョブシステム」を用いて成長の方向が制限されているということが挙げられる。また、装備品の性能や敵の能力値など、多くの部分で調整が行われており、オリジナル版とはまた異なる形で楽しんでいくことができる。その他の点として、ストーリーやモブ(モンスター討伐ミッション)・召喚獣などの追加は行われていないが、「トライアルモード」という100連戦の新たなやり込み要素が追加されていることも挙げておくべきだろう。
というわけで。FF12のオリジナル版とINT版が異なるゲーム性を持っていることは皆さま分かっていただけたと思うが、今回PS4のHD移植においてネックとなっているのが、そのベースとなっているのがINT版のみということである。
…まったく。俺は、FF13-2のアップデートの件などでもご理解いただけているように、原作にシステムを追加して、それを「改善」と称するのが大嫌いである。多くの人がプレイした原作があるからこその追加版なのであり、我々はその原作の良いところも悪いところも含めて、一つの作品として愛しているのだ。それを「不満点を改善!」などと単なる噛ませ馬として用いられてしまっては、もう最初から疑いの目を掛けざるを得ないのである。今風の言葉で言えば「リスペクト」、そういう精神があれば、間違っても「INT版は原作の不満点が改善されてるからオススメだよ」という言葉が吐けるはずもないのである。
――ここで、もっと具体的な話題について触れてみよう。FF12が発売したのは2006年ということで、当時の俺は今となっては無意味な勢力争いに過ぎなかった受験戦争の真っ只中にいたが、その中でも初代【低レベルクリアー】(2006年)を連載し、その後も【低レベル+入店禁止クリアー】(2008年〜2009年)、【最強武器決定戦】(2007年〜2010年?)、【たたかう禁止
低レベルクリアー】(2012年〜2013年)など、多くのプレイ日誌を書いてきた。そしてINT版においても、【低レベルクリアーINT】(2007年)と題し、本編攻略から裏ボスまでの全要素を味わい尽くすプレイ日誌を連載させていただいた。だから俺は、そもそもFF12のオリジナル版とINT版の、どちらが優れているかということなど言いたくないのである。それは、どちらもとても優れた「FF12」の一員なのだから。
そんなこんなで。FF12には、「オリジナル版」と「INT版」という大きな二つの流派があり、その中でPS4版がINT版のみをベースとしており、そしてそれを「改善」などと称している世間の潮流について、俺が居心地の悪い思いを感じ続けていることについて、分かっていただけたというものであろう。だからこそ俺は、PS4版FF12において、オリジナル版とINT版の両方をベースとするべきだと申し上げたいのである。
…まったく。PS4のHD版FF12においては、音声については日本語/英語の両方から選べること、そしてグラフィック・ロード時間など善悪がハッキリ付くインタフェース面に関しては、それこそ「改善」と言って良い状況になっている。だからこそ俺は、好みが分かれる成長システム面において、オリジナル版とINT版の両方を収録してほしいのだ。正直に言おう、今回のリマスターについて、不満と思っている点はそれがINT版ベースオンリーだということただ一点なのだ。それがもし、オリジナル・INTの両方から選ぶことができるのであれば、俺は100%文句が無いのである。だって、あれほど待ち望んだ、FF12の現世代でのリマスター作品なのだ。それを、ファンとして否定するなど、あるはずが無いというものではないか。
――やれ。実は、いわゆる日本における「インターナショナル」という名称に反して、海外ではINT版の成長システムを採用したFF12は発売されていないため、ひょっとしたら海外ユーザーに全てが新しいFF12をアピールするために、日本における“INT版”を全世界で発売するというのかもしれない。だが、もしそう考えているのであれば、それはまったくもって愚かなことである。何故なら、「ファイナルファンタジー」が生まれたのは日本であり、それを最も愛しているのは日本人に他ならないからだ。だいたい、こんなものは、オリジナル版とINT版の両方を収録すれば済む話ではないか…。どうせ、PS4版のFF12は、PS2で発売されたそれとは区別されることは明白である。ならば、オリジナル・INT版の両方を収録するか、はたまた思い切ってそれらとも異なる第3のバージョンを作り出すしか無いというものではないか。我々は、FF12が本当に好きで、だからこそ今回の「INT版のみがベース」という点について、文句を言っているに過ぎないのだ。多くの人が楽しんだ、そして俺が最もやり込んだオリジナル版のFF12を、正しく後世の人たちへと伝えてほしい。それは、俺が愛するゲーム文化に対して、当然の望むべきことなのである。
(2016年6月11日) 4319 PV
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