. . |
◇トップページ > 管理人の日記 > 2021年6月29日の記事
管理人の日記
おそろしく遅いダッシュ オレでなきゃ見逃しちゃうね
今作で初めて「つむじくん」が“つむじ風”をイメージした敵と分かった。髪とは関係なかった… |
引き続き、マリオシリーズの作品として、3DSの「ヨッシーNewアイランド」をクリアーしました(スペシャルを含む全ステージの満点まで)。このゲームを形容する言葉は「もっさり」、これに尽きます。
…さて、ヨッシーが主人公のアクションゲームと言うと、伝説的名作のSFC/「ヨッシーアイランド」(【日記:2021/5/29】)を皮切りに、据え置き・携帯の各ハードにつき1作くらいのペースで発売が為されている。しかし、残念ながら、初代の「ヨッシーアイランド」以外は、あまり評判の良くない作品が多いようだ。とりわけ、“知育ブーム”の全盛期であった2007年に発売されたDS/「ヨッシーアイランドDS」は、処理性能でSFCに遥かに勝るDSを使っていながら、初代を完全に上回っているとは言えない内容であり、音楽のショボさや難易度のメチャクチャさから、当時の私に多大な悪印象を植え付けた。ただし、その奇怪な作りが妖しげな魅力を醸し出しているのも事実であり、今年になってからの再プレイの際は、なかなか楽しんでいくことができた(【日記:2021/5/16】)。「ヨッシータワーへようこそ」という呪いの言葉を生み出したゲームでもあるな。
――そんなわけで。私は、ヨッシーシリーズのアクションゲームとして、DS版・GBA版(SFCの移植+追加ステージ)に引き続き、3DSの「ヨッシーNewアイランド」を購入し、プレイをしてみることにしたのだ。ただ、この作品は、評価が低めということは、既に知ったうえでのプレイである。また、発売の2014年から長い時が経っており、価格としても中古で安くなっていたところを手に取ったものであるため、そういう面も私の感想に影響してくる。
そんなわけで。合計3週間ほどをかけて、ゆっくりと完全クリアーまでプレイをした感想は、冒頭に述べた通り、「もっさり」というものである。
…まず、本作はアクションゲームであり、「操作性」…つまり、こちらのボタン入力に対し、「キャラクターが機敏に動くかどうか」や、「グラフィックや音の演出が気持ち良いか否か」が最重要であることは言うまでもない。しかし、本作のヨッシーは、とにかく動作が遅い。いわゆる“ダッシュボタン”が不要であることは評価できるが、十字キーを左右に入力してから最高速度に達するまで、1秒くらいは同方向に入れ続けなければならない。急に機敏な動きをすると、腰や膝の関節を痛くするからであろうか。一応、本作では、大人のマリオが登場する作品より過去の時代を扱っており、ジャンプ台としてポイポイ乗り捨てられるヨッシーよりも若い個体を操作しているはずなのだが…。
――また、ヨッシーの象徴であるタマゴ投げアクションについても、SFC版やDS版では、即座に構えて発射できたが、今回の「Newアイランド」では、「よっこら…せっ!」という擬音でも追加したくなるような、明らかなタイムラグがある。本作の高難易度ステージでは、急がせる構成が多いため、この時間ロスは非常に気になってしまった。一方で、何故か1発目を投げてから2発目を投げるまでの間隔は異様に短く、無駄にタマゴを消費してしまうことも多い。ついでに言うと、敵を飲み込んでタマゴにするという基本中の基本動作も、これまた重々しくなっている。あれか。急に飲み込むと、気道に入ってしまって健康に悪いからだろうか。うん、本作は「Newアイランド」であって、「Old(高齢者)アイランド」ではないはずだが…。
潜水艦の表情にマジキチを感じる |
ではでは、「ヨッシーNewアイランド」は、操作性以外の面が優れているかと言うと、決してそんなこともない。グラフィックは、フル3D化しており、チグハグなドットだったDS版よりは良くなっている。が、手放しで評価できるのはそこくらいである。BGMは、メインテーマのアレンジがしつこく繰り返されるため、DS版と比べても、特別に良くなっている感じはしない。タイトル画面の曲は、屁でもこいているかのような情けない音である。そして、“ボーナスステージ曲”と言える土管内BGMは、ポコポコ言っている打楽器とともに単調な旋律が流れるという怪音波であり、逆に印象に残ってしまった。
…そして、システム面を言うと、「Newアイランド」では、ヨッシーシリーズ恒例の採点システムが続投している。そして本作では、赤コイン・フラワー・スターが別々に記録されるようになり、複数回のクリアーで満点を取れるようになった。しかしながら、中間ポイントから復活するとスターが10個に戻ってしまうため、スターの満点を狙う場合、ほとんどの場合はノーミスクリア―が要求されることになる。そして、即死トラップの量は通常のマリオ作品と同程度であるため、あまり難易度が緩和された感は無い。また、操作性の劣悪な変身ミニゲームや、隠しポイントが異常に多いこと、そしてDS版と同じく救済アイテムの使用が無いことなども、コンプリートへの理不尽感を増大させている。
――また、本作のステージ構成は、初代のSFC版をオマージュしているような演出が多い。それ自体は、“名作のフォロワー”として良いことなのかもしれないが、だからこそ、余計に劣化点が目立ってしまうというものである。3ワールドはおさるさんとウンババの居る湿地帯、4-7と5-7はリフトを使ったアスレチック、6-5は強制スクロールの長〜い洞窟、等々…。DS版でも似たような傾向はあったが、今回は特に既視感が強い。そして、ラスボスは、今回は2部構成(合計4戦)の戦闘となっているが、結局のところ「巨大化したクッパが画面奥から攻撃してくる」という構成は全く変わらない。SFC版の時は、ハード性能に制限がある中でそれをやったから衝撃的だったのだが、3DSで今さらそれを踏襲されたところで、「またか…」としか感じなかった。
そういうわけで。本作「ヨッシーNewアイランド」は、もっさりした操作性を筆頭に、これと言って優れた要素の無い作品である。前作と言えるDS版は、鬼畜難易度という独自の評価点があり、SFC版と比べても差別化ができていた。しかし、「Newアイランド」は、初代を微妙な出来にして3DSで出したという程度である。そして現在では、ニンテンドースイッチオンライン(有料)に加入していれば、初代のSFC版「ヨッシーアイランド」を追加料金なしで遊べるため、「Newアイランド」は代用品としての価値も薄いと言える。結局のところ、今となっては、私のように「マリオシリーズを制覇したい!」という人を除き、プレイする価値は薄いと言わざるを得ないだろう。
…とはいえ。今回の「Newアイランド」は、微妙なクオリティの作品とは言え、取り立てて崩壊している要素があるわけでもない。私のプレイには、「あらかじめ悪評を理解したうえで」「中古で安く購入した」という条件が付いており、評価が甘くなりやすいものの、まあ楽しめるくらいのゲームではあったと思う。そして、シリーズ恒例のスペシャルステージは、うってかわってオリジナル要素が多く、内容的にも難易度的にも熱くなることができた。
――具体的に、印象に残ったステージとしては、スペシャル4の「走れ!
ポチ」とスペシャル5の「恐怖の雪山」が存在する。アイテム収集の理不尽さではなく、純粋なクリア難易度で苦戦させられたのは、この2つくらいである。前者の「走れ!
ポチ」は、バカイヌのポチを操って針山を超えていくステージであるが、例によってポチが思ったような動きをしてくれず、ここだけで30匹ほどのヨッシーが生け花となっていった。そして、後者の「恐怖の雪山」は、まともな足場が一切ない状況で垂直の崖を登っていくという驚異的な構成であり、登場するコインが全て赤コインという異質さ極まりないステージになっている。もはや山ではなく壁だ。これらスペシャルステージには、シリーズ初であろう専用BGMが用意されており、その楽しげな曲調と凶悪難易度が明らかにミスマッチなのだが、だからこそ逆に、挑戦心を煽ってくれた。
というわけで。私の、2021年になってからのマリオシリーズ10作目となった「ヨッシーNewアイランド」は、操作性を皮切りに微妙な作品ではあるものの、最終的には、楽しめる点もあり、そこまで酷いとは感じないゲームであった。まあ、マリオシリーズの作品を楽しもうという意思が強かったうえに、あらかじめ悪評を理解したうえで、中古で安く買ったのだから、評価としてはかなり甘めではある。もし、初代ヨッシーアイランドの正統続編として、「今度こそ」という期待を込めて発売日に購入したりしていたら、かなり辛辣な評価となっていたことであろう。
――さて。次は、何をプレイしようか。既に購入してあるマリオ作品として、Wiiの「マリオギャラクシー2」と、3DSの「ポチと!ヨッシーウールワールド」が存在する。据え置き作品は、腰を据えて遊ぶ必要があることと、当サイトの本業であるFFやり込みと被ってしまうことから、安定して進めていくのが難しい。そのため、まずは3DS作品のほうからプレイをしていこうと思っている。この場合、連続でヨッシー作品となってしまううえ、「走れ!
ポチ」でヨッシーを幾度となく惨殺死体にしたポチをタイトルに冠した作品ということで、不安もあるが、まあ大丈夫であろう。次の「ヨッシーウールワールド」は、ヨッシー作品としては久々に、評判の良いゲームとなっているらしいな…?
(2021年6月29日) 5169 PV
2021年6月29日の記事を表示しています。