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回復禁止 低レベルクリアー プレイ日誌
FF9の世界観が最新技術で蘇る!
気になる対応ハードは、まさかの… |
シナリオとしては最終話である。今回は、ラスボス連戦の「トランス・クジャ」と「永遠の闇」を取り扱っていこう。
…と、その前に。今回は、FF9の「Memoria Project」というものを紹介してみたい。これは、「Unreal
Engine 5」を用いたFF9のリファイン計画であり、現在ではオープニングに位置する“アレクサンドリア市街をビビが探索する映像”と、“一部キャラクターのイメージアート”が公開されている。
――さて。その映像表現は、びっくりするくらい綺麗である。最近のFFシリーズは、基本的にグラフィックについては「フォトリアル」と呼ばれる写実調へと進んでいっているが、こういうアニメ風表現も、ゲーム機の性能とグラフィック技術によって進化する余地があると感じる。FF9の世界が、このような海外3Dアニメ映画がごとく世界観で完全リメイクされれば、どれだけ嬉しいものだろうか。皆さまも、是非【YouTube動画】と、【プロジェクトのサイト】をチェックし、応援してみてほしい。
さて。この「Memoria Project」は、前述の通り、「Unreal
Engine 5」を使って製作されている。ここでの“エンジン”とは、ゲーム制作ツールのことであり、例えばPS4の「FF7リメイク(第1弾)」は、「Unreal Engine 4」で製作された。汎用エンジンと侮ることなかれ、ご存じの通り、7リメイク第1弾では、PS3のFF13と比べ、遥かに進化したグラフィックを楽しむことができた。その他、大作タイトルでは、「ドラゴンクエスト11(※3DS版以外)」も、同じくUnreal Engine 4で作成されており、写実調・またはアニメ風グラフィックにとらわれない表現が可能であると分かる。
…そして、その次世代の「Unreal Engine 5」は、主にPS5世代に相当する性能の本体を視野としているようだ。ここ最近では、「マトリックス」の世界観を使ったデモゲームが、PS5/Xbox向けに無料配信され、話題となった。私も動画サイトで少しだけ見てみたが、もはや実写映画と変わらないレベルのグラフィックである(【YouTube】)。これが、定価は5万円の機械で、しかも映像ではなく自分で動かせるゲームとして楽しめるのは、驚異的としか言いようがない。このレベルが標準になるのならば、まさしく“次世代”と呼ぶべきであろう。
話が逸れてしまった。このFF9の「Memoria
Project」は、前述の通り、「Unreal
Engine 5」を使って作られている。となると、気になるのは対応ハードだ。一応、「Unreal Engine 5」自体は、携帯電話やニンテンドースイッチといったハードにも対応はしているが、その機能をフルに活かすためには、やはりPS5世代に相当する性能が必要となるようだ。また、あくまで同人作品ということで、PS5の審査を通らず、PCのみとなる可能性も存在する。
…では、この「FF9:Memoria Project」が、どのハードに対応するのかと言うと…安心してほしい。全ハード非対応である。非常に残念ながら、これはデモ映像のプロジェクトということで、どこまで行ってもゲームとして遊べる物にはならないようだ。7リメイクの例を挙げるまでもなく、ここまで巨大なゲームを完全に遊べる作品とするには、莫大な時間とお金が掛かるため、ファンメイドでは無理な話なのだ。
――しかしながら。この「Memoria Project」により、アニメ風FFが持つ“可能性”というのは、十分に見えたと思う。恐らく、作った側も、それが目的であろう。だから、いつかは本当に、このレベルで完全リメイクされたFF9が遊べると、嬉しいというものだ。でも、そのためには、スクエニが人を雇いまくるのはもちろんだけど、我々の側も、もっとゲームを買いまくらなければならないかな…。
ウホッ… |
では、いよいよラスボス連戦へと挑んでいこう。まずは、第1戦の「トランス・クジャ」である。
…さて、こいつには、低レベルクリアー界で昔から知られている、由緒正しき戦法がある。それは、「適当に戦って、勝てたら終わり」という手法だ。最初に言い出したのは、恐らく「究極解析」の木村氏(【日記の2001年4月13日?】)だと思われるが、本バトルの特徴を端的に表した言葉である。
さて。トランス・クジャの最も印象的な技は、「フレアスター」である。本バトルでは、「レベル×35」の固定ダメージを与える全体攻撃(魔法回避で回避可能)となっている。というわけで、低レベルでも1発では死なないのだが、カウンターを含めて何度も使用してくるため、かなり厄介である。
…もっと詳しく述べてみよう。敵の自ターンでの行動は、「フレアスター」「フレア」「ホーリー」「リフレク」のどれかである。また、カウンターとして、「“HPが半分以上かつ自分がリフレクのとき”は「フレア」か「ホーリー」を(HP半分以上かつ非リフレクのときはカウンターを使用しない)、“HPが半分未満のとき”は「フレアスター」か「ケアルガ」を使う。それぞれ、確率は1/2ほどだが、“HPが半分を切った瞬間”は、必ず「フレアスター」か「ケアルガ」のカウンターを使用するという性質がある。
――ということで、もう既にこの時点で頭がこんがらがってくるのだが、そのうえ、敵は「カウンター」と「自ターンの行動」に重複している部分があるため、事態は更に厄介である。いま使われたフレアスターが、カウンターなのか、敵自ターンでの行動なのか、分からないのだ。よって、確実に勝つためには、敵味方のATBゲージを意識し、行動を1人ずつ入力して、カウンターが来るか来ないかで、その後の行動を決めていく…という戦い方が必要となる。
しかし。この戦闘は、あくまでラスボス連戦の第1戦である。しかも、第2戦の「永遠の闇」には、セーブできずにそのまま挑むことになる(オートセーブが無いバージョンの場合)が、その第2戦には、「メニューを開いて装備を切り替える機会がある」「プレイ方針にも依るが、運要素がとても強くなる」という特徴がある。よって、第2戦に何度も挑むため、第1戦はできる限り楽に突破したいし、何なら最初から第2戦の装備で挑んでいきたいくらいなのだ。
…ということで。それらを解決する手段が、「適当に戦って、勝てたら終わり」という方針なのである。敵のカウンターは「HP半減時の1回」のみは確定だが、あとは確率でであるため、運が良ければアッサリと勝ててしまう。また、「フレアスター」についても、魔法回避率で回避が可能なため、当たらなければどうということはない。よって、トランスクジャは、適当にやっていれば勝ててしまう相手なのだ。
――もちろん、そうやって“適当に”やっていると、純粋な勝率は下がってしまうことになる。ただ、普通の火力を整えていけば、そんなにメチャクチャな勝率となることはなく、何回かに1回は勝つことができる。そして、慎重に戦った場合と比べて、バトル進行は大幅に楽になる。それらを比較すると、適当にやったほうが遥かに楽となるのだ。ありがたいことに、セーブポイントもすぐ近くに存在するうえ、イベントとしても、セリフを3つ送るだけでバトル突入となる。というわけで、こいつとは、是非「適当にやっていればよろしい」という戦い方をお勧めしたい。
1回「フレアスター」を避けるだけでも、勝利に大きく近付ける |
さて。今回の回復禁止プレイでも、慎重に戦闘を進めれば勝率を上げられるのだが、めんどくさいので、適当に戦うことにする。
…また、リマスター版のオートセーブは、ラスボス戦の舞台である「絶望の丘」に到達した時点で、1回だけ行われる。よって、永遠の闇に何度も挑む際に、トランスクジャからやり直さなくて良くなるのは嬉しい。しかし、困ったことに、トランスクジャ戦の後に、装備を切り替えた状態でのセーブデーターを作成することはできない。そのため、相対的には、「“第2戦への準備を整えた状態”で第1戦を突破すること」は、更に重要になっていると言える。
ということで。今回プレイでは、第2戦を楽にするため、装備・アビリティについては、第1戦から完全に「第2戦のもの」を使用していく。また、永遠の闇は結構ギリギリの相手となるため、トランスクジャ戦のために枠を割く余裕は無い。よって、勝率はなかなか苦しい感じになってくるのだ。
…具体的には、「フレア」か「ホーリー」が来たら、回避もできず、聖属性吸収装備も無いため、必ず誰か1人が殺される。第2戦の戦略の都合上、エーコではなくビビを使用しているため、タイミング良くリフレク状態になって跳ね返す手すら使用できない。また、「フレアスター」についても、喰らったダメージを回復できないため、回避をしなければ合計3回で終わる。「オートポーション」「いつでもリジェネ」などによる対策も不可能だ。
――そんなわけで。正直なところ、「ふゆう石のかけら」でホーリー対策くらいはしたほうが良かったかなあ…とも思ったが、まあ次の戦いを楽にするためと割り切って、何とか頑張っていった。確率の問題なので、やり続ければ何とかなる。実戦では、エーコ使用を考えていた際×2回と、ビビ使用に変えた後の1回で、合計3回倒したが、どれも30分ほどで勝てた(配信用と考えていたので倍速は無し)ため、まあ確率は1/5〜1/10という程度であると思う。
そう言えば、具体的な戦い方を全く書いていなかった。「適当に戦う」という元、ジタン・フライヤ・スタイナー・ビビの全員が、「永遠の闇」戦の装備をしてバトル開始をし、いつものように「ルナ」でバーサクとなって、あとは見ているだけである。適当と言ったが、確かにこれは適当だ。
…まあ、勝ち方として、明確なパターンみたいなものは無いのだが、高火力キャラクターのジタン・フライヤ・スタイナーができる限り「フレア」「ホーリー」で狙われない、つまりビビが盾になってくれると嬉しい。また、「フレアスター」については、1回でも回避すれば、大きく勝利に近づいてくれる。
――実際に、下の動画の勝利パターンでも、「ホーリー」で最初に狙われたのはビビであり、その後に「フレアスター」をフライヤが回避してくれたおかげで、最後にフライヤ1人・HP30での撃破を行えた。戦法は、最初に「ルナ」を使って見ているだけ、いや見ている必要すら無いというものである。しかも、これにより、第2戦を繰り返す際に、装備は(※後述)全く触らなくて良い状態となった。やはり、「適当」は「適切」というものだな!
■動画■
Q:ここはどこですか? A1:別次元です A2:私は永遠の闇です |
というわけで、トランス・クジャを倒すと、オートセーブが行われた後に、舞台が「絶望の丘」へと移り、イベント後、メンバーと装備を変更する機会がある。そうして準備を整えたら、いよいよラスボスである「永遠の闇」戦がスタートする。
…さて、この永遠の闇、FFシリーズ最大の「唐突なラスボス」として名高い。他のシリーズのラスボスは、これまで何度も対戦をしてきたり、顔合わせは初であっても手下が活動をしてきたり、はたまた存在自体が触れられているなど、必ず何らかの前置きが為されてきた。しかし、FF9の「永遠の闇」は、全くこのような設定が無い。クジャ・ガーランド・ブラネなどが、永遠の闇を復活させるために活動していたわけではないし、操られていたわけでもない。また、クジャが変形して筋肉モリモリ
マッチョマンの変態になったということでもない。そして、同じく唐突な存在であるクリスタルとの関係については、いかにも何かありそうな感じであるが、その辺りも全く語られていない。アルティマニアの設定資料も含め、マジで何も存在しないのだ。
ちなみに、「永遠の闇」の目的については、“全ての命を消滅させることで、苦しみから救済をする”という、まあFFシリーズにはよくある哲学的目標である。クジャの一連の行動を見て、「そりゃ納得いかんのう」と思い立ち、生命を粛清しようとしたのであると考えられる。
…ということで、永遠の闇の正体は、生命を作り出した存在とか、はたまたクリスタルの擬人化だとか、いろいろと設定は考えられそうだが、詳細は永遠の闇である。メタ的な見方をすると、「クジャを倒した!
ハイ終わり!」では物語のテーマ性に合わないため、別の敵役が必要だったのだろう。
必殺技その@ 運次第だが、かなりの高確率で失敗する |
そんなわけで、物語上の位置付けではネタ扱いされている「永遠の闇」だが、戦闘面では実力者であり、縛りによっては最後にして最大の難関と化す。
…まず、永遠の闇を象徴する必殺技の「グランドクロス」から述べていこう。これは、全体にランダムでステータス異常を発生させるという技であり、直接のダメージこそ無いが、多くの場合で致命的な損害をもたらす。
もっと具体的に述べてみよう。「グランドクロス」の効果は、即死・混乱・バーサク・ストップ・石化・沈黙・暗闇・迷惑・ゾンビ・毒・睡眠・ヒート・フリーズ・死の宣告・ミニマム・「HPを1〜10にする」の16種類の効果を、それぞれ1/8の確率で発生させるというものである。
…さて、これでもよく分からないので、もっと突っ込んで、ステータス異常を3種類に分けてみることにした。
●キャラクターの戦闘能力が即座に消滅するもの…8種類
/
即死・混乱・ストップ・石化・睡眠・ヒート・フリーズ・ミニマム
●戦闘能力を奪われる可能性があるもの…2種類
/ 暗闇・毒(※1)
●今回プレイではあまり関係が無いもの…6種類
/ バーサク・沈黙・迷惑・ゾンビ・「HPを1〜10にする」・死の宣告(※2)
※1
毒:「青の衝撃」を喰らってHP1になっているか、後述する自分攻撃で瀕死化をしていると致死的になりうる
※2
死の宣告:次の「ニュートンリング」の宣言と同時にカウントが0になるかどうかという程度なので、実質的に無視できる
こんな感じである。今回、サポートアビリティ枠の都合上、なんとステータス防御アビリティを1つも装備できないという悲惨なことになっており、「グランドクロス」によって致死的な損傷を受けることが異様に多くなっている。
…具体的な数値として、16種類中、半数の8種類で、キャラが致命的な被害を受ける。やれ、極端な例として、「全員に『即死』で一発全滅」などと言われることもあるが、そこまで行かなくとも十分だ。「グランドクロス」は、サポートアビリティで対策しなければ、一発でパーティが壊滅するのである。
では、確率の面で考えてみよう。前述の通り、1つのステータスの発動率は1/8であり、逆から考えると、7/8の確率で発動しないということになる。しかし、これを8回繰り返すとなると、最終的に8つ全てを回避できる確率は約34.4%である。逆に言うと、約2/3の確率で、ストップ・石化・ヒートなどが発生し、そのキャラクターの戦闘能力が致命的なレベルで奪われてしまうのだ。
…続いて、キャラ1名ではなく、パーティ4人という単位で考えてみる。単純に、1人のキャラクターについて、2/3の確率で致命的なステータスが発生し、1/3でそれを避けられるとしよう。その前提の元、「グランドクロス」を4人で受けた場合、4人全員が無事となるのは約1.2%、3人が残る確率は9.8%、2人は29.6%、1人は39.5%、0人は19.8%である。「3人以上が無事」な確率は、僅か11.1%しか無い。逆に、「健在者が1人以下」と、壊滅的な被害を受ける確率は59.3%である。
――というわけで。「グランドクロス」は、さすが「必殺技」と呼ばれるだけのことはあるという感じである。私も、ここまで酷いとは、実際に確率を計算してみるまで思ってもいなかった。
ちなみに、これらのステータス異常の回復については、今回は回復禁止プレイのため、「万能薬」などを使うことはできない。そして、仮に「回復禁止」の無い低レベルプレイであったとしても、どうせ次のターンはニュートンリングのため、回復している暇は無い。やはり、8種類のステータス以上をどれか1つでも喰らってしまったキャラクターは、その時点で終了なのだ。
必殺技そのA 前列キャラが2000〜4000は喰らう。低レベルでは、まあ無理 |
続いて、永遠の闇が「グランドクロス」の次ターンに使ってくる、「ニュートンリング」について触れていこう。
…ちなみに、いきなり余談から書くが、「ニュートンリング」とは、光の性質についての実験で得られる輪っかのことであり、攻撃技に使えるようなものではない。演出についても、「エネルギーが集中して中央が爆発」という感じで、特に“ニュートンリング”との関連性は見られない。一方、海外版では「Neutron
Ring」=「中性子の輪」となっているが、こちらはこちらで大変なことになる。詳しくは、今年9月に、オズマが倒せずに困っていた際、時間稼ぎ用の日記で書いておいたので、そちらをご覧いただけると良いだろう(【日記:2021/9/17】)。
さて。話をFF9の縛りプレイに戻そう。「ニュートンリング」は、単純な高威力の無属性・全体物理攻撃である。FF9のシステム上、全体物理攻撃を回避することはできない。そのダメージは、標準的な防具を装備して、前列キャラで2000〜4000というところである。
…ということで。もし低レベルキャラが正面から耐えるとなると、「ギャンブル防御」頼みとなる。一応、「FF9究極解析」の木村氏の低レベルプレイによると、防御力64のフライヤを後列防御させた場合、約9%の確率で耐えられるようだ(【WebArchive】)。だが、フライヤ以外のキャラでは絶対に無理であるため、9%の一本槍で何とかしなければならない。他の「グランドクロス」などの凶悪技も存在する中、現実的には、1回耐えるのが限度であろう。
――というか、そもそも今回プレイは回復禁止であり、仮にフライヤが頑張って1発目を耐え抜いたところで、2ループ目以降は「青の衝撃」でHPが1になっている。青の衝撃を魔法回避で避け続けるなんてのも理論上は考えられるが、要するにまあ、無理なのだ。
ということで。この「ニュートンリング」には、「@ジャンプで回避する」「Aリレイズで耐える」「B使われる前に速攻」のどれかの策が取られる。
…まず、@のジャンプ回避は、ニュートンリングをフライヤのジャンプで避けるという方法である。敵が「ニュートンリング」を使ってくるタイミングは、「グランドクロスの次のターン」で固定であり、実行は容易である。まあ、グランドクロスでの発生ステータス次第ではあるものの、シンプルに切り抜けられる戦法と言えるだろう。ちなみに、敵には「『グランドクロス』を使わなければ『ニュートンリング』も使用せず、そのまま『青の衝撃×3』のモードに戻る」という隠れた性質がある(この逆に、「グランドクロスを使ったのち、ターゲット不在でニュートンリングを放てなかった場合、次のターンでもニュートンリングを選択する」という性質もある)。そのため、グランドクロスをフライヤ1名でジャンプ回避して不発にすることで、まとめてニュートンリングの発動も封じ、Lv1フライヤが1人で敵を撃破する…という攻略法もあるそうだ(「夢人都市」様の【こちら】と【こちら】を参照)。ということで、ジャンプを封印しないならば、この「フライヤ1人での撃破」が、戦法としての完成形となるだろう。
――続いて、Aのリレイズで耐える戦法については、まあ単純に「おまじない」「オーラ」「青魔法『リレイズ』」や「転生の炎」などを使って、ニュートンリングでの死亡から復活をしていくという作戦である。2ループ目以降も、「オーラ」や青魔法「リレイズ」の掛け直しによってリレイズを再発動させられるうえ、グランドクロス対策もある程度は行えるため、なかなか安定的にバトルを続けていける。ただ、初期を除いた制限付き低レベルプレイでは、強力すぎるためか、自動復活は封印されることが多くなった。特に、繰り返し発動させられる系統は、禁止度が高い傾向にある。
最後に、対策Bの「ニュートンリングを使われる前に速攻」である。今回プレイで、私が使うのもこれだ。
…まあ、そのやり方はと言うと、幾つかのパターンが存在する。今回の私が使った戦法は、その先駆者兄貴たちと重複するところもあるが、一応「まったく同じ」という戦法は無いはずである。よって、これについては、また後のほうで述べることにしよう。
ほぼ全ての技が必殺技だったわ |
さて。その他の「永遠の闇」の特性についても触れておこう。
…まず、このバトルでは、こちらからの攻撃対象とならない3体の使い魔が隠れており、それぞれ別々に攻撃をしてくるということが知られている。かつては「見えざる闇」などと呼ばれたこともあり、ラスボスらしい特殊仕様であると言える。
――では、それぞれの敵の攻撃パターンについて、述べてみよう。
●本体:「青の衝撃」→「グランドクロス」→「ニュートンリング」→「青の衝撃」→「青の衝撃」を繰り返す。
●防御魔法:「プロテス」「シェル」を使用する。本体のHPが半分未満だと、「ケアルガ」も使う。
●ガ系魔法:「全体ファイガ」「全体ブリザガ」「全体サンダガ」のいずれかを使用する。
●究極魔法:「フレア」「ホーリー」「メテオ」のいずれかを使用する。
○共通:コマンド決定時にリフレク状態となっている相手に対して、跳ね返される魔法を使うことは無い。プロテス・シェルに関しては、既に掛かっているものを選択することもある。また、それぞれの行動確率は、味方側の「元気な人数」に応じて、以下のように変化する。
元気な人数が… | 4人 | 3人 | 2人 | 1人 | 0人 |
本体 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
防御魔法 | 100% | 100% | 100% | 0% | 0% |
ガ系魔法 | 100% | 100% | 0% | 0% | 0% |
究極魔法 | 100% | 0% | 0% | 0% | 0% |
(※「元気」とは、戦闘不能・瀕死・ストップ・石化・猛毒の全てに当てはまらないキャラクターのことを指す。 なお、猛毒については、グランドクロスで発生しないステータスのため、通常は無意味である) |
●訂正[2021/12/22]
究極解析のページを元に、表の水色部分の確率を「50%」と表記していましたが、誤りでした。
条件を満たしている場合の行動率は「100%」であり、50%という数字はありません。
この誤りが起こった理由について、「青の衝撃」で瀕死キャラが増えること、本体と使い魔のATBゲージが明確になっていなかったこと、そして究極解析が初めて行われた時代には瀕死が「元気」ではなくなる条件とは正確に認識されていなかったことが理由であると考えます。
検証のため、リマスター版のLv99チートを使い、全員の魔法回避率を0にして、初ターンから10回の挑戦を行いました。
その結果、確かに「究極魔法」が行動をしたのは10回中5回だった…のですが、もし「究極魔法」が4人健在でも50%しか行動しないのならば、これはおかしなことになります。
というのも、究極魔法と本体の素早さを同じとした場合、1/2の確率で本体が先に行動して「青の衝撃」で瀕死キャラを作成します。よって、「本体→究極魔法」とターンが回った場合の「究極魔法」の行動率は、0%となります(「元気な人数」のチェックは、行動の実行直前に行われるようです)。
そのため、もし究極魔法が、本当に“自分のターンでの行動を50%の確率でスキップする”ならば、「@究極魔法→本体の順にターンが回るか」「A自分のターンの50%のチェックを超えられるか」という二重のチェックにより、初ターンの行動率は25%となるはずです。
しかし、実際には、10回中5回の行動でした。
以上の理由により、「究極魔法の4人健在時の行動率自体は100%であるが、『本体とどちらが先に行動するか』という問題により、実際の行動率が50%のように見えていた」ということであると推測します。
また、ガ系魔法についても、本体1ターン目の「青の衝撃」で瀕死者1名が出来てから、本体2ターン目の「グランドクロス」が飛んでくるまでの間で、行動をしなかったことは1回も無かったので、ここも「3人が元気」の場合の行動率は100%と判断できます。
防御魔法については、試していませんが、同様に100%と0%の区切りであると考えます。
以上の理由により、【究極解析の「永遠の闇」のページ】に書かれている「50%」という数字は全て「100%」の誤りであり、この間違いは、「青の衝撃」で直前に瀕死者が発生して、各パーツの行動がキャンセルされることに由来すると考えます。
この検証の元となったご指摘は、【夢人都市】のアキラメッシュ氏からいただきました(氏によると、究極解析の50%という記述は、瀕死が正確な「元気でなくなる条件」として認識されていなかった時代の名残であるということです)。
この場を借りて、感謝申し上げます。
こんな感じである。【「究極解析」の永遠の闇のページ】とは表記が異なるのであるが、このページの表では、「結局のところ、何%の確率で行動が実行されるのか」ということに注目し、最終的な行動の実行率のほうで反映をさせていただいた。よって、全員健在時の「究極魔法」は、自分ターンでの行動スキップを含めて25%…ということではなく、上に書かれている50%の確率で、「ホーリー」「フレア」「メテオ」を実行する、と捉えていただきたい。
さて。これらのパーツのうち、どの攻撃がヤバいのかと言うと…ほぼ全てがアウトである。
…例えば、「防御魔法」のプロテスなんかは、使われると物理ダメージが半分になってしまうため、速攻作戦の場合は、明らかにダメージが足りなくなって失敗である。使われた瞬間に死亡確定という意味で、これは必殺技と言える。なあに、FF9の防御ステータスはすぐ切れるから大丈夫…と言いたいところだが、永遠の闇の気力は44と高いため、低レベルキャラに掛けた場合とは比べ物にならないほど長続きをしてしまう。
――ちなみに、「防御魔法」は、知性が闇であり、既に掛かっている防御ステータスを選択することもある(FF9は上書きで持続時間が数え直しとなるタイプのため、完全に無意味ではない)。よって、物理攻撃を主力として速攻を狙うなら、「シェル」だけを繰り返してくれることを願うしか無い。または、プロテスの上から、通常の2倍のダメージを与えるかである。さすがに、それはちょっと無理かな…。
その他、「ガ系魔法」については、ただの低レベルプレイであれば、かなりの数を装備品で防御できる。しかしながら、今回は回復禁止プレイなうえ、速攻を狙う作戦ため、装備品に余裕が無い。よって、どのガ系魔法を使われても一発全滅が確定である。
…そして、「究極魔法」は、全員健在でも行動確率が50%しか無いというのが救いではあるものの、低確率で「メテオ」を使ってくることがあり、この場合も容赦なく一発全滅となる。では、「フレア」「ホーリー」なら、単体攻撃なので問題ない…ということも無く、前述の通り、属性防御をする余裕は無いため、どちらを使われても確実に1人の死者が出る。そして、「全員健在」という条件上、初ターンでの行動となることがほとんどである(「青の衝撃」で2ターン目には瀕死者がいるため。まあ、青の衝撃は魔法回避で外れることもあるが)。今回バトルに参戦する4人には、全員に役割があり、火力も割とギリギリであるため、初ターンに欠員が出るようでは勝てない。よって、「フレア」「ホーリー」の文字を見たら失敗という意味で、これも必殺技と言えるのだ。
というわけで。もう、ここまで来たら、必殺技でないものを挙げたほうが早いだろう。使われても即座には失敗とならないのは、防御使い魔の「シェル」に、本体の「青の衝撃」「グランドクロス」、以上である。ただし、グランドクロスは、当然のごとく、1人のキャラについて2/3の確率で致命的な損傷を受けるため、完全に安心とはいかない。
…そして、上記以外の攻撃については、基本的に使われた時点で失敗である。全ての技が殺人技という、ネメシスみたいな奴だ。その中で、唯一の有効と言える防御手段は、カーバンクルでの全員リフレクである。この場合、跳ね返した魔法は、ダミーターゲットに当たって無効になる…ということはなく、本体に向かっていくため、1回だけの火力源として考えることも可能である。もちろん、エーコが先手を取れなければやっぱりアウトであり、防御魔法の「プロテス」は封じられないため、運要素が更に強くなってしまう。
物理防御力の「28」は、地味にオズマ・ハーデスと同程度であり、厄介 |
では、その他の「永遠の闇」の特性についても述べていこう。
…まず、敵のHPは54100である。これについては、DISC4のボスとして、ごく一般的な値である。しかし、その物理防御力が「28」と設定されており、なかなか固めである。FF9の物理防御力は、「10」が基本の値として設定されているため、この場合と「28」とを比べた場合、ジタンのアルテマウエポンで0.8倍、スタイナーのエクスカリバーで0.73倍、フライヤのホーリーランスで0.65倍へとダメージが軽減されてしまう。そして、敵には、「プロテス」「シェル」「ケアルガ」といった防御・回復能力があるため、防御面でも油断できない相手となっている。
――ちなみに、私が過去に行った初期装備クリアー(【初期装備+β】)では、敵の防御力が通常数値の場合、サラマンダーの「猫の爪」装備での物理攻撃で約1000のダメージを与えられるため、これを主力としてゲームを進めてきた。しかし、その物理攻撃力の「23」で、永遠の闇の防御力「28」を割ることはできず、打撃のダメージが100以下にまで軽減されてしまう。この問題と、「グランドクロス」への有効な対策が取れないことから、その初期装備プレイでは、ついに「『なげる』の解禁」という実質的な挫折をせざるを得なくなった。ちなみに、実際には「ケアルガ」もあるため、「初期装備」かつ「ダメージ固定技やジャンプを使わない」という場合、下手すると理論上も不可能というくらいの内容にしかならないと思われる。
いっぽう、こちら側に有利な特性として、永遠の闇の素早さは「23」しかない。これは、味方キャラクターの速さとほぼ同じである。
…やれ、FF9では、DISC3の終盤くらいから、ボス敵の素早さは、もうずっと最大値の「50」かそれに近い値だった。しかし、永遠の闇は、4体の敵がバラバラに攻撃を使ってきて、4vs4と敵味方が対等になるため、その辺りが考慮されたのだろう。なお、使い魔である「見えざる闇」の素早さも、恐らくは本体と同じ程度であると思われる。
――ということで。このバトルでは、思い出したかのようにタイムコントロールが有効になる。味方をヘイスト状態とすれば、初手を取りやすいうえに、ウィンドウ開閉による倍速行動も可能である。また、敵をスロウ状態にすることでも、時間面で大きく優位に立てるだろう。まあ、気力が高いので、「たたかう」の追加効果でスロウにしても、割とすぐに切れてしまうのだが、試してみる価値はあると言える。
「突撃」に繋げなくとも、使い魔3体を一気に封じられるので、超重要! |
では、ここからは、今回の回復禁止プレイで、私が使う戦法について、解説をしていこう。制限は、基本の「回復禁止」に加えて、「ジャンプ」も自主規制をしている。もちろん、固定ダメージ技も禁止となっているほか、サラマンダーLv22&フライヤLv1のパターンでここまで来ている。そう言えば、ここまで書いていなかったが、「突撃」についても、強力すぎるということで、自主規制の対象に入っている。
まず。戦法面で行うのは、開幕でビビが味方全体に「ファイラ」を放って、3人を瀕死にすることである。
…その理由は、もちろん、使い魔たちの凶悪行動を封じるためである。「見えざる闇」は、味方側の状態が良ければ良いほど行動が増えるという性質を持っており、逆に味方全員がピンチであると、本体以外は一切の行動を行わなくなる。そして、この「ピンチ」であるかの判定の1つに「瀕死状態かどうか」というものが使われている。よって、開幕で味方に全体魔法を放って瀕死になることにより、一気に使い魔たちの行動を封印できるのだ! これにより、「ファイガ」や「メテオ」による一発全滅から身を守れることはもちろん、「プロテス」も封印できるため、攻めにも貢献する。
――ちなみに。この戦法を最初に考案したのは、お馴染み「究極解析」で知られる木村氏である。氏の低レベル攻略(【WebArchive】)では、主な目的は、瀕死キャラを作って「突撃」による連続攻撃を行うことであったが、その後に、使い魔たちの行動も封じられるという超強力な作戦であったことが発覚する。これほどまでに優れた作戦を、しかもダメージ計算式の解明まで自身で行って実行したのだ。文句なし、FF9における最高のやり込みの1つである。
さて。今回プレイでは、「突撃」を自主規制としており、そちらの火力を活かす手段は使用できない。しかしながら、「使い魔たちの行動を封じられる」というだけでも十分に強力であるため、この瀕死化作戦を採用しているのだ。
…具体的な方法として、ビビの魔力を24(初期値)とし、味方側に「ファイラ」を全体化して掛けた場合、ダメージ倍率は12か13となる。ファイラの威力数値は「29」であるため、「(29
- 魔法防御力)×12〜13」の計算結果が、“そのキャラクターがHP1/6以下で瀕死となり、かつ死亡しないダメージ”となれば良い。実戦では、ジタン魔法防御力21、フライヤ魔法防御力13&炎半減、スタイナー魔法防御力12&炎半減とした。これにより、ジタンが受けるダメージはHP105に対して96〜104、フライヤはHP100に対し96(固定)、スタイナーはHP120に対し102となる。どの場合でも絶対に一撃死しないうえに、確実に瀕死となれる。これでOKであろう。
――ちなみに、ビビについては、普通の頭防具を付けているため、特に瀕死とはなっていない。しかし、3人が瀕死になれば、使い魔の行動を全て封じられる。よって、「突撃」による攻撃を使わないのなら、誰か1人が健在であっても十分なのである。
ちなみに。ここまでのスクリーンショットの中に、何枚かエーコが参戦しているものがあるが、そこからも分かるように、当初はビビではなくエーコを使用する予定であった。理由は、全体カーバンクルで敵の魔法を跳ね返すことにより、火力に貢献できるという点である。また、「突撃」を使わないのであれば、味方を瀕死にしてもしなくても、火力面では同じだろう…という考えもあった。
――しかし。実際には、全く上手く行く気配が無い。エーコが先手を取れなければリフレクを貼れないのは、まあビビでも同じなので良いとしよう。しかし、上手く全員リフレクとなったところで、相手の「プロテス」にやたらと攻撃を阻止される。今回は、火力的にギリギリであるため、1回でも物理ダメージ半減状態になってしまえば、到底ダメージが足りることはない。対する「味方へのリフレク」は、気力が低いため、すぐに切れてしまう。そのため、グランドクロス→ニュートンリングの間にガ系魔法が飛んできたりして、どうにもならなくなってしまった。まあ、最終的には運なので、何とかなるだろうとも思ったのだが、その運が凄く厳しいという感じであった。ビビ使用のパターンに比べ、勝率はかなり低くなると思われる。
「いつでもヘイスト」は、最強育成でのリジェネの回復速度を上げるだけ…じゃない! |
そして。ここまで、前段のトランス・クジャ戦も含めて、全てのスクリーンショットで、味方のATBゲージが黄色くなっており、▲マークが付いていることにも気付かれているだろう。そう、今回は、全員が「いつでもヘイスト」で加速をしていくのである。
…というのも。その理由は、上で書いたように、永遠の闇の素早さは「23」しか無いため、「いつでもヘイスト」で加速をすることにより、先手を取りやすくなるからである。たかが開幕1ターンだけと侮るなかれ、「ニュートンリング」より前に速攻を仕掛けることを考える場合、本体の「青の衝撃」よりも全員が先に行動できれば、3セットで合計12回の行動を行えるが、逆に「青の衝撃」よりも後となると、2セットで8回しか攻撃を行えない。その差は1.5倍である。短期決戦であればあるほど素早さが重要、つまりポケモンバトルである。また、使い魔に好き勝手されると、1ターンで容易にバトルが終了するため、それよりも先にビビが味方を瀕死化することが極めて重要…という理由もある。
――その他として、ウィンドウ開閉によるタイムコントロールを使えば、更に行動回数が増やせるという考え方もあった。ただ、この戦法は、「ルナ」と併用することができない。また、「スロウ」と組み合わせれば、更にヘイストによる加速効果を活かせるようになるが、敵をスロウ状態にする手段は、実質的に武器の追加効果のみとなる。この辺りの、細かいATBの扱いについては、どうするか決めかねていた。しかしながら、実際のバトルでは、このヘイスト状態によるタイムコントロールが、意外な方法によって役立ってくれた(※後述)。
ということで。本バトルにおいては、「いつでもヘイスト」は非常に有用なのだが、もちろんデメリットもある。それは、サポートアビリティ枠を著しく圧迫することである。
…さて、「いつでもヘイスト」の消費魔石力は「9」である。一方、今回バトルに参戦するキャラクターたちの魔石力は、ジタン18・フライヤ18・スタイナー17・ビビ14であり、最低でも半分を1つのアビリティに専有されてしまうのだ。もっとも、物理アタッカーにとって重要な「MP消費攻撃(5)」と「バードキラー(3)」は付けられるので、その点を心配する必要は無い。
――しかし、「いつでもヘイスト」+「MP消費攻撃」+「バードキラー」で魔石力は「17」となり、もう枠が無くなってしまう。よって、「グランドクロス」対策としてのステータス防御などは、全て度外視しなければならない。また、魔石力2の「与一の心」は、7%という意外と馬鹿にならない確率で外れる物理攻撃の安定性を高めてくれるうえに、暗闇状態への対策にもなる(暗闇どころかバニシュであろうと確実に当たる)。しかし、Lv1での魔石力が最大なジタン・フライヤでさえ、残りは「1」しかないため、「ギャンブル防御」しか付けられるアビリティが存在しない。以上のことにより、グランドクロス対策と、命中率93%と微妙に頼りない物理攻撃が全て当たってくれるかは、★運★である。
バトルスピード最遅&いつでもヘイストだと、「ルナ」の条件下で、1人だけ2回攻撃ができる! |
そして。今回は、私が独自に加えた工夫として、バトルスピードを最遅としていく。理由は、これと「いつでもヘイスト」を組み合わせることにより、「ルナ」でバーサク状態となっている場合でも、最初に攻撃した1人だけはタイムコントロールで2連続攻撃ができるからである。
さて。この、FF9のラスボス戦をテーマとした低レベル系やり込みとしては、これまでに何度も触れてきた、「究極解析」の木村氏による攻略(【WebArchive】。ただしこれは通しプレイの一部)のほか、「温泉天国」氏による「ルナ」使用での早期撃破(【WebArchive】。これも通しプレイ)、アキラメッシュ氏によるタイムコントロール撃破とジャンプによる単騎攻略(【それぞれの掲載ページ】)などが存在する。
…やれ、私の今回の永遠の闇戦は(読みづらい…)、あくまで「回復禁止」という通しプレイの一部分である。しかしながら、その仕様上、ラスボス早期撃破が必要となる。そのため、上記の先駆者兄貴たちの攻略について、それぞれ考察していった。「考察」とは、真似させていただいたところ、偶然にも同じになってしまったところ、そして意図的に被りを避けていったところなどが存在する、という意味である。そして、それぞれの兄貴の攻略と、部分的に同じところはあるものの、まったく同一というものは存在しない。そのため、一応のオリジナリティは出せたと思う。
そして、その私の最大のオリジナル部分が、バトルスピードを最遅にすることによるタイムコントロールなのである。
…どういうことかと言うと、そもそも私は、これまでのバトルと同じように、フライヤの「ルナ」を使う予定であった。最強技の「たたかう」が威力1.5倍で繰り出せるというのは、やはり大きな魅力である。
――そして、そこに「いつでもヘイスト」を噛ませることにより、素早さが「23」と低めな敵より早く行動し、2回連続攻撃ができないかと考えたのである。しかし、実際に試してみると、「たたかう」を4回終えた時点で、敵の攻撃が来てしまい、駄目であった。「『たたかう』のモーション時間+ヘイスト状態でゲージを溜める時間」よりも、「敵がゲージを0から満タンする時間」のほうが短かったのである。
しかしながら。ここで私は考えた。まず、FF9では、基本的にバトルスピードを最速にすることが有利とされている。その理由は、特に終盤のボスにおいて、敵側の素早さの値が凄まじいため、敵のモーション中にゲージを増やすようにしなければ、“逆タイムコントロール”が発生し、何度も連続で攻撃をされてしまうからである。このことは、私もこれまで特に考えることなく、当然であると思っていた。その他、通常プレイだと、ステータスに関連する時間の経過も早くなるため、「いつでもリジェネ」の回復スピード上げる手段として、バトルスピード最速が重要であり、こちらも定石とされている。
…しかし。永遠の闇は、終盤のボスとしては珍しく、素早さが「23」しか無いため、敵味方のスピードに対する条件がほぼ対等である。それどころか、「いつでもヘイスト」を装備しているため、ATB的には味方側有利となっている。ならば、理論上は、バトルスピードを下げることにより、モーション速度の影響を下げ、更にこちら側へ戦況を傾けることができるはずだ。
――そういうわけで。実際にやってみると、さすがに完全なタイムコントロールによる1ターン7回行動(タイムコントロール係のみ1回で、他キャラは2回行動)とは行かなかったものの、「敵行動の終了後に、最初に『たたかう』を使ったキャラ」が、次の敵攻撃が来るまでに、もう一度「たたかう」を行えることが分かった。つまり、通常だと4回の攻撃となるところを、「バトルスピード最遅」&「いつでもヘイスト」によって、5回攻撃ができるようになったのである!
この連続攻撃をするキャラの制御は難しく、ビビだと20くらいしかダメージが増えないのだが、逆にスタイナーならば9999の増加となるため、短期決戦の大きな助けとなってくれる。
ちなみに。この「バトルスピード最遅」には、もう一つのメリットがある。それは、コマンド入力のタイムロスを小さくできることだ。
…さて、FF9では、バトル開始時のATBゲージは「0〜満タン」の間でランダムに決まる。そのため、バトル開始直後のコマンド入力は焦りやすく、ミスも起こしやすい。しかも、敵側は、「このコマンド入力のタイムロス」なしに行動を決定できるため、バトル冒頭の行動については、敵側が圧倒的に有利である。しかしながら、バトルスピードを遅くすることにより、味方側のコマンド入力ロスの影響を少なくできるため、相対的に有利になれるのだ。仮に、敵側の素早さが大きく高い場合であっても、先手を取ることが重要なバトル…例えば、「『刀魂放気での睡眠あり』でのデスゲイズ戦」などは、バトルスピードを下げ、初手を取りやすくする作戦が有用かもしれない。
――やれ。これまで、私はバトルスピードは最速にするものだと思ってきたし、他の方々の攻略を見てみても、ほとんど気にされていないようであった。が、このように、バトルスピードを遅くすることによって有利になれる場合も存在するのである。そういうわけで、これからFF9の縛りプレイをやろうという方が居たら、この「バトルスピード」に注目することで、まったく新しいプレイができる…かもしれない。
さて。私も、このバトルで試行錯誤をするまでは、「バトルスピードをあえて最遅とする」という作戦にメリットがあるとは、夢にも思っていなかった。そのため、第1戦であるトランスクジャ戦では、普通にバトルスピードを最速とし、その状態で勝利をして、オートセーブのデーターを作成した。
――というわけで。結果として、第2戦を始める際には、「装備を変更する必要は無いが、コンフィグからバトルスピードは変えなければならない」という、世にも奇妙な状況が発生してしまった。これくらいならば、少しの操作で終わるため、第1戦からわざわざやり直す必要は無いだろう…という判断である。まあ、こういう、通常のプレイ方針では見られないような状況が発生するのも、“やり込みプレイならでは”という感じである。
サラマンダーと、同じくらい強い! |
というわけで。ここまで、「永遠の闇」戦について色々と書いたが、要するに、やることは以下の3つである。
@ビビが先手を取り、味方全体に「ファイラ」を放って、3人を瀕死にすることで、使い魔たちの行動を阻止する。
Aフライヤが「ルナ」で味方全員をバーサク状態にする。
B「バトルスピード最遅」&「いつでもヘイスト」を組み合わせることにより、「バトル冒頭で初手を取りやすくする」「冒頭の入力ロスを少なくする」とともに、「ルナ」の効果を受けていても、タイムコントロールで1セットに5回の攻撃を行えるようにする。
ということで。あとはこれで、「ニュートンリング」が来るまでに、敵HPである54100を削りきれるかというところであるが、例えば「ルナ」でバーサク状態となったスタイナーは、打撃で9999のダメージを出せる。よって、“2回攻撃ができるキャラ”がスタイナーになってくれれば、「青の衝撃」→「グランドクロス」→「ニュートンリング」の矢印部分だけでも、4回の攻撃が行えることになり、4万ものHPを削れる。まあ、さすがにこれは理論上なのであるが、4人でフルに攻撃ができれば、余裕でダメージは間に合ってくれるであろう。
また、このタイムコントロールによる連続攻撃は、実はグランドクロスによる崩しに強いという特性がある。
…前述の通り、グランドクロスは、単体のキャラで考えると、2/3の確率で戦闘能力を奪われる凶悪行動である。しかし、何人が健在な状況を維持しようとも、「最初に攻撃をしたキャラが、ヘイスト状態の追加攻撃を行える」という点は変わらない。よって、4人健在なら5回行動と1.25倍だが、3人だと4回行動となって1.33倍、同じく2人なら1.5倍、1人で2倍と、キャラが減れば減るほど、相対的な連続行動の効果が上がる。もちろん、実際の攻撃回数自体は減っているため、グランドクロスでキャラが減れば減るほど有利になるというわけではない。よって、この現象は、「グランドクロスによって受けた損害を補正する性能が高い」と考えるべきであろう。
※いつものことですが低レベルクリアーです |
そんなこんなで、実際の勝利時のパターンで、それぞれの味方が与えたダメージは、以下の通りであった。
●ジタン:4824(非バーサク)+6480
●フライヤ:6154+ミス+6630
●スタイナー:9999+9999+9999
●ビビ:21
上のうち、黄色の下線で繋いだ部分が、例の連続攻撃を行えたところである。最初に、「青の衝撃」よりも先んじて行動できたのはジタン→ビビ→フライヤの順である。また、「グランドクロス」の前の1セットで2回攻撃ができたのはスタイナーで、その後のグランドクロスにはフライヤ&スタイナーが生き残り、フライヤ
→ スタイナー →
フライヤと攻撃して、ニュートンリング前でギリギリの勝利を遂げた。
…ちなみに、上のリストでは、ビビの火力が悲しすぎるように見える。しかし、上に書かれている数値を合計すると54106であり、永遠の闇HPの54100を削り切ったのは、本当の本当にギリギリだ。つまり、ビビの攻撃も必要不可欠であった。“事実は小説よりも奇なり”とは、こういうことを言うのだろう。
ちなみに。ビビについては、武器として、あの「オークスタッフ」を装備している。あえて、「メイスオブゼウス」(攻撃力35で、一応150くらいは与えられるはず)ではなく、弱い武器を装備している理由はもちろん、追加効果の「スロウ(20%)」が目当てである。具体的にどうなるかは分からないのだが、もし運良くスロウ状態を発生させることができれば、1セットで5回行動となっているところを、更に味方側有利へと傾けられるはずである。
――ただ、実際には、スロウが発動しないパターンでも、勝つことができた。これがもし、もう少しダメージが必要という場合だったら、スロウの追加効果がカギとなるようなこともあったであろう。用意した要素が役立たなかったのは残念だが、まあ、運ゲーはグランドクロスだけで十分かな…。
■動画■
ここがオープニングから繋がってるのが、最高に渋くてカッコいいんだよね〜! |
こうして、本編ラスボスを倒したので、FF9の物語は終了であり、ついにエンディングを迎える。
…さて、このエンディングについては、名シーンが山盛りであり、既に多くの要素が、様々な人々によって語られている。そのため、私はあえて、あまり注目されないところに触れてみたい。それは、ジタンが単独行動を始める際に、ダガーに対して、「あなた様を誘拐するお約束は、残念ながらここまでです」と、芝居じみたセリフを言うところである。
――言うまでもなく、これは、オープニングの「今から私めが、あなた様を誘拐させていただきます!」から続くものである(【第1話】)。思い出したかのような演劇要素であるが、唐突さは感じず、むしろ“演劇で始まって演劇で終わる”という一貫性を感じさせてくれ、名作漫画を一気読みしたときのような爽やかな読後感を与えてくれる。こういう、「口調」や「呼び名」が変わる時は、感情が揺れ動いている場面であり、名シーンが多いものだ。
そして。上記のように、ここでのジタンのセリフがカッコいいことはもちろんだが、それに対するダガーの返答も、100点満点である。更に言うと、スタイナーの立ち振る舞いや、流れているBGMなども最高で、100%の中の100%、FF界の戸愚呂弟である。こういう渋いシーンがあるからこそ、今の今までFF9は名作として語り継がれてきたのだ。もしFF9のリメイクが将来あるとして、それが心ある作品になるのなら、必ずこのシーンも再現されるだろう。
…ちなみに。現在では、様々な動画サイトを使い、すぐさまエンディングだけを見るようなことも可能である。FF9では、リマスター版においても、特に録画禁止区間は指定されていないため、この名シーンも、即座に見返すことが可能だ。ただ、ゲーム作品には、やはり“自分でプレイしてこそ”の達成感があると思うのだ。例えるなら、それは登山のようなものである。他の人が撮影した山頂の景色を見るのと、自分が山を登ってそれを目にするのとでは、受ける感情は大きく異なってくる。まあ、これは、最近、他のゲームでクライスラービルを登頂した経験から言っているのだが…(【日記:2021/12/13】)。
――ということで。私としては、ぜひ皆さまにも、この“FF9”という名作を、自らの手で味わってほしいと思う。その際に、必要ならば、「低レベルクリアー」という制限を課すことで、バトル部分についても、また以前とは違った気持ちで楽しめることだろう。やっぱFFって…最高だな!
もうちっとだけ続きますわよ |
そういうわけで。スタッフロールが終わると、FF9の本編は終了である。
――ちなみに、FF9では、エンディング後に「THE
END」と出ている時に、隠しコマンドを入力すると、ミニゲームのブラックジャックで遊べることが知られている。何か特典があるというわけではなく、その後の引き継ぎもできないため、完全な遊び要素である。これがリマスター版でも残っているか試してみたところ、ちゃんと初代PSの時と同じコマンドで実行ができた。妙なところで再現度が高い…。
そして。エンディング後にタイトルに戻ると、初代PS版には無かった要素として、「ムービーギャラリー」というものが追加されている。これは、本編で楽しめたムービーの一部を再生できる機能である。ディスク入れ替えが無くなったリマスター版ならではの“おまけ”と言えるが、ポリゴンモデルが上に載っているタイプのムービーは収録されておらず、歯抜けとなっているのが残念だ。
…また、上記の「ブラックジャック」も、タイトル画面のメニューから選択できる。恐らく、L2やR2まで使うコマンドは、携帯電話など端末によっては実行できないため、そのことを考慮したのであろう。うーん、このようなミニゲームまで収録してくれるのは原作再現を感じるが、3Dスティックの3D性とか、効果音とか、もっと力を入れるべきところがあったような気がしないでもない…。
というわけで。本編のストーリーは終了したが、回復禁止クリアーとしては、まだ裏ボスのオズマが残っている。
――と言っても、既に撃破自体は成功させており、あとは日誌を書くだけだ。やれ、最近では、FF日誌だけでなく、「管理人の日記」を書くほうも楽しくなってきたため、なかなか効率良くFF日誌を進めることが難しい。ただ、残り1話ということで、さすがに近日中には完結させられるだろう。今回のFF9は、1年弱のプレイ期間となったけど、なんかずっとオズマと戦っていた気がするな〜…。
(2021年12月21日) 5472 PV
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