アビリティのみクリアープレイ日誌
【第1話 濫觴】
濫觴〔らんしょう〕
「始まり、物事の開始」という意味。
友人がFFXでやりこみをしたいといった。
FFXは友人も、自分も、今まで何度もプレイしてきた作品であり、間違いなくFFシリーズの中で最も楽しんだ作品であろう。
だが、今までのプレイはずっと何の制限もなくプレイしてきた。せっかくまたやるのだから、今回は何か制限を加えてみよう、ということで、二人でいろいろ考えた。
その意見の中にあったのが、今回プレイすることになる「アビリティのみクリアー」である。
そのときには何も深く考えず、ただ単にぱっと思いついただけなのだが、アルティマニアを熟読し、鑑みたらあながち不可能でないことが判明。よって、友人がやりこみをした後に、自分もやってみようと強く思った。
検索してみたけど、こういうプレイをしている人はどうやらいないみたい?
(「FFX アビリティのみ」で検索してみたけどそれっぽいのはひっかからなかった、あくまでそれだけでの判断だが)
ちなみに友人が行なったやりこみは「キマリ無双プレイ」。
自分のエリア以外でのスフィア盤の移動と発動、武器防具の改造、オーバードライブ技…などを禁止。
ただし、キマリのみ、それらの禁止は一切適応されない…というもの。普段のプレイでは序盤でのやや高い攻撃力と貫通が使えるぐらい、あとはガガゼトでの強制バトルぐらいにしか使われないキマリにスポットを当てたやりこみである。
これも面白そうだな…。この「アビリティのみクリアー」がおわったらやってみようかな?
ところで断っておきたいのが、やりこみという名目ではあるが、自分は同じ敵に何度も挑戦する気はない。
もちろん一桁ぐらいならやるが、10回20回…そんなにも同じ戦いを繰り返すつもりはない。
FFX、それは今までのATBを改め、CTBという、全く新しいシステムを採用している。ATBはリアルタイムでバトルが進行するため、プレイヤーのコントロールさばきも一つのやりこみの要素ではないだろうか。だがCTBは一定の演算の上できっちりかっちり進められるため、じっくりと戦略を練ることができる。
さらにアルティマニアという、敵の行動パターンなどが詳細に記された、圧倒的な情報量を誇る書籍がある。
これをもとに、ボスモンスターに限らず、通常モンスターに対しても、一匹一匹じっくりと戦略を練った。アルティマニアに穴が開くぐらい、眼光紙背、葦編三絶ともいわんばかりにすさまじい熟読を繰り返した。(「葦編三絶〔いへんさんぜつ〕」:同じ本を何度も読み返すこと)
敵に何を使用してどれほどのダメージを与えられるのか。敵の使用する攻撃がこちら側にどれほどダメージを与えるのか。敵にどのようなステータス異常が効くのか。敵の行動をどのように妨げるのか。敵をどのような方法を用いて倒すのか。それらを行なうのにどのようなアイテムをあらかじめ入手すればよいのか。どのように動けば最も効率的、かつ安全にバトル終了を迎えられるのか。
あらゆる面で、FFXの安全な道と、抜け道を探した。特に後者。とにかく、穴という穴を探した。たとえそれが小さな穴でも見逃してはいけない。
その穴をいかに広げるのか。その穴をいかに穿つのか。その穴をいかに掘り下げるのか。
まるでカンディルのごとき貪欲さで、今回はこの「アビリティのみクリアー」に臨んでいきたいと思う。
●豆知識:カンディル(カンジルとも) アマゾン川などに生息する体長20センチ程度のナマズの一種。非常に獰猛で食欲旺盛。動物の穴(目やエラ、排泄孔など)から、鋭い歯で食いちぎりながら侵入し、体内から食いつぶしていく恐ろしい魚。種類によっては直截皮膚などを食い破ることも。しかも集団で暴れ狂うように襲いかかってくる。アンモニアを感知する能力があるため、排泄孔付近から侵入されることが多い。冗談抜きで殺人魚。 アマゾン川ではピラニアが危険だと思われているが、カンディルの恐ろしさはピラニアの比ではない(ただしカンディルにもいろいろな種類がいるため、すべてのカンディルが危険なわけではない)。ちなみにピラニアが殺人魚だというのは小説や映画などで誇張されたものであって、実際は人を襲うことはほとんどない。 |
さて! というわけで友人がやりこみを終えたので、早速プレイ。
これからしっかり働いてくれよ、PS2(薄型)。
ディスクを入れて…美しいピアノの旋律。いい曲だ。さ、ニューゲーム…と。
リュック「ユ・リ・パ、レディ、ミッションスタート!」
あ、これFFX-2だ。間違えた。ディスク紛らわしいねん。
まぁ最初のスタート画面で気づくけどそのまま見ちゃった。てへ。気を取り直して今度こそFFXのディスク。
「最後かもしれないだろ? だから全部話しておきたいんだ」
どの辺がファールなのか、ルールなんぞあってないようなブリッツのオープニングムービー。
試合中に迫り来るシン。そして次次と町は破壊されていく。町中に溢れるシンのコケラ。
アーロンとティーダの二人でスパスパ切り刻んでいく。いきなり剣をほいっと渡された割には結構さまになってるじゃないの、ティーダ。
途中のシンのコケラ=エムズは『グラビデ』しか使えないかわいそうなヤツなので問題なし。
(アーロンのオーバードライブ技は強制なので制限は解除。また、エムズ戦は負ける要素がないので、ティーダも制限解除)
そのまま突き進んで、シンがすべてを飲み込み、ティーダはスピラにわたる。
行き着いた先でアルベド語辞書を合成して、アルベド語はOK。所所抜けてるけど。まぁいいや、べつにこれだけわかれば問題ないし。リンから逆転のカギをもらってもどうせ使わないし。
サハギンとジオスゲイノは特に書くこともない。
バージの寺院で焚き火。火のつき方がおかしい。ボムでもいたんだろうか?
消えそうになるとティーダが火に向かって話しかける。そのほうこうにはだれもいない。
あわてたところにクリックが登場。途中で参戦するリュックの手榴弾とティーダの攻撃で問題なし。
ティーダはリュックに殴られてサルベージ船へと。
アニキが「ウェッ」とか「ウリャッ」とかほざいて説明。
「ワカンナイノカ…」
お前がバカだということは分かった。
アレを引き上げるべく、もぐっていくリュックとティーダ。
ティーダがいろいろバンバン叩いて作動。むちゃくちゃだろ。写りの悪いテレビかよ。
トロス戦は問題なし。この辺ならまだまだ当たり前。
イベントを進めてティーダはビサイドの島へ。ピラニアどもをなぎ倒し、村へと続くやたら勾配のきつい坂を下っていく。
敵が多いとか言うけど、全然出てきません。
試練の間を攻略して、ワイズロッド(ユウナ武器:魔法攻撃+5%・魔法攻撃+3%・見破る)を入手。
祈り子の間でキマリと、黒い服を着た魔法使いと出会う。そしてさらに奥から腋を見せびらかしているヒロイン、ユウナとまみえる。
ヘテロクロミアの睛って素敵(「ヘテロクロミア」は虹彩異色症、左右の目の色が違う人のこと。よく知られている「オッドアイ」は動物に対して使う言葉)。
さらにイベントを済ませて、一行はビサイドを旅立つ。ユウナは寺院の前にみやげを放置。なぜ片付けないし。
チャップは祈っていかなかったので、ティーダも祈らず棒立ち。
勾配のきつい坂でのチュートリアルバトルは問題なし。問題あるほうがどうかしてる。
さらのそのあとのキマリ戦も問題なし。問題ある邦画銅貨してる。
ガルダ戦もヴァルファーレとワッカの『ブラインアタック』で問題なし。揉んだ胃ある奉賀同化し照る。(ガルダ戦はチュートリアルバトルなので制限は解除)
そしてその辺のウォータプリンがウォータシールド(ティーダ防具:水半減)を落とす。
むむむ! これがあれば、先のシンのコケラ=エキュウ戦の『スクリュー』のダメージを軽減できる!
リキ号に乗り、シン(背ビレ)との戦い。
コケラを二匹殺害し、『はげます』で強化して、ワッカとルールーとキマリで攻撃しているだけで終わり(ルールーは『ファイア』など、キマリは『竜剣』)。
その後のエキュウ戦も『ブラインアタック』を併用し、たいした問題もなく撃破。先のティーダのウォータシールドがあったから、なおさら効率がよかった。
そしてシン(背ビレ)がサンダーシールド(ティーダ防具:水半減・雷半減)を落とす。おおお? いいじゃんいいじゃん。
ウォータシールドがいらなくなったけど。サンダーシールド、結構使えるな。やったね、序盤から幸先いいぞ!
その後シンに破壊されるキーリカ。悲しみの舞を踊るユウナ。……。
一行はキーリカの森を行く。モンスターどもは問題なし。はぐれオチューは無視。
そして階段の上でシンのコケラ=グノウ戦。
触手を消し飛ばした後、キマリの通常攻撃とルールーの『ファイア』で攻撃。HPの回復や毒の治療を必要に応じて行ないながらドカドカ殴り問題なく撃破。
キーリカの寺院でイフリートを入手し、キマリの防具、炎神の小手(炎半減・雷半減・氷半減)も入手。
一向はルカを目指す。