アビリティのみクリアープレイ日誌
【第14話 獲麟】
獲麟〔かくりん〕
物事の終わり。特に、人生の終わりなどを意味する。
「終焉」と同義。
シンの体内・悲しみの海。
なんか不自然な濁流が一方通行になっていたり、それ以前に大体シンの体内ってどうなってんの?
宝箱から妖魔の指輪(ユウナ防具:炎吸収・水吸収・雷吸収・空き)をゲット。
これ、いかにも「氷吸収」追加してね…っていうかしろ、っていってるような装備品だよね。
(ちなみに隠しエリアで拾えるリュックのビクトリアスも)
モンスターは睡眠、石化、死の宣告などが通用する敵ばかりなので問題なし。
ただキングベヒーモスが非常に面倒。キングベヒーモスは死の宣告が効くので、倒すこと自体は簡単。「回避カウンター」を持ったワッカが『挑発』を行なうことで通常攻撃は回避できる。
だが、この日誌を読む方ならご存知のとおり、キングベヒーモスは死に際に極めて威力の高い全体攻撃、『メテオ』を放ってくる。『メテオ』はこのプレイでは耐えることが難しい。
不可能ではないが面倒。
(プロテス+防御+はげます状態であればダメージは1500程度にまで軽減できる。HP2倍状態のアーロンならば生き残ることは可能。さらに「物理防御+○%」や「HP+○%」などを併用し、かつダメージの乱数ができる限り最小になれば、計算上生き残れるキャラクターは増える)
ただし、カウンターによって戦闘不能になった場合は使ってこない。グラビデなどを使用してぎりぎりまでHPを削り、最後はワッカの回避カウンターで止めを刺す。かなり面倒だが、こういう面倒さは今まで何度もやってきたさ。
(召喚獣で止めを刺す、事前に一人か二人逃がしておく…などという方法もあるが、プレイ方針に反する)
アイテムを回収して、嘆きの園にて、ついにシーモア・最終異体(以下、シーモア)との戦い。
こいつは幻光天極とかいうよくわからないものを利用して属性攻撃を四回連続で放ってくる。幻光天極でシーモアの使う魔法や属性攻撃との相性が変化するが、複雑なので割愛。最初は幻光天極に何もしなければ、シーモアは『ファイガ』を四回連続で使用してくる。
また、シーモアは何かしらの行動を六回受けると「『デスペル』→『アルテマ』→次のターンに幻光天極を操作し、以降から使う属性魔法を変える…」という行動を実行。『アルテマ』は軽減や反射ができない上に威力が高く、受ければ全滅は確定。
シーモアを撃破する方法は非常に単純。
『ファイガ』はリュックやユウナ、ルールーなら「炎吸収」などの装備品で完全にシャットアウトできる。ヘイスト状態で五回まで至高の魔石を使った後、タイミングを見計らって、『アルテマ』を使われる前にさらに至高の魔石を打ち込めばよい。『デスペル』でヘイスト状態は解除されるが、隙があるので勝てるはず!
そういうわけで、あらかじめ炎を防御できる装備を整えておき、シーモアに挑むことに。
「感謝するがいい。私はお前の父親を守ってやるのだ」
名曲、シーモアバトル(そのまんま)が流れる。いい曲だなー。
先発メンバーはユウナ、リュック、ルールー。この三人は宝箱から確実に炎をシャットダウンできる装備品を入手することができる。
いきなり『ファイガ』を使われるが全員無効化(ユウナとルールーは吸収)。全員行動でAPを稼ぐため、キャラクターを入れ替える。
炎を軽減できるキャラクター(オメガ遺跡のピュロボルスが炎を無効化できる装備を落とすことがあり、アーロンとワッカが炎吸収を持っている)はそのまま。
そして炎を無効化できないティーダとキマリがリフレク状態に。ところがこれがすべての失敗の元となる。
全員行動したらリュック、ティーダ、ユウナの三人で、ヘイスト状態になった後至高の魔石を使用。
『ファイガ』は無効化したり反射するから安心、これで五回使用して…。次の『ファイガ』も無効化し…。
「お前の求める救いや希望はスピラのどこにもありはしない…永遠の安息を受け入れるがいい!」
ゑッ!!???
『デスペル』でヘイスト状態が解除される。次に『アルテマ』が来るまでにリュックが行動できるが…。
無理に決まってるだろ!!
「光なき世界へ」
アルテマで木っ端微塵。
さぁ、無にかえろう。(←このせりふのネタ、分かる人いますか?)
しまったぁ、リフレクで反射されたやつが原因か…。
実は敵の魔法をリフレク状態で反射した場合、それは「反射したキャラクターが、反射された魔法を受けた敵に何かしらの行動を行なった」ものとみなされる。ただし、カウンターの対象にはならない。しかし、カウントの対象にはなるのだ。
つまり、『ファイガ』を反射したぶんだけ、シーモアのカウントも増えている。
結果、六回カウントを刻むと「『デスペル』→『アルテマ』」というのを助長してしまったというわけ。
うぁぁ…なんてミスを…。(全滅回数:12回)
既往は咎めず。二回目。
(「既往は咎めず〔きおうはとがめず〕」:過ぎたことは仕方がない、今後気をつければよい、という意味)
上記のパターンが起こらないように五回行動するまでに炎を無効化できるキャラクターだけで対応。
リュックとユウナをヘイスト状態にし、『使う』を使えない一人は『ファイガ』が来ないようにタイミングを計って至高の魔石を使用。
結果、『デスペル』は使われたが『アルテマ』が来る前に撃破!
うー、勝てるバトルで一回むざむざと負けるとは…これは少し慢心していたぜ。
今まで大活躍だった『リフレク』がまさかここであだとなるとは…。
ま、とにかく勝ったからいいや。異界送りにより虚空へと還るシーモア。
さらに一行は奥へ進む。死せる夢の都。アイテムを回収。倒せるモンスターはなぎ倒し、キングベヒーモスとモルボルグレートからは逃げる。
前者は非常に面倒、後者は撃破が極めて難しいため。
アイテムを回収し、死者の塔から悪夢の中心へ。アイテムを入手したという字幕が出ている間は足元から氷柱が出てこないので安全に回収できる。
十個回収し、夢の終わりへと。
いよいよ、このゲームのラストボス、ブラスカの究極召喚、ジェクト(以下、ジェクト)。ティーダの父親である。
このバトルが終了したあとも、召喚獣およびエボン=ジュとの戦闘が待っている。ただし、そのバトルでは強制的に解除不能のリレイズがかかっているため、負けることは絶対にない(一応、石化攻撃などがセットされた武器で味方を攻撃すれば全滅することは可能)。よって、このジェクト戦が最後のボスである。
ジェクトは第一形態と第二形態にわかれており、第一形態を倒したあとは続けて第二形態に移行する。
また、オーバードライブゲージも設定されており、行動を受けたり、左右に配置されたジュ=パゴダ(以下、パゴダ)の『パワーウェーブ』などでゲージが蓄積される。
ゲージが満タンになると専用の強力な技を使用するようになり、そのダメージは非常に強大。
いかにそれらを乗り切るかが鍵となるが……。
挑戦10回目。結論から言いましょう。
無理。
原因として、ジェクトのすばやさがかなり高いことが挙げられる。オメガ遺跡のザウラス並み。
こちらで一番早く行動できるリュックでさえも、ジェクトには遠く及ばない。
パゴダはスロウ状態にすることができるが、ジェクトはスロウもディレイも効かない。その上、向こうの通常攻撃にはディレイの効果があり、行動を遅延させられてしまう。行動が早いので、こちらが『プロテス』や『シェル』などの戦闘準備をすることもままならない。
はげます+プロテス+防御状態ならダメージを耐えることもできるが、その態勢を整えられなければどうしようもない。何かしらの行動で必ず一人死に、それを蘇生させても、また攻撃で死ぬ。その繰り返し。
パゴダの『パワーウェーブ』で、オーバードライブゲージもすぐにたまってしまい、『ジェクトフィンガー』で粉砕される。
ジェクト自身には毒やゾンビ、パワーブレイクなどが有効だが、『パワーウェーブ』によってそれらのステータス異常は解除されてしまうため、あまり効果的とは言えない。
通常攻撃を「回避カウンター」で回避する方法も考えたが、「回避カウンター」を持ったワッカとキマリが『ジェクトビーム』に対する防御を確立できない。
とにかく敵のすばやさが高いことですべての計画はご破算になる。
理論上は、シェル状態のアーロンなら『ジェクトビーム』を耐えることは可能。なので、『ジェクトビーム』の対象をアーロンに、かつ『ジェクトビーム』だけ行なってくれるならまだ対処法はある。
しかし、あくまで理論上でありそんなことは不可能。さらにゲージがたまれば『ジェクトフィンガー』が来る。
ティーダがトリガーコマンドの『話す』を行なうことで、オーバードライブゲージを初期化する上、ジェクトの行動を抑えられるが、待機時間の関係で有効ではない。
一応、銀の砂時計を使ってパゴダの行動を遅らせてみる。
そのあと敵の攻撃を受けては死に、それを蘇らせて、また死ぬ。それを蘇らせて…という膠着状態が続く。この間、最初に銀の砂時計を使った以外、敵に何の行動も取れていない。味方の蘇生ばかりで手が回らないのである。
これは運が悪いとかそういうレベルではなく、能力値とシステムの関係で根本的に無理。
80個あったフェニックスの尾が20個に。もはや相手に活殺自在を許す展開。これは最終手段を使うしかない…。
(「活殺自在〔かっさつじざい〕」:相手を生かすも殺すも自由であること)
バハムートさん! お願いします!!!
ついに禁断の封じ手、バハムート召喚。
どうしても勝てないバトルがついにきてしまった。厳密にはマカラーニャ寺院のアニマ戦ですでに一回『召喚』を使用しているが、のちにそれ無しでも勝つことができた。だが、今回はどうにもならない。
バハムートを召喚。こういう事態に備えて、あまっていたパワースフィアなどはそだてるですべてバハムートに注ぎ込まれている。
また『プロテス』『シェル』『ヘイスト』『はげます』『集中』『竜剣』を習得済み。自身にこれらを使用して攻撃に耐えられるようにした後、攻撃。
HPが4000以上あるバハムートならば、通常攻撃や『ジェクトビーム』、『ジェクトボマー』(『ジェクトフィンガー』は、召喚獣に対しては『ジェクトボマー』に変わる)は余裕とまではいかないが、耐えることは充分に可能。
『ジェクトフィンガー』よりも数段エフェクトがしょぼい『ジェクトボマー』。
『竜剣』でHPの回復をおこないつつ、オーバードライブゲージがたまったら『メガフレア』。
パゴダに対しては射程が「遠」以上の攻撃しか届かないため、射程が「中」の『メガフレア』は届かない。よって、パゴダのスロウ状態をキープでき……。
ジェクトとパゴダに80000前後のダメージ!!
届いとるやないかーーーい!! ちゃんとしてくれよアルティマニア…。
ジェクトが第二形態へ。『メガフレア』による長い待機時間の間にジェクトに殴られ、パゴダは復活。
『なぎはらい』などで受けたダメージを『竜剣』でパゴダに向けて使用。回復し、パゴダにダメージを与えていく。次に『メガフレア』を使用した際に確実にしとめるため。
パゴダは蘇る際に、戦闘不能になるまでに受けたダメージの合計を、次の復活時に最大HPとする特徴がある。
つまり、『メガフレア』で与えた80000前後のダメージがそのままHPとなっているわけ。よって、次に『メガフレア』を放ったところで、乱数次第で一撃では倒せないことが有り得る。そのため、『竜剣』でHPを削っておくのだ。
パゴダは二体そろっていれば『パワーウェーブ』を繰り返すだけだが、どちらか一体の動きが止まってると行動パターンが変化する。『カージュ』で複数のステータス変化にしてきたり、『アスピラ』でMPを吸いとったり。かなりうっとうしい行動なので、パゴダの動きを止める際は二体同時にしなければならない。
『竜剣』でちくちく攻撃しながらジェクトのHPを減らしつつ、自分は回復。
だが、『パワーウェーブ』で回復されるのでなかなか進まない。先ほど倒してしまったのでスロウ状態も解除されてるし…。
オーバードライブゲージがたまったところで『メガフレア』を使用する。
あらかじめパゴダはHPを減らしておいたので二体そろって消滅。しかしすぐに復活。
同じような進退を繰り返して、もう一度『メガフレア』。ジェクト撃破…。
続く召喚獣戦。どの召喚獣も光の魔石で一撃。
しかもようじんぼうとメーガス三姉妹は取ってないので存在すらない(後者はモンスター訓練場を禁止している関係で入手不可)。
最後のエボン=ジュ戦もキマリのスティンガー(貫通・ゾンビ攻撃改・見破る)を使用して、ゾンビ状態に。
カウンターの『ケアルガ』で自分自身にダメージを与え、さらに『グラビジャ』で自分もダメージを受ける。
こいつ大丈夫か? さらに横にいるパゴダの『パワーウェーブ』ですらダメージを受ける(ただしゾンビ状態を解除される)。ただ、そのあとカウンターで『ケアルガ』使うので9999回復するけど。(ダメージを受けると反射的に『ケアルガ』を使う)
ちなみにこの『パワーウェーブ』、リフレク状態も解除するようで、『ケアルガ』を反射してこちら側に…というのも通用しなくなる。
こざかしい。ああこざかしい。だが、このバトルで負ける要素など何もないので適当にゾンビなどを利用して撃破。
エボン=ジュが石に挟まれて消滅。
そして感動のエンディング…。おいらこういうの弱いのよ〜〜。
……これですべておしまい。(全滅回数:21回)
ジェクトをこのプレイで倒せなかったのは最大の汚点だ。まぁ待機時間やステータスの関係で確実に無理なのだが…。
最後の最後で巨大な壁になすすべなくつき返される。はぁ、やはり父は偉大なんだな。
昔も今も、二次元でも、父は偉大なのだ。勝てない。
バハムートで撃破したにしても、それは「そだてる」でステータスをアップしたからこそスムーズにいけたこと。
「そだてる」を利用していなかったら、『メガフレア』のダメージは16000程度にしかならないし、竜剣はほぼ意味がないものに。
結局、この「アビリティのみクリアー」は、最後のジェクトで挫折、という結論に至る。
「九仞の功を一簣に虧く」という言葉があるが、まさにそんなものかな…。はぁ。
(「九仞の功を一簣に虧く〔きゅうじんのこうを いっきにかく〕」:99%うまくいっていたのに最後の1%で失敗し、結果、すべてをだめにしてしまうこと)
でもクリアはできなくとも、今までの数数の強敵との戦いは非常に華麗なプレイもあり、決して無駄ではなかった。
このプレイを埋もれさせてしまうには実に惜しい、そんな攻略法もあったはず。
このプレイを通して、今までの自分がどれほど正面を切っていたかがよく分かったし、自分もFFXの戦闘の新たな側面に触れられた。
そしてなにより、制限プレイということ自体がはじめてであったため、何度もクリアしたゲームにもかかわらず、新鮮な気持ちでゲームを楽しめた。これこそが、やりこみのすばらしさなのだろう。自分は、また一つ、新たな発見をした。
所詮ゲーム。だが、ゲームは侮れない。このプレイを心から楽しめた、それでいい。
さて、挫折とはいえクリアはクリア。
でもまだこのプレイでやることは残っている。
オメガ遺跡のアルテマウェポンとオメガウェポンはまだ倒してない
モンスター訓練場の一部の敵も、アビリティを駆使すれば倒すことができる。
まだこの「アビリティのみクリアー」は終わっていない。
今しばらく、お付き合いいただきたい。