最強武器決定戦
【メイス -左 右 左 ○!-】
・×メイス ○カス
今回の武器は「メイス」。メイスとはそもそも、近代化された「こんぼう」のことであり、多く金属製の頭を持った殴打用の武器である。鎧で身を固めた兵士に対して効果が高く、中世ヨーロッパでは広く使用されたものだった。しかし、強力な「銃」の発展と共に鎧が廃れてしまい、有効な相手が居なくなったメイスも過去の武器となってしまった。要するにダーク・ダイブ・ボンバーをメタったと思ったところで奴が禁止カードになったため存在意義が消えたライフ・コーディネーター的な感じである。
そしてFFのようなRPGでは、このような構造が単純な武器は見栄えが悪いため、あまり登場していない。笛や竪琴、そして服や先端からヒモが飛び出る謎の杖ですら武器になっているというのに、「メイス」を主として使用するキャラクターは、今の今まで存在しなかったのである。
――それだけに、メイン武器の一つにまで昇格したFF12では、「メイス」は大抜擢されたと言えるのだ。ああ〜出世街道ぉ〜♪
と。こういう書き方をするということは明らかにフラグなのだが・・・残念ながら「メイス」は星蓮船/魔理沙B並みのクソ装備と言って差し支えない。
まず、メイスの特徴は、そのダメージが「力」ではなく「魔力」によって決まることである。計算式ではちょうど「力」が「魔力」に置き換わっているという感じになっており、まさに魔法使いキャラクターの打撃用武器として設計された武器なのだ。
――だが。FF12では、多くのことを1人のキャラクターに行わせようとすると、いわゆる"器用貧乏"になってしまいがちである。それよりも、戦闘メンバーは3人居るのだから、1人ないし2人が前衛でアタッカーを務め、魔法使いキャラがそれを後衛でサポートする・・・などと役割分担をしたほうが良いのだ。加えて、魔法使いキャラクターの装備は物理防御力が低いため、範囲攻撃を喰らいづらい遠距離からサポートをすることは非常に理に適っていると言えよう。
ところが、いざ魔法使いが「メイス」を装備して殴りに行くと、上記のようなサポート役の概念が根底から崩壊してしまう。攻撃時に敵の近くへと移動するため相手の攻撃を受けやすくなり、防御の薄い魔法使いキャラクターは簡単に倒れてしまう。その度に攻撃役が手を止めて戦闘不能を回復させる必要が出てきてしまい・・・結局、下手に攻撃を仕掛けていくことで逆に攻撃の効率が落ちてしまうのだ。特に、ダンジョン道中ではこの傾向が顕著である。
更に、メイス自身の能力も非常に貧弱であり、同じ時期に手に入る片手剣と比べて攻撃力が2/3くらいしかない。
そのため、魔装備で固めて魔力を大きく上げたとしても、結局はアタッカーよりダメージ面で劣ってしまうことになる。魔法使いが前衛に参加するという時点で圧倒的なディスアドバンテージを負っているのに、ダメージまで少ないと来たら・・・。まったく、「メイス」は何のために産まれて来たんだろう(´・ω・`)
一応、魔法使い系の武器としては、唯一片手装備であり、「盾」が同時に装備できることがメリットと言えるかもしれない。だが、その用途なら回避率の高い「マインゴーシュ」や計算尺を装備したほうが有用だろう。ダメージが与えられなければ、「メイス」を装備する意味は全く無いのだから。
――そんなわけで、今まで他の武器を(;^o^)「決して弱いわけでは無いのだが・・・」などと紹介してきた俺でも、今回は断言できる。「メイス」はクソ装備だ。それでも「メイス」を使いたいだって? だったら他にサポート役を用意して重装備で防御を固めて前衛で戦え。ダメージの低さは気合でカバーしろッ!
今回の話は、そんな「メイス」たちの戦いの物語である。
読み終わった後には、あなたも「メイス」の気持ちが痛いほど分かるはずだ。片手剣ェ・・・。
・(○○○○、○○○R1○)*500
さて、まずはヤズマット戦である。
メイスは店売りも非売品もザコばっかりなのだが、一つだけ有用なものが存在する。それは「メイスオブゼウス」。攻撃力は恐ろしく低いが、密かに闇属性を強化する特殊能力が存在する。といっても「メイスオブゼウス」自身は闇属性を持っているわけでは無いため、強化するとすれば「ダーガ」などの闇属性魔法だ。
と言っても、「闇属性を強化する」という用途では「黒のローブ」を使うことが多いため、やっぱりメイスの出番は少ない・・・のだが、「闇属性の魔法を反射させて攻撃する」「リフレク&ヘイストを装備品で永続的に発生させたい」「MP消費を気にしなくて良い」という極めて限られた状況下では、装備品が武器欄しか空かないため、「メイスオブゼウス」が使用されるのだ。・・・そんな状況、どう考えてもヤズマットの壁ハメ作戦しか存在しないだろ(´・ω・`)
そのヤズマットの「壁ハメ作戦」とは、「待避所アタック」とも呼ばれる、ヤズマット戦の特殊な戦法の一つである。
基本的な原理は、俺が過去に作った「ヤズマットハメ殺し作戦」と同じであり、相手の攻撃が届かない位置から「ダーガ」などの魔法を反射して、一方的に攻撃を加えるというものである。だが、この「壁ハメ作戦」が違っているのは、メンバー3人で一斉に攻撃を加えるという点だ。
FF12には「戦闘に"参加"していないモンスターのHPは自動的に回復する」という基本システムが存在する。俺の「ハメ殺し作戦」では、相手が行動を入力したが「蘇生」での対象消滅によってそれがキャンセルされる・・・という原理を用いて、その自動回復を阻止してきた。だが今回は、リフレクで魔法を反射させて攻撃する手前、全員が自分しか対象を取っていない。そのため、放っておくとヤズマットのHPが1秒に50万も回復してしまうのである。
・・・さすがにそれでは勝てないため、手動でコマンドをヤズマットに向けて入力する。もちろん、その攻撃はヤズマットには届かない(もし届く距離だったら、相手の攻撃も飛んでくる)のだが、ヤズマットを"戦闘"へと引きずり込み、自動回復を阻止してくれるのである。いちいちコマンドを入力する手間が出てくるが・・・背に腹は代えられない。
逆に、この作戦のメリットを言えば、3人がパーティメンバー全員に魔法を跳ね返して攻撃できるので、1ターンの攻撃回数が9回と極めて多いこと。更に相手の攻撃も一切受けないため、回復などの手間も不要だ。壁に隠れて魔法を反射するという馬鹿らしい戦法だが、その通りに馬鹿らしいほどのタイムが出てしまう作戦なのだ。
ということで、実戦に移ることとしよう。
今回の「壁ハメ作戦」で使う魔法は闇属性最強の「ダーガ」、ではなく演出が軽い「ダーク」、でもなく「バランス」である。どういうことかと言うと、FF12の一般的なダメージ上限は9999なのだが、何故か「バランス」のダメージは1万を超えるため、より大きなダメージを狙っていくことができるのだ。
「バランス」はご存じの通り、減っているHPの分だけダメージを与える攻撃であり、大ダメージを狙う場合は危険と隣り合わせになってしまうのだが・・・今回の壁ハメでは相手からの攻撃を受けないため、安心してHP1で「バランス」を連打することができる。「デュエルマスク」「バブルチェーン」を装備して、大体ダメージは13000程度。
ところが、この作戦を実行したところ、2つほど問題点が出てきてしまった。
まず、「バランス」の命中率が100%では無いということ。というのも、FF12(とFF9)には「ダメージ計算式が特殊な攻撃は命中率が低い」という乙なシステムが存在するため、「バランス」の命中率も低くなってしまうのである。具体的に言えば、活力99のヤズマットに100%の確率で「バランス」を命中させるには、「瀕死魔力UP」の効果を得たとしても79以上の魔力が必要である。脳筋のバッシュでは「賢者の杖」を装備してもこの値に達さないため、残念ながらHPの低いアーシェに「賢者の杖」を装備させてバランス要員として使って行かざるを得なくなった。さり気なくメイス以外の武器を使っていることには、決して触れてはいけない(´・ω・`)
そしてもう一つの問題点は、「バランス」は3人同時に放てないということである。演出的には派手な魔法にも思えないのだが・・・遅延が発生してしまい、同時に2人までしか放てなかったのだ。そのため、「バランス」*1+「ダーク」*2という構成で攻撃を仕掛けていくことにした。これならば、3人同時に魔法を使うことができるのだ。
ということで、解説がウザいくらいに長くなったが・・・さっさと戦うことにする。
最初はまず、「ハメ殺し作戦」の時と同じ要領でクイっと北側階段までヤズマットを誘導し、そこですぐに壁の向こうへと逃げ込まず、「ニホパラオア」+ハイエーテルでMPを0にし、「魔防破壊」を適量当てておく。前者で、ヤズマットが「シェル」を使ってバランスの命中率を半減させることを阻止。後者で、攻撃数値の低い「ダーク」でも「メイスオブゼウス」装備などの強化によって9999ダメージを与えるようにするのである。
それが終わったら、壁の反対側に移動し、あらかじめ瀕死状態にしておいた魔法使い3人組を出す。そしてひたすら「バランス」と「ダーク」を連射。前述の通り、ヤズマットの自動回復を阻止するために、リーダーのアーシェはガンビットを切って、「ヤズマットを対象に『バランス』」を選択」→「その後、自分たちを対象に『バランス』を使用」という行動をひたすら繰り返す。正直言って死ぬほどめんどくさいが、一瞬でも操作ミスをすると数百万のレベルでHPを回復されてしまうため、決して手は抜けない。「バランス」の3発目が飛んで行ったことを確認したら○ボタンを4回、続いて○*3+R1+○を入力。これをひたすら繰り返す。Oh...
しかしながら、それだけの手間を掛けさせるだけあって、ダメージ効率は最高レベル。「ダーク」で9999、「バランス」で13231のダメージが叩き出る上に、それが味方全員のリフレクで反射されて3倍となるので、一回のルーチンにつきダメージは99687。それが数秒で繰り返されるため、100万のHPが1分で削れてしまうのだ。
・・・そんなこんなで、撃破タイムは59分3秒。初の1時間切りとなる過去最高のタイムであるが・・・まあ、アルティマニアΩに載っていた記事から、これくらいのタイムが出ることは予想が付いていた。ってか、こんな戦法でこんな記録が出て良いのか・・・?
それに、いくら最高記録が出たとはいえ、今回のテーマである「メイス」らしさが微塵も感じられないしなァ(´・ω・`)
メイス -
ヤズマット戦 |
・アッガーレ↑↑
さあ、気を取り直してオメガmk.XII戦に入るぜッ!
今回は「メイス」らしく、物理攻撃と魔法攻撃を組み合わせた戦法を使用してみよう。まず、今回のデコイ&リバース役はバルフレアではなく、魔力の高いパンネロ。そのパンネロが攻撃力最大の「グランドメイス」を装備してバーサク状態でオメガmk.XIIに突撃し、「デコイ」無しでも攻撃を引きつけてダメージを与えていく。
その後はヴァン・バルフレアが遠距離から「ショック」を使って攻撃。ダメージ効率こそ打撃には劣るものの、遠距離から安定して攻撃を加えることができるため、盾役以外が攻撃を受ける可能性を極めて少なくすることができる。更に魔法攻撃は、「瀕死防御力UP」でもダメージが軽減されないため、終盤でも安定して6999ダメージを与え続けることができるのだ。うむ。まさに物理と魔法を組み合わせた、「メイス」らしい戦法だなッ!
・・・と。こういう無駄のない戦法は無駄だらけなのが毎回のパターンである。
まず、この戦法では後衛の2人が盾役のパンネロにひたすら「リバース」をかけ続けることになる。今回は魔力を上げているため、ミスしてしまう心配は無いのだが・・・しかしながら、サポートの二人は魔法で攻撃しているため、行動のモーションが遅い、具体的に言うと「ショック」を実行してから次の行動を入力できるようになるまでの時間がやたらと長いため、しばしば「リバース」の発動が遅れてしまい、パンネロが戦闘不能状態になってしまうのだ。オメガmk.XII戦は、安定しないと遅い。
それに「ショック」のダメージ効率も、大して良いわけではない。ダメージは大きいが、「たたかう」なら同じ時間で2〜3回は行えるため、明らかにそちらのほうが良く効くのだ。素直にメイス=攻撃力が低いだけの武器と割り切って殴り掛かったほうが、絶対に速くオメガmk.XIIを倒せたと思う('A`)
そんなわけで、結局は物理攻撃と魔法攻撃の両方を活かすどころか、その両方を殺してしまった感が出た「メイス」でのオメガmk.XII戦。
タイムは59分30秒。遅い・・・。さすがに「ショック」だけで攻撃した杖(1時間17分51秒)よりは速くなったが、しかしほぼ同じ戦法で戦ったロッドのとき(46分22秒)よりも明らかに遅い。それとの違いは、今回は魔法を主力とするために「防御破壊」を使わなかったということだけ。要は、殴った方が速いと(´・ω・`)
メイス -
オメガmk.XII戦 |
FF12で魔法を使う場合、「属性」「リフレク反射人数による攻撃力の倍加」という特性を是非とも活かしたい。それを利用できれば、魔法は非常に強力な攻撃手段に成り得るが、その逆もまた然り。だからこそ昔は、「FF12の魔法は役に立たない」などと言われていたのだ。
・・・しかし「メイス」は、そのような有効な魔法の使い方と全くマッチしていない。ヤズマットの壁ハメが一世一代の大活躍といったところで、それ以外では特に出番が無い武器なのだ。攻撃力が低いし、使ったら使ったで魔法使いが敵の攻撃にさらされるしで、良いこと無しである。
2010年3月16日をもってFF12は4歳の誕生日を迎えたが、果たして「メイス」が有効に使用される日は来るのだろうか。INT版ではそこそこ救済されているのだが・・・。
次回の更新は「両手剣」。この最強武器決定戦も終盤になって、やっと大本命の一つがやってきた。
「両手剣」は非常に高い攻撃力を持っており、性能のバランスも抜群。見た目もカッコいいし、全く無駄のない武器である。
――さァ、今までの最高タイムは更新できるのか・・・? 今回のヤズマット戦は消してしまいたい('A`)