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管理人の日記
外の世界では花粉が最盛期のようだが、私に全く効いていない。種類の問題?
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ずいぶん凛々しい尊顔になられました |
モンハンワイルズは、約10時間のストーリー部分を経て、「上位」のパートに進んだ。先日の日記にも書いたが、一応のスタッフロールこそ流れたものの、これで終わりということは全くなく、「一つの区切り」という趣すら存在しない。
…が、ゲーム感覚については、ここで様変わりをする。まず、「下位」=スタッフロールまでのワイルズは、モンハンシリーズとしては異例の、ストーリー主導の作品となっていた。その演出は、まるでファイナルファンタジーやドラゴンクエストのような、スクウェア・エニックスのRPGを彷彿とさせるようなものであった。
――やれ、モンハンワールドの時、海外でジャンルが「RPG」と呼ばれていることに対し、私は、「まあ、『ロール=武器種という役割を果たす』の意味では、確かにRPGと言えるか…?」などと、懐疑的な考えであった(【日記:2018/12/7】)。だが、ワイルズについては、日本基準でもアクションRPGと評価して差し支えないであろう。それくらい、モンハンとしては異質な作りであったように思う。
しかし、上位になると、ストーリー演出は極めて簡素となり、一言で表すと、いつものモンハンになる。というか、むしろゲーム感覚が変わりすぎであり、最初のイャンクック(お馴染みの復活モンスターだが、上位で初登場)こそクエストで示されるものの、その後は、HRの上昇以外、何の目標も示されなくなるため、いきなり広い世界に放り出されたような気分になる。
…やれ、私は、最初こそ不安になって、フリーマップに出たあと新登場モンスターを発見して「クエスト化する」(新機能)なんて作業をしていたが、その後に少し世界を回ると、サブクエが非常に豊富であり、特に「討伐クエストのクリアーを依頼されるサブクエ」が多い。そして、それを埋めていくと、HRが上がって、自然と“クリア後”の物語が進んでいく…という構成になることに気が付いた。
――その他、このタイミングで下位も含めたクエスト埋めを始めたり、マルチプレイに参戦したり、既に配信が始まっているイベントクエスト(オンラインで配信されるクエストで、ソロ/マルチの両方で挑戦できる)に挑戦してみたりも良いだろう。新モンスターに加えて、上位素材&上位武器に、「歴戦」や「狂竜化」といった要素も続々と登場し、まだまだ心休まる暇は無いのだ。
というわけで。ストーリー主導だった下位パートとは異なり、上位からは、打って変わって、いつものモンハンというプレイ感覚になる。
…やれ、私は、物語演出の多い前半部分も楽しかったと思うが、もちろん、中毒性のあるやり込みゲーとしてのモンスターハンターも好きである。今作の作りは、1粒で2度おいしいという感じで、ありがたいものだ。迷ったら、食ってみろ!
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まず毒太刀を作ろうと思ってレイアを狩っていたら、レウスも乱入してきた |
そんな感じで。私は、上位のリオレウスと相対するに至った。そこで、今作のリオレウスが、初の専用BGMを引っ提げてきたことに気付いたのだ。
…やれ、リオレウスといえば、ご存じ、2002年の初代「モンスターハンター」から登場する、シリーズの顔である。しかし、その王道タイプの見た目に反して、バトル面では、好評どころかむしろ糞モンスターと評されることが多く、亜種・希少種などのバリエーションも含めて、「空の王者()」とか「クソレウス」「ワールドツアー」などと呼ばれていた。最近のシリーズになって、ようやく過去の評価を跳ね返し、“戦っていて楽しいモンスター”と認識されるようになってきたくらいである(【日記:2024/11/17】)。
――そんなリオレウスが、今作で初めて、専用BGMを獲得した。リオレウスは、第1作から登場しているが、テーマ曲とされることの多い「咆哮/リオレウス」という名のBGM(【リオレウスのテーマ?/YouTube】)は、初代では、「森・丘」の汎用BGMであり、例えばドスランポスやイャンクックと言った敵でも、森丘であれば、同じBGMだった。その後も、森丘楽曲のフレーズが、“リオレウスのテーマ”的な感じで、初登場ムービーのBGMなどに織り込まれたり(【例:ワールド/YouTube】)、各種のコラボやリアイベなどで流されることもある。しかしながら、肝心のゲーム内でのリオレウス自体は、専用曲を持たず、ずっとマップごとの汎用BGMが戦闘曲として使われていた。そのリオレウスが、『ワイルズ』にて、初めて専用BGMを獲得したのである。
しかも、これは非常に意外なことなのだが、なんと、今回のリオレウスは、ミラボレアスのBGMを乗っ取ってしまったのである。
…さて、ミラボレアス(原種=「黒龍」)についても、実はシリーズ第1作からの参戦であり、こちらについては、最初から「舞い降りる伝説」という専用BGM持ちだった(【初期ミラボレアスBGM/YouTube】)。ただし、その内容は、“森丘BGMをコーラス入りとしてアレンジした”というものであり、他のゲームで言うと、「通常戦闘曲のアレンジが、裏ボス戦で用いられる」という演出なのであろう…と思っていたが、どうも【モンハン辞典の記事】によると、開発初期に「リオレウスの上位版」と聞いて、アレンジ楽曲として作ったが、その実は全く違うモンスターであったというオチらしい。
――さて。その後、森丘が登場しなくなっても、これらのBGMの関係は続いた。よって、初期作を知らない人から、「なんでリオレウスのBGMがミラボレアスに用いられているの?」(またはその逆)などと、非常にごもっともな指摘を受けたりもする。
そして。その後であるが、『アイスボーン』にて、ミラボレアスは最終アップデートで登場する裏ボスという大抜擢をされた。戦闘能力についても、激しく向上し、単純に強いのはもちろんだが、行動パターンやギミック、その他にも演出など、全てが大ボス・裏ボスにふさわしいものとなっている。まさに、『ワールド&アイスボーン』を締めくくるにふさわしい敵となっていた。かつての、「硬くて腹ズリズリ攻撃が恐ろしいだけ。どうやってシュレイド城を滅ぼしたのか不明」という辛辣な評価から、「そりゃ王国も滅亡するわ」という感想に変わったのだ。
――さて。『アイスボーン』でのミラボレアス戦BGMについては、3つが用意されており、そのうち、第1段階で用いられる「舞い降りる伝説/ミラボレアス
: World version」(【アイスボーン:ミラボレアスBGM@/YouTube】)という曲は、“旧シリーズのミラボレアス曲のアレンジ”…つまり、森丘BGM=リオレウス戦を元とする楽曲だ。お馴染みのフレーズが用いられており、シリーズ経験者は懐かしくなるというものだが、更に嬉しい仕掛けとして、シリーズ最初の拠点であるココット村BGMの一節が取り入れられている(【ココット村BGM/YouTube】)。『アイスボーン』が、『ワールド』の追加パックというだけでなく、歴代シリーズを通しての、一つの到達点となった瞬間と言える。
というわけで。話を、『ワイルズ』のリオレウスに戻そう。前述の通り、リオレウスは、今作で初めて専用BGMを獲得した。それは、いつもの森丘BGMのアレンジ…と思って油断していたところ、なんと、ココット村のフレーズが流れ出した(【ワイルズ:リオレウスBGM/YouTube】)。つまり、アレンジ元は、森丘BGMではなく、アイスボーンのミラボレアス戦だ。ワイルズのリオレウスは、ミラボレアスのBGMを乗っ取ってしまったのだ。
――やれ、これは、シリーズ初期作での、「ミラボレアスが、リオレウスのBGMを奪っていった」という関係とは、正反対である。まさか、環境トップのモンハンスタッフが、リオレウス&ミラボレアスBGMの作りについて間違える…なんてことはないだろう(無いよね?)。よって、これは意図的な構成だ。つまるところ、リオレウスとミラボレアスの関係性すら逆転しうるという、ワイルズ世界における厳しい生態系を表現しているのかもしれない。うん。カプコンの人、そこまで考えてないと思うよ。
(2025年3月13日)
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