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携帯機レベルのゲームです。今の時代にPS4で9000円近い値段を払う価値は無いでしょう |
先日、今年12月に発売される「ゴッドイーター3」の期間限定体験版(21日まで)が配信されたので、プレイをしてみました。その感想を言うと、携帯機レベルのゲームであり、これが据え置き機かつ9000円近い新作価格というのは信じられませんでした。元々、あまり購入意欲は高いとは言えないタイトルだったのですが、この体験版であえなく見送りを決定しました。
…さて、まず「ゴッドイーター」シリーズは、モンスターハンターの大ヒットにより生まれた「狩りゲー」と呼ばれるジャンルのアクションゲームであり、剣と銃形態を同時に扱えることや、“捕食”と呼ばれる特殊アクション、そしてアニメ風の演出・ストーリーが話題となり、PSP〜Vita世代で人気を博したタイトルである。私も、PSPの「バースト」の頃からプレイを始め、その後もVitaで関連作品をプレイしていった。その中でも、2015年に発売された『2:レイジバースト』は、モンハンでいう「2ndG」のような決定版であり、今でもVitaを代表するゲームであると思っている(【2015/12/26】)。
――のだが。この『3』は、早い段階でPS4ソフトであることが発表されていた。これに関しては、ゴッドイーターは携帯機で始まったシリーズであるため、私としては残念に思う気持ちのほうが強かったものの、昨今の日本市場におけるゲーム専用携帯機の情勢を考えれば仕方ない面もあるし、据え置き機ならではのパワーアップを遂げてくれれば良いとも思っていた。また、グラフィックに関しても、元々アニメ風演出が評価されていたタイトルであるため、アクション部分が充実していればOKであった。…とまあ、私としても過去に携帯機でお世話になったタイトルということで、それなりに好意的な目を向けていたのだが、それが今回の体験版をプレイして一転、一気に印象は地の底にまで落ちたのである。
それでは、この「ゴッドイーター3
体験版」の何がそんなに駄目なのか。まあ言ってしまえば全ての部分が駄目なのだが、最もアウトだと思ったのは操作性である。ちょっと気に入らないとかではなく、もはや完全アウトと言わざるを得ない。
…具体的に、例えばこれまでの「ゴッドイーター」シリーズでは、「ダッシュ(移動速度UP)」「ステップ(緊急回避)」「ガード」「銃・剣形態変換」という使用頻度の高い4つの動作をR1と○の2つのボタンで行わなければならず、同時押しや長い/短いの判定などにより、操作ミスが頻発していた。そのことは、以前にも別件の記事で少し触れたことがある(【2017/11/17】)。では、ハードが携帯機からPS4になり、ボタン数が大幅に増加した『3』では、その問題は解決されたのかというと…まさかの全く変わっていないのである。しかも、「R1押しっぱなし:ダッシュ」「R1を押してすぐ離す:ステップ」という操作の都合か、ステップのつもりでR1を押しても微妙に遅れたタイミングで緊急回避をするため、非常にストレスが溜まってしまう。言うまでも無く、この手のアクションゲームにおいて操作性とは爽快感の要であり、それが良くないという時点で、もはやゲームとしての根底部分が疑わしくなっている。スティック押し込みによるダッシュなど、最近のゲームにおける一般的操作はオプションから選択することすらできず、各種アイテムの使用も、ショートカットなどが無く、未だにメニューから1個1個選択をするスタイルである。
――また、映像面に関しても、本作ではギラギラしたエフェクトを多用した演出となっているが、これは性能で劣るハードで派手な見た目にしたい時に使われる手法であり、PS4ならばPS4の性能を活かしたグラフィック表現があったはずだ。また、巨大な敵を攻撃しているはずなのに、重みなどは全く感じられず、まるで素振りをしているかのようである。これらの演出面に関しては、PSP/Vitaの頃から似たようなものであるため、本シリーズの特徴と言えるのかもしれないが、私にとってはせっかくPS4ソフトになったのに携帯機時代から進化をしていないとしか感じられなかった。
というわけで。総合して、この「ゴッドイーター3」は、携帯機時代から大して進化していない作品であり、昨今の据え置きゲームのレベルには全く達していない。また、未だに古臭い操作性や演出を引きずっており、操作の遅延など看過できない問題も存在するため、グラフィックはもちろんとしてアクション部分においても良い出来とは言い難い。これを、この時代に9000円近い価格で出すことは信じられないというものである。むしろ、この体験版を出してくれたことは実に良かった。こんなゲームを思い出補正で買っていたら、取り返しの付かないことになっていた。
…ちなみに。「ゴッドイーター」シリーズは、PSPの頃からアップデートに積極的なタイトルであったため、上記のような問題点に関しても「パッチで改善される」という意見もあるだろう。しかしながら、このような発売2ヶ月前になって未完成版と言われても仕方が無いような体験版を出してくる時点で、既にゲーム全体の出来も限りなく疑わしくなっているし、もう今では発売後アップデートが一般的となっており、私は「アップデートで改善」という言葉自体に懐疑心…というか嫌悪感を持っている。そのことは、「アップデートが無い」ということが評価点になっていた「ドラゴンクエスト11」の感想を見ていただければ一目瞭然であろう(【2017/10/9】)。パッチは、“当て布”という意味であるが、本作の穴は、当て布で塞げるようなものとは思えないのだ。
――まったく。この「ゴッドイーター3」に関しては、初めて画像が公開された時から、そのPS4としては微妙と言わざるを得ないクオリティに、「未発表のVita次世代機(当時)のためのソフトなのでは?」などと噂されることも多かった。まあそんなことはなく、普通にPS4ソフトとして発売されることになったのであるが、クオリティだけは携帯機並みという最も悲惨な形になってしまった。私としては、携帯機ならまだしも、国内外に神ゲーが山ほど存在するPS4で、わざわざこんなゲームをプレイしている暇は無いのである。やれ、私にとって「ゴッドイーター」は、初めて『バースト』をプレイした2012年からお世話になってきたタイトルであるが、残念ながらその歴史はここまでのようだ。今後は、もう日記で触れることも無いであろう。この作品も、今の日本には山ほどある、ゲーム業界の進化に追いついていけなくなったタイトルになったのだ。さよなら、ゴッドイーター…。
(2018年10月14日)
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