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管理人の日記
30分間ゾンビと戯れることができます(※公式)
高度な映像表現はもちろん、新しさと懐かしさを兼ね備えた、リメイクの理想像です |
先日から配信されている、PS4の「バイオハザードRE:2」の「1-Shot Demo」(バイオ2リメイクの30分体験版)をプレイしました。その感想を一言で表現すると、海外ゲー並みの高クオリティであり、もはやカプコンの作品は日本のゲーム業界という枠で考えるべきではないと思いました。
…さて、この「バイオハザードRE:2」は、初代プレイステーションで1998年に発売された「バイオハザード2」のPS4完全リメイク版であり、1週間後の1月25日(木曜日でなく金曜日)に発売が予定されている。『バイオ7』と同じく、ノーマルバージョンと、暴力表現が強化されたZバージョン(18歳以上のみ購入可能)が存在し、PS4以外ではXboxOneとWindowsPC(Steam)でもプレイ可能である。ちなみに、初めてリメイク版の制作が発表されたのは2015年の夏であるが、その時はカプコン自体の評判が低かったこと、そして同年6月に他社の「某7リメイク」が発表されていたことから、バイオ2の発表は「某7リメイクの流れにタダ乗り」などと馬鹿にされていたものであった(関連:【2018/6/13】)。よくもまあ、そこから現在の状況まで巻き返せたものである。
――さて。この「バイオハザードRE:2」であるが、先週、「1-Shot Demo」という、珍しい形の体験版が配布された。内容は、ゲーム序盤を体験できるという標準的なものであるが、その形式が、30分かつ1回限りと非常に特徴的である。一応、体験版範囲としての「クリア」は用意されているものの、30分が過ぎてしまえば途中でも強制的に終了し、再プレイを行うこともできない。と言っても、内容的にそこまで難しいものでもなく、「クリアー」も必ずしも行わなければならない部類のものでもない(どちらにしろ中途半端なところで終わるし、30分探索をすれば十分に内容を味わえる)。カプコンのオンラインサービスによると、体験版のクリア率は3割ほどとなっているそうだ。そういった部分も含めて、面白い広告手法であると言えよう。ちなみに、その性質上、完全オンライン限定(ダウンロード後もネット接続が必須)であるほか、配信期間も1月31日までなので、興味を持たれた方はお早めにどうぞ。
そんなわけで、私もこの「バイオ2リメイク」の体験版をプレイしてみることにしたのである。ちなみに、オリジナル版のバイオハザード2は、初代プレイステーションの時に豆腐を出すくらいまでしっかりと遊び、その後もアーカイブス版などで遊んでいる。
…さて、実際にバイオ2リメイクをプレイしてまず気付いたのが、圧倒的なグラフィック品質である。カプコンのゲーム制作力の高さは、『モンスターハンターワールド』でも身に染みていたが、本作は輪をかけて映像表現が美しく、ホラーゲームとしての面白みを大きく高めてくれている。その品質たるや、もはや海外ゲーム並みである。これだけでも、初代PSからリメイクをした意義があったと言えるだろう。
――また、メインの戦闘システムとしては、このバイオ2リメイクでは、『4』〜『6』で使用されたシューティングスタイルを採用している。やれ、オリジナルの『2』は昔ながらのラジコン探索形式であり、ついでに発売時期上の前作である『7』は主観視点でのVRホラーとなっていたため、このバイオ2リメイクでのシステムは、双方のプレイヤーから論議をもたらした。しかしながら、実際にプレイをしてみると、「懐かしさ」「新しさ」「バイオらしさ」を同時に成り立たせる非常に上手い落としどころであると感じたのである。操作感は必ずしも斬新とは言えないものの、本作が「リメイク」ということを考えると、安定した面白さを提供してくれるという感がある。また、『4』〜『6』では、アクション性が上がった反面、「ホラー要素が薄れた」だとか「細菌汚染による生物災害ものという世界観が崩壊した」という批判も少なからず存在していた。ところが、『2リメイク』では、薄暗い通路に少ないゾンビと乏しい弾薬、などというシリーズ初期の恐怖要素がしっかり取り入れられており、かつてのバイオハザードの雰囲気を違和感なく表現できている。
最後に、インターフェース面に関しても、PS4の性能を活かして扉がノーロードになっているなど、今風の改修は当然のごとく加えられている。また、意外なところとして、本作は他のゲームと同じく「スティック押し込み」で走る動作を行うのだが、×ボタンで走るという旧作の操作に変更することも可能となっている。こういった細かい配慮も、本作が様々なユーザーのことを考慮している現れだと言えよう。
そんなわけで。このバイオ2リメイクの30分体験版を、私は前情報なくプレイし、25分程度で無事にクリアーすることができた。その演出から、「終了間際になると強制的に呼び戻されて終わるのか?」と思っていたが、後から調べてみると、どうもちゃんと正規のルートを進めることができていたようだ。
……というわけで。私は、このバイオ2リメイクについて、「情報公開から一定期間でしっかり完成させてきたカプコンは凄い」とは以前から思っていたものの、自分が購入するタイトルとしての順位はそこまで高くなかった。ところが、今回の体験版で凄まじいまでの高クオリティを体感した結果、その優先度は一気に爆上がりしたのである。諸事情により、発売日に買うわけにはいかないのだが、時間が出来たら真っ先にプレイしたい新作ゲームとなった。
――やれ。前々から思っていたが、もうカプコンは日本ゲーム業界のレベルで考えるべきではないだろう。その比較対象は、例えば「スパイダーマン(PS4)」だとか、「デトロイト:ビカムヒューマン」だとか、「ホライゾン:ゼロドーン」などといった、グラフィックとシステムを高次元で融合させた海外ゲームであるべきだ。カプコンは、今の私が信頼して作品を購入できる、唯一の日本ゲーム会社である。
ちなみに。このバイオ2リメイク体験版の不満点をあえて言ってみると、なんか男主人公のレオンの性格が思っていたのと違うということがある。
…例えば、レオンは物語冒頭の荒廃しきった警察署を見て、「(自分が警察官として職に就くことを前提としたうえで、)想像していた初日と違うな」という言葉を漏らしている。しかしながら、私の考えるレオンは皮肉屋…というか愉快なニイちゃんであり、前述の場面だったら「これがアメリカ流の新人歓迎かな」と軽口を飛ばしてみたり、「ラクーンシティの治安は凄いな、俺が警察に入れるわけだ」などとトボけて欲しいところであった。とはいえ、そもそもオリジナル版の『2』にこういうセリフがあったわけではないし(皮肉屋と言われるようになったのは『4』以降)、この時点でのレオンはまだ新人警官という以外の何物でもなく、シリーズの主要人物として成長していくのはここから先であるため、そういった世界設定を忠実に反映した結果とも考えられるだろう。
――何はともあれ、この「バイオ2リメイク」は、これくらいしか批判できる要素の無い完璧な品質であると言える。やれ、前々からこの年明けのゲームは何をやろうか迷っていたが、私にとってはこのバイオ2リメイクで決まりだな。
(2019年1月18日) 359 PV
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