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管理人の日記
Vitaちゃんには生まれつき障害があります。助けるためにはPSPおじさんのネジが必要なのです
まさかネジすらコストカットの対象にしたのか? |
私の使っているVita2000番台が、あまりにもスティックの不具合が多かったため、ネットで調べて分解を行ってみたところ、やはり左右スティックのネジ止めが1つしかないということが判明しました。正直、ソニーがこんな手抜きをするなんて、ガッカリです。
…やれ。PSvitaに関しては、先日「近日出荷完了予定」とアナウンスされ、7年強の歴史に終止符を打つことになったが、私としては、寝っ転がりながらプレイする「遊戯王アークファイブ:タッグフォースSP」を中心に、今なお触り続けているハードである。とりわけ、PS4が初代PSアーカイブスに対応していないこと、そしてPS1/PSP/Vitaなどの古いソフトであっても携帯機なら遊びやすいということもあって、今後も過去のソフトをプレイするハードとして、Vitaは一定の役割を果たし続けるだろう。本体の出荷が終わったとしても、それですぐにVitaのサービスまで終わってしまうわけではないのだ。
――しかしながら、このVitaの中でも、初期型の発売から2年後に登場した「PCH-2000シリーズ」、通称2000番台には、私は辛口にならざるを得ない。まず、薄く軽くなり、携帯機としての利便性が増したのは、大きく評価できる。しかしながら、初期型の特徴であった「有機EL画面」が「ただの液晶」にランクダウンしてしまい、発色の美しさが見る影もなく落ちてしまった。また、今回の話題でもある「スティックが1方向に入力しっぱなしになる」という新たな不具合が発生している。さらに、ここまでコストカットを行っているにも関わらず、販売価格は1000番台と同じという体たらくである。正直、現在の末路は、推して知るべきであった。このようなVita全体に対しては、「【2019年生産終了】PSvitaの思い出」と題して、【2018/9/20】にも厳しめの評価を下しているので、そちらも併せてご覧いただきたい。やれ、愛用していた1000番台を知人に安く譲り、2000番台に買い替えたのは、本当に失敗であった。PSPは後ほど出来が良かったのになあ…。
そんなVita2000番台なのだが、私は前々から、上記の「スティックが1方向に入力しっぱなしになる」という不具合に苦しめられていた。これは、左右のスティックが、触っていないのに勝手に一方向に倒したのと同じ状態になるというものであり、発生頻度が数秒に1回程度と極めて高く、ゲーム性に著しい悪影響を与える。その対策として、「いったん電源を切ってスティックを大きく回す」、または「スティック下部に入り込んだホコリを清掃する」といった対策が述べられているが、どちらも私の場合はこれといった効果が無く、すぐにスティック問題が再発してしまっていた。
…ところが、私には一つだけ、試していない対策があった。それは、分解である。というのも、どうもVita2000番台には、左右のスティックを止めるネジ穴が2つのうち1つか埋まっておらず、それを修正することにより、上記のスティック問題を解決できるという話があったのだ。
――やれ、私としては、少し前に中古屋でそこそこ状態の良い初期型Vitaが7000円で売られているところを見て、それを買い直すのも良いかなあと思い、2000番台に対するこだわりが薄れていたところであった。そのため、この分解修理でスティック問題を直せたら良し、直せなかったり分解に失敗して壊してしまったりしたら、それもそれで良し…ということで、Vita2000番台の分解を試してみることにしたのである。
そんなわけで。私は、ピンセットと小型のプラスドライバーを用意し、早速Vitaの裏面からネジを外していった。なお、分解に関しては、以前に初期型PS3を分解したことがあり(【2014/6/30】、汚いので注意)、今回は2例目ということになる。まあ、購入から7年以上が経っており大往生だったあちらと、生まれつき不良品だったこちらとは、事情が若干異なってくるのだが。
…さて、前のPS3の分解には、「トルクスドライバー」という専用の器具が必要となったが、今回は一般的なドライバーのみで取り外しを進めることができた。例によって、ネットの検索で出てきた記事を参考にしつつ、後ろの蓋を取り外し、背面タッチパッドに繋がるフレキシブルケーブルがズルリと抜け落ちてしまった時には戦慄したが、壊れなかったようで一安心である。そのまま、バッテリーが装着されている中央部は無視し、ケーブル類はしっかり「固定用のツメ」を立ててから抜きさり、左右のアナログパット方向を掘り進めていく。
――そうして基盤を裏返すと、やはりというか、私のVitaのアナログパットも、片側2つの穴に対し、ネジが1つしか付いていなかったのである。しかも、一応は左右で上・下と対角になっていることから、これは故意犯、つまり明らかに分かってやっている行為だろう。この事例は、ごく僅かな組み立て不良ではなく、意図的な“仕様”である。そんなわけで、まずは同じサイズのネジを調達しなければならないのだが、ちょうど倉庫に壊れたPSP-1000(バッテリーを取り替えれば動く?)があり、その裏面のネジがピッタリ入るようだったので、そちらから拝借をさせていただいた。VitaとPSPが合わさり最強に見える…。
そんなわけで、めでたくスティック部のネジは、恐らく本来の姿通り、左右2本・合計4本が埋まってくれた。あとは、元の形に戻すだけである。
…やれ、組み立てに関しては、基本的に分解の逆順であり、無理な力を加えないように注意をしていけば、簡単に壊れるようなことは無い。そして、作業自体もそこまで難しくはなっていない…はずなのだが、最後の背面タッチパッドへのフレキシブルケーブルだけが激烈な難易度になっており、それを装着するだけのために多大な労力を要してしまった。背面タッチパッドは、本体の裏面に接着されており、ケーブルを直接付けようとすると、カメラとカバーが接触してしまう。しかも、フレキシブルケーブルの装着部は、針の先くらいの太さしか無い。というわけで、頑張ってもなかなか接続ができず、背面タッチパッド機能をまるごと捨ててやろうかと考えたこともあったが、思い返し、本体と裏面カバーを縦にして、上(組み上げ後の本体からすると下)から覗き込むような形にしてピンセットで挿入し、なんとか無事にツメを閉じることができた。ふう、良かった…。
――さて、その後の動作確認でも、背面タッチパッドを含む全ての機能は良好であり、それどころか組み立てている最中に勝手に電源が付いてしまうくらい元気なVitaであった。また、問題であったスティックの不具合も、現在までのところ一度も発生していない。やはり、根本的な原因は、内部のネジ不足であったのだろう。もし、今後は再発することがあったらここに追記しようと思うが、恐らくはそれも無いと思われる。
■追記(2019/2/27):その後の経過ですが、結局のところスティックバグは再発しました。最初は頻度・程度ともに改善されたと思ったものの、数日後には元と変わらないほどに悪化しました。ということで、このネジの取り付けも、スティックバグの根本的な解決にはならないようです。実施される場合にも、あまり期待をしすぎないほうが良いと思われます。そして完全な余談ですが、このバグが直らなかったことにより、上で触れた「中古屋の初期型Vita」を購入いたしました。こちらに関しては、その内容に満足しています。
そんなわけで。私のVita2000の分解修理は大成功であったが、これをもってやっと正常な状態になっただけであり、なんともやりきれない思いが強い。
…やれ、私の本体は、2016年秋に新品で購入をした物である。そして、ネット上では同様の報告例が多数存在することから、恐らくはこの「ネジの足りないVita2000番台の本体」は、かなりの数が流通しているはずだ。そういった人で、もしスティックバグに困っている人が居たら、この分解修理を試してみる価値は有ると考える。もちろん、ホコリ除去など他の手段も試してみるべきであり、分解をすると公式の修理が受けられなくなるので自己責任であるのだが、こんなことでわざわざ高い修理代を払うのも馬鹿らしい。というか、明らかな組み立て不良なのだから、本来ならソニーが全額負担して交換対応をすべきである。安全安心に関わらない娯楽分野だから流されているだけであって、根本的な部分は、いま社会を騒がせている違法建築と何ら変わらない。
――まったく。これまで、世間からそれなりに愛されてきたVitaちゃんは、どうやら生まれつき障害を持っていたようだ。しかも、この例えだとすると、その障害は親であるソニーによって与えられ、治療を受けさせられることもなく放置されてきた。そのVitaちゃんを救うためには、先輩であるPSPおじさんの身を削り、外科的な手術によって治療するしかない。利用者自身が内部構造を直さないといけない機械は初めてだ。まったく、これまで私はゲーム屋としてのソニーを信頼してきたが、こんな駄作を出すなんて、まったくガッカリとしか言いようが無いのである。
(2019年2月21日) 4791 PV
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