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管理人の日記
ゲームの出来が変なのだ…
5の低Lvは未プレイだけど、ここは知ってた(画像は【TONZA氏の動画】から引用しました) |
悲しいお知らせである。やり込みゲーマーの「にゅすけ」氏の報告により、ピクセルリマスター版FF5では、従来のような2,1,1,4型の低レベルプレイを行えないということが発覚したのだ(【該当ツイート】)。
…まず、これまでのFF5の極限低レベルは、バッツ2・レナ1・クルル(ガラフ)1・ファリス4である。バグの使用や、僅かな経験値分配の違いなど、多少の変遷はあるものの、基本的にはこの2,1,1,4がFF5の低レベルクリアーと考えられている。全員のレベルが1桁と分かりやすいうえ、点を省いて2114と表記しても意味が伝わること、字面の美しさ、そして声に出した時のリズム感の良さなど、どれをとっても完璧である。私は、FF5の低レベルクリアーは未プレイなのであるが、いつかそれを行う時には、必ず「2,1,1,4」にしようと思っているくらいだ。
さて。FF5は、ボスから経験値が手に入らないタイプのゲームである。しかしながら、雑魚との強制戦闘が無いというわけではない。そのため、2,1,1,4を維持してゲームクリアをするためには、幾つかのテクニックを用いて、経験値を回避していく必要がある。
…そして、その方法の1つが、第2世界の「ビックブリッジ」で登場する「プチチャリオット」という敵に対して、「魔獣使い」の「捕らえる/放つ」によって、あらかじめ捕獲をしておいた「ガルキマセラ」を使い、「死の宣告」で倒すという手順である。FF5では、死の宣告で相手を倒すと、経験値が手に入らないという仕様になっているようだ。つまりアレだ、死の宣告(で経験値を)回避(する)技である。
――しかし。にゅすけ氏の報告によると、ピクセルリマスター版FF5においては、第2世界のイベントにて、捕獲状態のモンスターが解除されてしまうという。そして、すぐに第1世界には戻れず、ビッグブリッジでの死闘までにガルキマセラを再捕獲することも不可能である。そのため、「死の宣告でプチチャリオットを消滅させる」ということができず、経験値が回避不能になってしまった…ということである。
さて。前述の通り、私はFF5の低レベルクリアーを行ったことが無いので、詳しいことはよく分からない。しかし、せっかくだからということで、計算をしてみることにしよう。使用した資料は、【「遠藤」氏の低レベルガイド】と、【こちらの攻略サイト様】である。
…ではまず、平均レベルを下げる方向性から考えていこう。プチチャリオットは、1体につき経験値300を持っているため、3体では900となる。これを、初期Lvが最も高いファリス(仲間になった時点でLv3&経験値50。旧スマホ版では経験値33)に背負わせると、ファリスのレベルは9になるはずである。よって、パーティ全員のレベルは2119となる。まあ、ギリギリ1桁で抑えられた点は評価できるか…。
――また、最高レベルを抑制する場合、プチチャリオットを3〜4人生存で倒した時、そのキャラのレベルが6となるため、ここを天井として分配を考えることになる。ちょっと合っているかどうか自信が無いのだが、結果としては、6166(レナとガラフのどちらが1でも良い)か6556のどちらかを選ぶことになると思われる。正直、1桁台でのレベルの違いがどこまでFF5のバトルに影響するかは分からないのだが、恐らくそこまで差は無いのではないだろうか。
そういうわけで。まあ正直、2114が2119になったところで、大差は無いと思うかもしれないし、実際のところ、それほど違いは無いであろう。
…しかし。FF5は、ここまで30年近く、2114でやってきたのだ。しかも、FF5は、ファイナルファンタジーの中でも、「低レベルクリアー」の開祖と言える作品である。そんな意義深い数字を、何の理由もなく変えてしまうのが、良いわけが無い。もし、これが完全リメイクならば、変更点が有ったとしても、プラスの部分で元が取れるだろう。しかし、追加要素も何も無いタダの移植でこのザマは、劣化としか言いようが無いのだ。
――やれ、わざわざ旧作を遊ぶ人の中でも、とりわけ縛りプレイを行うような人は、こういう細かいところに異様にこだわるものである。私もそういう部類の人間だから分かる。またピクセルリマスターを購入しない理由が増えてしまった…。
クソゲー枠も笑えて良いけど、まずは普通の、「過去の最も良かったバージョン」を移植して? |
さて。ピクセルリマスター5の問題は、最初に書いた「プチチャリオット戦での経験値回避が不可能になったこと」だけではない。その他の点についても、とんでもないバグ祭りとなっているようだ。
…やれ、ピクセルリマスター5の配信は11月11日であり、まだ3日目なのだが、既に各地には書ききれないほど大量のバグが報告されている。バトルの仕様が変わったことなどは朝飯前だ。倒したはずのボスと再戦になったり、逆に倒していないボスが出現しなかったり、序盤でいきなり強力な雑魚が出てきたり、チキンナイフとブレイブブレイドを両方入手できたり、セーブ&ロードで正しくパラメータが反映されなくなったり、シナリオ進行上で壊れているはずの建造物が勝手に復活していたり…。これは、史上最悪のバグ移植と言われたFF4アドバンスに匹敵する酷さであろう。致命的な進行不能バグこそ無いものの、その他の部分が壊滅的となっており、もはや何が仕様で何が不具合なのかすら分からない。逆に、以前触れた水辺のエフェクト(【日記:2021/10/29】)については、そこから2週間ほどで修正されたというのも、わけが分からず、笑えるものだ。
――ちなみに。ピクセルリマスター5では、これらのバグを解決するために、まずは初日にパッチが配信された。そして、現在認識している不具合の一覧も公開され、修正アップデートを今後も継続的に行っていく予定だという。大丈夫か? これ、スーファミのソフトの移植だぞ?
ちなみに。FF5は、旧スマホ版でも、戦闘に関する多数の仕様変更があったということが知られている。しかしながら、それは「GBA版でも解消されなかったバグを、本来の形に戻した」という感じで、まあ納得できる感じものが多かった。また、旧スマホ版は、ドット絵の出来が悪いことに加えて、顔の様子が変なことなどが、よく批判されたものの、その他の品質は全般的に向上していたうえ、音楽はSFC原曲であり、GBA版での追加要素も収録されていた。
…それに対して、ピクセルリマスター5は、戦闘でもそれ以外の部分でも、不可解な仕様やバグが大量にあり、製作者がFF5というゲームをよく理解していなかったということが伺える。そして、以前から言っているように、ドット絵は色遣いが荒くて不出来であり、アレンジBGMは2Dの世界観に合っておらず、GBAやPSPでの追加要素は全削除、そのくせ原作の忠実な移植というわけでもない。もはや、評価点を見つけるほうが難しいというレベルである。
――もっとも、前作であるピクセルリマスター4は、「レベルアップまでの経験値を半減する」という処置によってゲームバランスが壊滅し、無に飲み込まれていった。それと比べ、ピクセルリマスター5は自分で調整が効くタイプのゲームである。また、原作FF5は、かなりの部分までの掘り下げが行われているゲームであるため、いろいろと試してみる余地がある。
そんなわけで、「クソゲーとしての完成度」なら、ピクセルリマスター5はかなり高いと言える。これはこれで、かなり遊べると思うのだ。前作のピクセルリマスター4のように、ただ「つまらない」で終わるよりも、突き抜けていて、逆に良かったのではないだろうか?
というわけで。ピクセルリマスター5は、もはや「変なのだ…」どころの話ではなく、クソ移植として逆に楽しめるということが分かった。この調子だと、最終作であるピクセルリマスター6についても、圧倒的な完成度が期待できるだろう。
――しかしながら。そういうバカゲー枠は、やはり「本筋がしっかりしていてこそ」というものである。そのため、前々から私が主張していることであるが、FF1・2はPSP版、FF3はDS版、FF4はPSP版と3DリメイクのDS版、FF5・6はGBA版を、それぞれ出力画素数だけを上げて、PS4/5やニンテンドースイッチといった現行機へと移植してほしい。お笑いリマスターの発売など、その後で十分だ。そしてその際はもちろん、明らかに“おまけ”と分かるような枠・価格にする必要がある。だって、新参者がピクセルリマスター(笑)を買って、「FFってこんなにつまらないのか」と思ったら困るだろ?
(2021年11月13日) 5352 PV
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