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管理人の日記
そう言えば、ファイナルファンタジーの野球ゲームって、まだ出てないよね?(意味不明)
今日ばっかりはネタバレ注意です |
FF7リバースの最終章では、原作でも山場の一つとなった「忘らるる都」でのイベントシーンが展開される。今回は、例のアレが、物理的に可能なのかどうかを、検証していくことにしたい。
…なお、最終章のネタを取り扱うということで、当然ながら超絶ネタバレ注意である。既に、2月末の発売から3ヶ月以上が経っているとはいえ、FF7リバースは、全てのRPG作品の中でも特にボリュームのあるゲームなので、まだクリアしていないという方は、ご注意いただきたい。
――それでは、少し下にスクロールしてから、記事本編へと進んでみよう…。
実は、【発売1週間後CM】の時点で、このシーンが流されていたりします… |
では。今回、話題にしたいのは、もちろん、FF7リバースの最終章で、クラウドがセフィロスを弾き返すシーンである。FF7リバースでは、作品の性質上、「エアリスが助かるか否か」が、発売前から最大と言っても良い関心事とされていた。だが、既にプレイした人は分かると思うが、ここは、単純に「助かった」「助からなかった」では表現できない、一筋縄ではいかない場面となっている。
…しかし、そういうことは、今回の日記では置いておくとして、まずは、該当シーンで物理的に起こったことを、まとめてみることにしよう。
とまあ、こんな感じだ。
…やれ、色々と突っ込みどころがあるが、秒速2 m/sはさすがに遅い。ビルの2階から飛び降りて、落下するまでに2秒近く掛かる。「卓球用のピンポン玉」を落としたときの終端速度が4m/s程度なので、その半分という、尋常ではない遅さだ。途中で加減速をしないのかという話だが、問題のシーンで、セフィロスを目視してから、エアリスの目と鼻の先に近接するまで、10秒くらい掛かっているので、どちらにせよこれくらいの遅さになってしまう。エアリスは空が嫌いのようだが、普通に空を見ていればセフィロスの襲撃を避けられた。人災である。
――ちなみに、オリジナル版のムービーだと、セフィロスが見えるようになってから落下するまでに、6秒程度が掛かっている。だが、スピード感という話だと、もう少し近くからセフィロスが出現しており、どっこいどっこいという感じだ。セフィロスは、あえてゆっくり落ちてきているのである。
ところで。上記の現象を物理的に考えてみると、非常におかしい点がある。それは、「真上からセフィロスが降ってきて、それをクラウドが斜め下から受け止めたのに、両者の鍔迫り合いになってしまう」という点だ。
…やれ、高校物理のやり込み歴を持つ理科系の兄貴姉貴たちはご承知の通り、真上から降ってくるセフィロスには、クラウドの斜め下からの力のうち、水平成分を受け止める力が存在しない。バスターソードが正宗に刺さって、変形しているような描写も全くない。よって、ここでの正しい物理的描写は、「@クラウドの下から上への力が大きかった場合、鍔迫り合いをスキップして、いきなりセフィロスが斜め上に吹き飛ばされる」「Aクラウドの力が小さかった場合も、水平に押され、エアリスとは異なる場所に落下する」となるはずだ。どちらの場合も、間違いなく、エアリスは助けられる。やったぜ!
――しかしながら、実際には、約13秒の鍔迫り合いのあとに、打ち負けたセフィロスが、斜め上へと吹き飛ばされている。これは、純粋な物理的には、全くおかしいとしか言いようがない。だが、FF7は、魔法が存在する世界観だ。つまり、セフィロスは、クラウドの妨害に抵抗し、斜め下の力を追加したのだ。しかしながら、最終的に勝てないと悟り、それを取りやめた結果、斜め上に吹き飛ばされたのだろう。これにて、全て納得できる結果となった。
詠唱が長すぎるので、「●ホーリー」=「●クイックキャスト」と組み合わせよう! |
だが、問題はここからだ。まず、セフィロスは、「3秒後に、5m先に落下」している。何ということのない着地であるが、これはちょっと難しいのだ。
…例えば、我々の身近な単位で言うと、6帖の部屋のカドからカドが4.5mなのであるが、そこから物を投げたとして、「3秒後」に着地させるのは、非常に難易度が高い。適当にまっすぐ投げると、1秒もせずに地面へぶつかってしまう。ふんわり滞空させるため、斜めに投げる必要があるのだ。
――では、計算していこう。「3秒後、5m先」という条件を満たすためには、まず1.5秒間の上昇をしなければならない。重力加速度を9.8
m/s2とすると、鉛直方向の初速度Vyは、14.7
m/sである。次に、3秒の滞空時間で5m水平方向に進むので、Vx=1.67
m/sだ。これを合成すると、打ち上げ角度は、83.5°である。ほぼ真上という角度に、情けなくセフィロスさんは打ち上げられていくのだ。
次に、クラウドさんに要求される力である。セフィロスの体重はトップシークレッツとなっているが、身長190cm程度の軍人ということで、BMI22の約80kgということにしておこう。80kgを83.5°で、初速14.8
m/sで打ち上げる。使用するのはバスターソード、つまり重さ60kgのバットだ。
…ちなみに、野球で使うバットの重さは、だいたい900gくらいが多いらしい。その60倍以上の重さの物質を、上から下に振り下ろすならともかく、下から上に持ち上げなければならない。地獄である。さらに、今回は野球ボールのような軽い物体ではなく、セフィロスという重い対象を相手にするため、バスターソードに必要な速度はもう少し早くなり、16.93
m/sとなる。これを、“時速”の単位に直すと、だいたい61
km/hだ。
――つまるところ。一般道の制限速度くらいの速さで、ポリタンクが3つ縛り付けられたバットを、ほぼ真上に振ることができれば、エアリスを助けられるのだ。そりゃ、クラウドさんも、「ぐうぅぅいえええあああ!!!」みたいな声を出したくなる。この案件に掛ける、クラウドさんの強烈な思いの強さが、改めて分かるというものだ。ちなみに、セフィロスは、上から落ちてきたので、クラウドの愛情パワーよって防がれてしまったが、下から落ちてくる(?)と、防ぐ際にクラウドの体が浮き上がってしまって、理論上も無理になる。セフィロスは、下から攻めれば勝てていたのだ。
ここですら水着が反映されるの草 |
ちなみに。上の文章では、終始、初期武器のバスターソードを使って考察をしている。
――しかしながら、エアリスを助けるという目的において、最も優れた装備は、釘バットである。軽くて振りやすいうえに、尖った釘がパリィングダガーのようになって、セフィロスの正宗を引っ掛けてくれるであろう。重量が足りないので、敵全体を吹き飛ばすには全く向いていないが、正宗攻撃さえ防げば、こっちのものである。何故なら、セフィロスにまともな格闘技は存在しないため、あとは男と男の殴り合いに持ち込めば、100%勝てるからだ。むしろ、このシーンの世界観を考えて、釘バットがボツ武器にされてしまった…?
ついでに、ここまで来たら、もうクラウドとセフィロスで野球対決をした場合についても考えてみたい。重さ60kgのバスターソードを61
km/hでスイングできるクラウドが、900gの通常バットを使えば、60倍以上の速度で振れるかと言うと…残念ながら、そういう正比例の関係には無いらしい。
…ただし。セフィロス投手は、2 m/s
= 7.2
km/hというゴミ速度でしかボールを投げられないので、どうとでも料理ができる。というか、ピッチャーからキャッチャーまでの距離は18.44mであり、セフィロスが投げてからキャッチするまでに9秒が掛かる。塁の間の距離は、27.4mなので、9秒あれば、余裕で走り抜ける。つまり、セフィロス野球チームに勝つためには、バットすら必要なく、ピッチャーが投げたら、全員が次の塁に向かって走れば良いのである。よし、FF7世界での決着は、リメイク第3弾に持ち越しとなったが、野球対決だったら、クラウドたちの圧勝だ!
(2024年6月7日) 1914 PV
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