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管理人の日記
もっとホンシツを見ようよ、ナルホドくん
ずっと金属探知機を背負ってるのシュールすぎやろ |
前にちらっと予告していた通り、dアニメストアにて、今度は「逆転裁判」のアニメ版を視聴しはじめた。
…さて、この作品は、言わずと知れた“法廷バトル”こと、推理ノベルの「逆転裁判」シリーズをアニメ化したものであり、2016年、および2018〜2019年の2期に分けて、全47話が放送された。内容としては、人気の高い『1』『2』『3』の内容をベースに、+α
- β をした、という感じである。原作の説明は、今さら不要だろうが、「証言と矛盾する証拠品を突き付ける」というゲーム性を確立した、このジャンルの草分け的なド定番作である。
さて。まず、アニメ「逆転裁判」は、ゲームが原作ということで、気になるのはアニメ化の質である。が、それについては、全体的に良さげという感じだ。作画は安定しており、現在のアニメとして、極端に見応えがあるとは言えないが、逆に、崩壊をしているような点も無い。
…また、推理ゲームを、時間制限のあるアニメでまとめるということで、ペース的には早回しとなるが、それによって極端に違和感のある展開となっていることはない。同じく、推理ゲームのアニメ化であった「ダンガンロンパ」(【日記:2024/11/25】)と比べると、調査パートが一瞬で終わっていたあちらに対し、こちらは割としっかり描写されている感がある。犯人が、まだ余裕で言い逃れできる状態で勝手に自白してしまうのは、まあ、同じくらいかな…。
――その他、容量制限がキツかったGBA原作(『1』『2』『3』、全て16MB)では、あまり多くのグラフィックを用意できなかったと思われるが、アニメではそういった部分の肉付けも為されており、例えば、御剣は高級車で移動するが、成歩堂は自転車で出勤する…などというキャラ付けも追加されている。楽曲については、基本的にオリジナルだが、ところどころで、原作BGMのアレンジも使われているといった具合である。
信じなくちゃ…(?) |
ところで、「逆転裁判」シリーズは、主に殺人事件を題材とした作品であり、そのままだと暗く陰鬱な内容になりそうだが、そこはゲームということで、強烈なキャラクターたちを用意して、ポップで笑える展開としつつ、要所要所では真面目に締め、かつ、推理難易度としてもそれなりのものが用意されている…という作りになっている。そういった部分のバランスが良かったからこそ、推理ゲームの定番として、定着できたのだ。
…そして、そのアニメ化では、アニメならではの新しいツッコミどころが発生している。まず、全体的な作風として、子供向けアニメのような、やたらと爽やかな雰囲気となっている。まあ、「殺人事件の裁判」というテーマを、クソ真面目にやられても困るのだが、さりとて明るすぎると、裁判所が高度なコント会場にしか見えなくなってしまう。オープニングに登場する、海辺にて成歩堂と御剣が鎖で繋がれている謎シーンは、よくネタとされているようだ。
――また、ヒロインの真宵ちゃんについては、原作では「カエル顔」とか「口から魂」などと呼ばれ、グラフィックが微妙とされることが多かった(裁判時の側面顔は当時から高評価なのだが…)。それが、アニメでは素直にかわいいと言える絵柄になったほか、若い女の子らしい天真爛漫さや、逆に事件解決のために頑張るところなど、様々なヒロイン要素が強化されている。成歩堂と二人で歩いているシーンは、全体的な明るさも相まって、単に楽しいデートをしているようにしか見えない。へぇ〜、私からすればまだ地味すぎるぜ。もっと腕にシルバー巻くとかさ!
また。裁判シーンについては、そのままだと動きが少なく、アニメとしての見応えが低いためか、大幅な改変が為されている。法廷に2つの大きなディスプレイ(テレビ画面)が追加され、新たな証拠品等が出てきた際は、異様に良い手際で、そこに表示がされる。また、登場人物の動きも増えており、証人や被告人への尋問の際は、証言台の前まで弁護士が歩いていって、「あなたが犯人なんじゃないですか!?」と詰め寄るといった、もし現実に存在したなら、たいへん恐ろしい場面もある。誘導尋問とかいうレベルですらない…。
…また、弁護士や検事が、痛いところを突かれると、原作でもダメージモーションを取っていた。それがアニメでは、指差しポーズとともに風圧を発生させ、それによって吹き飛ばされるという演出になっている。まさに法廷バトルであり、私は笑いどころだと思っている。
――そして、極め付けが、とある証拠品の扱いだ。『1』最終話の「逆転、そしてサヨナラ」では、エピソード中盤で使用し、そこで終わりだと思っていた“意外な証拠品”が、真犯人への追い詰めるために決定的な役割を果たすという、とても熱い展開が存在する。最後の証拠品は非常に簡単であるため、その1つ前のコレが、推理難易度的には山場であろう。ところが、アニメ版では、その証拠品が、ずっと背中に背負われている。いや、原作の展開を知っていれば、何故ずっと持っているのかは分かるのだが、まるでリュックをしょっているかのようにずっと映っているため、違和感が半端ない。もう、ここまで来ると、そういうギャグとして捉えるしかあるまい…。
全47話ということで、インターバルなく『2』へ続くぞ |
とまあ、そんな感じで。私は、アニメ版の「逆転裁判」を、楽しく視聴中だ。原作と異なる点は多いものの、全体的に良改変であり、削除された代わりに追加されたエピソードもある。アニメの出来には、全くの異議なしだ。
…ちなみに、現在の進行具合は、原作『1』のラストに相当する、第12話までを見終えたところである。アニメ1期は24コ話ということで、この先は、そのまま『2』へと続くようだ。なお、原作『1』のDS版にて追加された「蘇る逆転」は、特大ボリュームのエピソードだが、残念ながらアニメ化されていない。まあ、有ったら有ったで、7コ話を費やしている「華麗なる逆転」(『3』最終話)に匹敵する長さとなるであろうから、その辺りを考慮して、省略されたのであろう。いっぽうで、『1』最終話の「逆転、そしてサヨナラ」の次は、アニメオリジナルエピソードを挟んで、原作『2』の2話から始まるようだが、『2』第1話は、構成上、第2期の開幕に回されたというだけのようだ。『1』『2』『3』のGBA版に収録された内容は、全てアニメ化されている。
――いっぽうで、アニメ2期では、1話完結のミニエピソードだけでなく、「逆転特急、北へ」という、ゲーム版には全く無かった事件が挿入されるようだ。私にとっては初見となる、完全オリジナル事件(もともとは、漫画版のために製作されたエピソードらしい…)が、どのような展開になるのか、今から興味津々である。よーし、残り35話、まだまだ楽しめるぞ!
(2024年12月12日)
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