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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
何か「おっ!
柔らかい…」をしてボコられてるみたいな図になってしまった |
いよいよ第3世界である。エクスデスを倒して平和を迎えた思いきや、世界に更なる危機が訪れ、バッツたちは最後の戦いへと挑んでいくことになる。
さて。第3世界では、これまでの第1世界・第2世界と異なり、シナリオ進行に自由度が生まれる。ただし、完全に自由というわけではなく、大きな流れとして、「4つの石板から伝説の12武器を開放する」という目的がある。まず、開幕はバッツとクルルの愛の逃避行となるが、ボスのアントリオン戦を終えると、すぐにファリスが加入する。そして、その3人で、1つ目の石板がある「ピラミッド」をクリアーする。この時点での自由度は普段通りであり、寄り道で手に入るのも、古代図書館での「魔力の歌」、ムーアの村での「ブレイブブレイド」か「チキンナイフ」、というくらいである。
…その後、ピラミッドをクリアーすると、レナが復帰し、飛空艇が手に入る。この飛空艇は、第1世界で使っていたものと同じであり、最初から船に変形する能力を持っている。この飛空艇を使うことで、これ以降、いつでもラスダンである「次元の狭間」に突入ができる。また、寄り道として、「ジャコールの洞窟」を訪れると、第1世界&第2世界で意味不明だった仕掛けが繋がり、召喚獣のオーディンへと挑むことができる。更に、「蜃気楼の町」に新しく行けるようになり、ここで黒チョコボを捕まえると、「北の山(バハムート戦)」「フェニックスの塔」にも挑戦ができる。
――いっぽう、メインルートとしては、2つ目の石板に関係する「孤島の神殿」→「フォークタワー」の順番は固定となっている。そうして、フォークタワーをクリアーすると、飛空艇に潜水艦へと変形する能力が改造され、あとは3・4つ目の石板がある「大海溝」「イストリーの滝」と、寄り道ルートである「沈んだウォルスの塔」の探索が、自由な順番で可能となる。
というわけで。やれることを整理してみると、実はそこまで自由度は高くないとも言えるが、体感上の自由度というのは重要である。やはり、すぐに飛空艇が手に入って、ワールドマップを移動し、ラスダンにすら行けるようになること、加えて、メインとなる“石板集め”こそ3番目と4番目を変えられるだけとはいえ、それで12武器をどう解放していくかという選択も存在する。プレイヤーが感じる自由度は、相当なものであろう。
…やれ、世界観としては、FF6と同じく危機的である。一方、BGMは、FF6とは正反対であり、FF5は物悲しい雰囲気となってしまう。それでも、両作ともに、ゲーム後半部で、すぐラスダンが解禁されると同時に自由度が増すというのは、大きな魅力と言えるだろう。「ロクな移植が無い」という以外の、FF5とFF6の意外な共通点を発見である。
――ちなみに、最近だと、ドラクエ11の第3部が、これに近いゲームデザインとなっていた(第2部の世界崩壊もFF6っぽい)。ただ、あれは、高難易度の裏ダンジョンが最初に示されてしまっており、そこを突破してしまうと、それ以外の寄り道が完全に茶番となってしまうんだよな〜。
地形すり抜け系のバグが見つかったら、この飛空艇にも普通に乗れそう |
そういうわけで。第3世界の冒険は、まずバッツ・クルルの2名から始まる。エクスデスの撃破後、目の前にはタイクーン城が見えており、一行は元々の世界(第1世界)へ戻ってきたと考えた。BGMも、第1世界フィールド曲の「4つの心」へと戻っている。ただ、どこか様子が変ということで、レナとファリスをタイクーンに残し、バッツとクルルで再び旅に出ることにしたのである。
…まあ、メタ的に言うと「ラスボスの撃破にしてはアッサリしすぎている」「最上級の魔法と召喚が全く埋まっていない」、ゲーム内で確認できる内容としても「世界地図を開くと地形が変わっている」「第1世界のタイクーン周辺は山だらけだったのに、こんなに陸路で移動できるのはおかしい」、更に言うと「雑魚モンスターとの戦闘が一切発生しない」などという点も存在する。ただ、「何かがおかしいのは確かなのだが、その正体が分からない」という感じである。その違和感に反して、底抜けに明るいグラフィックとBGMが、余計に不穏な雰囲気を掻き立てるものだ。
ちなみに、ここからは、一時的に、バッツとクルルでの二人旅を行うことになる。と言っても、バトル的には、ボスのアントリオンを倒すだけで終わりであり、その間、他の雑魚とはエンカウントできず(※)、これといった寄り道ルートや任意イベントも存在しない。が、FF5の3人娘(+ガラフも)のうち、バッツが2人旅をするのは、クルルだけであり、そこに運命的なものを感じる人も居るかもしれない。
――また、会話としては、それなりの量が用意されている。クルルから少し異変を聞いただけで旅を続けようと決める精神的イケメンなバッツ、門の前で14歳とドツキ合った挙げ句にちゃんと負けを認めてあげる精神的イケメンなバッツ、アントリオンの穴に落ちてボコに当たるイケメンじゃないバッツ、縄で遊ばれる精神的ブサメンなバッツなど、小粒ながらも味のあるシーンが目白押しだ。
そういうわけで。タイクーン城を後にして、まずはボコと合流し、そのまま進める方向へと進んでいく。いろいろな地域に行けるように思えるが、ルートは一つしか無い。途中、ゲーム冒頭で訪れたトゥールの町があるのだが、特に新しい入手品などは無く、その先の左右1マスの谷が順路となる。
…ちなみに、道中で、ワールドマップの何も無い岬に、ポツンと飛空艇が置かれているのを目にすることができる(山に阻まれ、この時点では入手できない)。なんでここに飛空艇が!?
と思ったが、逆であり、ここに置かれていかなければおかしい。というのも、その場所は、第1世界から第2世界にワープする際に使った場所であるからだ。その場所には、飛竜・黒チョコボでは訪れることはできないため、飛空艇で直接着陸するか、それを船に変えて辿り着くかのどちらかである。よって、そこに飛空艇が停められているのは、むしろ当たり前なのだ。ちなみに、世界観的な話として、あまり時間が経つと、第1世界に残っていたシドたちに回収されてしまうだろうから、バッツたちが第2世界に滞在していた時間は、恐らく1週間とか、それくらいだったろうと思われる。
間違えて第3世界からゲームを始めてしまっても、理論上突破は可能…か? |
ところで。この時点でのトゥールの村では、初心者の館の2階に、モンスター入りの宝箱が置かれている。敵はゴブリン×1であり、倒すと「革の靴」が手に入る。ゲーム最序盤ならば、アクセサリ自体が貴重ということで役に立つのであるが、その際は経験値なしで敵を倒す手段が存在せず、入手することは叶わなかった。そして、経験値0で敵を倒せるようになる第1世界中盤(カルナックをクリアーし、魔獣使いが解禁された時点)では、既に完全上位アクセサリである「ぎんぶちめがね」が無限に手に入っているため、わざわざここまで戻ってくる価値は無いのだ。
――ただ、このモンスター入り宝箱には、意外な利用価値がある。それは、この第3世界冒頭の時点で、唯一の戦闘を発生させる手段という点である。上で述べた通り、このあとアントリオンを倒してギードとの会話イベントを終える(=BGMが第3世界のものに変わる)まで、雑魚敵とのエンカウントは発生しない。途中、海賊の洞窟に立ち寄れるが、そこにも敵エンカウントが発生しない特殊な処理が行われているくらいに、徹底した処置である。ただし、このモンスター入り宝箱だけが例外で、このタイミングでの敵との戦闘を発生させられるのだ。だからどうしたと思うかもしれないが、例えば「低レベル+1人クリアー」では、このゴブリンを使うことにより、アントリオン戦の前に戦闘不能者を発生させ、1人でのバトルを行えるようになるのだ。
ところで。この時点では雑魚敵が出現しないということは、レベル上げもできないということであり、つまるところ、詰んでしまう危険性がある。だが、このゴブリンからポーションを盗んで逃げることを繰り返せば、無限にギルを稼げるのだ。
…ではこれで、普通に第1世界からゲームを始めるつもりが、間違えて第3世界からスタートしてしまったという場合(?)、このゴブリン宝箱を使って、アントリオンを倒すことはできるのだろうか。結果を言うと、理論上は勝てる。まず、敵の打撃自体は、ナイトの「まもり+かばう」でシャットアウト可能である。しかし、敵は5ターンごとに、「消化液」という技を使ってくる。これは、120固定ダメージ+スリップという効果であるが、まもりもかばうも抜けてきて、しかも回避不能の固定ダメージであり、確実に1人が死ぬ。そして、致命的な点として、トゥールの村では、「フェニックスの尾」を購入できない。よって、どうしても、敵を素早く倒す必要が出てきてしまうのだ。
――さて。こちらの、育成一切無しでの最強攻撃手段は、「ちけい」で発動する「鬼火」による160ダメージが最大のはずだ。仮に、敵が、1〜4ターン目に、ダメージの一切発生しない「怪音波」(レベル半減)のみを使い続けたとしよう。第3世界開始からアントリオン戦までに手に入るフェニックスの尾は、4個である。敵味方が交互に行動するとして、「消化液」×1回に対して、「鬼火」×8回を当てることができる(素早さの関係上、開幕は敵が初手を取る。そのまま2人で地形を使い続けると、敵5ターン目までに8回使える。2ループ目からは最初にフェニックスの尾での蘇生が入るので、同じく攻撃回数は8回)。よって、フェニックスの尾×4個で当てられる鬼火の数は、45回である。160×45は7200、アントリオンのHPは8100なので、無理である。というかそもそも、相手の素早さは「50」と高く、敵味方で1:1の行動ペースとはならないため、机上の理論にすら到達していない。
では、「ちけい」以外だとどうなのかと言うと、アントリオンは物理防御力・魔法防御力がともに「20」であり、「銭投げ」は0ダメージとなってしまう。「ジャンプ」で消化液を避ける作戦も考えたが、竜騎士では武器が弱すぎであり、アントリオンにダメージを与える手段が全く無い…いや、待て!
素手ならばクリティカルが発生することがあり、その場合、相手の物理防御力を無視できる(FF5は、武器ごとにクリティカル率が決まっており、0%の武器では絶対にクリティカルしない)。そして、意外なことであるが、素手どころか何を装備していてもFF5のジャンプは可能である。
…以上により、間違えてゲームを第3世界から初めてしまった場合の対策が決まった。例のゴブリンの宝箱はどうでも良いので、バッツでもクルルでも、好きなほうを竜騎士のジョブとし、両手の装備を外す。そしてアントリオン戦になったら、敵がひたすら「怪音波」だけを使い続けることを前提としたうえで、素手で殴りまくり、5の倍数のターンで使ってくる「消化液」を、「ジャンプ」で回避する。これで勝てる!
ところで、素手のクリティカルヒットで与えられるダメージは、「6」である。敵HPは8100なので、1350回のクリティカルヒットを当てなければならない。両手とも素手ならば2回攻撃ができる(片手に盾を持っていると1回になってしまう)が、クリティカルヒットの発生率は8%ということであり、確率上、8438回の「たたかう」を使わなければならない。
――まあ、もちろん、「敵が怪音波だけを使い続ける」という仮定がめちゃくちゃであり、そのうえで、全ての「消化液」をジャンプで回避するというのは、もはやTASさんですら不可能だろう。だが、第2世界の時(【第9話】)と同じく、第3世界においても、間違えていきなりニューゲームで始めたとしても、何とかなってしまうということが分かった。やっぱりFF5って神ゲーだわ…。そもそもニューゲームならジョブはすっぴんのみとか言ってはいけない。
エクスデスと同じく、これで勝てる…が、今回は少し工夫が必要 |
さて。アントリオンは、5の倍数のターンに使ってくる「消化液」こそ対処困難なものの、他のダメージ技は打撃のみのうえ、ステータスも色々と効いてしまうので、低レベルクリアーにおいても、楽に勝てる相手である。
…そういうわけで。初回の撃破時は、「タイムスリップ」で睡眠+老化(両方とも有効)を掛け、「ゴブリンパンチ」で殴り倒すという策を立てた。すると、ちょうど敵が「怪音波」を使って、Lv2のバッツをLv1に下げてくれたため、それを逆用し、バッツとクルルの両方が8倍パンチを当てられた。何も考えていなかったのだが、いい感じにハマってくれる戦法になったため、これで終わりとしても良いように思えた。
しかしながら。アントリオンは、レベル値が「34」であるため、「レベル2オールド」であれば、確実に老化状態にできる(耐性の有無は無関係)。そして、老化でレベルを下げたうえで、タイミング良く「レベル5デス」を決めれば、耐性無視での一撃必殺が可能だ。
――やれ、今回は、ちょっとした大きなミス(?)により、少し進めた時点で、第3世界を最初からやり直すハメになった。その過程で、不完全燃焼だったアントリオン戦についても、綺麗に勝ってみたいと思ったのだ。
しかし。アントリオン戦は、前回のエクスデスほど簡単にレベル5デスを決めることはできない。理由は、「@メンバーがバッツLv2とクルルLv1の2名であること」と「A敵のレベルが34であること」だ。
…まず、@のメンバー面についてだが、前回はMP最大のファリスLv4に加えて、次にMPの高いバッツも使えたため、「バッツ:レベル2オールド」→「ファリス:レベル5デス」と連続青魔ができていた。しかし、今回のアントリオン戦では、バッツに「金の髪飾り」を装備させて、ギリギリでレベル5デスが使えるという程度である。そして、「金の髪飾り」は現時点では1つしか無いので、クルルはレベル2オールドもレベル5デスも使えない。
――しかも、バッツについても、青魔道士を使った場合の最大MP「12」に対し、半減して11をレベル5デスで使用するため、途中でMP回復を挟まなければならない。一応、“理論上”というところまで考えれば、バッツに黒魔道士と召喚士をマスターさせたうえで、すっぴんとし、「青魔法」「MP30%アップ」をセットすれば、MPは18となり、レベル2オールド→レベル5デスを連続使用できる。しかし、莫大な稼ぎの手間が掛かるし、すっぴんが他ジョブの素早さを引き継いでしまうため、時間調整も困難となってしまう。アントリオン戦のためのプレイを進めてくる必要があり、現実的とは言えそうに無い。
更に。Aの敵レベルについてだが、アントリオンのレベル値は「34」である。仮に、「30」でレベル5デスを決めるとした場合、「レベル2オールド」を使ってから40〜49カウント以内に「レベル5デス」を使えば良い。しかし、これは中途半端な値であり、調整が難しい。バッツ→クルルの連続行動を想定する場合、両者の素早さに大差を付けなければならない…というかそもそも、クルルはレベル5デスもレベル2オールドも使えないため、意味が無い。また、バッツ1人が両方の魔法を使う場合、素でこの時間内にターンが回ってくるには、素早さが71も必要であり、味方キャラクターでは決して到達不可能だ。
…ということで、40〜49カウントでターンを回すためには、「ヘイスト」を掛けて行動可能となるカウントを半減させる必要があるのだが、「エルメスの靴」はまだ入手できていないため、ヘイスト状態にする方法が問題となる。クルルLv1はMPが低すぎであり、魔法「ヘイスト」を唱えることすら難儀する。よって、バッツが自分に魔法「ヘイスト」を掛けるか、または「飲む:スピードドリンク」を使うことになるだろう。頭がこんがらがってきた。素早さ調整もめちゃくちゃになり、余剰ターンも発生するだろう。
――そんな感じで。当初のレベル5デスでの瞬殺パターンは、「I:クルルにターンが回ってくるが、防御でパス」「II:バッツがスピードドリンクを飲む」「III:バッツがレベル2オールドを使う」「IV:クルルがバッツのMPを回復」「V:バッツがレベル5デスで敵を倒す」と、5手での撃破となってしまっていた。“レベル5デスでの瞬殺”というテーマだったのだが、戦法も手順も複雑である。しかも、パスが発生するのが、いかにも美しくない。そもそもアントリオンは、倒すだけなら、前述のタイムスリップゴブリンパンチで十分な相手だ。そのため、実用性ではなく、美しさが全てなのである。
しかし。上記のような問題は、たった1つの切り替えで全てが解決した。それは、レベル30ではなく、レベル25でレベル5デスを決めることである。
――やれ、私は、66→65でレベル5デスを決めたエクスデス戦の前例から、最も近いレベルでデスを決めるのが正解と考えていた。だが、別に5の倍数であるのなら、どこでも耐性無視の即死をさせることができる。そして、34→30だと、上で書いたような不細工な調整が必要だが、34→25であれば、猶予時間は90〜99カウントとなる。FF5のターンは「120
- 素早さ」のカウントで回ってくるため、素早さを21〜30と遅めにするだけで、次の自分のターンを待つだけで良い。そして、青魔道士バッツの素早さは、ちょうど20台くらいになる。これじゃん…。
そういうわけで。実戦では、バッツを青魔道士とし、その素早さを「29」とした。こうすると、バッツ個人については、行動をしてから91カウント後に、次のターンが回ってくる。よって、バッツが「レベル2オールド」を相手に掛け、次のバッツのターンが回ってきたとき、相手のレベル値は、マイナス9となっている。34
- 9 = 25である。絶好のレベル5デス日和だ。次に、クルルの素早さについては、「27」(数値は29だが、装備の重さで減算)に調整した。これにより、バトルでは、必ずバッツ→クルル→バッツと行動順が訪れる。上で書いた失敗作のように、パスが発生することは無い。
…加えて、その他の準備として、前述の、トゥールの村にあるゴブリン宝箱を使い、あらかじめバッツを瀕死状態に調整しておく。そして、クルルをナイトとして装備を固め「かばう」ことにより、合計2回あるアントリオンの攻撃から身を守る(「まもり」は不要)。アントリオンの開幕2回の行動は、必ず打撃か、ダメージの発生しない「怪音波」であるため、これにて100%安全となる。
――以上により、実バトルでの行動としては、「I':バッツがレベル2オールドを使う」「II':クルルがバッツのMPを回復」「III':バッツがレベル5デスで敵を倒す」の3手詰めを実現することができた。なお、理論上は、バッツのMPを最大限に上げたうえでの2手詰めも可能であるが、莫大な稼ぎを含めた微調整を事前に行っておく必要があるうえ、クルルを戦闘不能放置するという新たな無駄が発生するため、必ずしも美しいとは言い難い。そういうわけで、私はこの3手詰めで大満足である。カギは、あえて最短のLv30でレベル5デスを決めるのではなく、次のLv25のチャンスを狙っていくことだ。この第3世界でも常識に囚われてはいけないのですね!
◆動画◆
贅沢言わないからチョウチンアンコウみたいに美少女に刺さってその一部として生きたい |
アントリオン戦を終えると、ファリスが復帰し、今度はバッツ・ファリス・クルルでの3人旅となる。
…ちなみに、小ネタとして、このタイミングでタイクーン城へ戻ろうとしても、アントリオンの穴に阻まれて進むことができないため、イベント上の違和感が発生しないよう工夫されている…ということはなく、普通に城まで戻ることができる。そこでは、玉座のファリスが消えただけで、会話の内容は一切変わっていない。専用曲付きの舞踏会が未だに続いており、レナとファリス(サリサ)の帰還を皆が歓迎している。誰一人として、ファリスが消えたことに気付いていないのである。やはり、変なのだ…とか言っちゃう人が治めていただけあって、国の様子も変なのだ…。
そして、そのまま先に進むと、ギードの祠に辿り着く。地上→海中→地上と移動の激しい住処であるが、ギードは生存しており、この世界について、「元の第1世界に戻ってきたのではなく、1+2で第3世界になったのじゃ!」という驚愕の事実を語ってくれる(※そんなことは言っていない)。
…だが、その後すぐに、トゲと化してクルルに刺さっていたエクスデスが復活し、『無』の力によって世界の各地を攻撃し始める。立ち寄れる場所を消すという、RPG的に極めて外道な攻撃方法である。ひょっとすると、FF8・FF9のような容量対策かもしれない(FF5にディスクチェンジは無いが、新イベントや、違和感の無い新セリフを用意する手間が省ける、とか?)。わざわざ女子中学生に刺さっていたことと言い、さすが、人間の心が存在しないだけのことはある。
――ちなみに、このエクスデスについてだが、セリフ的には、アントリオン撃破後にクルルに刺さったような描写である。しかし、「とげ」というアイテムが、こっそり第3世界開始直後から「だいじなもの」欄に入っているため、この段階からパーティメンバーたちに異物混入を果たしていたようだ。クルルに刺さる前は、芋けんぴがごとく、バッツの髪の毛にでも張り付いていたのだろう。そして、刺さっていた場所だが、これまで勝手に足だと認識していたが、特に明言はされていないようだ。私だったら、間違いなく太ももを狙って刺さりに行くね。
なお、その後であるが、復活したエクスデスは、まずタイクーン城を消滅させる。その理由について、タイクーン城の跡地は、その後にラスダンである「次元の狭間」への突入にも使えるため、そもそも特別な場所だったのであろう。
――そして、エクスデスは、バッツたちにトドメを刺そうとするが、ギードが横槍を入れる。この際の、エクスデスの「カメェェェェッー!」という叫びは、いろいろとネタにされている。地味に「アッー!」的な表記になっていることに加え、一応はクールな悪役と言えなくもなかったエクスデスが変な怒り方をしたことに驚かれたり、ギードがカメならエクスデスは樹だろと思われていたりもする。ちなみに、SFC/PS版では、話者が表示されていなかったため、エクスデスの怒声ではなく、ギードが戦闘態勢に入るための掛け声だと思っていた人も居るんだとか…。
そしてその後は、エクスデスの魔法によってバッツたちが吹き飛ばされ、勝負は中断となる。一行は、古代図書館へと移動し、そこでギードと学者から、「1000年前にエヌオーを封印した伝説の12武器などを集めるため、4つの石板を探し出す」という、第3世界の大きな方針が示されるのだ。
…が、ここは有名な、あの「図書館テレポ」の語源でもあるバグを起こせる。この作戦会議が終了したあと、外に出ずに魔法「テレポ」を使うと、エクスデスのテレポに対抗したということか、ギードの祠の前に出てしまう(SFC版/PS版。【第10話の関連する記述】)。そして、地形は既に一部変更をされた後になっており、そのまま蜃気楼の町まで移動が可能である。その場合、最強アクセサリである「エルメスの靴」などを早期購入できるほか、一足先に空を飛ぶ手段である黒チョコボ(&バル城に行くと飛竜)も手に入れられ、ストーリー進行を壊すことが可能である。この場合、エクスデスが『無』の力で消滅させる場所を訪れられたり、レナを本来とは別のタイミングで復帰させられたりもする。
――ただし、有効な利用法は、「第1世界で取り逃したものを回収する」という後ろ向きな使い方となる。また、残念ながら(?)、第3世界はフリーシナリオ形式であるため、進行を狂わせたところまで、そこまでめちゃくちゃな現象は起こらない。そういうわけで、あくまで遊び技と割り切って、SFC/PS版のプレイ環境がある人は、色々と試してみると面白いだろう。
臆病は物理攻撃が下がって素早さが上がるからね…(F外失) |
そうして、古代図書館の会議が終わると、次は、流砂の砂漠(流砂は止まっている)のピラミッドに行くことになる。
…その前に、まず、重要なこととして、古代図書館の屋上に行くと、学者から「魔力の歌」を教えてもらえる。使用中、歌っているキャラクターが操作不能になる代わり、30カウントごとに魔力の値が1上がる(ヘイストで15、スロウで60に)という内容である。魔法ダメージを決める魔法倍率計算式の一部には、「レベル×魔力」という部分があるのだが、通常、レベル値を上げる「英雄の歌」のほうが便利なことが多い。ただ、レベルと魔力の両ドーピングを組み合わせると更に強力であるため、そういうパターンに備え、習得しておいて損は無い。なお、ピラミッドをクリアすると覚える機会が消滅する、期間限定品であるため、是非とも屋上を訪れておこう。
さて。ここで、ピラミッド以外に寄り道ができる場所には、カルナックの町・サーゲイト城・ムーアの村が存在する。カルナックについては、特に第1世界で訪れたときと変化は無く、女王はまだ寝ている。店でロッド系アイテムの補充ができるが、ここまでシナリオが進むと、威力もやや微妙だろう。
…次に、サーゲイトにも、これと言って新しいイベントは用意されていない。ただし、古いイベントも修正されていないため、例の、「え行の本」(【第11話の該当部分】)を探すと、居ないはずのレナが異次元から圧力を掛けてくるという怪奇現象が発生する(旧スマホ版から修正)。
――そして、ピラミッド&ムーア方向へ向かう際、道中にある長老の樹では、バッツ・ファリス・クルルの3名が、失われた命のことを振り返り、最後の戦いへの覚悟を決める…という、地味ながら心に来るイベントがあるのだが、これは長老の樹の目の前に立ったときに発生する任意イベントである。マップの構成上、まっすぐ進むと発生してしまうのだが、タイムアタックなどの時は避けていくことが定石になっているという。
そして、砂漠を超えた先のムーアの村では、FF5名物である、ブレイブブレイドとチキンナイフの選択が用意されている。これは、第3世界の新イベントであり、第2世界では閉じられていた扉を通って森の中に入ると、幽霊に語りかけられるイベントが発生し、共に特殊な攻撃力決定方式を持つ「ブレイブブレイド」と「チキンナイフ」のどちらか1つだけを貰えるのだ。
…まず、“勇敢”の「ブレイブブレイド」は、攻撃力が150で力+5と、ラグナロク(140)級の攻撃力を持つ(※ただし、攻撃力が×1〜1.125でランダム変動する性質が、ブレイブブレイドには無く、同じ条件で与えられるダメージは固定)ものの、「逃げた回数」だけ攻撃力がマイナスされていく。この回数は、剣の入手後ではなく、ゲーム開始時からカウントされているため、入手時点で錆びついてしまっていることもある。下がった攻撃力は、決して戻すことはできない。なお、ゴブリンパンチを使った場合は、常に攻撃力が150で計算されるという。
――いっぽうの「チキンナイフ」は、初期攻撃力は0だが、2回逃げるごとに攻撃力が1上がっていき、最終的に127となる。上がった攻撃力が下がることは無い。その他、素早さ+5の補正も持っている。こちらもブレイブブレイドと同じく、攻撃力に掛かる×1〜1.125のランダム補正は無い。また、「たたかう」を選ぶと、1/4の確率で、攻撃する代わりに「とんずら」が発動する性質を持つため、普段遣いには向いておらず、「みだれうち」などとのコンボを使うか、素早さドーピング用と割り切るなど、工夫が必要となる。ちなみに、逃げられない敵との戦いでは普通に使える…ということはなく、「逃げられない!」と表示されて攻撃せずにターンが終了するため、やはり「たたかう」での使用には強烈なデメリットが伴う武器となっている。
そういうわけで、これら2つの武器は、上手く調整された感があると思えるかもしれないが、ダメージ計算式により、両者の力関係は歪んだものとなっている。まず、ブレイブブレイドは、通常の武器攻撃と同じく、「(レベル
× 力 ÷ 128)+ 2」でダメージ倍率が決まる。武器攻撃力に対する×1〜1.125の上方修正こそ無いものの、あくまでも“攻撃力の高い普通の武器”という扱いになるのだ。
…いっぽうのチキンナイフについては、「(レベル
× 力 ÷ 128)+ 2」の部分は同じだが、そこに更に、「(レベル
× 素早さ ÷ 128)」の値を加える。恐らく、力と素早さの両方で与えるダメージが決まることにしたかったのであろう。だが、2で割るのを忘れており、素早さ部分が単純なプラス補正になっている。意図的な仕様か、ひょっとしたらバグかもしれないが、ここを変更すると大幅に武器の性能が違ってきてしまうため、SFC版以外も全てのバージョンで同一の仕様となっている。
――これにより、例えば、無装備の状態でレベル30・力40・素早さ30というキャラを想定し、物理防御力が10の相手に攻撃をしたとしよう。攻撃力150&力+5のブレイブブレイドで与えられるダメージは、物理部分のダメージ倍率の計算結果が10であり、それに2を足して「12」、最終的なダメージは140×12で1680である(固定値)。一方、攻撃力127&素早さ+5のチキンナイフは、物理部分のダメージ倍率は9であるが、そこに素早さ部分の8を足して、マイナス補正は無いので17、更に基本値の2を加えることで「19」となり、与ダメージは117×19で2223である(おまけで、ナイフと弓矢に共通の、対象の回避率を半分として計算する効果も付いてくる)。
というわけで。両者の最強状態の攻撃能力については、チキンナイフの「素早さによる補正を加えて、割らない」という特殊仕様により、チキンナイフのほうが大幅に上になるということが分かった。この事実はよく知られており、チキンナイフを実質的な最強武器として捉えるだけでなく、ブレイブブレイドのほうを過剰に下げる発言なども見られる。
…しかしながら、前述の通り、チキンナイフは強力さ以上に使いづらさが目立つ武器であり、何百回も逃げているということも、通常プレイでは起こりづらいであろう。また、チキンナイフを使うにあたり、「みだれうち」の習得は前提のように語られることが多いが、そのためには、決して万人向けとは言い難い「狩人」のジョブで、ABPを合計600も獲得しなければならない。逆に、ブレイブブレイドは、時間制限イベントや特殊な強敵から少し逃げているくらいなら、許容範囲の攻撃力を持つ(例えば、私の知り合いのデーターでは、最終セーブの時点でブレイブブレイドの攻撃力が131だった)。そのうえ、取得が用意な「両手持ち」で火力を2倍にできるという魅力があり(チキンナイフは両手持ち不可)、いわゆる王道プレイで活躍させられる。そういう意味では、「使いづらいが、育成完了後のポテンシャルで最強を誇るチキンナイフ」と、「初心者にも分かりやすい強さを持つブレイブブレイド」は、良い調整のように思える。
――ちなみに、私は、FF5の通常プレイを2回行っており、その2周目では、「ブレイブブレイドを攻撃力150のまま使う」というこだわりをもって遊んでいった。ガルキマセラやエクスデスソウルなど、一筋縄では行かない敵も現れたが、そういう敵への対処も、また面白いところだったように思う。そして、王道主人公となったバッツが、ブレイブブレイドを両手持ちし、サクサクと敵を切り刻んでいった。
というわけで、個人的はブレイブブレイドとチキンナイフは同格に相応しいと思っているし、少なくとも「圧倒的に劣る」だとか「ただの勲章」「浪漫」などと、こき下ろすほどの物ではないと考えるのだ。いま考えていることの逆が正解だ。でも、それは大きなミステイク!
「HP全快だと弱いが、ピンチなら強い」←分かる 「全快で強く、ピンチで更に強い」←??? |
ちなみに、「特殊な補正を、足して割らない」という武器は、FFシリーズにおいて、他にも存在する。
…例えば、FF6の「バリアントナイフ」は、攻撃力145と控えめであるが、防御力無視の基本効果を持つ。FF6の敵は、基本的に被ダメージを半減するくらいの防御能力を持つため、この時点で、攻撃力がカンストの武器たちと同等以上の火力を出せる。しかも、減ったHPぶん(に微妙に補正を掛けた値らしい…)だけ与ダメージが上がる性質を持つうえ、この手の武器にありがちな「HP満タンだと攻撃力が低い」というデメリットが存在しないため、何にでも使える万能武器となっている。装備可能者のロックを、FF6最強の物理アタッカーに持っていっている立役者である。
また、FF10のPS2オリジナル版では、アーロンの七曜武器である「正宗」が、1人だけ「HPが減るごとに与ダメージが上がる」という性質を持っていた。例えば、ティーダは、HP満タンの時に与えられるダメージを100%とすると、HPが1の時は、だいたい最初の9%くらいにまでダメージが減少してしまう。「敵の物理防御力を無視できる代わりに、HP減少によって攻撃力が下がる」という調整になっているのだ。
…しかしアーロンの「正宗」には、逆に、HPが減少するごとに攻撃力が上昇する補正がついてくる。しかし、何を誤ったのか、HP満タンの時に与えるダメージをティーダ等と同じにしてしまった。アーロン、HP満タン時に与えられるダメージを100%としたとき、HP最低の際は、約433%のダメージを与えられる。あらゆる状況で、100%未満にダメージが下がっていくことは無い。「HP減少によるデメリット」が完全に消えるだけでなく、逆にメリット効果が追加されている。まさしく、スピラのバリアントナイフになってしまったのだ。
――やれ。基本的に、99999ダメージの連発が基本となるFF10の最強育成においても、さすがにあんまりだと思われたためか、INT版からは、全状態で×0.5倍の補正が掛かるようになった。これにより、「HP満タンだと他キャラの半分のダメージだが、HP減少で他キャラ最高火力より更に2倍強の威力となる」という、メリットとデメリットを持った一般的な調整となった。ただし、攻撃力を255にしても、「かたい」特性を持った相手の場合、HP満タンだと99999ダメージを与えられない(90000程度に留まる)。これはピンポイントだが、FF10の最強育成においては無視できない欠点となる。よって、アーロンは、どちらかと言えば、使いづらさのほうが目立つようになってしまった。あそこまで極まったバトル環境だと、どうにも調整は難しい…。
話をFF5に戻そう。ブレイブ&チキンのその他の話題として、“ピ”では、中断セーブを使った特殊な手順により、ブレイブブレイドとチキンナイフの選択を2回行える。よって、ブレイブブレイドとチキンナイフの両方を入手したり、どちらか片方を2つ手に入れることもできるようだ。明らかなバグだが、プレイヤー側が有利となる要素を無理に潰すと反発を招くという判断からか、その後も修正されていない。なお、残念ながら、ピは、PS4/スイッチにも移植されることが決定してしまった(【日記:2022/12/18】)が、そこではどうなるか、少しだけ見ものである。
――また、リリースから少し経ったあとのバージョンアップでは、ブレイブブレイドについて、「5回勝利するごとに、下がった攻撃力が1上がる」という変更が行われたようだ(チキンナイフの攻撃力は下がらない)。こちらについては、当時の攻略本?
に書かれたデマ情報が元となっているらしい。下手にダメージ計算式や最大攻撃力を強化して、ブレイブブレイドを壊れ武器にするより、よっぽど分かっている仕様変更であり、ピにしては珍しい。つまり…小数点以下でアレが盗めるようになる確率も、小数点以下の確率で存在する…。
ちなみに。ここまで私は、「ブレイブブレイドとチキンナイフは同格である」という自説を展開してきたが、では今回の低レベルプレイでどちらを取るかというと、チキンナイフである。FF5の低レベルプレイにおいては、“逃げない”というのは著しい苦行…どころか、GBA版の中断機能を使って、「少し歩いて即中断を繰り返す」という方法以外では、恐らく理論上も不可能であろう。そのうえ、低レベルプレイでは物理攻撃が主力となる戦いは少ないため、ブレイブブレイドの「力+5」より、チキンナイフの「素早さ+5」のほうが圧倒的に役に立つからである。
――なお、試しにセーブをしてから、まずブレイブブレイドを取ってみたのだが、攻撃力は既に0となっていた。一方のチキンナイフは、入手時点で攻撃力が127である。これだけ勇敢さを推していた私がこのザマとは情けない。次の縛りプレイは、ブレイブブレイドを活かせるような内容にするか…。
「まもり+かばう」が使えない時に、安全性を上げる手段として有用 |
そういうわけで。次は、第3世界で最初のダンジョンと言える「ピラミッド」に挑んでいくことにしよう。ここでは珍しく、明確なボスモンスターが出現しない。ただ、“ピラミッド”ということで、墓荒らしを阻むための多彩な仕掛けが用意されており、ダンジョン自体が巨大なボスとも言える。そして、低レベルクリアーにおいても、逃走不能のシンボル敵などの理由で、難関とされることの多い場面だ。
…では、その攻略を始めていこう。まず、入り口では、「ガーゴイル×2」と戦うことになる。4つの石板ダンジョンで共通の恒例の門番であり、後になるほどプレイヤーの成長を実感できる相手だが、別にこの時点でも強くない。同時に倒さなければ、もう片方を復活させてしまうという特性を持っているが、「レベル3フレア」が有効であるほか、睡眠も効くため、それを決めれば相方を蘇生させる能力も無くなる。その他、石像なのに石化が入ってしまうなど、様々なステータスが有効であり、ボスというよりは雑魚に近い存在である。
さて。今回プレイでは、前述の通り、眠らせれば勝利なのだが、レベル差がそれなりに存在するのと、敵の魔法回避率の影響もあって、命中率は低めである。よって、まず魔法スリプルより命中率の高い、「愛の歌」での全体ストップを狙っていく。こちらも必中では無いが、スリプルよりは当たりやすい。
…しかしながら、敵はボス耐性を持っており、ストップはたったの30カウントで効果が切れてしまう。よって、スリプル成功までの一時凌ぎと考えても、信頼性は微妙であるため、ここは更に、召喚獣の「ゴーレム」を使っていく。ゴーレムは、第2世界の飛竜の谷で入手しておいた召喚獣であり、「(使用者のレベル
× 50)+ 1000」だけ、物理攻撃のダメージを肩代わりしてくれる(上限を超えても、その攻撃のダメージだけは全て防いでくれる)。味方側の物理防御力・物理回避率については、全てプレイヤー側が有利となる形でコンボ可能であり、物理攻撃への安全性を更に高めるひと押しとして利用可能だ。
――と、いうわけで。MP最大のファリスは、最初に「ゴーレム」を使って自分を含む味方を守り、その間にクルルが「愛の歌」によって敵行動を妨害しつつ、バッツで「スリプル」を決めていく。そして相手が眠れば、もう勝負は終わりであり、「レベル3フレア」で攻撃し続けるだけである。
そんなわけで。効率だけを求めるのではなく、せっかくだから、せっかくだから〜♪
と、色々なものを使ってみるバトルとなった。
…ちなみに、あまりにもやることが無かったので、バッツは図書館の屋上で覚えたばかりの「魔力の歌」を使い、ファリスの「レベル3フレア」の威力を上げていった。途中、魔力が63→64の壁を超え、魔法倍率が4→5となり、ダメージは1000程度から1250程度に上昇する。それだけである。敵HPは5000であり、バトル開始からは歌えない都合、どうせ敵を倒すためには5発が必要であり、実用性は無い。だが、使ってみることが重要だ!
あー
もうめちゃくちゃだよ |
それでは、ピラミッドの内部を探索していこう。
…まず、このピラミッド内での純粋な強制戦闘は、以降は「マミー×3」(棺から登場する、包帯ぐるぐる巻きの雑魚モンスター)のみである。ただし、シンボルエンカウントするアスピス(白い蛇)とマシンヘッド(オメガと同系のモンスター)からは逃げられないうえ、両者ともに罠モンスターとして狭い通路に多数が登場するため、その全てを回避し続けるのは難しい。また、宝箱28個のうち、ちょうど半分に当たる14個(実質的に宝箱を守っている「グランドマミー」も入れれば15個)にはモンスターが入っており、その中身も、超有用なごく一部を除くと、「ダークマター」や、ピラミッドをクリアして飛空艇を入手したあとに蜃気楼の町で買えるようになる物など、イマイチ燃えないラインナップである。そして、「呪いの指輪」や「いばらの冠」といった、いわゆる“呪いの装備”も手に入る。まさに、不敬な盗掘者をミイラへと変えてしまうピラミッドという感じである。動き全てが罠だぜ。
――そういうわけで。途中、セーブポイントが1ヶ所しかない(しかも、最大の難関であるマシンヘッド迷路を乗り越えた後)ことから、このピラミッドは、低レベルクリアーにおける難所の一つとされている。よって、その攻略では、宝箱については、ゴール直前の消える足場にある「金の髪飾り」「リボン」「守りの指輪」のみを入手することが多い。全回収を目指す場合にも、レナが復帰して4人になってから再訪をする…というパターンが一般的なようだ。
しかしながら。今回の私が使っているバージョンは、「まるごと保存」によるリアルタイムセーブが可能な、WiiUバーチャルコンソール版である。よって、バトル直前でセーブをしておくことで、失敗した場合のやり直しが容易である。
――そういうわけで。私は、あえて正面からピラミッド攻略に挑んでみることにしたのだ。宝箱は全て開ける。シンボルエンカウントの敵は、あえて当たりに行くようなことはしないものの、極端に回避へ寄ることもせず、遭遇したら普通に戦っていく。私は、FF5の低レベルプレイは今回が初めてであるが、まるごと保存の機能を使えば、そのような正攻法も無理せず行っていける。この手の、いわゆる“チート機能”を、単なるインチキではなく、プレイの幅を広げるために使っていきたいというものだ。
何か【FF6でも似たような戦い方をしていた】ような… |
では、具体的に、ピラミッド内で戦う敵たちへの対策を書いていくことにしよう。敵の種類が多いので、まあいつも通り、流し読みをしていただきたい。
●基本戦術
ピラミッド内には、毒針の罠があるので、それをわざと踏んでHPを1にする(毒状態は解除する)。そして、バッツをナイトとし、「まもり+かばう」作戦で身を守る。これで、ほとんどの敵に対して、安全になれる。「まもり」を使わなくとも、ボーンメイルなどで物理防御を固めるだけでも、ほぼ安定する。当初、バッツもHP1としていたが、「まもり」抜きだと微弱なダメージを受けることもあるため、途中からバッツのHPだけは全快にしていった。
そして、攻撃手段としては、前回の第2世界ラストで覚えた「死の宣告」を使っていく。これで敵を倒すと経験値が0になるうえ、大半の雑魚敵に有用であり、消費MPも「金の髪飾り」による半減を前提として「5」と少ないため、常用していける攻撃手段である。
○アスピス(多数登場する白い蛇)
基本戦術で勝てる。「まきつき」による麻痺効果があるが、物理防御を固める際の「源氏の小手」で麻痺を無効化できるので、「まもり+かばう」要員のバッツが麻痺してしまうことはなく、防御態勢は崩れない。
ちなみに、敵は経験値を持っているうえに、「とらえる」で捕獲することができない。よって、「死の宣告」で経験値が回避できなくなったピでは、難易度が跳ね上がっていると思われる…。
○呪われしもの(宝箱から多数登場する逆立ち星人)
基本戦術で勝てる。
○グランドマミー(包帯ぐるぐる巻きのミイラの親玉)
入り口直後で寄り道ルートを選んだ場合に出現する、ちょっとした演出の付いた相手である。
…のだが、HPが少し高いだけで、特に強くない。もともと経験値が0なので、「ファイガ」と「レクイエム」でダメージを与えて倒す。
ちなみに、守っているのは「呪いの指輪」である。物理防御力+25の代わりに、バトル開幕に死の宣告状態となるアクセサリだ。死の宣告は最初だけなので、それさえ乗り切れば、普通に使えるアクセサリ…か?
○アルケオザウルス+ナイル×2(ゾンビ化したドラゴンと、顔の付いた石板)
アルケオザウルスはボス耐性を持っており、「死の宣告」が無効化される。更に、時間を掛けると、「ゾンビブレス」や「ポイズンブレス」を使ってくるので、全滅の危険性すらある。普通の低レベルプレイであれば、該当する宝箱を、そもそも開けないほうが良いだろう。
今回は、どこでもセーブの使えるバージョンなので、正面から挑んでみる。戦い方は、「ファイガ」と「レクイエム」で一気にHPを削り、「ゴルナゴの壺」を装備した魔獣使いで捕まえてしまう、というものである。
ランダムで、ナイル×2が付いてくるが、そちらのほうには、基本戦術で勝てる。
○マシンヘッド(中盤の迷路地帯を歩き回っているオメガ型モンスター)
敵は2ターン目に、「波動砲」を使ってくる可能性があり、最大HPの半分のダメージ+スリップで即座に全滅に至るため、極めて危険である。
よって、この敵だけは、「死の宣告」を使ったあとにバッツが「かくれる」で隠遁し、消滅するのを待つことにする。ファリスとクルルはすぐに倒されてしまうが、同一エリアに針山があり、再びHP1にすることは容易である。
なお、敵は経験値を持っていないため、「サンダガ剣」で一撃必殺をする戦法でも良い。また、開幕を安定化させるため、「愛の歌」を使えば良いと思ったのだが、どうも上位種のオメガとは異なり、マシンヘッドは音波カテゴリの弱点を持っていないので、愛の歌は必中とはならないようだ(試した)。GBA版以外では、「なだめる」によるストップが有効であるが、そこまでせずとも、どうしても安定させたければ、さっさと敵の素早さ:34よりも早いジョブで、「死の宣告」→「かくれる」と行動すれば良い。ABP0にこだわらない低レベルプレイならば、これで安定させられるだろう。
○マミー×3(棺から出てくるボノレノフ様)
マシンヘッド迷路のエリアに、合計2セットが登場し、うち片方はピラミッド突破のため絶対に倒さなければならない。強制戦闘ということで、ご丁寧に経験値を持っていないという調整が為されている。
なお、戦闘自体は基本戦術で終わる…と思っていたのだが、敵が残り1体になると、「死者の踊り」でこちらをゾンビ化させてくることがあり、危険である。そういうわけで、「ファイガ」や「レクイエム」などの全体ダメージ攻撃によって、まとめて倒してしまったほうが良かっただろう。
○石像×5(みーたーなーっ!!)
バル城で出現することで有名な雑魚敵が、ピラミッドの宝箱からも出現する。
敵は、打撃のほか、「ブレイク」を使ってくることがあるので、リフレクトリングによって身を守る。その他に使うのは打撃のみであり、「死の宣告」も有効なので、あとは流れでOKである。
○フォールガード(宝箱から登場するジョジョ立ち格闘家)
基本戦術で勝てる。なお、該当の宝箱からは、暗黒魔道士(エクスデス城で出た雑魚敵)が出る場合もある。暗黒魔道士は、ボス耐性を持っていて死の宣告が効かないため、そちらの場合は「とらえる」を使う必要がある。
ちなみに、何故か、旧スマホ版のみ、登場する場面が増えているようだ(「大地のハンマー」が入っている宝箱からも出てくる)。意図の分からない変更であり、ピ版では元に戻されていることから、単なる設定ミスだったのかもしれない。
○セクメト・ブランドラミア(セーブポイント後のエリアで登場する雑魚)
どちらも強制戦闘ではないが、セクメトからは「盗賊の小手」を、ブランドラミアからは「いばらの冠」を、それぞれレア盗みできる。
「盗賊の小手」は、盗み確率を上げるアクセサリ(ただし、確率計算の関係上、実質的なレア枠の入手率については、むしろ下げてしまう可能性もある)であり、素早さ+1の補正も嬉しい。また、「いばらの冠」は、呪いの装備の1つであり、高い物理防御力の代償として、常時スリップ状態になる。呪いの指輪と異なり、戦闘不能になってもスリップは解除されないので、元々HPの低い低レベルクリアーでは猛烈に使いづらい。恐らく出番は無いだろうが、せっかくだからということで、人数分を集めておく。
ちなみに、セクメトは、後にフォークタワーで登場するミノタウルスと関係があるようで、撃破すると、“塔の兄貴”のことを語ったのちに、二度と出現しなくなる。このような仕様が用意されている雑魚モンスターは、他には召喚獣くらいであり、謎である。ちなみに、ミノタウルス側は、全くセクメトについて言及することは無い。その他、セクメトの経験値は「3」と設定されており、初回ピラミッド攻略時は3人で割って経験値1となるが、レナ復帰後に倒すと0になる。何から何まで謎である。別のイベントが用意されていたが、ボツとなってしまったのだろうか…。ちなみに、アイテムを盗んで逃げれば再出現してくれるし、もちろんアイテムも再び盗めるようになるため、稼ぎにおける問題は無い。
というわけで。そんな感じで、片っ端から宝箱を開け、罠には一通り掛かりながら、ピラミッドの探索を進めていく。
…最後に、終盤の消える足場のエリアにて、「守りの指輪」「金の髪飾り」「リボン」を入手しておく。金の髪飾りは、これが2個目であり、大いに活躍をしてくれることだろう。その後、石板を調べると、神々のトライフォースばりにピラミッドの頂上に移動して、ダンジョンをクリアーしたことになる。前述の通り、ダンジョン全体が罠ということか、締めのボス敵は出現しない。
まず服を脱ぎます |
最後である。ピラミッドを出て、長老の樹まで戻ると、ボスの「メリュジーヌ」と戦闘になる。
…なお、メリュジーヌについては、その露出狂がごとくデザインが話題となる。このボスについては、「エレメンタルマスター」という仮の名称で、野村哲也(左)・天野喜孝(右)の両氏にイラストが発注されたようだ。右の天野イラストは、恐らく“長身の女ボス”という枠において、既にセイレーン・マギサ・ハリカルナッソスが存在するということで、ボツにされたのだろう。一方、左の野村イラストは、比較的ゲーム中のメリュジーヌに近いデザインだが、そちらも“竜をイメージしたオーラの中に、上半身全裸のティファが埋まっている”という感じで、モンスターの雰囲気を強く感じるデザインである。よって、実際のFF5に採用されたエロ戦車はどこから出てきたのか、全くの不明なのだ。
――ちなみに。ドット絵であっても、ここまで際どいモンスターは看過できないということなのか、メリュジーヌについては、旧スマホ版において、薄いレオタードを着ているような見た目となった。FF6の女神など、微妙に布面積が増えている女モンスターは数多いが、増えた布の量はメリュジーヌが最大であろう。もし今後、3Dリメイクが為される場合、かなりの難所となることは間違いない。謎の光ならぬ、謎の蛇を使って阻止しなければならぬ…。
さて。余談は置いておいて、戦闘に入っていこう。このバトルは、バッツ・ファリス・クルルの3人で行う、最後の戦いとなる。
…敵は、炎弱点・氷弱点・雷弱点・弱点なしの4つのタイプを持っており、「バリアチェンジ」でそれを切り替えながら戦ってくる。内部的には、お馴染み、HPのみを共有する別モンスターに入れ替わるという形式であり、「ノーダメージまほう」なる技を自分に放ち、それへの反撃として、全体魔法or誘惑+モードチェンジの2連続カウンターを行っているという。「ノーダメージまほう」の使用率は、4〜6ターン目に1/3、7〜9ターン目に2/3である。
――ちなみに。完全な余談として、メリュジーヌには5体目が存在し、お馴染み、【index
of /~s-endo/】様の解析データーでは309番に掲載されている。ただ、【モンスター行動パターンデーター】を見てみると、バリアチェンジが存在しないどころか、「ラムウ『およ!?
イフリート……』」というボケが始まっているセリフが登録されている。「ッシュレインまど」的な、データーの残りカスが登録されてしまったのだろう。
というわけで。メリュジーヌ戦では、敵の4つのタイプに対応した戦い方が求められる…と思いきや、相手には睡眠が効くうえに、開幕は必ず炎弱点から始まるため、眠らせて燃やせばそれで終わってしまう。
…が、私は違う戦い方をしてみたいと思い、睡眠ではなく混乱を使ってみることにした。混乱させる手段は「誘惑の歌」である。斬鉄剣返しならぬ誘惑返しだ。が、これで混乱させたところ、ちょっと変わった性質が明らかになった。メリュジーヌは、混乱させると、自分への打撃(0ダメージ)のみを使って自身の混乱を解除するのだが、そのペースには、非常に大きなばらつきが存在する。ATBゲージの不自然な停止などから判断するに、混乱したメリュジーヌは、「自分への打撃」のほかに、「何もしない」という行動を取ることもあるようだ。よって、運が良ければ、混乱させて何もさせずに勝てるのだ。
――さて。こちらの攻撃手段としては、炎属性の技を使っていく。使うのは、全員リフレクトリングを装備した上でのファリスの「ファイガ」(約3500ダメージ)と、バッツのフレイムタン装備での「剣の舞」(約2000ダメージ)だ。更に、主力のファリスは、「のむ:スピードドリンク」で加速し、2回魔法を放つごとに、クルルがエーテルでMPを回復していく。メリュジーヌは、素早さが「50」であり、クルルのほんの僅か後にターンが回ってくる。そこからざっと計算し、相手が4回連続で「何もしない」を選択すれば勝てる(終わり方にこだわらないなら、4回目の行動はどちらであっても可能)ということになるのだ。
そういうわけで。今回は、混乱を使ってメリュジーヌを倒したが、まあ、これはただの一発ネタである。「敵の行動を封じつつ、一方的に攻撃する」という手段は睡眠でもできるし、眠った相手が、自分を殴って睡眠を解除するようなことは無い。魔法「スリプル」(命中率90)よりも、「誘惑の歌」(99)のほうが、ほんの僅かだけ命中率が高いが、そこだけだ。混乱させることで、メリュジーヌを両脇から観察できる…それくらいである。
…更に言うと、今回は、ネタ度を強めるため、行動パターンの都合上、1回しか発生しないクルルの空きターンで、「皮の服」を盗むことを狙っていった。ただでさえ全裸に近いメリュジーヌから、更に服を盗んでいくなど、鬼畜の所業である。ただ、ファイガの反射を使う都合、クルルに「盗賊の小手」を装備させることはできないため、服を盗める確率は40%と信頼性に欠ける。そこに更に「誘惑の歌が命中する」「敵が4回連続で行動をスキップする」という確率が掛かってくるため、合計の成功率は、そこそこキツくなってくるのだ。
――ということで。完成した動画は、「睡眠ではなく混乱で相手の行動を封じる」「皮の服を奪取する」「メリュジーヌの裸体を左右両方から拝む」と、なかなか珍しいものになった。ただし、珍しいだけであって、実用性は皆無である。やっぱ、後ろからあぶるメニューより、定番の眠らせて燃やす方式のほうが良かったのだ…。
◆動画◆
このバッツの暴走は、隠れた名シーンとして認識されているとか… |
というわけで。これにて、第3世界の導入部分は終了である。今回、パソの修理が挟まったことにより、1ヶ月ぶりの更新となってしまったが、それまでは週1ペースでこんな日誌を更新していたと思うと、我ながら驚きである。
…さて、順番は若干前後するが、ピラミッドの石板を調べると、バハムートの封印が解け、同じ場所に置かれていた飛空艇が、自動的に船の形態へと変形し、バッツたちの元に流れ着いてくる。全く無関係な偶然のようにも思えるが、該当場所は、逆さにすると“鳥が羽ばたいているような形”に見えないこともなく、土の中にバハムートが封じられていたのかもしれない。
――そうして飛空艇を起動させると、今度はエクスデスが、『無』の力を使って、イストリーの村・リックスの村・ウォルスの城と村・モーグリの森を消滅させてしまう。なお、これらの地域は、第3世界の飛空艇入手前には、立ち寄るどころか視界に入れることすらできない(はず)。よって、最初から消滅していても何も問題は無いはずだが、律儀に、この飛空艇入手のイベントによって、ゲーム的にもワールドマップから消えることになる。「図書館テレポ」がバグ技として成り立つ理由である。
というわけで。次からは、ストーリーの流れとしては石板巡りになるが、まずはいつも通り、飛空艇を使って世界を周り、戦闘を起こさなくても良いイベントから回収して、戦力を強化していくことにしたいと思う。
…なお、ラスダンである次元の狭間についても、この時点から探索可能となるが、その扱いは、FF6の低レベルプレイの時と同じとしたい。つまり、ストーリーの流れを重視し、全ての準備が整ったあと、最後にラスダンへと突入するということにする。いち早く潜入し、その入手品を外の世界で活かすという遊び方もあるだろうが、そういうことは今回は行わないのである。よし、まだまだ長いが、ここからはラスダンと裏ダンジョンを見据え、しっかりキャラクターたちを強化していくことにしよう!
(2023年1月31日) 5514 PV
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