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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
FFのラスダンって毎回すげぇよな |
それではいよいよ、本編ラスダンである「次元の狭間」へ挑んでいくこと…にしよう。ご存じ、ここは、第3世界の序盤でピラミッドをクリアして以降、いつでも自由に訪れられるのだが、そこはさすがにFF5のメインディッシュということで、私は現段階まで取っておいた…と見せかけて、実はフォークタワー攻略の際に、ちょっとだけ進めて、カロフィステリを倒すところまでは行っているのだが(【第19話の該当部分】)。
…そして、ここは、「次元の狭間」ということで、文字通り、異世界のような空間となっている。舞台は、砂漠・遺跡・森・城など、これまでのマップをツギハギにしたような感じであるが、使い回しという感じはなく、むしろ、これこそが異次元という雰囲気を感じさせる。また、「蜃気楼の町」と同じ形のマップも存在するが、住民の時間が止まっており、回復の壺を除いて、施設も利用できない。じゃあ泥棒し放題じゃん!
と思うところだが、不思議な力で時間が止められているためか、何もアイテムが入手できない。ピアノも、硬すぎて鍵盤が押せないか、または音が鳴らないかで、演奏不能である。ということで、時間停止系のアレみたいなことはできないようなので、さっさと先に進むことにしよう。
――ちなみに、この次元の狭間のBGMは、「虚空への前奏曲」という題名である。これまた印象に残る曲であり、水の滴るような音を筆頭に、FF5世界を司る4属性をイメージした曲となっている。次元の狭間の不気味かつ壮大な雰囲気を演出する曲として、これ以上のものは無い。様々な地形を訪れるこのダンジョンが、統一感のあるラスダンとして君臨しているのも、まさしくこのBGMのおかげと言えよう。ちなみに、第2世界のラスダンであるエクスデス城では、「エクスデスの城」という曲が流れ、あちらのいかにも悪!
という感じと、この「虚空への前奏曲」の対比が、見事というものである。
そして、次元の狭間は、エクスデス軍の本陣ということで、全ダンジョン中最大、合計8体の中ボスが登場し、壮絶なボスラッシュを演じることになる。具体的なメンツとしては、「カロフィステリ」「アパンダ」「アポカリョープス」「カタストロフィー」「アルテ
ロイテ&ジュラエイビス」「ハリカルナッソス」「ツインタニア」「ネクロフォビア」が存在する。
…やれ、このエクスデス軍の面々は、実は、強さとしてはそこまででも無いどころか、凄く情けない方々が多いのだが、それでも変形したり、特殊な罠を仕掛けてきたり、レアアイテムを入手できたりなどと、様々に物語を演出してくれる奴らが多い。ちなみに、絶対に倒さなければならないのは4体だけであり、戦闘自体を避けられる場合が多いのも特徴である。中には、倒してないのに勝手に倒したことになっている奴も居るとか居ないとか…。
――さらに、ご存じ、オメガ&神竜という2大裏ボスも、この次元の狭間で出現する。どちらも、FFシリーズ初の裏ボスと言える相手であり、正面から戦うと、Lv99であろうと余裕で全滅できるほどの実力を持つ。しかも、出現場所が絶妙に工夫されており、どちらのボスも、30年が経った今となっても語り草になっている。この裏ボスとどう戦っていくかというのも、縛りプレイヤーの大きな腕の見せ所だ。
ドラゴングレイト「FF外から失礼します」 |
そして。この次元の狭間は、レアアイテムの宝庫でもある。そもそも、出現する雑魚敵の種類自体が極めて多いのだが、それらの敵から、ドロップアイテムや盗むで、ここだけの多種多様なアイテムを入手できるのだ。
…さて。今回プレイでは、稼ぎによる戦力強化も重要なファクターである。そういうわけで、この「次元の狭間」でも、これまでのダンジョンと同じく、初登場となる要素を、じっくりと回収していきたい。では、行ってみよう!
●亀の甲羅、竜の牙、ダークマター
これらの“調合素材”3つは、これまでも、低レベルプレイにおいて、個数の制限なく入手が可能であった。ただし、全てレア盗みや、強敵を倒した際に1個だけ手に入るなど、大量に集める場合の効率が劣悪であり、とてもではないが、「調合」を気軽に使えるという感じではなかった。まあ、そもそも「調合」は便利すぎるので、本プレイでは、あまり使わないようにしているのだが…。
それはともかく。本編ラスダンである「次元の狭間」では、調合専用アイテムの亀の甲羅・竜の牙・ダークマターの3つが、全て通常枠で盗めるようになる。入手手段は、それぞれ、次の敵からであり、全て通常枠での「盗む」が可能だ。
○亀の甲羅:[遺跡エリア]バルダンデルス、[洞窟]アケローン
○竜の牙:[洞窟]ドラゴングレイト、[ラストフロア]神竜
○ダークマター:[洞窟]オルカト
とまあ、こんな感じである。どれも、出現率・出現数ともに悪くなく、盗む→とんずらで、かなり効率の良い稼ぎを行えるだろう。
とりわけ、洞窟エリア(オメガが出てくる、滝のあるマップ)では、3つの調合素材すべてが手に入る。「ドラゴングレイト+アケローン+オルカト」という、意図的に設けられたかのようなパーティまで存在する始末だ。
その他、序盤の遺跡エリアに登場する、FF5版バルトアンデルスことバルダンデルスは、レアドロップ枠で「ルーンのベル」という、他では手に入らない装備品を落とすので、そのついでに亀の甲羅を狙ってみても良いかもしれない。そして神竜は、意外にも逃げられるうえ、最初の行動が「何もしない→タイダルウエイブ」で固定である。レア枠には「竜の髭」(鞭)が存在するため、その過程で、竜の牙を増やしていくのも良いだろう。
ちなみに、余談だが、「ドラゴングレイト」は、「とらえる→はなつ」で使用すると、ほぼ確実に9999ダメージを与えられるということで知られている。8倍撃となるパワーヒットの威力は800、ダメージ倍率は13である。あのフレアーのパワーヒット(こちらは敵専用)ですら、威力712/倍率15なことから、それと同等の攻撃を、味方側も使えるのだ。なに、フレアーは2連打だから…と言いたいところだが、こちらも4人パーティで連打する技が使え、よほどの耐久力を持つボスでもない限り、1ターンキルが可能となる。そういえば、今回プレイでは、「とらえる→はなつ」も全く使ってないな〜。
そして。更なる余談として、レベル5デス同盟であるドラゴンクエスト5では、ドラゴングレイトならぬ「グレイトドラゴン」という雑魚敵が、ラスダン付近で登場する。そちらでも何故か、黄色の巨体のドラゴンである。全くの偶然…と言いたいところだが、FF5のほうが2ヶ月ちょっとだけ発売日が後であり、当時のROMカセットの量産時間を考えると微妙であるが、ギリギリで間に合って、パロディとしてねじ込んだのかもしれない…。
ついでに。洞窟エリアでは、入って2つ目、オメガが居ないほうの滝エリアの一番奥に、お馴染みの滝の裏の洞窟が隠されており、「天使の指輪」を入手できる。これはそこそこ知られているが、実はその滝から下に飛び降りてショートカットができるという性質もあり、これは私も初めて知った。通常、セーブポイントを省略して、あろうことかオメガの目の前に落ちてしまうため、危険極まり無いのだが、エリアを2つ飛ばせるため、RTAでは必須テクとなっているようだ。うーむ、タイムアタック界隈は、低レベル攻略勢とは異なる、別の発展をしているのだなあ…。
あれだろ、銀のリンゴ稼ぎの副産物 |
続いては、レア盗み枠で入手できる、強力な装備品たちを紹介していこう。まず、次元城に到るまでの雑魚敵から盗めるアイテムである。
●リリスのロッド(ファルファレッロから、レア盗み)
森エリアに登場する「ファルファレッロ」からレア盗みができる。このモンスターのドット絵は、難解なデザインであり、私は「杖を振るう細身の魔術師」という程度の認識であったが、旧スマホ版の絵によると、それは正しかったようだ。まあ、杖だと思っていた部位は足だったのだが…。ちなみに名前についても、最終的な清書をするまでは、「ファルファッレロ」と間違えていた。
さて、こいつからは、レア枠で、「リリスのロッド」を入手できる。FF5には、ラミア系統は登場するが、「リリス」という名の敵は存在しない。そのため、ロッドについては、カロフィステリが登場する森エリアの中で、最も魔法使いっぽいファルファレッロに託されたのであろう。他2体が、巨大キノコと謎の魂(モスフングス・ホワイトフレイム)なので、妥当な判断である。なお、リリスのロッドは、森エリアの宝箱から、1個だけの入手も可能である。
ちなみに、余談となるが、この森に登場するモスフングスを「とらえる→はなつ」で使用すると、イベント用の特殊デジョンが発動する。もっとも、GBA版までは、エクスデス城ギルガメッシュや、ものまね師ゴゴのように、モスフングス自分が消滅するだけのハズレ技である(エクスデス城のギルガメッシュ戦では、演出としてはエクスデスが使ったことになっているが、処理としてはギルガメッシュ自身の自爆技になっている)。だが、旧スマホ版では、その辺りをよく分からないまま、敵側へと対象を変更してしまったためか、耐性無視で敵を消滅させるという、明確な壊れ技と化してしまった。さすがにこれは駄目だろうということか、ピクセルリマスターでは、「敵に対して発動する、通常判定の『デジョン』」という、おそらく当初から意図されていたであろう仕様となっている。
さて。脱線が過ぎてしまったので、話を「リリスのロッド」に戻そう。この杖は、攻撃をすると、ダメージの代わりに、「いろめ」の効果が発動する。「は? 誰おまえ?」という感じの特技であるが、踊り子のコマンドアビリティであり、相手の行動を1回休みにする効果を持つそうだ。命中率を「必中」にできなかったり、ボス耐性に阻まれたりと、微妙に使いづらさが目立ち、通常プレイ・縛りプレイの両方で、あまり出番が無い。だが、「色目状態というステータス異常」として扱われているゆえの特殊な使い方も存在するほか、旧スマホ版では「固定50%」(ラミアのティアラ、レインボードレス、赤い靴を装備していると「必中」)というように命中率が強化されたため、色目というチョロさに反して、渋い使い道を持つコマンドアビリティとなっている。
そして、“リリスのロッド版の色目”ついては、二刀流での活用が提唱されている。というのも、ボス耐性を持つ敵に対して、「右手:リリスのロッド」「左手:攻撃用武器」と装備し、「おどる」で剣の舞が発動すると、相手のカウンターを封じられるのだ。この組み合わせのみで実現可能であり、しかも踊って発動するのが「ふたりのジルバ」や「ミステリーワルツ」だとカウンターを受けてしまうため、使い勝手は良くない。ただ、「剣の舞」は大ダメージを与えられる手段であるため、恒例の、ネオエクスデスを出現させずにエンディングを迎える方法などに活用されることもある。
とまあ、こんな感じで、「リリスのロッド」は、特殊な性能を持つがゆえに、様々な活用法が考案されている武器である。私も、いろいろな装備やアビリティを発掘してきたが、まだまだ本プレイで1回も使っていない物も多い。そういう方々を、このプレイでは、できる限り活かしていきたいと思っている。そういうわけで、いつも通り、二刀流を前提とした8個を盗んでおいた。
●アルテミスの弓(ドラゴンエイビスから、レア盗み)
リリスのロッドと同じく、FF4の激レアアイテムたちが再登場である。「アルテミスの弓」のほうは、塔エリアに出現する「ドラゴンエイビス」からレア盗みが可能である。その他、イストリーの滝の宝箱から、1個入手ができる。
その攻撃力は111であり、なんと伝説の12武器である「与一の弓(101)」より高い。そして、与一の弓のように、ステータス補正や基本のクリティカル率を持たないものの、こちらは魔獣種族に対して、確定クリティカルの特攻効果を発揮する。魔獣モンスターはちょくちょく顔を出すため、普段遣いの武器としても有用であろう。縛りプレイ用としては、ややパンチに欠けるものの、かつて激レアだった月の女神の弓と、同名を冠するだけの強力武器と言える。
GBA版攻略本では、謎に「次元の狭間」「次元城」の2つに分けられている… |
まだまだ行ってみよう。次は、山場の1つである、「次元城」にてレア盗みできるアイテムたちである。
●エンハンスソード(ソードダンサーから、レア盗み)
攻撃力102で、魔力+3の補正を持つ。エクスカリバーやブレイブブレイド・ラグナロクなどが属する「騎士剣」とは異なり、エンハンスソードは「剣」枠であるため、魔法戦士系のジョブも装備が可能である。なお、レア盗み以外だと、宝箱から、合計2個が手に入る。
そういうわけで、攻撃力・魔力補正・装備可能ジョブの多さなど、汎用性が高く使いやすい武器であるが、逆に言うと、尖った性能が無いとも言える。やれ、縛りプレイの恒例として、こういうものは、なかなか活用しづらい。攻撃力なら、もっと高い武器も用意できるし、魔力+3の補正についても、ブラッドソードの「+5」が高く立ちはだかる。やれ、今回プレイは、あの「ウィザードロッド」ですら、12武器で後回しとなってしまうくらいであるし…。
●トールのハンマー(デスクローから、レア盗み)
ご存じ、北欧神話の「トール」が持っていた武器とされ、「トールハンマー」、または「ミョルニル」と呼ばれることが多いが、FF5では「トールのハンマー」という表記になっている。攻撃力81で、対象の物理防御力を1/4として計算し、攻撃時に攻撃力が50〜150%の範囲で変動するという、他の斧・ハンマーと同等の性質を持っている。レア盗み以外だと、次元城の宝箱から、1つだけ手に入る。
ちなみに、おそらく、ほとんどの人が使ったことがないので知らないと思うのだが、このハンマーで打撃を加えると、なんとブーメランのように投げて攻撃をする。頭のおかしい危なさだが、そもそもが“神の持つ魔法のハンマー”であり、投げて戻ってくるという性質も、元ネタに忠実なんだそうだ。FF5スタッフの奴、そこまで考えて…と言いたいところであるが、惜しむらくは、バーサーカーが特殊な縛りプレイくらいでしか出番が無いということか…。
●あめのむらくも(ようじんぼうから、レア盗み)
漢字では「雨の叢雲」と書く。日本神話における“三種の神器”で、実在し、最近では、天皇陛下に関する儀式で取り扱われ、話題となった。
さて、FF5版の雨の叢雲は、次元城の中盤以降の外観のみに登場する「ようじんぼう」から盗める。あの、孤島の神殿でニート生活を満喫していた「スローニン」(【第18話の該当部分】)が、まさかエクスデス軍の本陣近くを任されるまでに昇進したのには、エクスデス軍の人材不足と、結局のところ“働かなければ生きていけない”という世知辛さを感じて悲しいものだが、それはともかく、今回もバッツ盗賊団の追い剥ぎ被害に遭ってしまう。
さて、「あめのむらくも」は、攻撃力117と、まさむね以上のパラメーターを持ち、量産可能な武器の中では、「飛竜の槍」につぎ、攻撃力2位である(オリジナル版)。また、20%という高めのクリティカル率を持ち、こちらは、「むらまさ:25%」と「まさむね:15%」の間という調整になっている。ちなみに、「飛竜の槍」は、ネオエクスデスの4パーツからレア盗みできるアイテムの1つとしても設定されており、世界観的にも、相当なレアアイテムとして考えられているのだろう。
というわけで、「雨の叢雲」は、スペック自体は最高クラスなのであるが、あくまで「刀」カテゴリということで、侍とすっぴんしか装備ができない。また、知らなければ入手はほぼ不可能というような配置であるうえ、入手時期もラスダン攻略の終盤と遅めである。そして、すっぴん前提の最強育成となると、「飛竜の槍」の二刀流や、魔法剣とのコンボ(※刀は全て魔法剣不可)が前提となってしまい、なかなか微妙な立ち位置となってしまう。もちろん、魔法優遇の環境である低レベルプレイでも使いづらい。そういうわけで、「雨の叢雲」は、恵まれた高スペックに対し、意外なほどに活躍させた人が少ない武器ではないのだろうか。“とりあえず装備して振り回す”という運用で、十分に強いことは間違いないのだが…。
●呪いの指輪(フューリーから、レア盗み)
開幕で49カウントの「死の宣告」になる代わり、物理防御力+25/魔法防御力+5/魔法回避率10という高い防御能力を得られる。次元上でのフューリーから以外だと、ピラミッドの宝箱にて1つが手に入るほか、GBA版で追加された最強のザコである「ハーデス」からもレア盗みができる。
さて、49カウントと言っても、FF5の「死の宣告」は、14バトルカウントごとに数字が1つ減るという仕様であり、技の演出中には時間が進まないので、49カウントなら、だいたい10回くらいは行動ができる(ヘイストだと表示カウントが半分になるが、ターンが回ってくるペースも2倍になるので、実質同じ)。これだけあれば、ボス戦も含めて、大抵のバトルは終わらせることができるだろう。また、戦闘不能になってから復活すれば、もう死の宣告は発動しないため、高い防御能力というメリット面のみを享受することができる。
ということで、「呪いの指輪」は、呪い装備の中では使いやすい部類に入る…のだが、アクセサリ枠には、あの「エルメスの靴」が存在し、ご存じの通りの圧倒的汎用性を誇る。また、FF5では、中盤こそ「ボーンメイル」などで固めて打撃ダメージを0にする戦法が有用だったが、後半だと敵攻撃力が激増するうえに、属性防御やステータス耐性なども求められてくるため、打撃については回避によって受け流していく場合が多い。そして、「耐性を徹底的に固めたうえでのキャラ1人の持久戦」という、本プレイでもよく使っている戦法で用いるとなると、デメリットのほうの死の宣告が大きなネックになってしまう。そういうわけで、「呪いの指輪」は、使えないと思いきや使えそうだが実際は使えないという、悲しい立ち位置になってしまっている。能動的に味方を戦闘不能にしたい場合にも、低レベルならすぐ死ねる「いばらの冠」が優先されるしね…。
全身すすまみれや |
さて。ここまで、低レベルプレイにおける「次元の狭間」で注目すべきアイテムを紹介してきたが、さすがに「ラストフロア」まで入れると、それだけで1話が終わってしまう。よって、そこはまた後日ということにして、ボス攻略のほうにも取り掛かっていこう。
…まず、道中で最初に遭遇する「カロフィステリ」については、以前に、フォークタワー攻略でメタモルファ放つを使いたいと思った(結果は失敗だったが…)際に、既に撃破している(【第19話】)。そのため、今回は、2番目のボスである「アパンダ」戦からとなる。
――ちなみに、「アパンダ」という名称は、日本で産まれたのに何故か中国人扱いとなってしまう動物…とは関係が無く、ギリシャ語(άπαντα)であり、英語で言うコンプリートワークス、つまり、本における全集・完全版という意味を示すようだ。今のFF5に最も必要な概念である。ちなみに、下位種と言える「ビブロス」(Βúβλος)も、ギリシャ語の“パピルス”に由来する言葉だそうだ。せいたかノッポのおバカな弟…ではなく、古代エジプトで使われた、現代における「紙」に相当する素材のことである。ということで、アパンダもビブロスも、本に由来する名称ということだ。よし、じゃあ、燃やそうか…。
さて。アパンダは、次元の狭間の図書館エリアで出現する。“図書館エリア”と言っても、狭い1マップであり、図書館というより図書室だ。そこには、入って目の前にある本を開き、その後に外に出ると、別の場所に出られるという仕掛けが用意されているが、その本に、アパンダが待ち構えているということだ。なお、あの有名な、オメガと神竜について記された本も、この図書室に存在する。
…では、アパンダの簡単な攻撃パターンについて、説明をしていこう。通常技は、打撃に加えて、「いと(スロウ)」「かいおんぱ(レベル値半減)」「マジックハンマー」「かまいたち」などであり、なんとビブロスとまったく同じラインナップである。また、カウンターとして、魔法には「トード
or ドレイン or 何もしない」を、魔法以外には「プロテス
or ドレイン or 何もしない」を、それぞれ使用する。これまたビブロスの、通常時のカウンターと、低HP時のドレインカウンターを混ぜたかのような性質を持っている。
――そして更に、アパンダは、イフリートで攻撃した場合の特殊仕様という面でも、ビブロスと共通している。アパンダは、イフリートによる攻撃を受けると、「イフリート
こわいよー」という情けない声とともに後ろを振り向き、次のターンの行動を「『ぶるぶるっ』というセリフ」&「治療(自分のステータス異常を回復)」&「前を向き直す」で固定する。後ろを向いている間は、得意のカウンターを使用しない(※)。ちなみに、イフリートによるダメージは、せいぜい「ファイラ」と同程度であり、第3世界終盤ともなると小ダメージなのであるが、それでもビビってしまう辺りが、情けなさを加速させる。
ちなみに、ビブロスについては、“イフリートを召喚して倒すと、死に際のセリフがそれに言及したものになる”というものである。イフリートは、第1世界の古代図書館で必ず手に入る召喚獣であり、その時点では、炎弱点のビブロスに対して高い火力を誇るため、アパンダほどの情けなさは感じさせない。
ということで。アパンダとビブロスについては、特徴があまりにも似すぎており、何らかの関係性を邪推せざるを得ない。
…例えば、古代図書館は、第3世界のピラミッド攻略後に、エクスデスによって、『無』へと飲み込まれている。その際、死んだビブロスが復活し、アパンダとして復活したのではないだろうか。ただ、それならば、「ファファファ…。また
あったな こわっぱども…。しねい!」みたいな感じで、何らかの言及をしてくれても良いであろうから、この説は薄いかもしれない。
――いっぽうで、古代図書館には、「ここは
とおさん!」という、ガーディアンがごとく鉄壁ディフェンスで道を塞いでいる本棚が存在したが、あれもイフリート撃破後に通ろうとすると、「イ…イフリート…!
怖いよー!!」と、道を開けてくれる。ひょっとしたら、ここにアパンダが潜んでいたのかもしれない。バッツたちによって倒されたビブロスは、次元の狭間に飲み込まれ、エクスデスに力を貰って大幅強化をされたが、やはり根本的なイフリートへの苦手意識を拭い去ることができなかったのだろう。または、これら2つの合せ技で、無に飲み込まれた際に、ビブロスと本棚の意識(?)が融合し、新たにアパンダが生まれたということなのかもしれない…。
ちなみに。更なる余談として、アパンダの本には、前から以外にも、右から、そして上から話しかけることもできる。しかしながら、アパンダのドット絵は、前向きの1種類しか用意されていないため、開幕からいきなり、サイドアタックやバックアタックを決めることも可能である(※もちろん、実際のバトル展開は変化しない)。時代が時代なら、公式4コマ漫画にでも取り扱われそうな酷さだ。あの赤い人やカタ様にすら、2種類のドットパターンがあるというのに…。
たぶん、GBA/旧スマホ版限定の「ごうせい」の次に使いやすいカウンター封じ |
さて。余談が長くなったが、「アパンダ」の今回プレイでの攻略を書いていこう。方針は、「@イフリートによる反転を活用する」「A個数限定の『すす』を盗み取る」「B敵のカウンターを封じ、かつ、一発全滅の『かまいたち』が来る前に倒す」の3つである。
まず、「@イフリートによる反転」は、通常、ネタ要素として考えられているようだが(そりゃそうだ)、「次の相手ターンの攻撃を封印できる」「反転している間はカウンターを使用しない」という2つの性質があり、これを攻略要素として前向きに活用していくことも可能であろう。
…また、「Aすす」については、「煤」、つまり燃えカスであり、個数限定品にして全く使い道の無い、謎のレアアイテムとして知られている。「なげる」で使用すると、小ダメージを与えられるが、手裏剣よりも低い威力であり、どうしようもない。入手は、炎上後のムーアの大森林の宝箱から1個、同ダンジョンのボスであるクリスタルが1/16の確率で落とすので最大4個、アパンダの盗む&ドロップで2個、合計7個である。クリスタルのレアドロップについては、1体あたり1/16が4体と、そのままやると闇の確率であるため、各種の乱数調整法が考案されているようだ。なお、GBA版/旧スマホ版では、「ごうせい」素材としての使い道が増えており、相手を暗闇状態にする砲弾を発射できる。それにより、宝箱から+4個が入手できるようになったものの、原作の味を残すためか、やはり個数限定品という点は変わっていない。まあ、実用性はともかく、このようなコレクターアイテムは、しっかり集めていきたいと思うため、今回も、バトル中に「すす」を盗むことを、パターンへと取り入れていく。
――最後に。アパンダは、通常プレイであれば、取るに足らないボスであるが、縛りプレイでは、なかなかの強敵となる。理由は、カウンターを含む行動がなかなか多彩であり、全てを完全に防ぐことは難しいうえ、「かまいたち」が一発全滅級の大ダメージとなるからだ。よって今回は、その危険性を避けるため、「Bカウンターを封じつつ、一発全滅の『かまいたち』が来る前に瞬殺する」というパターンを採用したい。
さて。要求がなかなか多くなってしまったので、ひとつひとつ、順番に解決していこう。
…まず、@とAについては、誰かが初手を取って、召喚獣のイフリートを呼び、直後に「盗む」を使えば良い。が、この時点で、なかなか厄介である。まず、アパンダは、素早さが「51」と高い。さすが、本棚に潜んでいたくせに、バッツに対して鉄壁ブロックを発揮できるだけのことはある…。でも、相手に先行するだけでれば、「まさむね」を装備すれば余裕でしょ?
…と思いきや、まさむねの先行対象をアパンダとした場合、実際の行動間隔が(たぶん)1カウントのみとなる。そして、内部的な敵行動決定のタイミングに依るのか、そこでイフリートを召喚しても、相手は後ろを向きつつ通常の1ターン目の行動を使ってくる。これでは、敵の行動を封印できておらず、本バトルのテーマに反してしまうのだ。
――ということで。実戦では、レナに「エルメスの靴」を装備させ、バッツが「まさむね」を装備することで、余裕を持ってバッツ→レナ→アパンダの順に行動できるようにしていった。この順序で、バッツがイフリートを召喚すれば(魔法のランプのイフリートでは駄目)、無事にアパンダを反転させ、相手の1ターン目の行動を潰せるということになるのだ。
また、「B敵カウンターを封じつつ瞬殺」については、いろいろなカウンター封じ作戦が存在するが、今回は「リフレクで3人反射+1人吸収」を使う。黒魔法の基本的な強化テクとして、FF5でも、いわゆる“デルタアタック”こと、味方全体へのリフレク反射が存在するが、この際、4人全員で反射をするのではなく、「3人のみに反射させ、残り1人は喰らう」という設定にすると、何故か、相手のカウンターを封じられるということが知られている。
…さて。アパンダは、周知の事実として、炎属性を弱点としている。よって、跳ね返す魔法を「れんぞくま:ファイガ」とすれば、効率よくダメージを与えられるだろう。4人反射で、そのダメージは約4500であり、3人反射なら3500というところだった。そして、通常だと、MPの制約から、連続魔ファイガを使えるのはファリスのみとなるが、「ものまね」により、その問題も解決できる。つまり、アパンダの「治療」の後にターンが回ってくる順番を、ファリス→クルル→レナ(→バッツ→アパンダ)となるように調整し、ファリスが「れんぞくま:ファイガ」を入れ、クルルとレナがそれを物真似していけば良い。
――と思いきや、実は、これでは微妙に勝つことができない。というのも、上で書いたように、ファイガの3人反射によるダメージは3500であり、それを計6回当てた際のダメージは3500×6=21000である。が、アパンダのHPは、22200だ。乱数の上ブレや、冒頭のイフリート召喚による微弱なダメージを足しても、絶妙なところで倒しきれないのだ。ならば、バッツの「ものまね」を追加しようにも、ものまね師は「まさむね」を装備できないし、だからといって、すっぴんのほうに「ものまね」を付けるには、999ABPを稼ぐ必要がある。さて、どうしたものか…。
だが、この問題は、意外な方法で解決ができた。ファリスに魔力+5の「ブラッドソード」を装備させ、魔力64の壁を突破させるのである。
…さて、FF5の魔法ダメージの計算式は、「(威力
- 魔法防御力) × ([魔力×レベル÷256] + 4)」となっており、低レベルでは、ほとんどの場合、後半部の「魔力×レベル÷256」の計算結果が1未満となるため、倍率は4固定と考えて差し支えなかった。しかしながら、Lv4のファリスのみ、魔力が「64」を超えるとき、「魔力×レベル÷256」の計算結果を1以上とできる。そして、この場合、パーティで1人だけ、1.25倍撃の魔法を使えるということになる。
――やれ、僅か1.25倍と侮ることなかれ、これにより、1000弱のダメージを2回追加でき、ギリギリのところで生き残っていたアパンダを、ギリギリのところで倒すことができるのだ。うむ、こういう次元での勝負が、やり込みプレイの醍醐味だ!
おいアパンダ…お前、消されるぞ… |
そんな感じで、様々な要素を活用し、「@イフリートによる反転を活用する」「A『すす』を盗む」「B相手のカウンターを封じつつ瞬殺する」の全てを活かして、敵を倒すことができた。今回は、アパンダ程度の相手に、なかなかの回りくどい戦法を練ることになった。ただ、それだけに、アパンダ戦らしい戦い方にできたと思う。やり込みプレイはプロレスだから、相手の良さをちゃんと出して、そのうえで、徹底的に叩き潰すのが美学なのである。
というわけで。サッと見た感じでは、なかなかの完成度を誇る作戦に見えるが、実際にプレイした身としては、あちこち穴だらけである。
…まず、敵1ターン目に先んじて相手を反転させる作戦として、レナに「エルメスの靴」を装備させ、それに「まさむね」装備のバッツが先行する…という作戦を採用したのだが、それにより、「ぬすむ」を使う要員のレナに「盗賊の小手」を装備させられなくなった。これにより、「盗む」の成功率は40%(通常枠にしかアイテムが無いので、約38.4%?)となり、バトル全体としては、成功よりも失敗のほうが確率が高くなってしまう。
――また、アパンダは、イフリートで反転した次のターンの行動として、「自分に『治療』を使い、元の態勢に戻る」というものをセットするのであるが、この「治療」が、何故かバッツたちへのカウンター対象となってしまう。敵が自分に使った行動のくせに、攻撃されるのはこちら側ということで、八つ当たり感を覚えるものだ。使われるのは、魔法へのカウンターということで、「トードorドレインor何もしない」である。まあ、どれも外れることが多く、実質的な脅威は少ないのであるが、せっかく後ろ向きにしてカウンターを封じたというのに、相手自身の行動によって謎のカウンターが発動してしまうというのは、本末転倒感が存在するものだ。だが、こればっかりは、相手自身の行動であるため、もはやこちらからではどうすることもできない…。
そんなわけで。今回は、アパンダを満足の行く形で倒すために、かなりの手間を掛けることになった。
…まあ、FF5の低レベルプレイというのは、既にかなりのところまで戦法が詰められており、私も、「『すす』を盗みつつアパンダ戦を突破する」というだけなら、いくらでも手段を選ぶことができた(例えば、敵にバーサクを掛けたうえで、「まもり+かばう」で防御しつつ、盗むをして、適当に炎魔法で焼くとか)。
――ただ、上でも書いたように、やり込みプレイはプロレスなのだから、結果だけではなく、その過程も重視したい。幸い、今は個人サイトに大量の画像を載せても通信量が許してもらえるようになったし、それどころか、プレイ動画を投稿する習慣ですら一般的となった。こんなサイトを運営している都合、勝てれば何でも良いというプレイではなく、いつも人に見られているということを意識しなくてはな…。
◆動画◆
ラスダン解釈が変なのだ… |
続いて、先に紹介したレアアイテムを集めつつ、次元の狭間における山場の一つと言える、「次元城」へと足を進める。
…さて、次元城は、これまでの“通路”と言っても良かったマップとは異なり、様々な仕掛けに溢れた、壮大な城塞となっている。ラスダン道中に登場する8体の中ボスのうち、半数を超える5体が登場するポイントであり、攻略にはかなりの時間が掛かることであろう。
――加えて、ラスダンのもう一つの山場である「ラストフロア」が、多量のABPと引き換えに、一切の経験値を得られないという特殊なスポットである都合、追加要素が存在しないバージョンでLv99を目指す場合、この次元城が、最大の経験値稼ぎスポットとなり、長く滞在することになるであろう。まあ、Lv40程度でゲームクリアができることに対し、それ以降はずっとメタル狩りならぬ鉄巨人斬りというのは、なかなか苦しいポイントではあるが…。
ちなみに。上でも少し述べたが、私も使用しているGBA版FF5の攻略本(ファイナルファンタジーV
アドバンス:公式コンプリートガイド)では、ラスダンが「次元の狭間」「次元城」という2つに分かれている。まあ、「次元の狭間」と「ラストフロア」なら、FF9の記憶の場所&クリスタルワールドみたいな関係として、分からなくはない。しかし、次元の狭間と次元城の2つに分けてしまっては、FF2のジェイド&パンデモニウムというような関係性となってしまう。
…やれ、これは、本としてのボリュームの都合上、ラスダンを2パートに分ける必要があり、あえて次元城の前後で区切った…ということでもなさそうで、同書籍の299ページには、「次元の狭間の最深部を抜けると、そのままラストダンジョンの次元城へと突入する」と書かれており、FF5のラスダンは次元城であると、ハッキリ言い切っているのだ(2006年11月30日
初版第1刷)。
――ちなみに。GBA版からは、メニュー画面において、現在地の名称が表示されるようになった(SFC/PS版では表記なし)。では、私が使っているGBA版におけるゲーム中の表記はどうなっているかと言うと、最初から全て書いてみよう。「かんぱん(飛空艇で突入した直後のマップ)」「じげんのはざま
さばく」「じげんのはざま いせき」「じげんのはざま
しんきろうのまち」「じげんのはざま
もり」「じげんのはざま
どうくつ」「じげんのはざま
としょかん」「じげんのはざま とう」「じげんのはざま
じげんじょう」「じげんのはざま ラストフロア」である。というわけで、皆さまの認識は間違っておらず、やはり次元城は次元の狭間の一部である。GBA版攻略本は、よく出来た書籍であるが、次元の狭間にゃんの良さは分かっていらっしゃらない感じのようだ…。
そんな、ひどい… |
さて、次元城での最初のボスは、「アポカリョープス」だ。名前の由来である“
…また、FFにおける「アポカリプス」は、FF8のラスボス専用魔法が有名であろうが、実はFF7が初登場であり、寄り道ダンジョン:「古えの森」にて手に入る、マテリア成長率が3倍となる武器である。その後、本編・スピンオフの両方に、主に武器として登場しているが、あまり扱いは良くない。FF10の登場時は、ステータス系の「○○攻撃改」(「ゾンビ攻撃改」のみ謎に選外)を4つ付けたティーダ用武器の名称が“アポカリプス”となるが、もっと確実なST異常の発生手段として、リュックの「調合」や53位さんの「ステータスリール」などが存在するため、わざわざティーダをステータス担当にすることは無いであろう。そして、FF13でも“アポカリプス”は登場しているが、あの「強力だがATB低下」系統のランク2武器であり、未だに使い道が考案されていない武器として有名…いや、無名である。
――その他、“アポカリプス”は、追加武器として、GBA版FF6と、現在プレイしているGBA版FF5に登場している。FF6では、ティナ用の武器であり、追加ダンジョンの強化レッドドラゴンを倒すと入手できた(【FF6日誌:第19話】)。攻撃力250で各種補正を持つなど、決して弱い装備ではないのだが、GBA版から量産可能となった「ライトブリンガー」の超強力な補正を上回ることは無く、残念ながら活躍はさせられなかった。いっぽう、今回のFF5では、裏ダンジョンで入手できる、「攻撃力145、力+3、体力+3」の騎士剣となっているようだ。だいたいこれは、ラグナロクや最強状態ブレイブブレイドと同じくらいの火力であり、またしてもGBA版でラグナロクが量産可能となってしまったが、それより微妙に火力で上回るということで、今回こそは活躍の出番がある…かもしれない。何気にFF5は、剣バージョンと敵バージョンで、“アポカリプス”が同居しているゲームでもあるな。
さて。話をFF5のアポカリョープスに戻そう。この敵は、シナリオ・バトルの両面で、ちょっとボケているということが知られている。
…まず、シナリオ面において、アポカリョープスは、次元城の牢獄内で待ち構えている。トイレじゃないぞ。そして、話しかけると、「おぬしらか?
クリスタルのかけらを持つ戦士というのは?」と問いかけてきたあと、「はい
/ いいえ」の選択肢が出る。「はい」を選ぶと「そうか…。」「ならば、ここで死ぬんだな!!」と、少し溜めてから(全バージョン共通)、「ぜ!!」的な感じで(【第13話】)戦いを挑んでくる。
――いっぽうで、「いいえ」を選択した場合は、「そうか…では、ここに用はあるまい…」と、戦闘にならずに終了してくれる。いや、馬鹿正直に見逃すのかよ…というところであるが、まあ、孤島の神殿で登場したストーカーが、バッツたちが女子供であることに驚いていた(【YouTube】)ため、エクスデス軍のモンスターたちは、新四戦士(仮)の正確な姿を知らされていなかったのであろう。「額に傷のあるガンブレード使い」的なアレだ。もっとも、こちらの場合は、「男1人と女3人の、場違いな格好をしたコスプレ4人組」と言っておけば済むのだが。
しかしながら、アポカリョープスは、次元の狭間の入り口でバッツたちに挨拶をしている(【YouTube】)。よって、それを忘れてしまったのかと言いたいところだが、アポカリョープスの位置は左の一番後ろであり、しかも明らかに図体のでかそうなカタ様の背後である。更に言うと、どうもエクスデス軍の面々は、バッツたちを少し高いところから見下ろすような感じになっているようだ。そりゃ、アポカリョープスの位置からでは見えねえわ…。
そういう感じなのだが、この「はい /
いいえ」の選択に不具合がある。まず、アポカリョープスに話しかけ、「はい」を選ぶと戦闘開始、「いいえ」ではバトルが発生せずに会話終了、というのが正しく意図された動作であろう。しかし、SFC〜GBA版だと、「いいえ」を選んでも、再び最初から会話が繰り返されることがある。私も、今回のGBA版で試してみたが、確かに「いいえ」と答えても会話がまた始まり、無限ループとなってしまった。
…さて、その現象については、【こちらのニコニコの動画様】で、超が付くほど細かく検証されており、簡単に言うと、「アポカリョープスが居る場所以外の牢獄の扉を開けてから、アポカリョープスの前に立つ」と、強制的に会話が始まるようになっている。そして、「いいえ」で会話が終わっても前に立っている状態であるため、即座に会話が始まってしまうんだそうだ。旧スマホ版以降は修正されており、要はバグである。ただ、後述する、戦闘時の賢いがボケた行動パターンと並べて、妙にアポカリョープスのキャラクター性を際立たせており、静かに愛されるシーンとなっていたりもする。
――そして。更なる余談だが、旧スマホ版のみ、アポカリョープスは、牢屋の入り口側に背中を向けている(プレイヤー側から見ると前向き。【YouTube】)。これはこれでカッコいいのだが、「ならば、ここで死ぬんだな!!」と同時に振り向いてくる…などといった演出が追加されていることは無く、背中で襲いかかってくるので、なかなか違和感がある。やっぱり魔法は尻から出るのかな?
無茶しやがって… |
では、寄り道が長くなったが、低レベルプレイにおける「アポカリョープス」戦について書いていこう。
…さて、こいつは、青魔法版の“全てを知る者”であり、多彩な青魔法を使って攻撃をしてくる。また、青魔道士らしく、「ラーニング」特性も持っており、こちらから青魔法を受けると、それを覚えて、すぐに使用をしてくる。内部的には、“特定の青魔法を受けたとき、それに応じて、一定ターンの行動パターンを変化させる”という、こだわりの仕様で実装が為されているようだ。青魔法のうち、敵のラーニング対象となるのは、「レベル3フレア」「エアロガ」「針千本」「吸血」「アクアブレス」「マジックハンマー」「自爆」の7種類である。
――さて、不穏な文字列が既に見えたことからも分かると思うが、アポカリョープスには、「自爆」をラーニングさせることができる。よって、開幕、適当な味方が相手に「自爆」を使えば、アポカリョープスも「自爆」をして、それで戦闘終了だ。合計して2人の味方が戦闘不能となってしまうが、どうということはない。更に言うと、アポカリョープスの1ターン目で、戦闘不能者が出る攻撃は「マインドブラスト」のみであるため、例え敵側に初手を取られたとしても、4人で挑めば、確実に勝利が可能である。
というわけで。倒すだけなら自爆させて終了なのだが、こいつからは、レア枠で「巨人の小手」を盗めるという特徴がある。巨人の小手は、FFシリーズによく出てくる名称であるが、FF5では完全な一品物であり、しかも通常枠にもアイテムがあるアポカリョープスのレア盗みでしか入手できない(通常枠はエリクサー)。あらかじめ存在を知っていなければ入手はまず不可能という、激レアなアクセサリである。
…いっぽう、その内容はと言うと、「物理防御力9&魔法防御力1、こびと耐性、力&体力+5」「魔力&素早さ-5、重さ10」という、力と物理防御が上がる代わりに、魔力と素早さが下がるという設定になっている。そもそもアクセサリ枠自体、エルメスの靴が禁止カード級の汎用性を持っており、他の出番が著しく圧排されている。そのうえ、巨人の小手は、まず防御能力が「源氏の小手」や「守りの指輪」に劣っており、力+5は「カイザーナックル」で良く(しかも物理防御も+8される)、体力の上昇値は死にパラメーターに等しい。つまり、デメリット装備のくせにメリットが大したことないため、残念ながら通常プレイでの出番は無いであろう。一応、特殊な攻略だと、「素早さ-5&重さ10」のデメリットに注目して、素早さを下げる作戦に使用できる。また、SFC/PS版では、装備で魔力を0未満(この表記は正しいのか?)にすると、魔力が99になるというバグがある(恐らく255からループしてきて、計算上は「99」として扱われるのだろう)。そのため、バーサーカーの「ルーンアクス」とコンボすると、えげつない火力を発揮できる。実際には、ルーンアクスが魔力+3補正を持つために、さらに「いばらの冠」(魔力-5)も装備せねばならず、ただ戦っているだけでHPとMPの両方が減っていくというとんでもない状況になるのだが、むしろ、狂戦士に相応しいイメージとなれるだろう。
――そういうわけで。「巨人の小手」は、まあ、“持っておいて損は無い”という程度の装備品になっている。今回プレイでは、これまでも、使い道が無いと思っていた物が、意外な場面で役立ったことがあった。この「巨人の小手」も、とりあえず入手しておいて、そして使い方など、また後から見つければ良いのだ。ということで、通常プレイならば、時空魔法の「リターン」を使うところであろうが、私はWiiUの「まるごと保存」といういつもの歴史改変を使って、「巨人の小手」をレア盗みしておいた。
さて。その後の倒し方であるが、「自爆」を使えば終わりであることは、既に説明した通りである。だが今回は、少しひねって、「レベル3フレア」を使ってみたい。まず、アポカリョープスは、レベル値が「57」であるため、こちら側の「レベル3フレア」が直接ヒットする。
…すると、敵はレベル3フレアをラーニングし、そこから4ターンの間、「レベル3フレア」を使うモードとなる。しかし、レベル3フレアはリフレクで反射可能であり、4人で跳ね返せば9999ダメージとなる(1発約4000なので、3人でもOK)。アポカリョープスのHPは27900なので、3回の反射で終わりだ。
――とはいえ。一応、レベル3フレアをラーニングしたモードでも、敵は毎ターン1/3の確率で、「黒の衝撃」「ガードオファ」「ゴブリンパンチ」「マインドブラスト」と、別の青魔法を使ってくることがあるため、抜け出せる可能性は残っている。ちなみに、アポカリョープス自身が使ったレベル3フレアを反射しても、「『レベル3フレア』
をラーニング!」と出るが、これで該当モードを1ターン目から数え直しとできるのは、4ターン目の「レベル3フレア」のみのようだ。その他、レベル値を半減させる「黒の衝撃」もリフレクで反射できるため、これを当ててしまっても、レベル値が57→28となり、3の倍数ではなくなってしまってアウトである。さすが青魔法の使い手、簡単には倒させてくれない…のか?
というわけで。「レベル3フレア」を反射させる戦法は、「自爆」による瞬殺と違って、絶妙に出来が悪いのであるが、だがそれが良いというものだ。それに、9999が躍り出るというのは、いつ見ても気持ちが良く、そういう動画をネットには公開したいものだ。そうか、これが「映え」という感情か…。
◆動画◆
敵にヘイストを掛けたあと、リフレク状態で待っているだけで終わりま…アレ? |
おまけである。このプレイ日誌を書いている段階で、ふと思ったのだが、上で書いた通り、レベル3フレアを狙っているときに「黒の衝撃」を跳ね返してしまうと、敵のレベル値が57→28と半減してしまってアウトになる。しかし、この場合、今度は「レベル2オールド」が有効となるため、そこからいつもの「レベル5デス」へ派生することもできるだろう。
…ところで。何もラーニングしていない場合のアポカリョープスの行動パターンは、1ターン目から順番に、「黒の衝撃
/ ガードオファ / マインドブラスト」→「死の宣告
/ 死のルーレット / レベル2オールド」→「レベル5デス
/ レベル4グラビガ / マイティガード」となっている。「黒の衝撃」→「レベル2オールド」→「レベル5デス」が並んでいる。これは…まさか、リフレクで反射させて殺せということでは?
――さて、敵の素早さは「45」であり、FF5のバトルシステムの都合上、バトル開始時に44〜46の範囲で変動するため、敵の行動は74〜76カウントごとに回ってくる。というわけで、そのままだと、レベル2オールド→レベル5デスの間で、レベル値は-7で、28→21となるため、レベル5デスが命中することは無い。ただし、相手をヘイスト状態にすれば話は別であり、37〜38カウントでターンが回ってくるため、レベル値が3つ下がる(※)ということになり、今度はレベル25での「レベル5デス」を決めることができる。なお、老化では、素早さも下がっていくのだが、FF5の素早さは行動終了時に次の待機時間を決める役割のため、今回の使い方なら問題が無い…はず!
というわけで。アポカリョープスを倒していないセーブデーターとして、“イストリーの滝を攻略するか、ものまね師を入手するか”という段階のもの(【第21話】)が残っていたので、それで試してみることにした。
…まず、アパンダをバーサク→ファイガで適当に燃えカスにし、一気に次元城まで進めて、アポカリョープス戦に挑む。戦法は、レナを侍にし、「まさむね」と「リフレクトリング」を装備させる。そして、まず「まさむね」で敵に先行をするとともに、まさむねのアイテム使用で自分に「ヘイスト」を使うが、それをリフレクトリングで跳ね返して、相手にヘイストを掛ける。あとは、敵が「黒の衝撃」→「レベル2オールド」→「レベル5デス」の順に行動をしてくれれば良い。ちなみに、敵が3回の行動を行う間、もうレナのターンは回ってこないので、放置しているだけで大丈夫である。
そういうわけで。敵が、1,2,3ターン目で狙った行動を使ってくれる確率は、全て1/3であるうえ、「黒の衝撃」も、計算上4/9ほどしか命中率が無いため、なかなか期待するのは難しい。だが、30分ほど頑張ってみたところ、開幕の「黒の衝撃」が命中し、その後に「レベル2オールド」→「レベル5デス」と行動をしてくれた。勝った!
第23話完!! …と思いきや、何故か敵が即死しなかったのだ。
――やれ、即死しなかった理由を考えてみたところ、どうも私は、老化がヘイスト状態で加速するということを完全に忘れていたようだ。ヘイスト状態では、老化速度も加速し、5カウントごとにレベル値が1下がる。よって、アポカリョープスの次のターンが回ってくるまでに、やっぱりレベル28→21となってしまって、「レベル5デス」が当たらなかったのだ。なお、もっと突っ込むと、ヘイストを掛けようが掛けまいが、ましてスロウ状態にしようが、「敵の行動タイミング」と「老化によるレベル値の関係」は全く変化しないということになる。やれ、アポカリョープスを、自分の行動だけで華麗にレベル操作をして自滅するアホだと馬鹿にしてやろうと思ったが、アホカリョープスだったのは私のほうであった…。
そういうわけで。一応、その他の行動による細かな時間調整を加え、レベル5デスを命中させる…という戦法に派生させることも不可能ではないだろう。ただ、私は、今回の作戦のキモは、「『ヘイスト』を使っておくだけで、相手が勝手にレベル調整をして自殺する」というところにあると思う。だから、それが不可能になった時点で、もう自分の中では興味が無くなってしまったのだ。
――ただまあ、こういう挑戦をしたからこそ、「老化ペースはヘイスト/スロウで変化する」という性質に改めて着目でき、これを今後の更なる微細なレベル調整に使ってみたいという思いが生まれた。また、結果としては勝利につながらなかったものの、こうやってプレイ日誌のネタになってくれたので、やり込み的には大成功と言える。やり込みプレイに課金はいらないので、やらないで後悔するより、やって後悔したほうが絶対に良いのだ…。
このロリコンどもめ! |
そして、本日ラストの相手は、FF5界の神である、“カタ様”こと「カタストロフィー」である。力は山を抜き、気は世を覆う…。
――ご存じ、コイツは、地震攻撃を主力としつつ、レビテト状態の対象には、それを解除する「重力100」を使ってくる。しかし、この「重力100」は、リフレクによって反射できる。しかも、「レビテト対象への、重力100の使用率」は100%であるため、あらかじめレビテトにしておいたキャラにリフレクトリングを付けておけば(全員ではなく1人居れば十分)、それだけで完封が可能となる。やれ、FF5には、様々な方法で完全勝利可能な敵が存在するが、これほどまでに簡単にノーダメージ勝利が可能な相手は、他に居ないだろう。カタ様が神として愛される理由である。
というわけで。まずは私も、この完封戦法を試してみた。といっても、メニュー画面で適当にレビテト状態となり、そのキャラクターに「リフレクトリング」を装備させるだけである。これだけだ。ここまで必勝戦法が広く知られているボスは、FFどころかRPG界隈全体を見回してみても、珍しいであろう。
…そして、味方側であるが、いつもの、低レベルバーサーカー1人という最低戦力で挑んでみる。もちろん、これでも全く負ける要素は無い。というわけで、サポートアビリティの「二刀流」をセットし、「巨人の斧」と「チキンナイフ」で、サクサクと敵を切り刻んでいった。たまに、打撃が2回ではなく1回となることがあったが、おそらく「チキンナイフ」のとんずら効果が発動したが、バーサクなので不発…みたいな感じとなっているのだろう。
――そんな感じで、9分ほどで勝つことができた。あとはもう、仮にどれだけ味方側の戦力を下げようとも、レビテト&リフレクトリングという前提を崩さなければ、同じである。絶対に負けられない戦いが、ここにある。
そして、もう一つの倒し方として、カタ様は、老化状態を無効化できない。そして、レベル値が「71」であるため、老化で1つだけレベルを下げたのちに、「レベル5デス」で倒すこともできる。もっとも、レベル71&魔法回避33ということで、確率系の魔法はとても当てづらく、耐性無視&必中の「レベル2オールド」もレベルが合わない。そのため、実際に行うのなら、「古代の剣」の不確定な追加効果に期待することになるだろう。固定パターンでの瞬殺という割には確実性に欠け、何より、もっと簡単に完勝できる方法があるということで、カタ様へのレベル5デスは、全く注目されていない。
…のだが、今回はGBA版を使っているということで、「ごうせい」の「オールドショット」系統により、レベル差や魔法回避率を無視して、「75%」の固定確率で、相手を老化状態にすることができる。というわけで、素早さを調整し、「オールドショット」→「レベル5デス」でカタ様を倒してみた。もちろん、今回プレイでは慣れた手順ということで、最初の「オールドショット」が25%の確率で外れるということ以外には、不安要素は存在しない。
――ちなみに、実はもう1つ、カタ様を完封可能な作戦があるのだが…それについては、後から振り返って気付いたものであるため、その戦法を実際に他の敵で適用した際のプレイ日誌で、改めて触れてみたいと思う。
なお、念のために言っておくと、カタ様は、真正面から戦えば、高い頻度で全体1000ダメージの「アースシェイカー」を使ってくる、弱いどころか、むしろ強ボスであるということを、最後に記しておく。
と思うカタ様であった |
ところで。「重力100」は、ゲーム中では、単にレビテト状態を解除するだけの技であり、ダメージなど、それ以外の効果は無い。しかし、これを例えば、「局地的に重力が100倍になる」と解釈したとすると、実に恐ろしいことになる。
…例として、クルルの体重を、14歳女子中学生の平均と同じ「50kg」としよう。ここに、重力の100倍の力を掛けるとなると、当然、体重が5000kgになったのと同じ力を下向きに受ける。レビテトで軽くなっている分を除いても4950kgが余るため、結果として、もの凄い速度で地面へと墜落する。具体的には、高さ30cmに浮いているとして、時速87km/hで地面にぶつかることになる。
――というわけで。交通事故のような速度であり、明らかに無傷では済まなさそうな感じがするが、そう言えばこいつら、隕石に乗って異世界へ移動とかしてたな…。それならば、ダメージを受けないというのも、納得である。さすが世界を救う伝説の勇者たち、体の強靭さが並大抵では無いのだ。
というわけで。FF世界のレジェンドたちであれば、この程度では余裕なのであるが、我々の世界に当てはめてみると、「時速87km/hで地面に激突」というのは、だいたい35mの高さから飛び降りた場合と同じになるようだ。まあ、相当に運が良くて病院送り、普通は異界送りとなってしまうだろう。
――そんなわけで。私は、ほんの少しだけ世代がズレているのであるが、もし小学生時代にFF5が友人間で流行っていたら、「カタストロフィーごっこ」なんてものをやってみたいと思ったかもしれない。だが、良い子の諸君は、なりきり度を高めようと思っても、決して重力100を試してはいけない。ゲーム内の登場人物は、特殊な訓練を受けているからこそノーダメージなのであって、我々がやると確実に死ぬのだ。いいか、おじさんとの約束だぞ!!
●参考サイト1:【『ドラゴンボール』で悟空が行った「重力100倍」の特訓は、どれほどすごいのか!?】
●参考サイト2:【空気抵抗有する自由落下(距離から計算)】
◆動画◆
コウセイノウGチャン… |
というわけで。これにて、ラスダン「次元の狭間」攻略の第1パートは終了である。この後、道中については、第2パート&第3パートと続き、神竜・オメガ・本編ラスボスについては、それぞれ1話を使う予定である。まだまだ長いな…。
――さて、カレンダーを見てみると、いよいよ2023年も5月となった。シリーズ最新作:FF16の発売まで、もう2ヶ月を切っている。この後、裏ダンジョンの攻略があることも考えると、FF5日誌の完結が間に合わないことは明白であるが、それはそうとして、プレイ日誌は全力を尽くしていかなければならない。FF全シリーズの日誌を連載するのなら、まだまだ手を付けていない作品は多く存在する。それに、既にWiiU&3DSのオンラインストアは閉店しており、いま持っているWiiUが壊れたら、取り返しが付かなくなってしまうということもある…。うむ、書かねば。
(2023年5月4日) 5717 PV
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