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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
FF史上、最も鮮烈な、
一 発 全 滅 |
前回までで、次元の狭間の道中に出現する、全てのボス敵を倒すことができた。
――ということで、いよいよ、ラスボスであるネオエクスデス戦…!
の前に、裏ボスである神竜&オメガと戦っていくことにしよう。まず、最初は「神竜」からであり、もちろん、ただ1回倒して終わりというわけではなく、アルテ
ロイテ 6連戦のように、様々な方法での撃破を狙っていく。
では、神竜である。ご存じ、2大裏ボスの一角であり、次元の狭間:ラストフロアの第3エリアに置かれた宝箱に隠れている。
…さて、この宝箱からの登場が、まず伝説となっている。登場する宝箱は、ごく普通の場所に何気なく存在する。この手の敵にありがちな、「長い階段を登ると、左右対称マップの中心にある祭壇に、ポツンと宝箱が1つだけ置かれている」という、あからさまな怪しい配置ではない。そんなところから、最強の裏ボスの一角が、いきなり現れるのだ。間違いなく、FFシリーズ最大の初見殺しであると言えるだろう。
――ちなみに、追加ボスである「神竜改」のほうは、前述したような、“いかにも”という宝箱から出てくる。さすがに、2回連続で同じネタをやってもしかたないという考えだろうが、「宝箱から出てくる」というところを踏襲するのは、さすが、“神竜”の名を持つモンスターだ。
そして、そんな宝箱から出てきた神竜は、1ターン目に「タイダルウエイブ」(FF5ではこの表記)を使う。厳密には、1ターン目の行動は「何もしない」であるのだが、敵素早さが87と激烈に高いため、「まさむね」か「エルメスの靴」でなければ、先にターンが回ってくることはない。
…そして、タイダルウエイブの威力は、全体に8000という壊滅的なものである。一応、FF5は、Lv99でHPが9999に達するゲームであるが、通常のラスボス撃破レベルだと、せいぜい1000〜2000というところであり、間違いなく一発全滅である。水防御を固められる「珊瑚の指輪」も、一応は宝箱から1つだけ手に入るが、汎用性は少ないため、わざわざ装備していることは無いだろう。そういうわけで、宝箱から唐突に現れたモンスターが、こちらの最大HPの倍なんてものじゃない特大津波で、いきなり全滅をさせてくるのだ。
――しかも、ラストフロアのセーブポイントは、このあとのエリア4(ネクロフォビア戦で解禁)に存在するため、あえて先回りをしてセーブした場合を除いて、次元城の牢獄まで戻される。さらに、場合によっては、ハリカルナッソス・ツインタニアといったボス戦さえ、やり直す必要が出てくるだろう。
というわけで。神竜の存在は、当時のゲームとしても、かなり理不尽な仕様なのであるが、それだけにプレイヤー間で強烈な印象に残り、30年後の今となっても語り継がれる要素となった。まあ、ラスダンの最後の最後だし、次回以降は確実に回避できる。それに、次回作の「ゲーム中盤で仲間キャラクターが死亡して、以降は永久に加入しなくなる」のように、取り返しが付かなくなることも無い。ギリギリだが、ギリギリで許される要素と言えよう。
…やれ、私もそうしたのだが、もし、あなたの身の回りで、FF5を初プレイする人が居たら、絶対にこの神竜のことだけは、ネタバレをしてはいけない。ここで激流葬をされ、ポカーンとするのも、また大切な、FF5の思い出となるからだ。
古代人「決して語りかけるなよ!?
絶対だぞ!!!」 |
さて。今回は、なかなかの精密攻略をするということで、まずは「神竜の能力値」について、しっかり紹介してみることにしよう。
というわけで。神竜は、「タイダルウエイブ」を主砲、そして「吹雪」を副砲に据えつつ、各種の超強力な攻撃を、素早さ87という尋常ではない速度で連発してくる。真正面から戦うと、それこそLv99にでもしていない限り、苦しい戦いとなるであろう。
さて。基本的な攻略法としては、属性防御から始めるのが定石である。
…まず、開幕の「タイダルウエイブ」は、水属性を持つため、「珊瑚の指輪」で吸収できる。実は、FF5では、敵側が使う水属性攻撃は「タイダルウエイブ」しか無く、その使い手も、アルキュミア版のハイドラ・リバイアサン・ツインタニア・神竜の4体しか居ない(+GBA版だと、神竜改も)。ただ、裏ボスが開幕で使ってくる超必殺技に対抗できるという意味合いは大きく、これだけで、珊瑚の指輪が一線級のアクセサリに名を連ねている。
――続いて、「吹雪」についても、全体5000ダメージと、「水対策さえすれば余裕っしょ!」と、珊瑚の指輪を見せつけてドヤ顔をしていたバッツたちを再び全滅送りにしてくれるので、こちらも対策が必須となる。氷属性を無効・吸収する手段は、「炎の指輪」「フォースシールド」「アイスシールド」「調合:ドラゴンシールド
/ レジストアイス」と数多いが、まずは「アイスシールド」がオススメであり、それ以外の手段は扱いにコツが必要だ。
さらに、神竜は、打撃についても高頻度かつ高威力であるため、そちらへの対策も怠ってはならない。HPは敵行動によって激しく増減するため、「まもり+かばう」は不適である。前述の「アイスシールド」を装備していれば、物理回避率40は確保されているが、それだけでは不安定であり、「しらはどり」「ブリンク」などで回避能力を上げ、物理キャラ以外を後列として、「マインゴーシュ」による特殊回避や、「ゴーレム」「マイティガード」などの防御手段を組み合わせていく必要があるだろう。「HP30%アップ」や「巨人の薬」で最大HPを上げていくのも良い。
…その他の技については、まず「レベル2オールド」か「レベル3フレア」は、命中すると厄介であるため、どちらにも当たらないレベルに調整しておくか、駄目なら「調合:ドラゴンパワー」などでレベル値をずらす。また、「死のルーレット(即死)」「悪魔の瞳(石化)」と「ポイズンブレス」の毒は、全て「リボン」で無効化できるため、全員に装備させておくと良いだろう。
――さて、ここまで対策すれば、正面から神竜に向かっていくことも可能となる。神竜は、オメガのように「ごく限られた攻撃しか通らない」ということは無いため、あとは、HPを回復しつつ、これまで頼りにしてきた最強の攻撃を地道に当てていけば、勝つことができるだろう。多数のアビリティやレアアイテムが要求されるが、逆に言うと、それを活かせる場所という意味でもあり、バトル面の大きな目標として、相応しい敵になっているのだ。
というわけで。通常プレイでの戦い方はこんな感じであるのだが、低レベルプレイでは、どの攻撃もカスっただけで終わりの死にゲーと化す。
…ただし。元々、神竜の攻撃は、被ダメージが極端に高くなっており、正面から受ける以外の手段が推奨されている。よって、低レベルクリアーでも、他バトルと比べれば、極端に難易度が上昇するわけではない。また、オメガとは異なり、実は神竜には絡め手が多く有効である。
――そんなわけで、本プレイでは、神竜は単なる遊び相手となってしまう。だが、それが良い。あの、極大津波での一発全滅が印象に残っていた神竜を、低レベルキャラたちが華麗にサーフィンで倒していくというのは、まさにやり込みプレイの真髄だ。ありがとう、こんな敵をFF5に生み出してくれて…!
ちなみに。書くところが無かったからここに書くのだが、神竜からは通常枠で「竜の牙」、レア枠で「竜の髭」を盗める。神竜からは逃げられ、宝箱を調べればすぐに再戦でき、もちろんアイテムも再度盗めるようになるため、これらの物品を大量入手するチャンスである。ちなみに、「タイダルウエイブ」の恐怖に怯えながら盗む…という必要はなく、敵の初ターンの行動が「何もしない」で固定である都合、エルメスの靴を装備すれば、確実に1手の先手を取れる。そのため、最後に行動するキャラが、「とんずら」を使えば良いのだ。
…さて、「竜の牙」は、調合素材として有用である。滝エリアのドラゴングレイトからは通常枠で盗めるが、神竜からは大量に、そして容易に奪取可能である。幾つ有っても困らないタイプの物品であるため、各種のやり込みプレイを考えるなら、ここで99個を揃えておいても良いだろう。ちなみに、2500ギルで売れるので、ここまで来ると微妙なところだが、金策にも利用可能である。
――また、「竜の髭(りゅうのひげ)」のほうは、鞭であり、ドラゴンに対して確定クリティカルの能力を持つ。攻撃力92というのは、決して低くは無いのだが、低レベル帯で役立つアポロンのハープ、高レベルで活躍する飛竜の槍と比べると、中途半端であり、あまり活躍を聞いたことはない。一応、50%という高い確率で、麻痺の追加効果を持つため、そちらも目当てにすると、差別化ができるだろう。また、神竜のレア盗み以外の入手手段となると、希少モンスターであるスティングレイのレアドロップだけ(【第16話】)であるため、人数×両手分を集めたい場合、神竜から盗んでいくのが良いだろう。
そんなわけで、ブレイブブレイドにこだわった無逃走プレイ以外では、この神竜戦まで来て、再びバッツ怪盗団が結成されてしまう。しかも、今回は、出会い頭に、歯やヒゲをブチブチ抜いて、そしてすぐにトンズラかましていくのだ。やれ、神竜は、開幕に大ダメージで全滅をさせてくる鬼畜モンスターとして知られているが、どちらかと言えば、鬼・畜生はバッツたちのほうかもしれない…。
い つ も
の |
では最初は、神竜対策の決定打:バーサクを使用する、「@敵味方バーサク作戦」から紹介していこう。
…まず、神竜は、バーサク耐性を持っていない。前のアルテ
ロイテ戦でも触れたように(【第24話】)、FF5では、「バーサク耐性を持たない相手への魔法バーサクは必中」という特性がある。よって、相手に「バーサク」を使うだけで、敵を物理攻撃しか使えない神竜mk.Vに変えてしまえるのだ。
――ただし、放っておくと、前述の名称も顔負けの、超高威力打撃を猛スピードで連打してくるため、何らかの物理対策は必須である。ただ、FF5では、その物理対策が、最序盤から使える「まもり+かばう」だとか、分身を常に貼り続ける作戦だとかで、割と簡単に用意できてしまう。そういうわけで、神竜は、魔法バーサクを使うだけで、容易に完封できてしまう相手なのだ。
そういうわけで。実は、神竜は、裏ボスとは名ばかりの、コマンド1発で雑魚化する相手であり、低レベルであっても、「バーサクを使います。終わり」の一言で片付けられる話である。だだ、それだけだと、さすがにやり込みプレイとはならないため、今回は更にひと工夫を加え、「れんぞくま:バーサク」で敵味方をバーサク状態にすることで、コマンド入力1回での勝利を狙ってみた。
…さて、FF5では、物理回避率「50」の源氏の盾と、盾回避率が2倍になる小人状態をコンボすることで、打撃に対しては無敵になれる(一応、極小確率で当たることもあるが、乱数のループなどにより、基本的には無敵と表現して良い)。よって、バーサク状態の低レベルキャラ×1人であったとしても、そのキャラを「源氏の盾&小人」状態とすることで、容易に戦線を維持できる。
――しかしながら、勝手に「たたかう」を入力してしまうバーサク状態なくせに、小人となっているため、攻撃の手段が激減してしまう。まず、通常武器での打撃の威力には、全く期待できない。竜特効で有名な「アポロンのハープ」なら、魔法攻撃武器であるため、威力が下がらない…と思いきや、両手武器であり、盾で片手が埋まっている状況では装備できない。ハープを地面に置くか、体に結ぼう! そのうえ、神竜は魔法防御力が「60」と地味に高いため、「ティンカーベル」など、片手で装備できる魔法攻撃武器は、ほぼ0ダメージに抑えられてしまう。そのような状況で、敵HPの55500を削り切ろうとすると、果てしない時間が掛かってしまうだろう…。
ということで、今回使用する武器は、「ファイアビュート」である。ファイアビュートは、以前にも紹介したように(【第15話】)、伝説の12武器の1つであり、打撃で「ファイガ」の追加効果が発動し、素早さ+2の補正を持つ鞭である。ただ、ここまで、追加効果ファイガのほうが活かされたことは無かった。理由として、おまけとしては強力だが、あくまで単体ファイガであって、全員リフレク&ファイガ反射の1/4の威力しか出ない。そして、発動確率も33%ということで、主軸とするには頼りないという感じであったからだ。
…ただ、今回は、「小人状態でもファイガの威力は下がらない」という点に注目した。前述の通り、神竜は魔法防御力が「60」と高いうえ、「ファイアビュート&源氏の盾」で両手が埋まってしまうため、属性強化も行えない。しかしながら、神竜は炎耐性を持っておらず、さすがにガ系魔法であれば高い魔法防御力も貫通できるということで、普通にダメージを与えていけるのだ。
――さて、そのファイガの威力は、Lv4のファリスが発動させて、だいたい700というところである。残念ながら、純粋な火力としては、そこまで高くない。ただ、「低レベルの」「バーサク状態の1人で」「片手が源氏の盾で埋まっている」という絶望的な状況では、0以外のダメージを見ることすら難しいため、1/3の確率で3桁後半のダメージを出せるというのは、かなりまともな部類であると思われる。
まとめよう。あらかじめ、ファリスを小人状態にしておき、バトルが始まったら、「エルメスの靴」で先手を取って「れんぞくま:バーサク」で敵味方にバーサクを掛ける。その後は、「源氏の盾」の物理回避率50を小人状態で2倍として物理攻撃をシャットアウトし、ファイアビュートの追加効果ファイガでダメージを与えていく。これにて、コマンド入力1回で、神竜は倒せるのだ。
…そういうわけで、実戦では、約1時間15分での撃破となった。ちなみに、敵打撃への保険として、「ミラージュベスト」で1枚だけ分身を作っていったのだが、撃破時にもこの分身は消えておらず、1回も物理攻撃は当たらなかったということが分かる。まあ、FF5は繰り返しによる乱数パターンの固定化が起こりやすい作品であるので、分身が必要だったかどうかは微妙なところである…。
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FF5界で語り継がれる、禁断の術 |
続いて、ゾンビ&ファイアビュート&リフレクトリングのコンボで使える、略してゾンビビュート作戦である。
…まず、FF5のゾンビは、「HP0でも戦闘不能とならず、操作不能となって、味方への打撃のみを繰り返す」というステータス異常である。石化と同じく、全滅判定の一つとして扱われる(立っているキャラがゾンビ・石化のみだと全滅になる)。見た目的には、肌が土色になり、白目を剥いているような感じとなる。「ゾンビとなって
このよをさまよう」というステータス発生時のメッセージ、そして全滅BGMの曲調から、何とも言えない恐ろしい雰囲気を感じさせる。
――そんなゾンビは、FF5における嫌なステータスの代表格であるが、「かくれる」とコンボすることで、有効活用が可能となる。ゾンビ状態のキャラは、ダメージや即死攻撃によっては決して戦闘不能とならず、無敵の盾として使用可能であり、敵のMP切れを狙う作戦に使用可能である。また、リフレクトリングでリフレク状態とし、ロッド系の武器(打撃がリフレクで反射される)や、追加効果で魔法が発生する武器と組み合わせすれば、リフレクで魔法を跳ね返して、相手方向へと攻撃を行えるのだ。
さて。もちろん、HP回復能力や、「サークル」といった吹き飛ばし系の即死攻撃など、このゾンビ&隠れるを突破できる相手も存在する。ただ、このように例外が挙がるというのは、それだけこの戦法が強力ということである。とりわけ、特に最高火力であるファイアビュートのファイガを反射する、通称:ゾンビビュート作戦(※そんな通称は無い)は、鉄板戦略として、そして禁じ手として、広く知られているものだ。
そして。神竜も、このゾンビビュート作戦に対処できないモンスターの1体である。
…というわけで。4人の味方キャラクターのうち、唯一、魔法倍率を「5」にできるLv4のファリス(他キャラは、「レベル×魔力÷256」の値を1以上にできない)を、ゾンビ化した攻撃要員とする。ゾンビ化には、次元の狭間:ラストフロアに登場するネクロマンサーが、「ゾンビパウダー」という技を使ってくれるので、それを利用していった。なお、命中率は内部的には「128」となっているため、必中ということのようだが、普通に外れる。戦闘不能のキャラにも当たることといい、何らかの特殊仕様が用意されているのかもしれない…(隠れているキャラも選択されるが、隠れているので、必ずミスになる、とか?)。なお、ゾンビ中のキャラは、装備を変更することができないため、あらかじめ準備は整えておく。
そして。ゾンビ化したファリス以外の1人は誰でも良いので、とりあえずクルルということにして、「まさむね」で初手を取れるようにし、アビリティに「かくれる」をセットする。これで十分であり、防具やアクセサリは空欄で良い。そして、戦闘が始まったら、神竜の初手:「何もしない」に対して先行を取れるため、すぐ「かくれる」を使う。以上である。あとは、ゾンビ化したファリスが、ファイアビュート追加効果のファイガを、リフレクトリングで反射させることで、炎耐性も回復能力も持たない神竜に、着実にダメージを与えていける(他、「アトミックレイ」の反射でも、微弱なダメージを与えられる)。神竜の攻撃は、決してファリスを消滅させることはできない。時間は掛かるが、これで勝利が確定である。
――ちなみに、「かくれる」には、生存しているのが隠れている状態のキャラだけになると、逃走扱いになってしまうという性質がある(【第6話】)。そして、神竜は逃走可能なモンスターであるため、私は「ゾンビ+隠れているキャラ」だけになった場合、逃げてしまうのではないかと危惧していたが、その心配は無く、普通にバトルを続行していけた。
というわけで。実戦では、約55分での撃破となった。酷い戦法だが、一方で、FF5界の必殺技として、長く語り継がれてきた戦い方でもあり、1回くらいはバトルで使ってみたいと思っていた。そういうわけで、この神竜戦での採用となったのだ。
…ちなみに、もう1体の裏ボスであるオメガ様は、このゾンビビュート作戦では倒せない。オメガは、炎属性を吸収するため、「ファイアビュート」は使えず、唯一の弱点を突ける「電撃鞭」のほうを使うことになるが、それで発動するのは「サンダー」であり、敵側のオートシェルの能力もあって、僅か100程度のダメージしか与えられない。しかも、戦略上必須のリフレク状態によって、炎属性の「アトミックレイ」が跳ね返されたり、「ターゲッティング」を反射して「火炎放射」を自分に当ててしまったりすることで、それぞれ炎吸収によって1000以上のHPを回復されてしまう。
――極め付けに、こちらの攻撃によって、敵のHPが増減すると、例の2連続カウンターが発動し、「サークル」を受けると、ゾンビですら抹消されてしまい、失敗となる。ちなみに、SFC/PS版では、ゾンビキャラが「サークル」を受けるとゲームがフリーズするというバグがあったようだ。ただ、実際に試してみたところ、このバグは、「サークルでゾンビキャラが消滅させられると、以降、バトル時間が進行しなくなり、リセットするしか無くなる」(=ゲーム自体がハングアップするわけではない)という内容のようだ。よって、当たらなければどうということは無い。
ということで、サークルのバグのほうは、事実上は無視できる(どうせゾンビキャラクターが消えたら失敗確定)ものの、やはり「電撃鞭」では全く火力が足りない。2大裏ボスのもう一角であるオメガ様までは、単純なゾンビビュート作戦では勝てないようになっているのだ。これはまあ、偶然だろうが、意図的に設定されたようにも感じてしまう…。
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もちろん打撃キャラは全部「飛竜の槍」で…アレ? |
次の戦い方は、竜退治の武器として定番である「飛竜の槍」と、これまた最強の打撃技である「みだれうち」をコンボしてみよう。
…さて、飛竜の槍は、1話前で触れたように(【第26話】)、槍種別で最強の攻撃力119(GBA版追加武器の「ロンギヌス」を除く)を持ち、さらに、竜タイプのモンスターに対して、確定クリティカル(ダメージ2倍&防御力無視)の特効効果を与えられる。入手手段は3つあるが、全てがラスダン最深部におけるレア盗みであって、活躍期間は非常に短い。にも関わらず、屈指の強武器として認識されているのは、この神竜戦という最高の活躍場所があるからだ。
――しかしながら、FF5は、物理攻撃のほうがレベルによるダメージの伸び率が高いという環境であるため、低レベル帯では、魔法のほうが強くなりやすい。例えば、レアアイテムである「飛竜の槍」を、「二刀流」&「みだれうち」という物理攻撃にとって最強の環境を揃えて使用したところで、与えられるダメージは、約2000(250×8)に留まる。悪くない数値と思うかもしれないが、「アポロンのハープ」ならば、最速なら第3世界の冒頭部が終わった時点で入手でき、必須アビリティも特に無く、約2400ものダメージを与えられる。これが、低レベルプレイにおける、物理と魔法の差である。
だが、レベルが低いなら、上げれば良い。もちろん、通常のレベル上げだと「低レベル」という条件に抵触してしまうため、使うのは、戦闘中のレベルドーピングである。ただ、いつものように、4つの手段のうち、「ドラゴンパワー(レベル値+20)」だけは頭一つ抜けて強いため、これを避け、「英雄の薬(+10)」と「英雄の歌(30カウントごとに全員+1、歌手がヘイストだと15カウント)」のほうを組み合わせていく。
…さて、飛竜の槍には大きな弱点が存在する。それは、魔法剣とコンボできないというところである。また、「みだれうち」は、与ダメージが半減する代わりに4回攻撃となり、単体対象ならば威力は2倍…という性質は良く知られているが、さらに、「必中」「防御力無視」という、これでもかという強特性が付けられている。よって、みだれうちを前提とした場合、飛竜の槍の“確定クリティカル”のうち、防御力無視のほうのメリットは消失してしまい、実ダメージで「チキンナイフ」に並ばれてしまう。さらに、「フレア剣」(属性は無いが、武器攻撃力が+100&対象の物理防御力が1/4)も使用した場合、チキンナイフと火力が逆転してしまう。
――やれ、これは、専用武器として、あまりにも情けない仕様である…いや、「チキンナイフが、実質的に素早さ&力での2回攻撃特性を持っている」「みだれうちに、謎の必中&防御力無視特性がある」というほうが悪い。いくら「みだれうち」が、大量のABPを要求するマスターアビリティ(狩人:累積600)とはいえ、強いものを更に強くしちゃいかんでしょ…。
では、実戦である。今回は、どこまでレベルドーピングをして、どこから攻撃をするか、そしてキャラはどう割り振るか…といった役割分担が重要となる。私は、「英雄の歌」によるレベルドーピング要員に2名、さらに「飛竜の槍」を軸とした攻撃要員に2名を、それぞれ当てていった。BGM担当はバッツ・クルル、そして打撃担当はレナ・ファリスである。
…さて、後者の打撃要員の内容としては、「チキンナイフ」は1本しか無いため、そちらをファリスLv4のほうに持たせ、ファリスは初手に「フレア剣」を使って、チキンナイフの打撃力を強化していく(もう片手に持っている「飛竜の槍」には、魔法剣の効果は乗らない)。ちなみに、「フレア剣」などが唱えられるようになる魔法剣Lv6は、魔法剣士のマスターアビリティであり、これを他ジョブで使おうとすると、地雷として有名な「まほうバリア」を、すっぴん&ものまね師へと継承してしまう。そのため、ファリスが魔法剣士をマスターするのは、このバトルだけの仕様である。
――そして、レナのほうは、「飛竜の槍」を二刀流していく…のだが、その前に、1回だけ「のむ:英雄の薬」を使い、レベル値を+10しておく。どうも、最初から攻撃するよりも、まずレベル値を上げたほうが、後述する“タイムリミット”までのダメージが上回るようだ。どこまで強化して、どこから攻撃に移るか。FF13シリーズのタイムアタックなどにおける特権だと思っていたが、まさか1992年発売のFF5でも、そのレベルのバトルが行えようとは。もし、FF5に、バトルカウントを表示するような機能があったら、1カウント単位での時間調整はもちろん、それを使ったタイムアタックなども流行っていただろう。ボス戦タイムアタック(FF5)の始まりである。
では、具体的な戦法を紹介していこう。まず、今回バトルの考え方だが、敵4ターン目までに終わらせることを目的とする。神竜の開幕からの行動を順に並べると、「@何もしない」→「Aタイダルウエイブ」→「Bたたかう
/ ミールストーム / 死のルーレット」→「Cアトミックレイ
/ 吹雪 / 稲妻」となっている。2ターン目のタイダルウエイブを、お馴染みの珊瑚の指輪で無効化し、3ターン目の打撃と死のルーレットを「リボン」「ミラージュベスト」で受け流せば、そこまでのターンでは、全滅はもちろん、戦闘不能者が出ることも100%無くなる。
…いっぽうで、敵4ターン目は、二刀流で攻撃している味方が居る都合、アイスシールドでしか防げない「吹雪」が来てしまえばアウトである。厳密には、「ちょうごう:ドラゴンシールド
/ レジストアイス」を使うとか、珊瑚の指輪で無効化できる「アトミックレイ」や最大HP割合ダメージの「稲妻」が来ることを期待するのなら、このターンも凌ぐことができる。
――ただ、それは★運ゲー★ということで、どうにもエレガントさが足りない。そのため、私は、今回バトルの目標を、「一発全滅の可能性がある、敵4ターン目が来る前に、相手を倒す」ということに決めていったのである。4ターンと言うと余裕が有りそうだが、敵素早さが「87」と異様に高いうえ、「タイダルウエイブ」への対策として、エルメスの靴ではなく「珊瑚の指輪」を装備しなければならず、「まさむね」で敵1ターン目の「何もしない」に先行してスロウorヘイスガで速度調整をしたところで、実質的な猶予時間はかなり短くなる。その時間で、55500という、FF5基準では大きめの敵HPを削らなければならないのだ。FF5ということで、5が多いのは覚えやすいが、どうせなら55555でも良かった気がする…。
それでは、実際の戦い方について解説をしていこう。まず、敵素早さが「87」であり、アクセサリが、津波攻撃による一発全滅を避けるための「珊瑚の指輪」で固定となる都合、開幕の行動は敵に対して大幅に遅れを取ってしまう。もちろん、そこを、必ず1カウントだけ先行できる「まさむね」にて補正していくのであるが…ここで重要となるのが、その1手で真っ先に行うべきことは、「敵に対してのスロウ」か、それとも「味方全体に対してのヘイスガ」か、そのどちらにするべきかということである。
…しかし、この答えは決まっており、優先すべきは、神竜に対してのスロウである。スロウは敵側の速度が半減、ヘイストは味方側の速度が2倍ということで、相対的な関係はまったく同じである。ただ、手計算でも実際のプレイであっても、敵に対してのスロウを優先したほうが、ほんの僅かだけ行動全体を前倒しにできるということで、この状況では、明らかに敵の速度を遅延させるほうが良いことが分かった。この辺りは、もはやゲームとは思えないくらいの複雑さであり、紙を何枚も使って細かく整理していくか、あるいはコンピューターの力を借りたほうが適切なレベルであるのかもしれない。
――ちなみに。スロウ状態にする手段は、もちろん「ごうせい:スロウキャノン」である。神竜は、レベル値が「97」、魔法回避率が「95」ということで、まあ、「必中」、および確率固定系の“武器の追加効果”以外は当たらないと言って良い。そして、GBA版追加要素の「ごうせい」も、この確率固定系攻撃に仲間入りをしているため、晴れて、神竜を現実的な確率でスロウ状態へとできるのである。
では、行動としては、まず「まさむね」で敵の「何もしない」に先行したサポート要員@のクルルが、手はず通り、「スロウショット」を使う。その後、何もしないを挟んで(謎)、クルル以外にも1ターン目が回ってくるので、サポートAのバッツは「ヘイスガ」で味方の速度を上げ、飛竜の槍+チキンナイフのファリスは「フレア剣」で、飛竜の槍×2のレナは「英雄の薬」で、それぞれ自身の火力を向上させる。
…そして、各人の2ターン目の行動としては、クルルとバッツが「英雄の歌」でレベルドーピングを始め、レナとファリスは「みだれうち」で攻撃開始である。神竜は、2ターン目に「タイダルウエイブ」を、3ターン目に「たたかう
/ ミールストーム / 死のルーレット」を使ってくるが、それぞれ被害が出ることは100%無い。その後、敵4ターン目は、「アトミックレイ
/ 吹雪 / 稲妻」であり、アトミックレイは珊瑚の指輪の炎無効で0ダメージ、稲妻は「最大HPの1/4のダメージ」(実際には、珊瑚の指輪が雷弱点なので、1/2のダメージ)なので、それぞれ死ぬことは無いが、吹雪はアウトである。前述の通り、運ゲー化を避けるために、この4ターン目のラインまでに倒すことを目標とする。
というわけで。戦っていくと、最終的な火力は、レナ飛竜の槍で1500×8、ファリスチキンナイフ1800×4+飛竜の槍1000×4と、だいたい同じくらいのダメージを与え、敵4ターン目が来るギリギリのところで、神竜を倒し切ることができた。
――なお、初手にスロウではなくヘイスガを使っていたときは、これがギリギリで間に合わないという感じになっていた。「エルメスの靴」を使えない場合、初手ヘイスガは鉄板だと思っていたが、スロウを優先したほうが良い場合も多いのかも…。まあ、何はともあれ、自分の中での縛りをしっかり守りつつ、かつ、あえて多彩な要素を活かすようにして、それで勝てたのは、非常に良かったように思う。
◆動画◆
「よげん」は、ネタ技ではなかった!! |
続いては、「ちょうごう」をフル活用して、低レベルキャラ1名で真正面から神竜の攻撃を凌いて撃破する作戦である。その際に、攻撃手段として選ばれたのは、「よげん」だ。もちろん、ネタではなく、大真面目な戦法である。
…まず、神竜の攻撃については、各種の対策を練ることにより、低レベルでも基本的には死ななくなる。その対策とは、以下の通りである。
というわけで。低レベルキャラを、あらかじめ小人状態にしておき、「源氏の盾
/ リボン / 天使の白衣 / 珊瑚の指輪」を装備したうえで、バトル中に「ちょうごう:ドラゴンシールド(竜の牙+エーテル)」を使えば、意外や意外、もう、どの攻撃でも死ななくなってしまうのだ。
――いちおう、厳密には、源氏の盾+小人状態でも、極小確率で打撃が命中することは存在する。ただ、後述するように、私は、これだけ神竜戦を繰り返して、それで喰らったのが1回ということで、相当なレアケースであり、それを除外して“必勝法”に組み込んでも、差し支えの無いレベルであると考える。
そういうわけで。神竜の攻撃に対し、低レベルキャラで真っ向から立ち向かうことは可能なのだが、今度は相手を倒せなくなる。
…何故なら、装備欄のうち、4つが既に埋まっているうえ、小人状態であるため、攻撃手段が存在しないのだ。まず、小人なので、通常の打撃での威力には全く期待ができない。竜討伐のリーサルウェポンとして知られる「アポロンのハープ」は、魔法攻撃武器であり小人状態でもダメージが下がらないが、例によって両手武器なので、この状況では装備不能である。ならばと、魔法攻撃に軸を移そうにも、神竜は魔法防御力も「60」と、思ったよりも遥かに固く、弱点属性も無いため、ただ魔法攻撃を使うだけでは、果てしない時間が必要となってしまう。
もっとも、この状況においても、「針千本」や「ごうせい:ニードルキャノン(3000)」といった固定ダメージ技を使う、調合レベルドーピングからの魔法攻撃を使う、など、抜け道は多く存在する。またもちろん、更にバーサク状態という縛りを追加していた時の、「ファイアビュート」を使っても良いだろう。ただ、それらではなく、今回は、予言士の「よげん」を使ってみることにしたのだ。
…さて、「よげん」は、「コマンド選択時の自身のMP下1桁によって『発動技』が決まる」&「コマンド選択時の対象のHP下1桁によって『威力』が決まる(9が最大)」という、特殊な攻撃技である。だが、味方側にも被害を与える技が多く、とりわけ、MP下1桁が「9」の時に発動する「疫病」は、味方のみに一発全滅クラスの大ダメージを与えてしまうという、FF史上最悪の自爆技である。
――やれ、私は、「ファイナルファンタジー5
アドバンス」というソフトを遊ぶのは、今回が初めてであるため、発売当時:2006年の空気については知るよしも無い。ただ、もしその時にプレイしていたとすれば、「なんだこのクソみたいなコマンドは」と評価し、一発で使わなくなっていたことは間違いないであろう。「よげん」は、FFシリーズの長い歴史の中でも、類を見ないほどの自滅技であると言える。
ところが、そんな「よげん」でさえ、特化してしまえば、有用な攻撃技となりうる。
…まず、「よげん」の最大の問題点は、予言行為にMPを消費するくせに、“発動する技がMP下1桁を参照する”という点である。「よげん」には、Lv1・Lv2・Lv3の、3つの段階があり、違いは発動時間のみなのだが、それらの消費MPは1・3・7であり(「金の髪飾り」を装備していても変化しないという特殊仕様のようだ)、それ単独では、決して「同じ技のみを発動させ続ける」というループを構成することはできない…どころか、キレイにコマンド10回で十通りの全ての技が発動して、そして「疫病」で全滅する。なお、このような性質を持つ1桁の自然数は、1,3,7,9の四つであり、「よげん」の消費MP:1,3,7という数値は、明らかに意図的に設定されたものであると分かる(なお、【こちらのサイト様】によると、ボツとなった「よげんLv4」が存在し、その消費MPは「9」ということである)。やはり、FF5をフルに楽しむためには、数学的知識が不可欠なのだ。数学を勉強していると、FF5に役立つ!
――だが、この報告は、予言士にとってはショックである。何故なら、適当に「よげん」を連打しているだけだと、いつかは必ず「疫病」が出て、自滅の道を歩んでしまうからである。疫病だけでなく、他にも1000程度のダメージを受ける自爆技が多くあり、味方側にステータス異常が発生するものまで存在する。それらを次から次へと引いてしまうようでは、もはや敵ではなく、自分で起こした災害と戦っているような感じとなってしまう。使いこなすためには、MP下1桁で発動する技の内容を把握して、Lv1,2,3による1,3,7の消費MPを有効活用するか、または他の技による消費MPも交えて、必要とする技のみを発動できるようにしなければならない。まさに未来予知、「よげん」のコマンド名に偽りなしである。
しかしながら。前述のような問題は、「ものまね」を交えることで、一発で解消ができる。
…まず、予言を「ものまね」した場合、発動した技を真似るのではなく、「よげん」という行為自体を物真似する。つまり、消費MP0で「よげん」を使うことが可能となり、同じ技だけを連発できるのだ。そしてもちろん、狙うのは、最強の攻撃技である「天地崩壊」である。
――さて、「天地崩壊」の威力は250、ダメージ倍率は3〜30(「[攻撃対象のHPの下1桁]
+1」 × 3)であり、無属性で敵側のみを全体攻撃して、予言者のパラメーターの影響は受けない。これをどう評価するかだが、例えば召喚獣のバハムートは、威力250の無属性全体攻撃と、ちょうど天地崩壊と同じである(天地崩壊もメガフレアも、防御力無視特性は持たない)。魔法のダメージ倍率は、術者の魔力を60とした場合、低レベルだと「4」、本編クリア時の適正レベルと思われるLv40だと「13」、Lv99でも「27」である。最高火力の天地崩壊は、Lv99のバハムートを超える威力を誇るのだ。これを生かさない手は無い。
そういうわけで、戦っていこう。まず今回は、Lv1キャラでは、MP7が必要な「よげんLv3」を唱えられないため、バッツLv2を使うことにする。
…準備として、バトル前にMPを7に調整しておく。そして、戦闘に入ったら、「ちょうごう:ドラゴンシールド」で炎・雷・氷の3属性を無効化したのちに、「よげんLv3」を使用する。この場合、“MP下1桁が7”での予言となり、発動するのは「天の恵み」という技であるが、これはその名の通りの回復技なので、問題は無い。ちなみに、「ポイズンブレス」の防御手段として、天使の白衣(毒無効)ではなくボーンメイル(毒吸収)を用いていた場合、文字通り天に召されてしまう。このことにより、毒の防御手段は「天使の白衣」に限られることになった。
そうして。バッツのMPが0であり、敵の攻撃に対する防御態勢が出来ていて、かつ、「ものまね」で「よげんLv3」を反復できる状態になっている。よって、あとはひたすら、「ものまね」を連打していけば良いのだ。この場合、“MP下1桁が0”での予言となり、「天地崩壊」が発動する。何らかのコストを消費したり、神竜がモードチェンジをするということもないので、打撃が当たらない限り、これで勝つことができるのだ。
――なお、バッツLv2には、敵の「レベル2オールド」が命中するのだが、問題ないどころか、むしろメリットである。私の編成だと、「よげんLv3」だけを連発していると、その発動よりも前にターンが回ってきて、すぐ「ものまね」を入力しても、「すでに
予言している!」と表示され、無駄となってしまう(同一キャラが、予言のカウント中に、更に予言をすることはできない。別キャラなら可)。が、老化によって素早さが落ちていると、「よげんLv3」が発動するまでにターンが回ってこなくなり、Aボタンを押しっぱなしにしているだけで良くなるのだ。老化は、各種能力が少しずつ低下していくが、FF5に老衰死は無いうえ、予言技の威力は、レベルや魔力には依存しない。そして、見た目としても、ヨボヨボジジイに対処できない神竜ということで、ネタ度が増している。
ところで。「よげん」によるダメージは、コマンド選択時の対象のHP下1桁によって決まる(9が最大)。そして、「天地崩壊」の威力値は250、ダメージ倍率は3〜30( [ 対象のHP下1桁
+ 1 ] ×3)である。神竜は、マイティガードで、すぐにシェルを貼ってしまい、魔法防御力も「60」と高めなため、それらによる減算も考慮すると、だいたいダメージの期待値は1500程度ということになるだろう。
…しかしながら、実際にやってみると、最初こそ様々な値が出るが、最終的に2000程度でダメージが安定した。どうも、HPを計算すると、下1桁が「6」で固定となっていたようである。だが、これは、計算してみると、至極当然のことだ。“対象HPの下1桁が6の時”の、「天地崩壊」のダメージ倍率は「21」であるが、これがシェルで半減されて「10」となる。
――さて、FF5のダメージ計算式は、「([威力値
× 1〜1.125] - 防御値) × 倍率」という感じなことが多い。よって、最後の“倍率”が「10」である以上、それまでの計算結果が幾つになろうとも(途中の小数点以下は全て切り捨て)、与ダメージの下1桁は必ず「0」となり、そこからはもう、HP下1桁が変化することは無い。つまり、シェル状態となる敵に「天地崩壊」のみを繰り返すと、最終的に必ず、“最大火力の70%”という、悪くないところでダメージが安定することになる。
そして!
敵がシェル状態にならない場合について考えてみると、上記のループは、“3〜30の間の3の倍数で、下1桁が0の数値”…つまり、「30」で安定することになる。よって、「天地崩壊」のみを繰り返していると、最終的に、必ず最大火力で安定をするようになるのだ。
…さて、この性質を持つ1桁の自然数は、3の次は7である。もし、最大倍率が「70」などとなる場合、威力値のほうが低く調整されることは明白で、敵防御力の影響を受けやすくなってしまうだろう。また、今回のように相手がシェルとなる場合、21→10、つまり全開時の30%でパターンに入ってしまう。逆に、3の前の「1」だと、シェルの時に10倍となる数字が存在せず、固定パターンを作れない。よって、事実上、「3」が最善の値である。
――いっぽうの、天地崩壊の「250」という威力値のほうも、アポロンのハープなどの75×8など、掛け算を行うものを除けば、255(「ギガフレア」など)が最大であり、天地崩壊の250は、それに近い値であると言える。「天地崩壊」は、最強になるべくして最強となった技なのだ。
やれ。私は、最初に予言士のジョブ紹介をした時点で、“天地崩壊をものまねしつづける作戦”を、有効活用法として書いていた(【第22話】)。が、その際には、パッと思いついた使用法を書いたのみであり、まさかそれに、ここまで深い背景があるとは、全く考えていなかった。まさしく、“超級者向けのジョブ”という当時の説明に、何ら偽りなしというものである。
――さて、今回は、無属性で敵のみを攻撃する「天地崩壊」を使っていったが、「よげん」で発動する技の中には、属性攻撃も数多く存在するため、それで弱点属性を突いていくことにより、天地崩壊を凌駕する威力となる場合も存在する(予言技には、属性強化は乗らない)。味方側への被害も、属性防御で無理なく防げるパターンも多いだろう。そして、「ものまね」で連発する以外の有意義な使用パターンや、最大火力に素早く持ち込むための敵HP調整など、まだまだ様々な応用・派生が考えられるはずだ。さすが、FF5は数学と言われるわけだよ…(※言われていない)。
◆動画◆
やっぱすげえよガリは |
次は、FF4低レベルプレイでのガリがごとく、「ジャンプ」によって、敵の攻撃を避け続けていく作戦である。
…さて、「ジャンプ」は、FFシリーズでお馴染みの、空中に飛び上がって一定時間無敵となりつつ、相手に攻撃を仕掛ける技である。ジャンプ中は、ごくごく僅かな例外を除いて、相手の攻撃を受けなくなる。よって、敵にダメージを与える手段というよりも、回避能力のほうが注目されることが多い。特に、FF4の低レベルプレイにおいて、唯一と言っても良いくらいの壁となるラスボス戦では、必殺技の「ビッグバーン」を、ガリことカインが、「ジャンプ」でひたすら避け続ける作戦が有名である。
――しかし、そんな前作での華々しい活躍に反して、FF5の「ジャンプ」は、意外なほどに影が薄い。何故なら、同じくFF4を初出とする「かくれる」のほうも、FF5に登場しており、そちらのほうが遥かに小回りが効くからである。ちなみに、FF4の「かくれる」は、序盤に加入するギルバートのオリジナルコマンドである。その間に登場するボスは、アントリオンとマザーボムだけであり、せいぜいマザーボムの爆発を回避する手段というくらいにしか使えなかった(難易度の上がったDS版では重要な戦法らしい…)。しかし、GBA版/PSP版では、ラスダン突入時点にてメンバーチェンジが可能となり、予想通り、「かくれる」のほうが有用となってしまって、「ジャンプ」の活躍は鳴りを潜めてしまう。そんなガリは、FF5次元でも、やっぱりガリなのか…??
しかし、この神竜戦においては、実は、ジャンプのほうが優れていると言える理由が、いくつも存在する。
…まず、神竜からは、逃げることができる。これにより、「盗む」のアイテム稼ぎに使えるという固有のメリットも存在するのだが、「かくれる」には、生存しているのが隠れているキャラだけになると、逃走扱いになってしまうという性質がある(逃げられない戦いではそのまま)。よって、逃走可能な神竜戦では、「かくれる」で耐える作戦は使用不可能なのだ。いっぽう、「ジャンプ」の場合は、生存キャラが自分だけとなってしまっても、跳躍してどこかに逃げてしまう…などというデメリットが発生することは無い。
――更に。「ジャンプ」だと、竜退治で有名な「飛竜の槍」を有効活用できるという利点も出てくる。まず、槍タイプの武器は、「ジャンプ」コマンドを選んだ場合の与ダメージが、同攻撃力の他武器に対して、2.0倍になる。さらに、「飛竜の槍」の場合は、竜特効の能力のほうも引き続き有効である。例えば、ほぼ同じ攻撃力の「雨の叢雲」とジャンプ時の火力を比べてみた場合、雨の叢雲は攻撃力「117」から神竜の物理防御力「60」を引き、物理倍率の「2」を掛けて、約130といったダメージになった。いっぽう、飛竜の槍は、攻撃力119に、「確定クリティカルで2倍かつ防御力無視」「更にジャンプ2.0倍補正」が乗り、そこに物理倍率の「2」を掛けるので、約1000と、大きなダメージを与えられる。
そういうわけで、この神竜戦では、「ジャンプ」を使うことのメリットが、数多く存在するのだ。これはもう、ジャンプをテーマとして、戦ってやるしかないというものであろう。ガリに、ガリ(※寿司屋などで見る、ショウガを薄く切って酢に漬けた、黄色い漬物)だけでなく、ちゃんとお寿司を注文させてやるのだ。
というわけで。まず、各種の数値的な整理をしておこう。神竜の素早さは「87」であり、FF5では「120
- 素早さ」が行動ごとの待機時間となるため、神竜のターンは33カウントごとに回ってくる…という前提が既に不安定であり、FF5では敵側の素早さがランダムで±1されることがあるため、実際の待機時間は32〜34(32,33,34)となる。これにスロウを掛けると、待機時間は64〜68(64,66,68)、ヘイストだと16〜17となる。
…そして、味方側の時間性能については、ジャンプの“飛び上がるまでの待機時間”は「10」、“落ちてくるまでの待機時間”は「80」で、それぞれスロウ・ヘイストの効果を受ける。素早さについては同じだ(ただし、装備品の重さが「8」ごとに、素早さを-1する)。よって、ヘイスト状態を前提とすると、ジャンプによる合計時間は「45」である。よって、ゲージを溜める時間が「21」…つまり味方側の素早さが「78」であれば、敵味方の時間関係が一致する(45+21 = 66)。そして、その際に、ジャンプで空中に居る間に敵の攻撃が発動するようにすれば、毎回ジャンプで敵の攻撃を避けられるようになるのだ。
――しかしながら。味方側の素早さ最大値は、GBA版追加装備なしで「58」(シーフをマスターしたクルル素早さ44で、チキンナイフ[+5]
/ マンイーター等[+2] / リボン[+5] / 黒装束等[+1] /
エルフのマント等[+1])、追加装備を入れても「59」である(「影縫い」が片手装備で素早さ+3を持っている)。一応、旧ピでのチキンナイフ2本取りを考慮に入れて良ければ「61」が可能だが、どの場合にせよ、78には遠く及ばない。もちろん、利便性を求めて、アクセサリ欄を「エルメスの靴」などにした場合、更に素早さの数値は落ちてしまう。
というわけで。素早さ「78」に到達するためには、「素早さの歌」によるドーピングが必須となる。素早さの歌の性能は、コマンドを選択すると、物理攻撃などによって中断されるまで歌い続け、「30」カウントごとに、味方全員の素早さを「+1」する。このドーピング速度は、歌手がヘイストなら倍速となり、「15」カウントごとに素早さがアップする。
…しかし、ただ闇雲に素早くすれば良いというわけではなく、あくまで「78」に調整をしなければならない。味方に歌うのをやめさせる手段だが、敵の全体攻撃で一斉に戦闘不能となるのが良いだろう。狙ったのは、4ターンルーチンの中で2ターン目…つまり開幕から4ターン目である。ここでの行動は、「アトミックレイ
/ 吹雪 / 稲妻」であり、「吹雪」なら確実に、「稲妻」も前ターンのミールストームで瀕死化していれば戦闘不能になれる。逆に、敵3ターン目(ルーチン1ターン目)は、「たたかう /
ミールストーム / 死のルーレット」であり、ミラージュベストで分身を貼っていれば、絶対に死ぬ心配は無い。
――では、このパターンを、時間的に掘り下げてみよう。神竜の4ターン目が来る時刻は、「まさむね」で先手を取って(神竜1ターン目の
t=33に先行して、t=32に行動できる)、「スロウキャノン」でスロウ化をした場合、t=232で、敵4ターン目となる。また、まさむね装備以外のキャラだが、素早さを全員「50」とした場合、t=70で1ターン目が回ってくる(「タイダルウエイブ」に耐えるため、エルメスの靴ではなく、「珊瑚の指輪」を装備している)。その3人のうち、ジャンプ要員以外で最も早く行動できるキャラが「ヘイスガ」を使い、あとはターンが来た順に「素早さの歌」を、それぞれタイムリミットまで歌い始める。すると、1人目は
t=70〜232(162カウント)、2人目は t=89〜232(144カウント)、ラスト1人も t=105〜232(127カウント)の間、「素早さの歌」を使用可能であり、素早さの上昇値は10+9+8 = +27となる。よって、ジャンプ要員の元々の素早さを「51」とすれば、見事、狙った「78」へと持っていくことができるのだ。もちろん、更に細かな調整は必要だろうが…なんか、これは行けそうな気がする!
そういうわけで戦っていったのだが、予想に反して、この戦法は穴だらけである。
…まず、素早さの歌を止める手段を、敵の攻撃に頼っているというのがマズい。敵4ターン目の行動は、「アトミックレイ
/ 吹雪 / 稲妻」であり、前ターンのミールストームは外れることも多いので、基本的には「吹雪」を期待することになるが、それだけで成功率は1/3となってしまう。さらに、「スロウキャノン」のスロウ成功率(75%)と掛け合わせると、合計確率は1/4だ。通常のやり込みプレイなら、むしろ高いくらいの数値だが、私は、FF5の魅力は「戦略を練った上での完封」だと思っており、4分の1というのは、なかなか苦しく感じてしまう。
――そして、決定的にマズいのが、敵の素早さがランダムで-1
〜 +1の範囲で変動するため、固定パターンを作っても安定しないということである。「飛竜の槍」で低レベルキャラが二刀流ジャンプをした場合のダメージは、1000×2と言ったところだが、すぐに「マイティガード」で半減され、500×2程度になってしまう。敵HPは55500であり、50回くらいはジャンプを当てなければならないため、1ポイントでも素早さ調整が合わなければ、ほとんどの場合は、早く落ちてきたり、逆にジャンプが間に合わなかったりして、アウトとなってしまうのだ。
そんな感じで。素早さを「78」に調整するという点までは良かったのだが、敵側素早さのランダム変動があるからか、とにかくまあ、安定しない。
…例えば、ジャンプ要員の素早さを「50」としていた際は、完全に同じ順番でコマンドを入力しているにもかかわらず、早すぎて失敗する(敵の行動の前に落ちてきてしまう)と、遅すぎて失敗する(ジャンプで飛び立つ前に相手の技が発動する)の、どちらのパターンも起こっていたくらいである。敵の素早さ値が不明であること、そして「素早さの歌」でどれだけ上昇したかも分からず、それらが1ポイントでも変動すると、複雑な計算をやり直さなければならないことから、もはや何がなんだか分からなくなってきてしまったのだ。
――よって、最終的には、「適当にやって、それで勝てたらOK!」という感じの、何ともFF5らしくない戦い方となってしまった。もちろん、「素早さを78に調整して、ジャンプで敵の攻撃を避け続ける」という部分は変わっていないのだが、78ピッタリに調整したつもりでも上手くいかないこともあるし、そもそも78に合わせられたか確認する手段も無い。「素早さ78くらいでジャンプをし続ければ、勝てることもある」としかできなかったのである。
ちなみに。実際の戦闘パターンは、まあ、この後に掲載する動画を確認してほしいのだが、簡単に書くと、ジャンプ要員のクルルの素早さを49とし、バッツ[素早さ46]が「まさむね」要員となってスロウ化、ファリス[48]がヘイスガ要員、レナ[47]は初ターンから素早さの歌である。この場合、敵素早さが「87」であれば、レナが歌えるのは160カウントで素早さ+10、バッツは144カウントで+9、ファリスは125カウントで+8であり、最終的にクルルの素早さは「76」となる。これでは、明らかに遅すぎであり、恐らく成功しないだろう。
…逆に、神竜の素早さが+1にブレて「88」だった場合、レナは152カウントで+10、バッツは137カウントで+9、ファリスは117カウントで+7となり、クルルの素早さは「75」で、やはり成功しない。
――最後に、神竜の素早さが-1で「86」だった場合、レナ167カウントで+11、バッツ151カウントで+10、ファリス132カウントで+8となり、計+29でクルルの素早さは「78」となる。もっとも、この場合は、神竜の行動ごとの待機時間は「68」、一方で、クルルのゲージ溜め+ジャンプ前+ジャンプ中の合計時間は、21+5+40=「66」となるため、早すぎてアウトとなるはず…なのだが、実際には素早さ49で2回成功しているので、謎の2カウントの遅延がどこかで発生し、敵味方の行動ペースが完全に一致してくれたのだろう。ちなみに、勝てた2回は、途中から、ジャンプでの落下直後に、“誰かにターンが回ってきた際”のように、ゲージが少しだけ止まってから、再び時間が動き始めていた。失敗時には、この現象は一度も起こらなかったので、この落下直後の時間静止時に何かが起こっていると思う。だが、私もFF5プログラムの仕様をそこまで理解しているわけではないので、もはや良く分からない。
とまあ、こんな感じで、勝った後から振り返ってみても意味不明な物質となっており、これを全て最初から完璧に組んでいくというのは無理である。現在時刻や、敵味方の素早さ値、次の行動までのカウントといった、1ポイント単位で重要となるデーターが画面上に表示されていない以上、もはや、試してみて上手くいったものに、後から理由付けをするしかないのだ。いやあ、この「敵の素早さがランダムで-1
〜 +1される」という性質が、ここまで厄介だとは思わなかった。FF5のシステムなら、完全固定のほうが良かっただろうに…。
――なにはともあれ。クルルの素早さを「49」とし、敵味方にスロウ&ヘイストを掛けてから「素早さの歌」を歌い始め、敵4ターン目の「吹雪」で全滅をするようにすれば、以降は、ジャンプを連打しているだけで、敵の攻撃を全て避けつつ倒せることもあるというのが分かった。もちろん、当初は「素早さを78に調整する」という、いかにも完璧そうな戦法を立てたつもりだったが、そこに、「歌を止める手段が敵の行動任せである」「敵の素早さのランダム変動によって、味方側が完全に同じ行動をしても失敗しうる」「成功時も、結局のところ、敵味方の行動関係がどうなっていたかハッキリしない」などと、かなり傷が付いてしまった。しかし、「ジャンプで相手の攻撃を避け続けて、一方的に倒す」という当初の目的は達成できたので、何とか戦法としては成り立たせられたと思う。では、ガリの気持ちになって、寿司屋でガリ以外の注文をしてみましょう。お茶で。
◆動画◆
「は?
誰おまえ?」みたいなものが役立つのは、やりこみプレイの面白さの一つ |
FF5では、敵側のバーサクを解除した際に、ATBゲージがリセットされる(味方側は、発動時と解除時の両方。他、バーサーカーのジョブに就いた場合と、他ジョブにサポートアビリティ「バーサク」を付けた場合は、またそれぞれで動作が異なる)。よって、敵よりも2倍以上早いキャラが、「バーサク発生」→「解除」を繰り返せば、それだけで相手は何の行動もできなくなる。この方式を使い、神竜を完封で倒してみることにした。
…まず、やり方としては、「バーサク発生」と「バーサク解除」を2キャラで分担し、さらに「MP回復」を専門で行うキャラを用意しても、まだ1人が余るため、その1人に攻撃をさせるというのが最も楽であろう。ただ、パターンが複雑になってしまうことが予想されたため、せっかくだからということで、低レベルキャラ1人での完封を行っていくことにした。
さて。神竜は、素早さが「87」であり、33カウントごとにターンが回ってくる。これを2倍速で上回るというのはさすがに無理である。ただ、敵味方にスロウ&ヘイストを掛け、さらに装備品によって素早さを50台後半…具体的には、「57」あれば、敵素早さ±1の変動分を考慮に入れても、確実な倍速行動が可能となる。そういうわけで、またしても1ポイント単位の素早さが重要となる戦いのため、バーサク化&解除要員は、最速のクルルで確定である。
…では、具体的な戦い方を考えていこう。まず、敵をバーサク状態にするためには、白魔法「バーサク」を使うのが手っ取り早い。しかし、バーサクの消費MPは「8」であり、通常プレイでは屁でも無いが、クルルLv1のMPは「5」であり、1回も唱えられない。「金の髪飾り」は、要求される素早さ:「57」が味方側の限界値に近いため、そもそも枠が無く装備できないのだが、仮に消費MPを半減したところで、やはり1回のバーサクで力尽きる。
――次に、「力の杖」ならば、「たたかう」の追加効果で99%の確率でバーサクが発動するのだが、入手手段が経験値持ちのモンスターである「暗黒魔道士」のレアドロップのみであり、低レベルプレイでは使用不可能である(2023年4月に発売したPS4/スイッチ版の「ピ」では、入手経験値0倍のブースト機能が存在するため、力の杖と、ルーンのベルも入手可能である)。
そういうわけで。使用するのは、「バッカスの酒」である。シリーズお馴染みの、バーサク状態に関連するアイテムであるが、FF5では、亀の甲羅+聖水で発動する「ちょうごう」の技として登場する。バーサク状態にする調合技というと、耐性を原則無視する「祝福のキッス」(バージョンによって耐性の無視具合が微妙に異なる)が圧倒的に有名であり、素材も「乙女のキッス+聖水」と、別にレア物を使うわけではない。ただ、祝福のキッスに付いてくる「ヘイスト」の効果は、今回の戦術では致命的となるため、その効果の無いバッカスの酒のほうを使用していくのだ。一応、消耗品を使うことになり、完全な無限ループは作れないのだが、亀の甲羅も聖水も99個集められるため、さすがに問題は無いだろう。
…ちなみに。バッカスの酒の素材が「亀の甲羅+聖水」というのは、何の関連性も無い組み合わせと思うかもしれないが、日本酒の世界には、「亀」に関連する名前が付いているものがある。例えば、「亀口」という酒は、どうも酒造りに使う容器の一部から取られた特殊な酒、つまり亀の口より生まれし酒である。また、ウミガメを捕まえた際には、酒を飲ませてから海に返すという、漁師たちの伝承もあるらしい。さらに、すっぽん酒など、動物としての亀自体を使用した酒も、珍味として存在する。そういうわけで、「亀の甲羅+聖水」という調合素材は、これらのようなイメージを反映したものと思われる。
ということで。バーサク状態にする方法は「ちょうごう:バッカスの酒」で決まった。次は、バーサクを解除する方法である。
…さて、敵ステータスを解除する手段としては、魔法「ディスペル」が基本である。これも消費MPが「12」と、低レベルプレイの水準としては高いのだが、「裁きの杖」をアイテム使用すれば、何度でも「ディスペル」を発動できるので、問題…あるのだ。まず、FF5では、アイテム使用をするためにはそのアイテムを装備せねばならないのだが、今回は武器枠までフル活用しての素早さ確保が必要であり、裁きの杖を装備する余裕が無い。
――そして、それよりも重要なのが、ディスペルを使うとスロウ状態も解除してしまうということである。素早さ「87」を誇る神竜に対して倍速行動を確保するためには、敵味方のスロウ&ヘイスト状態が絶対に必要であり、スロウを解除してしまうとその瞬間に終わる。よって、発動手段が何であろうと、「ディスペル」でバーサクを解除する手は採用不能ということになるのだ。
では、他の手段に目を向けてみると、調合には「万能薬(フェニックスの尾+亀の甲羅)」が存在する。これなら行ける!
と思ったが、残念ながらこちらもスロウを解除してしまうためアウトである。
…さて、万事休すかと思ったが、そこで私は、「気付け薬(毒消し+目薬)」というものが存在することに目を付けた。気付け薬は、老化・睡眠・麻痺・混乱・バーサク・沈黙を回復できる。よく分からないラインナップだが、意外なことに、FF5には「やまびこ草(やまびこえんまく)」が無いため、気付け薬で直せる物には、“通常アイテムでは治療できないステータス異常”という共通点があるようだ。
――まあ、バーサク以外はエスナで回復できるため、「気付け薬」が注目されることは少ないのだが、今回の戦法だと、念願の「バーサクを解除するが、スロウ状態はそのまま」という手段である。しかも、バーサク化手段と同じく、「ちょうごう」で使えるというのも、無駄が少なくて良い。
というわけで。戦い方としては、クルルの装備を「チキンナイフ
/ マンイーター / リボン / 黒装束 /
エルメスの靴」として、素早さを「57」にし、開幕からヘイスト状態になっておく。すると、ギリギリであるが、神竜に対して素での先手を取れるため、「ごうせい:スロウキャノン」を使い、相手にスロウを掛ける。開幕から先手が取れるというのは、つまり、スロウ状態にすれば、2倍速で行動できるということだ。
――そして、敵1ターン目の「何もしない」を挟み、あとは、調合で「バッカスの酒」と「気付け薬」を交互に使えば良い。相手は、ゲージが溜まり切る前に、バーサク解除によってゲージがリセットされるため、以降はずっと行動不能になるのだ。
さて、この時点で、もう勝利は確定であり、(99ループ以内で倒せるのなら、)あとの3人は、何をしても良い。そこで今回は、3人ともをバーサーカーとし、3つの竜特効武器である「竜の髭」「飛竜の槍」「アポロンのハープ」を比較してみることにした。バーサーカーには、サポートアビリティ枠があるため、そこに「鞭装備」「槍装備」「竪琴装備」を付けていくのだ。担当は、それぞれ、竜の髭がバッツ、飛竜の槍がファリス、アポロンのハープがレナである。
――すると、ダメージは、竜の髭が約500(ミスあり)、飛竜の槍が約1000(ミスあり)、アポロンのハープが約2400(ミスなし)となった。これだけ見ると、アポロンのハープが圧勝であるが、レベルが上がると物理攻撃のほうがダメージが伸びやすいこと、飛竜の槍は片手武器であり「両手持ち」とコンボができること、アポロンのハープは両手を埋めるうえにバーサクでは威力が上がらず「みだれうち」とのコンボもできないことなどから、飛竜の槍とアポロンのハープで使い分けが重要であると思われる。竜の髭は…まあ、うん、生きよう。
そんなわけで。見た目上は、神竜に何も行動をさせず、倒すことに成功した。
…さて、「見た目上は」などと書いたのは、内部的には、神竜1ターン目の「何もしない」を使われているからである。ただ、これを防ぐとなると、素早さを大幅に高めたバーサク役&解除役を2名用意する必要があり、パターンが大幅に複雑となることが予想されるうえ、恐らく神竜側の素早さが下ぶれすることも必要となるため、戦略的な美しさに欠けてしまう。
――あと、見た目的には「何もしない」であるため何も起こらないし、そもそも成功したのか失敗したのかもよく分からない。というわけで、何もしないをさせている(?)というのは大目に見てもらって、これにて、“バーサク即解除による完封作戦”ということにさせていただこう。
◆動画◆
決め打ちすれば使えそうなのも幾つかあるな |
ラストである。本来、アルテ
ロイテと同じく、全6戦で終えようと思っていたのだが、ゲームを少し進めて、本編ラスボスから「ワンダーワンド」「ラグナロク」を盗んでいたところ(GBA版と旧スマホ版では、ラスボス撃破後にセーブ可能なため、これらのアイテムを個数制限なく入手できる)、このワンダーワンドを何とかして使えないかと考えるに至ったのだ。
…ちなみに、神竜、そしてオメガは、その後にゲームを進めたデーターでも、倒さずに残している。神竜の撃破報酬である「ラグナロク」は、前述の通り、ラスボス戦で盗めるので、問題ない。また、オメガについては、報酬は称号アイテムの「オメガの勲章」のみである(神竜も、「竜の紋章」という称号アイテムを持っている)。この2体を倒すことにより、更に何かの要素に派生するということもない。そういうわけで、あえて倒さずに残しておき、何か思いつく度に、この2体へと挑ませていただくことにしよう。ちなみに、オメガ改・神竜改のほうは、それぞれフォースシールド・アルテマウェポンという装備を落とすため、こちらの扱いには、少し気を付けていかなければならない。
さて。話をワンダーワンドに戻そう。この杖を装備して「たたかう」を使うと、打撃の代わりに、魔法が発動する。出るのは、白魔法が「ケアル」から順にリストの左上から右下へ(ただし、「ライブラ」は除かれる)、そしてその後、黒魔法が「ファイア」から順に左上から右下へ、そして黒魔法最後の「アスピル」まで発動したら、再びケアルに戻り、以降繰り返しである。なお、複数のワンダーワンドを使用した場合、「どこまで魔法を使ったか」という回数は、共有される(1本ごとに「ケアル」から始まるわけではない)。
…さて、このワンダーワンドは、通常プレイでの使い道は全く無い。魔法は、「たたかう」を使った相手に対して発動するため、普通に使うと、初っ端から「ケアル」を敵側に掛けてしまい、この時点でまず間違いなく無能判定が為される。また、魔法のランプにおける確定斬鉄剣のような追加効果も無いため、普通に白魔法・黒魔法から使いたい魔法を選べば事足りる。最速入手はフォークタワーということで、未入手の魔法を早期に唱えるという使用法も無い(一応、フレア&ホーリーを、フォークタワーのボス撃破前から使えるという超ピンポイントなメリットもあるが…)。
――ただ、もちろん、ご覧のゲームはFF5ということで、この武器にも使い道は存在する。召喚獣ほどでは無いものの、1回で戦況を一変させる魔法というのは存在するので、「魔法のランプ」のようにあらかじめ調整をしておき、決め打ちをするという方法が可能である。また、「たたかう」で魔法が発動することに注目し、バーサーカー縛りで、敵側に「バーサク」「ディスペル」を使うことに使用可能だ。その他、ジョブチェンジ・ショップ利用・ABP獲得などを制限したプレイで、魔法の購入や魔法コマンドのセットなどを自由に行えない場合、ワンダーワンドの出番も出てくるだろう。
その他、ワンダーワンドをアイテム使用すると、「リターン」が発動し、こちらもレア盗みをやり直したい時などに役立ってくれる。ちなみに、使うと壊れるのだが、「リターン」によってバトルが開幕に戻るため、通常はそのデメリットを気にする必要は無い。しかし、特殊な状況を作り上げると、壊すことも可能であり、前にネクロフォビア戦で名前を出した、FF5検証のYOUA氏によって、【ワンダーワンドの壊し方
#1】などとシリーズ化が為されていたりする。もちろん、激レアアイテムなので、壊してしまってもその後のメリットは全く無いのだが、だからこそ、壊すこと自体に意味がある!
そして。もう上で名前を挙げたが、今回バトルにてワンダーワンドで発動させるのは、「バーサク」である。「1回で戦況を一変させる魔法」の最たるものであり、これだけで、多彩な技が脅威だった神竜を、単なる脳筋モンスターへと変えられる。
…しかしながら。ただワンダーワンドを振るっているだけでは、神竜に勝つことはできない。というのも、「バーサク」の後は、「アレイズ →
ホーリー → ディスペル」と魔法が発動し、アレイズはともかくとして、ホーリーでは聖吸収によってHPを回復され、そして極めつけに、ディスペルによって、せっかく掛けたバーサクが解除されてしまい、普通に終わる。そのため、低レベルバーサーカー1人では無理であり、最低でも2人を用意して、「ワンダーワンド」を装備したキャラは、バーサクの使用後に、すぐさまバトルから退場しなければならない。
そういうわけで。今回は、レナ&クルルの、Lv1バーサーカー2人を使っていくことにした。まず、残念ながら、バーサーカーの行動速度では、開幕「タイダルウエイブ」に先行できない(エルメスの靴を付けていても同じ)ため、アクセサリは「珊瑚の指輪」とする。次に、クルルに「ワンダーワンド」を装備させ、あらかじめ調整しておいたうえで、相手に「バーサク」を掛ける。そして、その後については、ディスペル発動前に戦闘から取り除く必要があるため、「いばらの冠」のスリップダメージで戦闘不能となってもらう予定であったが、実際には、普通に殴られて死んでくれるようだ。
…そして、レナのほうは、いつもの、源氏の小手&小人で打撃に対して無敵となり、ファイアビュートの追加効果ファイガによってダメージを与えていく。1つしかないアビリティ枠が「鞭装備」で固定になるうえ、バーサーカーは特に素早さの低いジョブであり、エルメスの靴が無いため行動効率も劣悪ということで、かなりの時間が掛かるが、例によって死ぬことは無いので、あとは放置で見ておけば良い。
――そんな感じで。実戦では、約2時間40分での撃破に成功した。なお、やっていることは、結局のところ、「バーサクを掛けて、源氏の盾&小人の盾で守りつつ、ファイアビュートの追加効果ファイガで攻撃」というものであり、今回1番目の作戦とほぼ同じである。ただ、あちらが「低レベルキャラ1人で、コマンドを1回入力」ということに対し、こちらは「低レベルキャラ2名だが、コマンド入力は0回」であるため、いい感じに区別できたように思う。
ちなみに、クリア後にネットで検索をしたところ、【先駆者兄貴の、ほぼ同じ戦法が存在した】ということに気が付いた。そちらでは、約1時間での撃破と書かれている。これは、ファリスLv4とレナLv1の火力差(1.25倍)を考慮しても差が付きすぎであり、乱数的な意味で、悪いパターンにハマってしまっていたのかもしれない。まあ、体感として、明らかにファイガの発動率は1/3では無かったな…。
そして、おまけである。これまで私は、「源氏の盾+小人」の回避率100作戦について、「私は当たったことが無い」と書いてきたが、この戦法を試している最中に、なんと普通に打撃が当たった(9999ダメージでレナが死亡して終了)。
…というわけで、その保険として、撃破時にはミラージュベストによる分身を用意していったのだが、今度は2時間40分のバトルで、一度も打撃が命中することは無かった。これまでのバトルと組み合わせて考えると、乱数のハマりで相当悪いパターンを引いたか、またはすっぴん&ものまね師の場合、「しらはどり」(侍のジョブ特性、打撃を25%の確率で回避)と組み合わせると、乱数表の都合上、絶対に当たらなくなる…などということがあるのかもしれない。
また、更なるおまけとして、ワンダーワンドと、今回2番目に紹介したゾンビビュート作戦(1人が隠れ、ゾンビ+リフレクトリングの味方が、ひたすら魔法を反射させる)を組み合わせて、そちらでも神竜を倒せないか試してみた。すると、既に調整していたことを忘れており、バーサクがリフレクトリングに跳ね返されて、相手側に掛かってくれた。そして、その後のディスペルは、リフレクによって反射されず、ゾンビ自身に当たるため、バーサク状態を維持できる。これは予想外のことだったのだが、敵側の「マイティガード」を封じられるため、嬉しい誤算である。
…その後、敵の魔法防御力により、「ファイア」などの初等魔法はもちろん、ラ系魔法ですら0ダメージに抑えられてしまうのだが、バイオ
→ ガ系魔法 → フレアでは、悪くないダメージを連発できる。
さらに、その後は、少しして白魔法に戻るのだが、「ケアル」などの回復量は極小であり、5つの攻撃魔法によって与えるダメージのほうが遥かに上回るため、問題は無い。やったか!?
決勝で会おう!
ところがどっこい。その後は、まず、プロテスとシェルをリフレクで跳ね返して、神竜側へと掛けてしまう。せっかくバーサクにしてマイティガードを封じたというのに、これは勿体ない。例によってディスペルはゾンビ自身に当たるため、掛けたら最後、解除できる見込みもない。
…そして、決定的に駄目だったのが、「ケアルガ」を反射させてしまったことだ。緑色の文字が出なかったので、嫌な予感がして調べてみたところ、FF5のケアルガは、単体に掛けた場合、HPを全回復するという効果になるようだ。よって、いくら攻撃を加えたところで、毎回必ずルーチンで「ケアルガ」を使ってしまうため、これでは決して勝つことができない。神竜のHPは55500であり、敵の魔法防御力60を超えられる魔法は、前述の5つだけのため、たとえその全てが9999ダメージとなろうと、理論上も撃破は不可能である。
――そんなわけで。残念ながら、ゾンビビュート作戦のワンダーワンド版は、「ケアルガ」の存在により、利用不可能ということになった。まあ、有効活用が可能だったら、今ごろ、ゾンビビュート作戦ならぬゾンビワンワン作戦のほうが有名となっていただろうからなあ…。
◆動画◆
このクラスの強敵が、この先に何体も存在する… |
というわけで、FF5における裏ボスの一角である神竜については、7つの方法で倒すことができた。
…まあ、文章の長さはいつも通りであるが、今回は動画も1戦1戦で分けたため、結果として、尋常ではないボリュームとなり、編集する側も大変であった。しかし、伝説的な強敵を取り扱うのだから、これくらいしっかりやらないと、失礼というものである。
――そして次は、もちろん、もう一つの裏ボスである「オメガ」だ。高火力だった神竜とは異なり、極限の防御能力と高度なカウンター性能を持つ、神竜に勝るとも劣らない強敵であり、こちらもファンの間では30年来の語り草となっている。もちろん、オメガ様も、今回のように、複数パートに分けて、じっくり攻略をしていくつもりだ。つる先生の次回作にご期待ください!!
(2023年6月3日) 5093 PV
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