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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
めっちゃ早口で言ってそう |
前回のオメガ改に引き続きの裏ボス戦である。今回は、「エヌオー」と戦っていくことにしよう。
…さて、エヌオーは、原作のFF5では、設定だけが存在した相手である。1000年前に、『無』の力によって世界を手に入れようと暗躍したが、伝説の12武器の勇者たちによって倒され、最後は自分自身が『無』に飲み込まれ、消えていった。
――しかしながら、GBA版においては、実は生存していたという扱いになり、「封印の神殿」の最深部で出会うことができる。なお、こんなところに居た理由であるが、恐らく、同じく封印の神殿に留まっていた“伝説の12武器の勇者”の残留思念的なアレによって、閉じ込められていたのであろう。
というわけで。エヌオーは、原作時点でエクスデスのパイセンという雰囲気であり、存在感のあるキャラだった。むしろ、オリジナル版から、裏ボスとして登場してもおかしくなかったくらいであり、GBA版での復活は、ファン待望と言える。
――ちなみに、FF4アドバンスの「ゼロムス:EG」は、イージータイプの本編ラスボスデザインの復刻であり、FF6アドバンスの「カイザードラゴン」も、原作の時点で没モンスターとしてデーターが収録されている。アドバンス版3部作の裏ボスは、全て原作をリスペクトした相手なのである。このように、FFシリーズの移植が、原作愛に溢れていた時代もあったのさ…。
ところで。エヌオーのデザインは、原作の時点では存在しなかったため、GBA版にて新規に、野村哲也によって書き下ろされた。氏は、FF7以降のキャラクターデザインで有名であるが、FF5の時点でドット絵氏として参戦しており、ジョジョ立ち系モンスターを多く担当してくれている。
――やれ、「原作スタッフのドット絵」と聞くと、私としては虫唾が走るのだが、このエヌオーについては、そんな心配は無用である。エクスデスやネオエクスデスのモチーフを取り入れつつ、“異形と化した魔道士”という設定に合致したデザインであり、FF5の世界観に上手く溶け込んでいる。ネオエクスデスを超える強敵としてのオーラもバッチリであり、追加ボスのお手本といえるくらいの良デザインだ。もう、ぜんぶ野村哲也でいいよ…。
『無』の王を名乗るだけあって、無属性攻撃も多数持つ |
ではでは、もはやお馴染みとなった、エヌオーの詳細データーについて、記しておくことにしよう。まず言っておくが、コイツは強い!
◆表:各防御手段で攻撃を防げるか否か (◯…防げる ×…防げない Fシールド:フォースシールド) |
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Fシールド | リフレク | MP切れ | イージスの盾 | |
ファイガ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブリザガ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
サンダガ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
バイオ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
エアロガ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
アクアブレス | × | × | ◯ | × |
メテオ | × | × | ◯ | × |
フレア | × | ◯ | ◯ | × |
ホーリー | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
メルトダウン | ◯ ※1 | × | ◯ | ◯ |
ディープフリーズ | ◯ ※1 | × | ◯ | ◯ |
ドレインタッチ | × | × | ◯ | ◯ |
Fシールド | リフレク | MP切れ | イージスの盾 | |
アスピル | × | × | × | ◯? |
グラビガ | × | ◯ | × | ◯? |
ホワイトホール | × | × | ※2 | ◯ |
グランドクロス | × | × | × | × |
ギガフレア | × | × | × | × |
アルマゲスト | ◯ | × | ◯ | ◯ |
ディメンションゼロ | × | × | × | × |
デルタアタック | × | ◯ | ◯ | ◯ |
レベル3フレア | × | ◯ ※3 | ◯ | × |
レベル4グラビガ | × | ◯ ※3 | ◯ | × |
レベル5デス | × | ◯ ※3 | ◯ | × |
死神のつるぎ | ※4 | × | × | ※5 |
死者の踊り | × | × | × | × |
Fシールド | リフレク | MP切れ | イージスの盾 |
※1 属性部分を無効化しても追加効果は受ける。 ※2 第1形態の「ホワイトホール」はダミー(杖)の使用なので、本体のMP切れでは止められない。 ※2 第2形態のホワイトホールは本体MP切れで止まる。 ※3 当初の対象のレベル値が合致しない場合でも反射でき、反射先のレベル値が合えば効果が発動する。 ※4 フォースシールドの物理回避率「10」と、その他の効果を適用した回避率になる。 ※5 回避率は1/3程度であり、イージスの盾の特殊回避は発動していないと思われる。 |
というわけで。さすが、裏ボスというだけあって、敵は多彩な攻撃を使ってくる。
…その中でも、とりわけ厄介なのが、無属性攻撃だ。さすが、『無』の王を名乗っているだけのことはある。「アクアブレス(※水属性ではなく無属性!)」「メテオ」「ドレインタッチ」など、多彩な無属性魔法を織り交ぜてくるため、全属性無効の「フォースシールド」を持っていたとしても、全く安心することはできない。また、属性持ち攻撃についても、「ファイガ」など、ただのガ系魔法で4000を与えてくる魔力を持つうえ、「アルマゲスト」や「グランドクロス」といった、オリジナル版ではネオエクスデスの専売特許だった必殺技も、当然のように使ってくる。
――また、第2形態のみが使ってくる、専用技の「ディメンションゼロ」は、約9999ダメージの物理攻撃である。特徴として、回避率が100%ではない手段の回避を無効化するというものがあり、盾や「しらはどり」「マインゴーシュ」などと言った手段での回避を、ことごとく鉄拳制裁してくれる。ただ、100%の回避ができる「分身」と「ゴーレム」は有効であるため、これらの手段を活用していくことになるだろう。懐かしの「まもり」でも0ダメージへ軽減でき、「かばう」の対象ともなるのだが、守ったキャラがスリップの追加効果を受けてしまうため、あまり良くないであろう。一方、通常プレイであれば、プロテス+後列で2500程度のダメージまで軽減できるため、実はそこまで脅威ではなかったりする。
また、エヌオー本体の強靭さは、既に述べた通りだが、第1形態では、2体のダミーとのコンビネーションも巧妙である。
…まず、「杖」のほうのダミーターゲットは、エヌオーの強化&バッツたちの弱体化を担当するのだが、エヌオーに対して、ヘイスト・プロテス・シェルという、邪悪そのもののステータスを掛けてしまう。FF5の場合、それぞれ「行動ペース2倍」or「ダメージ半減」という脅威の効果であり、放置した場合、悲惨なバトル展開となってしまうだろう。よって、必ずデスペルで解除する必要がある。
――また、「腕」のダミーは、非常にゆっくりとしたペースで、「グランドクロス」→「ギガフレア」という大技のみを使う。ギガフレアのダメージは、非シェルであっても2000程度と、少なめではある。ただ、ギガフレアには、かくれる&ジャンプ以外に、一切のダメージ回避手段が無い(リフレク、MP切れ、ミュート、イージスの盾、全て駄目である。基本威力が高いので、シェルを掛けてHP2倍で耐えることも不可能)。よって、低レベルにおいては、使われる=全滅の、超凶悪技である。これを、攻撃対象とならないダミーが使ってくるのだ。よって、エヌオー第1形態には、事実上の時間制限が存在すると言える。
さらに。2体のダミーは、こちらからのコマンド選択対象とはならないが、「みだれうち」やリフレク反射魔法のターゲットとしては選ばれうる。「みだれうち」は、言わずと知れたFF5の最強技であり、リフレク反射も、今回のような縛りプレイでは頻繁に使われる攻撃手段だ。これらの攻撃能力が、1/3に落とされてしまうのだ。この防御能力は、地味ではなく、派手に厄介な性質であると言えよう。
ウパーの進化系(F外失)のくせに… |
というわけで。そんなエヌオーと、今回は、5つの方針で戦っていこうと思う。
…やれ、これまで、神竜・オメガ・ネオエクスデスという本編の3大ボスについては、6つの戦法で戦った(神竜&オメガは、実質7つ)。また、追加ダンジョンの、グランエイビスやアルケオデーモンといった敵たちについては、さすがに6つだと多すぎということで、その半分の3つに絞って、攻略を行っていった。やれ、裏ダンジョンのボスたちは、どれもエクスデス軍とは比べ物にならない強敵であり、そんなに多くの撃破パターンを用意できるわけではない。そして、裏ダンジョン道中の相手ということを含めても、あまりに気合を入れすぎても疲れ果ててしまうため、「3」という設定は適切であったように思う。いや、3パターンでも十分に書くのがキツかったし、この2倍とか地獄でしょ…。
しかしながら、追加要素の中でも、目玉中の目玉と言える追加ダンジョンの3大裏ボスとなると、また話が異なってくる。まず、初陣を切ったオメガ改は、「原種オメガと自発的な行動パターンが同じ」という仕様があったとはいえ、5+3の8通りでの撃破、分割更新で10回という、激烈な長編になった。
…それに対して、エヌオーと神竜改が3回だと、かなりのボリューム不足感が存在する。しかし、では、それらの超々々々々強敵に対して、何個も何個も撃破パターンを生み出せるかというと、それもかなり怪しい。そこで私は、おぼろげながら浮かんできた「5」という数字に、こだわることにしたのだ。考えてみると、今作のナンバリングはFF「5」であるため、5つの撃破パターンを試してみるというのは、実に自然な考え方であるように思える。
――ちなみに、何故、神竜やオメガでは、「6」という中途半端な数字が出てきたかというと、本編3大裏ボスの少し前に登場した「アルテ
ロイテ」が、計6体居たことからである(【第24話】)。やれ、「同じボス敵に対して、異なる戦法で何度も戦ってみる」という、現在までのプレイ日誌の流れを作ったことといい、あのジジイたちは、今回プレイに少なくない貢献をしているのかも…。
レベルドーピングさえ使えば簡単と思うっしょ?
全然そんなこと無かった |
では、まず、初戦の戦法は、お馴染みの「4人で完封」である。ただし、同名シリーズにおいて、史上最高の構築難易度となった。
…やれ、エヌオー戦の攻略として、「竜の口付け」で竜タイプを付与してからの、「飛竜の槍」によるコンボ攻撃が、よく挙げられる。エヌオーは、第1形態・第2形態の両方において、全ての属性に弱点や耐性を持たない。また、ステータス異常としては、第1形態にはストップとスロウが有効であるが、ダミーターゲットの行動は封印できず、「ヘイスト」で妨害されてしまったりもする(スロウ状態の対象にヘイストを掛けると、相殺ではなく上書きされて、ヘイスト状態になる。また、ヘイスト状態では、ストップの持続時間が、半分の15カウントになる)ので、局所的な弱点にしかならない。また、第2形態は、全てのステータスを無効化する。最後に、敵は、魔法回避率が120と壊れているため、ハーデスやガーディアンのように、「黒の衝撃」→「レベル2オールド」と繋ぐことも不可能だ。よって、「竜の口付け」からの、竜特効装備の使用は、エヌオーの、唯一とも言える弱点なのである。
――だが、私は甘かった。社会の荒波を、甘く見すぎていた。エヌオーに対して、レベルドーピングと、「竜の口付けの使用」さえ解禁すれば、簡単に完封ができると思っていたのである。そんなことはとんでもない。これらの作戦をフル活用して、それでなお、史上最強と言えるような相手となったのだ。
そういうわけで。5連戦の初回となる今回では、「エヌオーを、そう簡単には完封できない理由」を、まず6パートに渡って紹介してみようと思う。
…やれ、これまた、「5」ではない中途半端な数値であるが、内容を考えて、どれも省略できそうになかった。というわけで、まずは、“エヌオーが強い理由”について、じっくり紹介していこうと思う。私も、戦ってみて初めて分かったのだが、さすが、伝説として語られるだけはあるものだ…。
攻めにも守りにも使えるダミーターゲット |
◆1 ダミーターゲットで攻撃が逸れる!
エヌオー第1形態は、本体の他に、コマンド選択対象とならないダミーターゲットを2つ持っている(杖・腕)。これらの敵が同時に攻撃をしてくることで、単体の相手にも関わらず、複数の敵と戦っているような状況となる。ちなみに、バトルの管理用としてダミーターゲットを用いているパターン(サンドウォームやガーディアン、神竜改など)は存在するが、FF5において、ダミーターゲットが普通に攻撃をしてくるのは、エヌオーだけである(はず)。『無』から攻撃を仕掛けてくるという意味では、エヌオーに相応しい特性と言えるな。
…そう言えば、FF9では、ほぼ同じ特性を持つ敵として、ラスボスの「永遠の闇」(本体+ダミーターゲット3つ)が存在するが、その特性が初めて発覚した時は、「見えざる闇」などという名称で、大騒ぎになったものであった。なるほど、FF9の発売はFF5アドバンスよりも早かったため、ダミーが普通に攻撃してくるなどという事象は、まさに前代未聞であったのだ。
しかし、エヌオー戦でのダミーが厄介なのは、実質的に敵3体が攻撃を仕掛けてくる点だけではない。加えて、ランダム対象系の技が、ダミーへと逸れてしまうことである。ダミーは無敵であり、HP/MPにダメージを与えることはできず、ステータス効果も掛けられないため、全くの無駄になってしまう。
――やれ、その該当技は、「みだれうち」や「リフレク反射魔法」など、決して多くは無い。だが、これらは低レベルプレイにおいて切り札として使われうる攻撃手段である。その攻撃効率が1/3になってしまうというのは、非常に辛い特性だ。ダミーターゲットは、存在するだけで、防御能力の向上に貢献しているのである。しかも、エヌオー戦では、それらが攻撃までしてくるというおまけ付きなのだ。
さて。エヌオー戦の第1弾は、「4人で完封」という題名である。この「完封」という用語は、「@100%勝てる戦法」と「A相手の攻撃手段を根こそぎ奪い取ってしまう方法」の2つの意味があるが、今回は@を指している。よって、敵味方がどのような行動を取ろうとも…もっと言うと、最悪のパターンでバトルが進んでも、それでも勝てるような戦法としなければ、「完封」とは言えないのだ。
――具体例で言おう。「みだれうち」は、ダミーに攻撃が逸れるため、1/3の回数しか命中しない。それでも、両手で8連撃とすれば、だいたい2〜3回くらいは当たってくれるのだが、今回のような完封作戦では、最悪を想定するので、みだれうちの命中回数を、必ず「0回」として考えなければならない。完封作戦では、FF5の最強攻撃が、ダミーターゲットの存在によって、封じられてしまうのである。
絶対に耐えられない最強技を、よりによって攻撃対象にできない敵が使ってくる |
◆2 ダミー(腕)が使用する大技
「ダミー(腕)」は、3ターンに1回という、ゆっくりとしたペースで、「グランドクロス」→「ギガフレア」という大技のみを使う。素早さの基本値も「20」と遅く、ヘイスト状態になることも無いため、300カウントに1回の行動ペースとなる。だいたい、エヌオー本体が5〜6回行動するごとに1回しか攻撃できないということで、そもそも通常プレイならば、動作される前に、第2形態戦へと移行してしまうことも多いだろう。
…しかしながら、いざ行動をされると、完封作戦としては極めて恐ろしい。まず、6ターン目のほうで使う「ギガフレア」は、アルケオデーモンの際にも問題になったように、「ジャンプ」「かくれる」で無かったことにする以外の、あらゆる無効化手段が通用しない。リフレク・イージスの盾・MP切れ・ミュートなどは、全てアウトである。しかも、威力も高いため、老化させて魔法倍率を最低の「4」にし、ファリスLv4にシェルを掛けて巨人の薬でHPを2倍にする…と言った手段でも、決して耐えることはできない。低レベルプレイでのギガフレアは、使われてしまったが最後、確実な一発全滅技となるのである。リフレクで反射すれば良い「メガフレア」とは、名前が似ているだけで、全く違う技なのだ。
――では、先に使う「グランドクロス」のほうはというと、大したことは無い。「リボン」と「エルメスの靴」を装備するだけで、ほとんどの場合は何も起こらなくなる。グランドクロスで発生しうる18種(17種?)のステータスのうち、11種類を、これらの2つで無効化できてしまうのだ。やれ、リボン・エルメスの靴は、それぞれ主要な目的であるステータス補正・ヘイスト効果が極めて強力であり、むしろ状態異常耐性はおまけといえる状況だが、そのおまけによって、「グランドクロス」は、乗り切れてしまうのだ。
しかしながら、今回は「完封」作戦であるため、このようなランダム系の技は、最悪を想定しなければならない。最悪とは、もちろん全員ゾンビ化である。FF5のゾンビは全滅判定の1つに使われるため、全員ゾンビ=一発全滅ということだ。
…ということで、今回の完封作戦においては、ギガフレア以前に、グランドクロスが脅威の一発全滅技となる。よって、第1形態は、ダミー(腕)の3ターン目が来るまでがタイムリミットとなる。これにより、こちらの行動回数が制限され、コマンド1回を惜しむレベルの極限の戦いとなってしまった。あとほんの僅かでも腕の素早さが遅ければ、またはあと1ターンだけ腕のグランドクロスが遅ければ、完封作戦は楽勝となっていたことだろう。
――ところで。「腕の3ターン目は、エヌオー本体が5回攻撃してからやっと訪れるのだし、遅すぎてバトルに影響ないんじゃない?」と思う方もいるかもしれない。しかし、その考えは間違いだ。エヌオー本体には、スロウやストップを掛けることができ(実質的に「スロウキャノン」と「なだめる」限定)、行動を遅延させられる。一方で、ダミーには攻撃が当たらないため、その行動を決して遅らせることはできない。グランドクロスを使ってくるのがダミーターゲットというせいで、エヌオー第1形態の完封作戦には、絶対に変えられない時間制限が発生してしまったのだ。
デスタムーアかな?(F外失) |
◆3 ダミー(杖)が使用する支援の巧妙さ
「ダミー(杖)」は、最大2連続攻撃で、エヌオー本体の強化&バッツたちの弱体化を担当する。これらのうち、バッツたちの弱体化のほうは、例によってリボン+エルメスの靴で大半が無効化できてしまうため、少なくとも今回の作戦では、無視できるようになる。
…しかしながら、前者である「エヌオー本体の強化」のほうは、激しく凶悪である。ヘイスト・プロテス・シェルは、ただでさえ高いエヌオーの能力を、「2倍」というレベルで強化してしまう。また、リジェネは、1回につき588回復と大したことは無いが、超長期戦を期すような作戦は封じられる。
――そして、この中で、際立って厄介と言えるのは、「ヘイスト」だ。エヌオー本体の攻撃速度が2倍になってしまうというのは言うまでも無いが、ステータスが解除されるまでの時間経過も2倍となる。今回、「なだめる」を使って、敵を30カウント止める作戦を用いていくのだが、杖が本体に「ヘイスト」を掛けてしまった時点で、停止時間が15カウントになってしまい、一瞬で作戦が崩壊するのである。
では、このヘイスト効果を防ぐために、どうすれば良いか。もちろん、掛けられたあとに「デスペル」を使うというのが正攻法であり、通常プレイならばそれでOKだろう。だが、ヘイストを確認してから解除するのでは、僅かなタイムラグが発生し、その時間で戦法が崩れてしまう恐れがあるうえ、デスペルの発動手段は、どれもひと手間が掛かるもの(武器持ち替えを前提として、裁きの杖のアイテム使用や、調整済みのワンダーワンドによる打撃)であって、あまり美しくない。しかも、完封作戦として考えると、「ヘイストを使った場合」と「それ以外」での場合分けが発生し、パターンが複雑となってしまう。
…よって、もっと確実な方法として、それは、エヌオー本体にリフレクを張ってしまえば良い。リフレクを貼れば、ヘイストはもちろん、その他の強化魔法も跳ね返ってくる。なお、エヌオーたちに、リフレク状態で行動を変えるルーチンは盛り込まれていない。カロ様(カロフィステリ)ですら持ってたのに。
しかしながら。相手をリフレク状態にする手段については、問題がある。今回は、レベルドーピングを使用するため、「ちょうごう」コマンドが必須となる。よって、「ドラゴンアーマー」を使えば、無駄なくエヌオーにリフレクを掛けられるのであるが、ついでにプロテス+シェルまで付いてきてしまうのだ。やれ、ヘイスト1個を防ぐために、プロテス&シェルと2つも強化を施してしまうのは、なかなかに本末転倒感が存在する。
…だが、この特性については、意外にもデメリットにならない。何故なら、杖は、ランダム行動としてもプロテス・シェルを使うことがあるため、完封を狙うのなら、あらかじめ考慮に入れておく必要がある。また、第2形態は、常時プロテス&シェルの能力を持つため、最初からそこを目指してキャラ強化を行っていかなければならない。「リフレク発動のために、プロテス+シェルまで掛けてしまう」というのは、問題点となりえないのだ。
――ちなみに。リフレクだけを掛ける手段として、シンプルに白魔法「リフレク」を使うという方式があるが、今回は行動回数だけでなくアビリティ枠もギリギリであるため、「しろまほう」をセットする余裕は無い。というか、魔法「リフレク」をエヌオーに使ってみたところ、謎耐性によって無効化された。つまり、エヌオーへのヘイストを完全に防ぐためには、「ドラゴンアーマー」でプロテス・シェルもおまけで付けるしか無い、のかもしれない…。
9999×6 <
60000 |
◆4 60000というHP
エヌオーのHPは、第1形態も第2形態も、「60000」で同じである。上限である65535を超えず、かつ、2コ形態が存在する中でのゲームバランスを考慮し、見栄えの良い数字…という感じだが、これが、今回の作戦を狙い撃ちにしているとしか思えないくらい、ヤバい値なのである。
…さて。今回、私が使う攻撃手段は、「レベルドーピングからの、飛竜の槍
二刀流ジャンプ」である。エヌオー戦でよく使用される攻撃技であり、ダミーターゲットの存在に影響されず、かつ、最大強化をすれば、敵がプロテス状態であっても9999×2を出せることから、今回バトルでは「みだれうち」以上に優れた攻撃手段と言える。しかも、低レベル帯では実用性が無いものの、「クイック」と「ジャンプ」をコンボすれば、1発目も2発目もタイムラグ無く落ちてくるため、コマンド1回で39996を与えることも可能だ。
――しかしながら。更に今回の戦法を紹介すると、メンバー全員が二刀流ジャンプをするのではなく、クルルは「なだめる」でエヌオー本体を止め続ける。よって、攻撃要員は3人だ。この3人が、二刀流ジャンプで9999を連発しても、9999×6=59994で、HP60000の相手を倒せないのだ。
さて、上で述べたのは、第1形態の場合であるが、第2形態も同HPということで、同じ部分が問題となる。エヌオー第2形態は、1ターン目から超凶悪な2連続攻撃をしてくるため、完封作戦を成立させるには、必ず、敵が動き出す前に瞬殺をしなければならない。
…しかしながら。エヌオー第1形態と第2形態は、別モンスター扱いとして管理されているため、飛竜の槍でクリティカルを発生させるために、まずは「ちょうごう:竜の口付け」が必要となる。エヌオー第2形態の素早さ「76」という値は、“ヘイスト状態なら確実に先行できる”という程度の早さであるため、各キャラ1回の行動は、何とかして確保できる。しかし、4人で4回の行動をし、「竜の口付け」+「ジャンプ×3」を入力したとしても、やはり最大59994となって、HP60000の相手を倒すことはできない。どうしろと?
――やれ、もし、エヌオーのHPが50000とかであれば、3人の二刀流ジャンプによって余裕で相手を倒せていただろうし、逆に70000とか80000とかであったら、ハッキリ“完封は不可能”と諦めが付いていたであろう。60000という実際のHPが、絶妙すぎるのである。アドバンス版のFF5スタッフは、この低レベルクリアーにおける完封作戦を予言していた…?
世にも珍しいカエルゾンビが爆誕 |
◆5 エヌオー第2形態のカウンター
エヌオー第1形態を倒すと、別モンスター扱いで、エヌオー第2形態が現れる。敵は、素早さが65→76と上がり、熾烈な攻撃を仕掛けてくるようになる。ただし、ダミーターゲットが消失するうえ、オートプロテス&シェルの能力も、今回は既に織り込み済みであるため、問題ないと思うかもしれない。
…しかしながら、エヌオー第2形態は、第1形態には無かった、カウンター能力を持っている。しかも、奇数回目と偶数回目で内容が異なるという、豪華な独自仕様だ。内容は、奇数回目が「ハリケーン
/ 死神のつるぎ / 何もしない」、偶数回目が「ホワイトホール
/ 死者の踊り / 何もしない」だ。
――さて、ここで厄介なのは、「死神のつるぎ」と「死者の踊り」だ。どちらも、あまりメジャーな技ではないが、「死神のつるぎ」は、物理ダメージに即死の追加効果を与える。即死を耐性で無効化しても物理ダメージは受けるため、物理回避率で攻撃を受け流す必要がある。また、「死者の踊り」は、必中ゾンビ(戦闘不能者にも当たる)という、あのグランエイビス戦で私を悩ませた「ゾンビーパウダー」(【第31話 そのA】)と同効果である。
さて。例によって、今回は「完封」作戦であるため、最悪のパターンを想定する。よって、カウンターが1回来るごとに、1人が死ぬことになる。それどころか、二刀流ジャンプは2回分のカウンター対象となるため、1回のジャンプで2人が殺されるのである。
…これを避けるための方法は1つ、ジャンプで3人目が落ちてきた時点でトドメを刺すのだ。エヌオー第2形態には、死に際のカウンター=ファイナルアタックは存在しないため、最後のジャンプで敵HPを0にできれば、過程がどうあれ、少なくとも1人が生き残った状態での勝利が可能である。
――ちなみに。もし、カウンターの内容を考慮しないのであれば、勝利難易度は大きく下がる。「死神のつるぎ」と「死者の踊り」が来る確率は、それぞれ1/3であるうえ、それらが選ばれたところで、必ずしも1発1殺となるわけではない。よって、落ちてきたあとに、再び「ジャンプ」で攻撃するか、または2ターン目の「デルタアタック
/ フレア / ホーリー」をリフレクで反射してしまえば、余裕で勝てる。だが今回は、あえて“完封”にこだわり、「3人目がジャンプで落ちてきたところでトドメを刺す」という茨の道を進むことにしたのだ…。
「私こそFF5のメインヒロイン…」みたいな顔をしても、駄目なものは駄目っ! |
◆6 レナのジャンプが9300程度になる
最後の難点である。レナが使う「飛竜の槍
二刀流ジャンプ」は、最低ダメージが9300程度と、大きくカンストを下回ってしまうことがあるのだ。
…やれ、ここまで述べてきた通り、敵HPは「60000」という絶妙な数字であり、9999×6では倒すことができない。だが、残りHPが「6」ならば、適当な技で倒せるし、何なら「ちょうごう:暗黒の吐息」でスリップでも掛けてやる…という、ネタ的な倒し方くらい考えていたものだった。
――しかしながら。実際には、レナの2連ジャンプが、9999に遠く及ばない数値となってしまうことが多いのだ。他のアタッカーであるバッツ&ファリスに対し、レナはLv1&力最低という条件であり、物理ダメージが低くなりやすい。具体的には、力特化の装備を前提とし、バッツ&ファリスは、最低ダメージが「9996」であるが、レナは「9282」となってしまう。完封作戦としては、もちろん、全て最低値を採用しなければならない。
さて。9996×4 + 9282×2 の答えは、58548である。HP60000の相手に対し、たった1452以上のダメージを追加すれば、完封となるのだ。
…しかしながら、エヌオーは異常に固く、たかだか1500のダメージを追加するというだけでも、容易な話ではない。第2形態は、オートプロテス&シェルの能力を持っており、第1形態も「ヘイスト」を防ぐ都合、プロテス+シェルを同時に付与せざるを得ない。よって、例えば、調合技で最強となる「シャドーフレア(ダークマター+ダークマター)」を当てたとしても、僅か500程度のダメージにしかならない。作戦の都合上、相手には竜タイプを付与しているため、「アポロンのハープ」の8倍打撃を加えるという手もあるが、それですら、半減されて1200という数値が関の山である。
――さて、レベルドーピングをしているアタッカー3人の行動は、「ジャンプ」で確定である。よって、実戦では、「Lv1クルルが」「1回の行動で」「プロテス+シェル状態の相手に対して」「1500以上のダメージを与えなければならない」のだ。なにせ、威力255の魔法攻撃ですら、500程度のダメージにしかならないのだから、これは並大抵の業ではない。やれ、「完封」にこだわらなければ、ここまでする必要は無いのであるが、やはり今回は「完封作戦」であり、100%でなければ意味が無いのだ…!
5回使いたいのは山々だけど、4回がギリギリ |
ではでは、いよいよ、完封作戦の紹介に入っていこう。
…まず、これまでも部分的に述べてきたが、今回の戦法の骨子は、以下の通りである。
では、重要なところとして、まず、どこまでキャラを強化できるのか。実は、アタッカー3人のレベルを+80するのが限界である。
…さて、レベルドーピングをする以上、「ドラゴンパワー」を5回使って、レベル値を99まで上げたいところだ。しかしながら、今回は、ダミー(腕)が3ターン目に「グランドクロス」を使用するので、それまでがタイムリミットになり、必ずしも最大回数の強化を行えるとは限らない。
――さて、ジャンプを決めるところから逆算し、それまでに何回の自由行動が許されるかというと、アタッカー3人がそれぞれ5回である。しかも、そのうち1回は、エヌオーへの「竜の口付け」「ドラゴンアーマー」、そしてエヌオー1ターン目の行動から身を守るための「魔法のランプ版カーバンクル」で埋まるため、「ドラゴンパワー」に使える行動回数は4回、合計レベル+80が限界だ。これ以上の強化は行えない。何度、レベル値を99にしようとして、グランドクロスを発動されたことか…。
ちなみに、「なだめる」要員のクルルを使って強化するのはどうかというと、クルルは「なだめる」要員ということで、「なだめる」以外を入力すると命取りである。今回、クルル以外がカーバンクルを使っているので、エヌオー1ターン目が確実に安定となる。よって、クルルが、1回だけ自由行動を入力することができるのだが、その内容は「9999×6で倒せない相手のHPを削る攻撃」(勝利時は、「ごうせい:ニードルキャノン」)で確定である。
…やれ、エヌオー2ターン目の行動には「アクアブレス」(無属性、リフレク反射不可)があるため、これを使われると全滅してしまう。よって、エヌオー第1形態に、絶対に2ターン目を迎えさせてはならない。本バトルは、余裕があるように見えて、実はガチガチの縛りが掛けられているのである。
「なだめる」による単騎完封のため、素早さ60にできるだけ近づけ…ない! |
そしてここからは、具体的な攻略について書いていこう。
…まず、編成は、以下の通りである。
というわけで、バッツ&レナ&ファリスの3名がアタッカーとなり、飛竜の槍
二刀流ジャンプによる攻撃を仕掛けていく。よって。装備としては、「飛竜の槍」に加えて、パラメーター上昇効果の高い「リボン」を装備するため、ジョブとしては「すっぴん」が確定する(ものまね師だと、「槍装備」「リボン装備」の2つが必要)。よって、2つあるアビリティ枠は、「ちょうごう」「ジャンプ」で埋まり、余裕が無い。
…ちなみに、体防具については、「力だすき」という聞き慣れないものを装備していくが、これは「力+3」の効果を持つ。力補正というのは、ダメージ計算の都合上、2114低レベルでは、ほとんど意味が無い(【第7話の該当部分】)。しかしながら、レベルドーピングをしていくなら話は別であり、今回の攻撃段階であるレベル80だと、だいたい物理倍率+2、二刀流ジャンプの片方で与えるダメージが、+500程度される。ここまで来ると、無視できないのだ。
――いっぽうで、バッツについては、素早さ調整のため、「黒装束」を装備している。これにより、バッツの攻撃で9999を出せない確率が高まってしまうのだが、今回は、それだけ火力に余裕を持たせられたので、問題はない。むしろ、素早さを調整したことにより、戦いやすくできている。
いっぽう、クルルについては、「ものまね師」に就職していく。
…やれ、これには理由があって、当初は、すっぴんで「リボン」などを装備し、素早さを限界まで高めていた。何故なら、クルルは1人でエヌオー本体を半完封していくからである。「なだめる」によるボス耐性持ちへのストップ持続時間は30カウントで、ヘイスト状態のキャラの行動間隔は、素早さ49で「35」、素早さ59で「30」である。一応、GBA版追加装備の「影縫い」を使えば、素早さ「59」は実現可能であるが、エルメスの靴を諦めて「エルフのマント」などを装備する必要があるため、他にヘイスト状態を発生させる方法が必要となる。そもそも、エヌオーはダミーターゲットによる制限時間があるため、単騎完封にこだわる必要は無い。ただ、それでも、できるだけ素早さを上げて、「なだめる」でエヌオー本体を長く止め続けたい思いがあった。
しかしながら、クルルをすっぴんにすると、アビリティ枠が「なだめる」「ちょうごう」で確定となる。「なだめる」は当然必須だが、第2形態でアタッカー3人が即座に「ジャンプ」を入力しなければならないことを考えると、クルルが「ちょうごう:竜の口付け」を使うのも必須となる。よって、クルルすっぴんの場合、9999×6でも倒せないエヌオーの余剰HPを削るコマンドは、「ちょうごう」でなければならない。
――だが、敵のプロテス&シェル状態を前提とした場合、「ちょうごう:シャドーフレア」などを当てて約500、両手を「飛竜の槍」に持ち替えたうえでジャンプをモノマネして飛び立ったところで約1000、切り札である「アポロンのハープ」でも約1200である。「◆6 レナのジャンプが9300程度になる」で述べた通り、HP60000のエヌオーを確実に撃破するための追加ダメージは1452であるため、どの手段であっても足りない。私は困り果てた…。
だが、ここで私は、ものまね師を使う案を思い付いたのだ。ものまね師だと、デフォルトでは「リボン」を装備できないため、素早さは大きく落ち、エヌオーの単騎完封というところからは離れてしまう。ただ、結局のところ、勝負は、ダミー(腕)がグランドクロスを使うまでに、エヌオー第1形態を倒すということであり、それまで本体をストップさせられれば良い。そして、試してみたところ、ものまね師でも十分に素早さが足りた。それどころか、実際の装備では、右手にチキンナイフ・左手は(なし)などと、素早さ調整をする余地まで存在した。よって、無理に素早さを上げて、「なだめる」要員の行動間隔を、ストップの持続時間である「30」に近づける必要は、全く無かったのだ。
――そして、ものまね師を使う明確なメリットは、「なだめる」「ちょうごう」に加え、アビリティ枠を一つ空けられるということだ。そこに、「ごうせい」をセットし、久々となる「ニードルキャノン」を使えば、プロテス・シェル状態を貫通して、3000ダメージを与えられる。これで、「Lv1キャラの1回の行動で1452ダメージを与える」という目的は、余裕で達成できる。だからこそ、バッツの「力だすき」を外して、素早さ調整まで行えたのだ。
無からグランドクロスを放つとは、さすが『無』の王… |
次は、入力コマンドである。
…まず、エヌオー第1形態は、素早さが「65」と高くないため、エルメスの靴で容易に先手が取れる。そして、最初にターンが回ってきたクルルが、上で述べた「ごうせい:ニードルキャノン」を使う。これにより、3000ダメージを確実に与えられるのだ。今さらだが、低レベルキャラでも確実に使える全体3000というのは、容赦無いぶっ壊れである。
――続いて、アタッカー3人は、どの順番でも良いので、「魔法のランプ版カーバンクル」でリフレクを貼ったのちに、調合による「竜の口付け」「ドラゴンアーマー」をエヌオーに対して使う。カーバンクルを貼れば、エヌオー1ターン目の「ファイガ
/ サンダガ / ブリザガ」を、確実に耐えられる(2ターン目は「アクアブレス」があるため駄目)。次に、「竜の口付け」は飛竜の槍でクリティカルを出すため、そして「ドラゴンアーマー」は相手のヘイストによるストップ時間の短縮を防ぐため、それぞれエヌオー相手に対して使うのだ。
そうして。全キャラの行動が終わったあと、エヌオー本体が1ターン目の行動として、ガ系魔法を使ってくるが、リフレクによって跳ね返る。この際、ダミーに当たると無効化され、本体だと4000弱のHPを削れるが、どちらでも良い。どちらでも勝てる戦法を作らなければならない。
…続いて、2ターン目以降だが、ここからは繰り返しである。まず、クルルは、ひたすら「なだめる」を使い続ける。今回、クルルの素早さは「52」であるため、ヘイスト時の行動間隔は「34」、そして「なだめる」によるストップ持続時間は「30」であるため、1回の「なだめる」につき、4カウントずつエヌオーの時間が進んでいくということになる。ただし、本来なら34カウント進むところを、4カウントに抑えられるということで、相手の行動速度を1/8.5に減速させられている。そして、実際に、エヌオー第1形態の本体は、死ぬまで行動できなくなるので、完全停止でなくとも、戦法に影響は無いのだ。
――そして、2ターン目以降のアタッカーたちは、いよいよ自分に「ドラゴンパワー」を使い始める。ただし、時間的都合により、4回までである。5回を使って、レベル値をカンストまで上げたいのは山々なのであるが、そうすると「ジャンプ」で落ちてくるまでに「グランドクロス」が発動してしまってジエンドである。その他、意外なところとして、杖3ターン目の行動として、バーサクで真っ赤っ赤にされたり、悪魔の瞳で石化させられたりもするな。
そうして。4回のレベルドーピングが終わったら、アタッカーたち3人が「ジャンプ」を入力する。敵がプロテス状態になっており、かつ、レベル値は+80に留まっているものの、無事に9999か、それに準ずるダメージ×6回を与えられる。微妙にカンストに達しない場合も、最初にクルルがニードルキャノンで与えた3000を加えれば、確実にHP60000の相手を倒せるため、問題は無い。
…そして、ジャンプ入力後のクルルであるが、引き続き、「なだめる」を入れれば良い。今回バトルでは、エヌオー第2形態への移行は、「@エヌオー第1形態本体のファイナルアタック」「Aダミー(杖)が自ターンの行動をする際にエヌオー本体が存在しなかった場合」の2つで処理をされている。よって、本編ラスボスのエクスデスのように、第2形態を登場させずにバトルを終える…ということはできない。
――さて、ストップ状態で敵を倒すと、ファイナルアタックを封じられるため、Aのほうの条件での第2形態移行が成立する。よって、「エヌオー本体を倒してから、ダミー(杖)が行動するまでの時間」を、なんとか有効活用できないかと考えたこともあったが、実際のところ、エヌオー第1形態を倒すのも時間的にギリギリである。よって、本体をFA封じで倒したところで、すぐに杖が行動する=エヌオー第2形態が登場してしまうため、行動回数を増やすような改善は行えなかった。また、プロテス状態のエヌオー第1形態に9999ダメージを与えられる=第2形態にも9999ダメージが可能ということであるため、ここで新規に強化をしたところで、大きなメリットがあるわけではないのだ。よって、今回は、無理に本体のFA封じを狙っていくことはしなかった。
さて。エヌオー第2形態の素早さは「76」であり、これは、ヘイスト状態であれば、1:1よりも味方側有利のペースで行動できるというくらいの値である。つまり、クルルのゲージが満タンの状態で第1形態を終えれば、敵が動き出す前に、クルルだけは2回の行動が行える。これは超重要であり、無理に「なだめる」によるストップ撃破でFA封じを行うよりも、クルルのゲージが満タンの状態でエヌオー第1形態を倒すのが重要だと分かる。
――そして、今回は、素早さ調整の結果、ジャンプ状態から3人目が落ちてきてエヌオー第1形態を撃破した瞬間に、クルルのゲージが満タンになっている…という、理想的すぎる展開にすることができた。いや、狙っていったわけではないが、なんかそうなった。
余談だが、エヌオー第1形態をFA封じして倒した場合、「第2形態への移行」を担当するのは、ダミー(杖)のほうだけである。そして、素早さの関係上、ダミーは通常「杖」→「腕」の順に行動する。よって、「ダミー(杖)の3ターン目が終了してから、ダミー(腕)の3ターン目が始まるまで」の間に、エヌオー第1形態本体をFA封じして倒すと…なんと、ダミー(腕)が、『無』からグランドクロスを放つという奇行に走るのだ。
――やれ、この現象は、ネタ感の強い見た目である。しかしながら、検討段階では、何とかドラゴンパワー×5を発動させようと、ギリギリを狙っていったこともあり、割とガチな失敗要因となっていたりもする。こんなバグ紛いの要素でさえ、やり込みプレイの障害となる…FF5って、分からないものだ。
勝てちゃったよ… |
そうしてエヌオー第1形態を倒すと、「『無』の力が
増幅していく!」というメッセージとともに、エヌオー第2形態が登場する。ダミーが消失する代わりに、初ターンから「メテオ /
アルマゲスト / ディメンションゼロ」→「ミールストーム /
ホワイトホール / ディメンションゼロ」という2連続攻撃を行ってくる。完封作戦としては、もちろん「メテオ」や「アルマゲスト」が来る場合を想定するということで、相手にターンが回る=死、だ。
…さて、ここでは、アタッカー3人のゲージは中途半端な状態で、そしてクルルはゲージが満タンの状態で、それぞれ第2形態戦を迎えている。アタッカー3人は、すぐさま「ジャンプ」の入力で確定として、重要なのは、唯一の2連続行動が行えるクルルだ。
――と言っても、必須コマンドが2つ存在するため、何を入力すべきかは決まっている。まずは、1手目の行動として、「ちょうごう:竜の口付け」だ。エヌオー第2形態は、第1形態とは別モンスター扱いとして登場するため、竜タイプの付与は、再度やらなければならない。そして、アタッカーたちが飛び立ったあとに、「ごうせい:ニードルキャノン」である。Lv1キャラが単発で使える技として、最高の威力を持つ逸品であり、これで、飛竜の槍
二刀流ジャンプが9999に微妙に達しない問題を、一気に解決できる。
ところで。エヌオー第2形態は、第1形態には存在しなかった、カウンター能力を持っている。使用するのは、奇数回目が「ハリケーン
/ 死神のつるぎ / (何もしない)」、偶数回目が「ホワイトホール
/ 死者の踊り / (何もしない)」というものだ。「死神のつるぎ」は物理ダメージ+即死の効果、「死者の踊り」は耐性を持たない限り必中ゾンビということで、奇数回目も偶数回目も、1人が殺される危険性がある。だが、ニードルキャノンに対するカウンターが発動したところで、もはや役目を終えたクルルが倒されるだけであって、何も問題はない。アタッカーたちは、既にジャンプで飛び立っている。
そうして。ジャンプしたキャラたちが落ちてくるまでの間に、「エヌオー第2形態の1ターン目」が挟まれるが、これも全く問題が無い。クルルは、既に「死神のつるぎ」で戦闘不能となっているか、そうでなくとも、第2形態
第1ターンの「アルマゲスト」などを含む超凶悪な連続攻撃で倒されてしまうだろう。しかしながら、どちらにせよ、空中に居るアタッカーたちに、一切の問題は無いのだ。
…すると、次は、アタッカーたち3人が、順番に1人ずつジャンプ状態から落ちてくる。ちなみに、二刀流ジャンプは、2回分のカウンター対象となるということで、1回につき1人が倒されるどころか、1撃2殺ということになるのだが、そんなことは関係ない! 何故なら、既に、「最後の3人目が落ちてきたときに、相手のHPを0にできる」という状況を確立できているからだ。エヌオー第2形態にファイナルアタックは存在しないため、どれだけ地上が死者とゾンビで荒廃しようとも、最後のキャラが地面に落ちてきた時点で、確実な勝利を実現できる。そういう戦略を立ててきた。
というわけで。第1回から、なかなか悲惨な物質を投げつけてしまったが、これにて、エヌオーを「完封」できる作戦を確立させられた。勝率は100%であり、僅かばかりの瑕疵も無い。
――やれ、もし、100%で無くても良いのなら、今よりも遥かに楽に勝つこともできていた。だが、そういった隙を徹底的に潰していったうえでの、「完封」作戦となった。そういうわけで、個人的には、なかなか満足度の高い作戦である。さて、残り4つはどうしよう…。
◆動画◆
たかが588、されど588… |
第2弾は、お馴染みの「ゾンビビュート作戦」を使ってみる。ただし、これも一工夫が必要であった。
…さて、まずはいつも通り、基本事項について復習をしておこう。FF5のゾンビキャラは、コマンド入力を受け付けず、味方側への打撃のみを繰り返す。この際、「追加効果で魔法が発動する武器」と「リフレクトリング」を組み合わせると、攻撃を相手側へと向けることが可能である。また、ゾンビキャラは、ダメージでは決して死なない不死の特性を得るものの、ゾンビ自体が全滅判定の1つとして扱われるため、味方側がゾンビキャラだけになると敗北してしまう。しかし、そこを「かくれる」とコンボすれば、隠れているキャラは攻撃を受けず、ゾンビキャラだけが一方的に攻撃可能となる。使用する武器のうち、最良なのは、「ファイガ」が発動する「ファイアビュート」だ。ゾンビ+ファイアビュートで、ゾンビビュート作戦…ということである。
――ということで。この「ゾンビビュート作戦」は、FF5界に古くから伝わる反則技として知られているのだが、意外にも、強敵の中には、この作戦に対策を持っている場合も存在する。初めてこの戦法を適用した神竜は、単純な適用で勝てたものの、原種オメガに対しては、ゾンビキャラを強化するなど、工夫が必要となった。その後も、アルケオデーモンやオメガ改など、単純にゾンビを用意するだけでは勝てない相手が、ポツポツと存在するのだ。
では、エヌオーはどうなのかと言うと、第1形態は、攻撃が逸れるダミーターゲットと、リジェネによる回復能力を持っており、ゾンビビュート作戦が使いづらそうな感じである。一方で、エヌオー自身の行動としても、ガ系魔法や「フレア」「ホーリー」といった強力な魔法が存在し、これらを反射させれば、回復量を上回れるのではないかと感じた。そして、第2形態にまで達せれば、反射可能な魔法こそ少なくなるものの、ダミーターゲットが消失し、回復能力も無くなる(※無くならない。後述)ので、楽勝なはずだ。
…とまあそんな感じで、男は度胸ということで、まずは何でも試してみた。ゾンビキャラとしては、最速のクルルを用意し、いつも通り「ファイアビュート」「リフレクトリング」を装備して、他は適当に素早さを上げる品々で固めていく。そして、バトルが始まったら、「まさむね」を装備したレナが、初手で「かくれる」を入力して逃走する。これでやってみることにした。なお、エヌオーの攻撃で反射できる魔法のうち、複数ターゲットの攻撃は存在しないため、ゾンビキャラは1人で良い(一応、レベル操作を行うのであれば、「レベル3フレア」を複数で跳ね返せば火力が上がる)。
さて。しばらくバトルを眺めていると、まずは、思っていた以上にダミーターゲットへと攻撃が逸れてしまうということに気がついた。命中率1/3というのは、ここまで低いものなのか。ただそれでも、裏ボスということで、エヌオーは高火力であり、ガ系魔法や「ホーリー」などが跳ね返って、景気良くダメージを与えていける。ゾンビクルルの反射ファイガも、それに花を添えてくれる。
…しかし、少し経って、ダミー(杖)がエヌオーに「シェル」を使ってしまうと、頼みの反射火力が、一気に半減してしまう。そこに更に、「リジェネ」が加わると、かなりキツい。1回の回復量は588と大きくないのだが、そもそも反射魔法が1/3しか当たらず、当たっても与ダメージはシェルで冒頭の半分となっている状況で、この回復量が着実に積み重なるのは極めてキツい。しかも、シェルもリジェネも永続なのだ。
――そして。私は完全に忘れていたのだが、エヌオーには、もう一つ、「ドレインタッチ」による回復能力が存在する。この吸収は、ゾンビやボーンメイルによっても逆転できず、約1500のHPを回復されてしまう。ただでさえ、4ターンルーチン3ターン目の暗黒魔法(メルトダウン
/ ディープフリーズ / ドレインタッチ)は、リフレク反射ができず、ハズレ回だというのに、ドレインタッチが選ばれた場合には、回復までされてしまうのである。
というわけで。バトル開始から1時間ほど放置をしてみたが、まだ相手を倒せておらず、それどころか、第1形態と戦い続けていた。勝てるかどうかハッキリさせるため、そこから10分と時間を区切って、HPの増減を電卓で数えてみたところ、結果は+7836という無情な数値であった。エヌオー本体のHPは、増加している。恐らく、敵HPは、60000にまで回復しきっているだろう…。
――まあ、一応、敵の行動にはランダム性があるため、このゾンビビュート作戦でも、絶対に勝てないというわけではない。厄介なシェル&リジェネの発動が遅れてくれたうえで、かつ多くの反射魔法が命中すれば、相手のHPを削りきれるかもしれない。トータルでは負けてるため、短期決戦・運で勝負をするのだ。私がやらないタイプの株取引だな…。
実は【オメガ改で使おうと思っていたネタ】の再利用です… |
というわけで。単純なゾンビビュート作戦では、ダミーターゲット&「シェル」による防御と、「リジェネ」&「ドレインタッチ」の回復量に負けてしまい、エヌオーを倒せないことが分かった。そこで私は、2つの改良を加えることにしたのだ。
…まず、1つ目としては、「かくれる」要員による、1ターンだけの行動である。隠れキャラが、フォースシールドで敵1ターン目のガ系魔法を無効化すれば、100%安全な状況で、1回だけコマンドを入力できる(2ターン目は「アクアブレス」があるので無理)。この1コマンドで、状況を味方側有利に傾けるのだ。
では、その1回で、何を入力するのか。候補として考えた物には、「ちょうごう:ヘイストドリンク」によるゾンビキャラの加速、「ドラゴンアーマー」でのゾンビへのシェル付与でドレインタッチの吸収量減少、「亀の甲羅割り」による魔法防御力の削減、敵方へのリフレク付与による一時的な強化の妨害などが存在したが、採用したのは、「エレメンタルパワー」による属性強化である。もちろん、エヌオーに対してだ。
…さて、エヌオー第1形態が使用する魔法のうち、リフレクで反射できるのは、「ファイガ」「サンダガ」「ブリザガ」「バイオ」「エアロガ」「フレア」「ホーリー」であり、フレア以外は全て属性持ちであるため、「エレメンタルパワー」によって、威力を1.5倍に強化できる。本バトルのダメージ源としては、ファイアビュートの反射ファイガよりも、敵が使った魔法を跳ね返すほうが遥かに大きい。よって、その威力を1.5倍に上げられるというのは、火力を1.5倍に上げられるのにほぼ等しい。ゾンビキャラに属性強化を掛けるよりも、遥かに効率的なのだ。
というわけで。「かくれる」要員のレナは、「フォースシールド」を装備し、その他は、めいっぱい素早さを上げる装備を身につけて、まずは「ちょうごう:エレメンタルパワー(目薬+聖水)」をエヌオーに対して使う。
――その後は、エヌオー本体の1ターン目が訪れ、ガ系魔法が飛んでくる。しかし、たとえレナに当たったところで、全属性無効によってノーダメージだ。その後に「かくれる」を使えば、100%安全な状況を保ったまま、ゾンビビュート作戦を始められるのだ。
GBA版追加装備が普通に活躍する…だと…?? |
次に、もう1つの改善として、「ドレインタッチの回復量を抑える」という方式も考えていった。
…まず、そのための第1の方法として、「イージスの盾を装備する」という手を採用した。イージスの盾は、これまで切り札として何度も使ってきたように、「1/3の確率で魔法攻撃を特殊回避する」という性質を持つ。ドレインタッチも、この特殊回避が適用可能な技であるということで、実質的な回復量を2/3にセーブ可能となるのだ。
――ちなみに、魔法攻撃を回避すると聞くと、リフレク反射との相性が気になってしまうところだが、リフレクによる反射は、イージスの盾の特殊回避よりも先に判定が為されるため、反射攻撃を妨害することは無い。これも、私がイージスの盾を採用した、大きな理由である。
ただし。代償として、両手が「ファイアビュート
/ イージスの盾」で埋まってしまうため、ウィザードロッドによる火力強化が行えず、「ゾンビビュート作戦」という名称の由来である“ファイアビュートのファイガ反射によるダメージ”が、約500→300程度と下がってしまう(シェル前提)。ただまあ、これによるダメージは、今回は完全におまけであり、ドレインタッチによる回復量を抑えるほうが重要であると判断していった。
続いて、第2の手段として、「ゾンビキャラの魔法防御力を高める」という手段を使った。ドレインタッチは、威力が「80」と高く無いため、魔法防御力の影響を受けやすい。ゾンビ状態でも魔法防御力は生きており、ダメージを下げれば、相手の回復量も低下するのだ。
…さて、現時点で埋まっている装備品は、両手の「ファイアビュート
/ イージスの盾」、そしてアクセサリの「リフレクトリング」である。というわけで、開いている頭と体に、無駄に魔法防御力の高いGBA版追加装備を投入する。具体的には、頭を「ロイヤルクラウン」、体を「ローブオブロード」とする。これにより、魔法防御力は35に達する。なお、この値がどれくらいかということであるが、何も考えず「リボン
/ 黒装束」と素早さ重視の装備をしていたときの魔法防御力は4であったため、それとは雲泥の差である。初めて、GBA版追加装備の魔法防御力が役に立った!
――ということで。ドレインタッチ命中時のダメージは、1700→900という程度に低下し、回復量もそれだけ下がってくれた。イージスの盾による1/3回避も含め、総合して、無対策の時と比べ、ドレインタッチが使用された際の回復量を1/3に抑えることができている。
代わりに、属性強化の消失と素早さ低下によって、ファイアビュートによるリフレク反射の効率も低下しているのだが、こちらは今回バトルではおまけ程度であるため、敵の回復量を抑えることのほうが重要なのだ。
というわけで。「@エヌオーにエレメンタルパワーを掛けて、反射魔法のダメージを向上させる」「Aイージスの盾と魔法防御力によって、ドレインタッチによる吸収量を低下させる」という2つの作戦を採用し、再度、エヌオー戦へと挑んでみた。
…さて、敵に補助魔法が掛かっていないときの調子の良さは当然として、問題は、敵方にシェル&リジェネが掛かってからである。だが、失敗時と同じく10分間のHP増減を外部ツール(※電卓)で計算してみると、今度はちゃんとHPを減らしていけているということが分かった。よし、勝てる!
ということで、バトル開始から35分ほどで、「『無』の力が
増幅していく!」と表示され、第2形態戦へと移行ができた。
こんな攻撃は何も怖くない |
さて。第2形態は、例によって別モンスター扱いとして登場するため、リジェネ状態は切れている。そして、6ターンルーチンのうち、反射可能な魔法を使ってくるターンが2ターン目(デルタアタック
/ フレア / ホーリー)と、1つしか存在しない(第5ターンのレベル系魔法は、レベル操作をしない限り、どれも命中しない)。
…ただし、ダミーターゲットが消えているため、魔法を反射させれば、着実にダメージを蓄積させられる。そして、デルタアタックはともかくとし、フレアとホーリーはどちらも高火力なため、敵のオートシェル&エレメンタルパワー消失(再びレナが現れて強化をするような時間は無い)を考慮しても、大きめなダメージを与えられる。そして、敵のルーチン行動&カウンターの中に、ゾンビキャラの不死特性を突破できるようなものは存在しない。ということで、ここからは余裕であり、あとは待っているだけである。
――ただまあ、反射可能な魔法を使ってくる頻度が低いのと、さすがに裏ボスが本気を出してきた形態ということで、長演出の攻撃が多く、HP削り効率はあまり良くない。というわけで、第2形態の撃破には、約30分と、第1形態とほぼ同じ時間が掛かってしまった。
そんなわけで。エヌオーに対しては、当初の“単純なゾンビビュート作戦”では、勝つことができなかった。しかしながら、「@敵にエレメンタルパワーを掛けて、反射魔法の火力を上げる」「Aイージスの盾と高魔法防御力の防具により、ドレインタッチの回復量を下げる」という対策により、無事にゾンビキャラを使った勝利に成功した。そのために、「かくれる」要員のレナが、1回だけ追加で行動をする必要が出てきたが、それも100%安全な状況で行えるので、戦法として、大きな問題ではないと判断した。
――ちなみに、ファイアビュートは、かつてエヌオーが相対した「伝説の12武器」である。そして、1000年考えた結果、ゾンビビュート作戦への対策は、リジェネとドレインタッチで十分と思ったのかもしれない。だが、エヌオーもまさか、わざわざ相手側に属性強化を掛けるという奇行は想定していなかったのだろう。残念、今回も私の勝ちだ!
◆動画◆
「アスピル剣」自体は、ぶっ飛んだ高性能なのだが… |
さあ、テキパキと、第3の戦法へ行こう。続いては、「MPがたりない!」と題し、エヌオーのMP切れ狙いで戦ってみようと思う。
…さて、MP切れについては、エヌオーの攻撃を、最も多く封じられる手段である。「フォースシールド」や「リフレクトリング」の対応範囲外となる「メテオ」「アクアブレス」「ドレインタッチ」、その他にも「アルマゲスト」なども不発にでき、成功すれば、大きく勝利に近づける。
――いっぽうで、MP切れに持っていくための手段については、問題がある。MP切れ作戦については、以前に本編ラスボス戦でも、非必中の「ちょうごう:ダークエーテル」を主力とした方式を使用し、前段であるエクスデス戦では有効だったものの、本丸であるネオエクスデスに対しては、魔法回避率が高すぎること・ターゲットが4つあることにより、1個パーツのMPを切らしたところで打撃が命中して終了…という憂き目にあった。そして、エヌオーについては、魔法回避率が120と壊れており、「ダークエーテル」は絶対に命中しないのだ(計算式の関係上、極小確率では命中する?)。
だが、敵のMPを急速に減らす手段は、もう一つ存在する。それは、「魔法剣アスピル」である。魔法剣アスピルで攻撃を当てると、物理ダメージを与える代わりに、「対象の現在MPの1/4を吸収する(敵MPが3/4になる)」という効果が発動する。これを、「みだれうち」で何度も当てれば、速攻で相手のMPを枯渇させられるのだ。これも、本編ラスボス戦で使ってやろうと思っていた作戦の、没ネタ復活祭である。
…ちなみに、このような特殊な性質を持つ「アスピル剣」が、これまで全く登場してこなかった理由は、ひとえに魔法剣アスピルが、最高のランク6魔法剣だということだ。他ジョブで使うためには、魔法剣士をマスターせねばならず、地雷アビリティの「まほうバリア」を継承せざるを得ない(極小HPでシェルが掛かるというものだが、暴発して「ものまね」を妨害するうえ、効果自体もほぼ役に立たない)。よって、ランク6魔法剣を使うためには、わざわざ別データーを用意する必要があるということで、気軽に試すことができなかったからだ。ちょうど、「フレア剣」と同じ立ち位置である。だが、もうすぐ、このFF5日誌も終わりである。1回くらいは、アスピル剣にも、活躍の場を作ってやらなければならないだろう。
それでは。まず、魔法剣士のジョブをマスターするところから始めていく。
…と言っても、封印の神殿では、「魂の河」(ギルガメと戦ったエリア)にて、ABP稼ぎでお馴染みのムーバーが出現する。コマンドアビリティ「あやつる」さえセットすれば、「ゆうごう」を使わせて簡単に勝利できるうえ、経験値0でABP199を入手できる。わざわざ、次元の狭間:ラストフロアまで向かう必要は無く、オメガ改の居た記憶の墓場から、サッと飛び降りれば良い。あの落とし穴は、この使い方を想定していた…?
――ちなみに、魂の河の地下2階は、ムーバーの他にも、巨大鳥やシルビューヌ、シング&ベルフェゴールと、経験値0の敵ばかりが出現したりする(地下3階も同じ)。ムーバー以外は効率が良くないものの、GBA版スタッフが、そういう位置付けのエリアにしたかったというのは興味深い。あ、地下1階は、殺人リスたちがうろついている危険地帯です。
そのための右手(と左手) |
それでは、アビリティ取得の準備が整ったということで、エヌオーとのバトルを始めていこう。
…やれ、エヌオーのMPは、第1形態も第2形態も「65000」とぶっ飛んでいるが、アスピル剣の性能も凄まじいため、MP切れ自体は割と楽に達成できる。しかしながら、「MPさえ切らせば楽勝…♥」というイメージとは異なり、第1形態/第2形態の両方で、看過しがたい問題が発生した。
それでは、まず、エヌオー第1形態の問題のほうから触れていこう。エヌオー第1形態は、ご存じの通り、杖と腕の、2つのダミーターゲットを持っている。今回は、魔法剣アスピルを「みだれうち」で使っていくのであるが、すると、ダミーターゲットに攻撃が逸れ、1/3の回数しか当たらなくなる。
…なお、このためだけに、確実性のある「ねらう」を使おうと思ったこともあるが、平均命中回数で上回れない(8連撃の1/3なら期待値は2.67回)のと、「ねらう」には防御力無視の特性が無いためエヌオーの「100」という物理防御を超えなければならないこと(物理ダメージが0になる状態だとMPを吸収できない)、ダミーが不在となる第2形態に対しては効率でハッキリ劣ってしまうことから、命中率の低さは承知のうえで、「みだれうち」を使用していく。
――ちなみに。各ターゲットへの命中回数は、均等というわけではなく、非常にバラつきが出てくる。8回連続で外れる(計算上 約3.9%)なんて日常茶飯事、同じターゲットに8回当たる(約0.015%)というのも複数回目撃した。やれ、乱数固定なんて話が出てくるくらいであり、FF5の乱数は、あまり質が良くないようだ。他の部分は、オーパーツと言えるくらいに優れているのに…。
そして。第1形態におけるMP切れ作戦の問題は、もう一つ存在する。それは、ダミーターゲットの技を全く封じられないことだ。
…やれ、これは、FF9の永遠の闇の「ケアルガ」などでも問題になったことがあるのだが、ダミーターゲットには攻撃が当たらないため、MPは自発的な行動でしか減っていかない。よって、MP切れには、数時間(数十時間?)という単位での放置が必要である。まあ、「寝る前にセットし、朝起きたらMP切れになっている」という方法も考えられるが、今回の魔法剣アスピルで素早くMPを削っていく作戦とは、かなり方向性が異なる。よって、本体のMPを切らしたところで、ダミーからの攻撃は普通に飛んでくると考えなければならない
――その中で、特に厄介なのは、腕の使ってくる「グランドクロス」と「ギガフレア」だ。ギガフレアは、お馴染み、低レベルでは一発全滅技となる。今回は、レベルドーピングを封印したうえでの長期戦を挑んでいくため、使われる前の速攻は行えず、「かくれる」で回避していくしかない。また、グランドクロスのほうも、今回はST異常対策に枠を割く余裕が無いため、多くのST異常が発生し、対応に手間が掛かる。エヌオーのMPを切らしたところで、これら2つを封じられないというのは、極めて痛いのである。もっとも、これらの特技は、ダミーとか関係なく、MP0でも発動するのだが…。
ちなみに、杖のほうのダミーターゲットは、ヘイスト・プロテス・シェル・リジェネで本体をサポートしたり、ST異常攻撃をバッツたちに仕掛けてきたりする。「悪魔の瞳」で地味に石化したり、「ホワイトホール」で石化死骸となったりすることもあるが、やはり怖いのはエヌオーの能力向上であるため、バッツに「しろまほう」をセットし、「ディスペル」で逐一解除をしていくことにした。
ということで。第1形態に対してのMP切れ作戦については、「魔法剣アスピルみだれうちが外れまくり」、かつ、「本体のMPを削り切ってもダミーが普通に魔法を使ってくる」という、かなり大きな問題が発生している。
――とはいえ、前者については、そもそも魔法剣アスピルの性能は過剰なくらいであるため、少しくらい当たる回数が減ったところで、致命的とはならない。そして、後者についても、ダミー(腕)が大技を使ってくる間隔はとても長いため、隠れているレナが「そせい」(ノーコストで味方全員の戦闘不能を解除する、薬師のコマンドアビリティ)を使うことで、容易に状況を立て直せる。エヌオー第1形態本体の、「アクアブレス」「メテオ」「ドレインタッチ」といった、防ぎづらい無属性攻撃を封印できるだけで、十分にMP切れ作戦の意味は存在する…といいな。
グランドクロスとカウンターで、MP0からでもこんな状態に… |
では、続いて、第2形態で発生する問題である。まず、第1形態と異なり、第2形態ではダミーターゲットが消失しているため、魔法剣アスピルみだれうちが8発当たるようになり、あっという間にMPを枯渇させられる。計算上、3/4を8回繰り返すと、敵MPを当初の10%ほどにまで減らせることになる。
…もちろん、実際には、9999以上のMPダメージが出ることは無いのだが、MP削りで定番の「エーテル」を敵に使い、MPを65000→9999と減少させるよりも、魔法剣アスピルみだれうちを1回当てたほうが早い(65000→8307となる)と言えば、その凄まじい削りペースが分かるだろうか。
しかしながら、エヌオー第2形態は、MP0でも発動する強力な特技を、多く持っている。まず、敵の自発的では、「グランドクロス」と「ディメンションゼロ」が存在する。グランドクロスは、既に述べた通り、ST異常対策に装備を割く余裕が無いうえ、いつもの“低レベル+1人”と異なり、大所帯で受けるため、回復するためには、あれこれ手間が掛かってしまう。また、「ディメンションゼロ」は、約9999のダメージを与える物理攻撃であり、特徴として100%以外の回避能力を無効化するため、使われると必ず1人が死ぬ。
…また、第2形態は、第1形態に無かったカウンター能力を持っており、こちらも厄介である。MP0で発動する技として、奇数ターンの「死神のつるぎ」、偶数ターンの「死者の踊り」が存在する。まず、死神のつるぎは、物理ダメージ+即死の効果を持つ攻撃であり、即死耐性があっても物理ダメージで死ぬため、物理回避率で回避していくしかない。しかし今回は、みだれうちのため盾を諦めており、使われるとなかなかの確率で戦闘不能者が出る。
――そして、死者の踊りは、必中ゾンビ・隠れていたり戦闘不能のキャラも対象に選ばれるという、あの「ゾンビーパウダー」と同じ性質の技である。現在、ゾンビ耐性を得る手段は、アクセサリの「天使の指輪」のみ(ネクロマンサーの入手はエヌオー撃破後)であるが、もちろんそんな余裕など有るわけがないので、死者の踊りを使われるたびに、次々とゾンビが発生してしまう。
というわけで。エヌオーのカウンターが来るごとに、1名の戦力が奪われる可能性がある(戦闘不能orゾンビ)。しかも、厄介なことに、ダメージ系の「みだれうち」は、2回ぶんのカウンター対象となるため、最悪の場合、攻撃1回へのカウンターで2名が倒されるという、悲惨な事態になってしまうのだ。
一応、回復なしのシャドーフレアのほうが、ちょっとだけ火力が高くなる |
ところで。ここまで、MPを切らしたあとの攻撃手段については、特に述べてこなかった。
…やれ、今回バトルの考え方としては、せっかく“普段はマスター1歩手前で止めている魔法剣士”を極めているのだから、そのアビリティであるランク6魔法剣(フレア・ホーリー・アスピル)については、アスピル剣以外も活かしてやりたいという思いがあった。
そのため。今回は、敵にダメージを与える手段として、「魔法剣フレア」を使っていく。ご存じ、武器の攻撃力を+100し、かつ、物理防御力を1/4として扱うという強力な性能を持ち、弱点属性を持たない敵には最高の攻撃手段となるほか、他の魔法剣が弱点属性やST異常耐性を考えていかなければならない中、状況を選ばずに使用可能というメリットが大きく、通常プレイでもちょくちょく名前を聞く技である。
…しかしながら。今回は、MP切れという防御重視の作戦を用いている都合、レベルドーピングは使用せず、低レベルキャラの火力で地道に戦っていきたいという思いがあった。そして、ファリスLv4が、アポカリプス+チキンナイフを装備し、フレア剣みだれうちで8連撃をしても、プロテス半減を前提とした場合、250×8=2000程度のダメージにしかならない(フレア剣の防御力低下の特性は、「みだれうち」の防御力無視と重複し、意味が無くなってしまう)。
――いやまあ、それでも、低レベルキャラの攻撃手段としては決して悪くないのであるが、デメリットとして、第1形態ではダミーターゲットに攻撃が逸れ、そして第2形態では2回ぶんのカウンター対象となる。つまり、決してフレア剣が最良の攻撃手段というわけではないのだ。やれ、今回は魔法剣にこだわるバトルとはいえ、そこまでやるか?
という気がしてきた…。
ところで。魔法剣フレアについては、消費MPが「30」と大きい。MP32のファリスはギリギリ唱えられるが、MP14のバッツは「金の髪飾り」を装備しても僅かに足りず、「MP30%アップ」などによる補助が必要だ。もちろん、そんな余裕は無い。
…というわけで、私は、「ものまね」で魔法剣を真似するという手段で、消費MPの問題を解決していこうとした。魔法剣は、1回掛ければ永続であるため、多少の無理をしてでも、ものまねで発動する価値はあるはずだ。
――だが、この方法は上手く行かなかった。というのも、魔法剣をモノマネすると、エフェクトは物真似を実行したキャラに表示されるのだが、その後に攻撃しても、魔法剣の効果が発動しないのだ(元々の使用者に上書きしている?)。バグかと思って、装備を取り替えたり、並び順を変えたりしても駄目なので、そういう仕様と割り切るほかあるまい。フレアだけでなく、魔法剣アスピルについても、消費MPが「1」というのは良いが、どうせなら「まほうけん」というコマンド自体を節約したかったくらいなので、“ものまねできない”という性質は痛手であった。
そういうわけで。魔法剣フレアで攻撃をするのはファリスのみとし、クルルとバッツは、他の手段での攻撃を仕掛けていく。使うのは、「ちょうごう」による、高威力の技だ。具体的には、「ドレインキッス」と「シャドーフレア」が該当する。どちらもほぼ同威力であるが、素材が重複しておらず(ドレインキッスが「亀の甲羅+乙女のキッス」、シャドーフレアが「ダークマター+ダークマター」)、アイテム切れを防ぐことが可能であり、魔法攻撃なので、両者ともに、シェルなし前提で1000弱のダメージを与えられる。なお、ドレインキッスには“HP回復効果とエフェクトが短い”、シャドーフレアには“スリップも含めて微妙に高火力”という特性があるが、その面での使い分けは、あまり意識していかなかった。2つの技を使ったほうが見た目が面白くなるという理由が大きい。
…しかしながら、今回は「まほうけん」「みだれうち」がコマンドを埋めている都合、ものまね師を前提としても、クルル・バッツの両方に「ちょうごう」をセットしてしまうと、エヌオーのヘイスト・プロテス・シェル・リジェネを解除できなくなる(意外にも、調合技にディスペル効果を持つものは無い)。よって、「ちょうごう」はクルルのみで我慢し(バッツは「しろまほう」)、バッツは「ものまね」で調合技を発動していくことにする。タイミングが合わないとバッツのターンは無駄になるが、一応、素早さ的には、クルル→バッツとターンが回るようにしているため、それなりの頻度で攻撃可能である。
MPさえ枯渇させれば余裕!(大嘘) |
ということで。まとめると、まずレナはバックアップ要員となり、「かくれる」で退避しつつ、必要に応じて現れ、「そせい」で味方全体を復活させたりする。そして、前衛のファリス・クルル・バッツの3名は、「魔法剣アスピルみだれうち」で、まずは敵MPをゼロとする。
…その後の攻撃手段は、ファリスは魔法剣をフレアに切り替え、「みだれうち」で攻撃をする。そして、クルルは「ちょうごう」で高火力の技を使い、バッツはタイミングが合えば、「ものまね」でクルルの真似をしていく。
――そして。敵は、MP切れの状態でも、こちらの状態を崩す攻撃を使ってくることがあるのだが、その場合は、まずは前衛3人で何とかするように心がけ、どうしようも無いときだけ、隠れているレナを登場させ、「そせい」で全員を復活させ、すぐにまた隠れるようにする。レナは、リフレクトリング+フォースシールドを装備しており、そう簡単に死ぬことは無いが、「ディメンションゼロ」などが当たってしまうと、復活時にヘイスト状態が掛かっていないため、途端にピンチとなってしまうからだ。
というわけで。説明してみると、なかなか悪くない感じに思えてしまうが、その実態は、第1形態はみだれうちが外れまくり、そしてダミー(腕)の「グランドクロス」と「ギガフレア」で崩されまくりである。
…そして、第2形態については、ダミーが消えるため、魔法剣アスピルみだれうちにて速攻でMPを枯渇させられるのは良いものの、「グランドクロス」で異常付けにされ、「ディメンションゼロ」で粉砕され、そしてカウンターの「死神のつるぎ」と「死者の踊り」で死んだりゾンビ化させられたりと散々である。しかも、魔法剣フレアみだれうちによる攻撃は、2回のカウンター対象となるため、運が悪いと一気にピンチへと陥る。
――ということで。MPを切らせば楽勝なんて、そんなことは全く無かったのだ。腕ダミーが定期的に崩してくるだけの第1形態はともかく、第2形態は、グランドクロスやカウンターで発生したST異常の解除に、ディメンションゼロで出た戦闘不能者の蘇生など、かなり忙しい戦いとなってしまった。
やれ、この「魔法剣アスピルでMPを枯渇させる」という作戦は、もともと本編ラスボスで使おうとしていて、今回はそのボツネタを再利用したという形になる。だが、この結果を見れば、没にした当時の判断のほうが正しかったのかもしれない。さらば、アスピル剣よ…。
◆動画◆
エヌオー「は?
誰おまえ?」 |
パート4である。今回は、FF5界の伝統芸能:「レベル255デス」を、本プレイとしては初めて使ってみることにしよう。
…さて、今さら言うまでも無いかもしれないが、FF5における「レベル5デス」は、レベル条件さえ合致すれば、ボス耐性も即死耐性も貫通して、必中の即死効果を与える。これまで、老化ステータスや「黒の衝撃」などとコンボして、様々な敵を即死させてきた。
――しかしながら、レベル操作の方法として著名ながらも、これまで封印してきたものが、一つ存在する。それが、通称「レベル255デス」というテクニックだ。FF5では、「ドラゴンパワー」などによるレベルドーピングは、レベル255が上限となる(ダメージ計算に使われるのはLv99まで。また、Lv256以上になるように強化した場合は、255で止まる)。この255は、5の倍数である。よって、相手に極限までレベルドーピングを行えば、必ずレベル5デスを命中させられるようになるのだ。例外は、オートリフレク持ちの相手とアンデッドだけであり、正真正銘の必殺技であると言える。
ちなみに。255は3の倍数でもあり、「レベル3フレア」も命中させられるが、この性質は、全くと言って良いほど注目されていない。当然である。何故なら、3の倍数でないレベル値を持つ敵に対しては、「サムソンパワー」の+10、または「ドラゴンパワー」の+20のどちらかを1回使うことで、必ずレベル3フレアが命中する状態へと変更できるからだ。よって、わざわざ255まで上げる必要は無い。
…さて、確か、私が知ったのは小学校の時だったと思うが、“3の倍数”についての超有名な性質として、「各桁を足し算していって、その値が3の倍数となれば、元々の数も3の倍数である」というものが存在する。「サムソンパワー」の+10なら“各桁の和”を+1だけ、「ドラゴンパワー」の+20なら+2だけ動かせる。よって、1回のレベルドーピングで、必ずレベル値を3の倍数に変更できるのだ。
――なお、重箱の隅をつついて、「レベル0の相手はどうなるの?」「レベルが241とかだったら…」などと言ってみたところで、まず、レベル0の敵(グランドマミー、軍曹)には、全てのレベル系魔法が通用するという仕様であるため、問題ない。また、レベル値が241とかのバグった敵(実際は、原種オメガのLv119が最大)を用意したところで、Lv255にしてしまえばレベル3フレアが通用する。結局のところ、極端な例を出したところで、「最大でも1回のレベル操作で、必ずレベル3フレアが命中する状況にできる」という性質は、変化しないのだ。
さて。余談が長くなってしまった。この「レベル255デス」であるが、エヌオーに対しては、大真面目な攻略法の1つとなる。
…やれ、エヌオーは、明確な弱点を持たない強敵である。だが、敵は初期のレベル値が「97」と高い(第1形態・第2形態で同じ)ため、8回の「ドラゴンパワー」を使えば、レベルが「255」へと達し、その後に「レベル5デス」を使えば、敵を即死させられる。つまり、9回のコマンドで、エヌオーを倒せるのだ。ダメージで言えば、毎回6667〜7499を与えているのと同じであり、かなり効率は良い。
――ところで。ご存じ、エヌオーは、第1形態と第2形態が別モンスター扱いのため、第1形態をLv255にして即死させても、第2形態に対しては、再びレベルドーピングから始める必要がある。だが、それをもってなお、「攻略法」と呼んで良いだけの、メリットある作戦となっているのだ。
いつもながら、全員リフレクで1ターン目は100%安全になるので、その間に |
というわけで。通常攻略でも、エヌオーに対する「レベル255デス」は、悪くない攻略法なのだが、今回はそれを低レベル向けにアレンジしてみる。
…まず、レベル5デスを発動する方法として、「はなつ:イグゼクレーター」を用いる。「は? 誰おまえ?」という感じだろうが、孤島の神殿(2つ目の石板ダンジョン)に出現する小型の魔導師モンスターであり、全てのレベル系魔法を用いてくる。「レベル5デス」も使用するが、直前のピラミッドにてレナが離脱している都合、一発全滅することは少ないだろう。青魔法のラーニングも可能なものの、どのレベル系魔法も最速ではなく、注目されることは少ない。
――ただし。「レベル5デス」は、実は消費MPが「22」と高く、低レベルキャラでは、Lv4ファリスと、半減前提でLv2バッツしか唱えられない。しかし、前述のイグゼクレーター放つを使えば、レナ・クルルであっても、「レベル5デス」を発動できるのだ。特に第2形態では、バトルの流れによって、誰がレベル5デスを使うかが異なってくるため、使用者を増やせるメリットは大きいと感じた。
では、サクッと、エヌオー第1形態と戦っていこう。これまでの戦闘でも触れている通り、敵1ターン目は「ファイガ
/ サンダガ / ブリザガ」であるため、カーバンクルで、100%安全となる。いっぽうの2ターン目は、「バイオ
/ エアロガ / アクアブレス」であり、アクアブレスは無属性全体攻撃で、イージスの盾の回避対象にすらならないという鬼畜技である。よって、まずは、敵2ターン目が来る前に、第1形態を終わらせていきたい。
…と言っても、やり方としては、作戦というほどのものもなく、全員が「エルメスの靴」で開幕から加速しつつ、まず「魔法のランプ」版のカーバンクルでリフレクを貼り、「ちょうごう:ドラゴンパワー」を相手に向けて8回使い、次にターンが回ってきたキャラが「はなつ」でレベル5デスを発動する。これだけだ。敵が「アクアブレス」を使うターンが来る前に、レベル255デスが成立し、第1形態を終わらせられる。
――やれ、実戦では、ファリスLv4が「クイック」による2連続行動まで使って、急いでいった(そのため、ファリスは枠が埋まって、レベル5デスを発動不能になった…)が、そこまでする必要も無かったかもしれない。または、第2形態に2連続行動を取っておくという手もあったかな。
ちなみに。エヌオー第1形態にレベル5デスを成立させると、ダミーを含めて、3体のターゲットに全てドクロマークが表示される(本体に命中しない場合は、全ての対象に何のエフェクトも出てこない)。そして、敵全体が紫色になって消滅したあと、「『無』の力が
増幅していく!」というメッセージとともに、エヌオーがパッと急に現れて、通常の第2形態戦がスタートする(レベル5デスにFA封じの能力は無いので、本体のファイナルアタックで第2形態が登場している)。
…というわけで、ガーディアンほどではないものの(【YouTube】)、レベル255デスを使ったことで、ちょっと変わった死に方となる。気になる方は、このあと紹介する撃破動画にて、是非ご確認していただきたい。
敵のレベル5デスを反射しても勝てるが、ネタ度は低め |
では、続いて、エヌオー第2形態である。ご存じ、敵は別モンスター扱いとして登場するため、再びLv255へとドーピングをするところから始めなければならない。だが、ここからは、パターンがなかなか複雑となってくるのだ。
…というのも、第2形態は、1ターン目の行動として、「アルマゲスト」「ディメンションゼロ」などを含めた、凶悪な2連続攻撃を使用してくる。この行動の前に敵をレベル255まで持っていくことは不可能であり、どうやっても敵の2連続攻撃を凌がなければならない。
――ただ、今回は、短期決戦ということで、「かくれる」「ジャンプ」は使わず、あえて敵の2連続攻撃を、真正面から受け止めてみた。防御態勢としては、レナに「フォースシールド」を装備させたうえで「そせい」をセットし、クルル&バッツ&ファリスには「イージスの盾」を付けておく。これで、アルマゲストが来ても、レナは無効化できるし、他キャラも1/3の確率で特殊回避を発動できる。また、「ミラージュベスト」で分身も用意しているため、「ディメンションゼロ」であっても、1回だけは回避できる。なお、「メテオ」が選ばれた場合も、均等に4人に配られて一発全滅となる確率は、闇遊戯理論(【日記:2022/1/14】)により、4/4×3/4×2/4×1/4 = 3/32であり、そこまで警戒するほどでもないだろう。
というわけで。第2形態戦は、完封とはならないものの、そう簡単に死ぬわけでもないという感じになる。
…そのため、フォースシールド レナの「そせい」を立て直しの軸としつつ、「ドラゴンパワー」でレベルドーピングをし、最後に「レベル5デス」で締めれば良い。ちなみに、「ドラゴンパワー」は、敵側のカウンター対象とならないため、「死神のつるぎ」も「死者の踊り」も飛んでこず、普通にダメージを与えるよりも楽なくらいである。さすがレベル255デス、エヌオー戦で、攻略法の1つとして語られるくらいだ…。
ところで。エヌオー第2形態は、6ターンルーチンの5ターン目で、「レベル3フレア
/ レベル4グラビガ / レベル5デス」というレベル系魔法を使う。これらは全て、リフレク反射が可能であり、“元々の対象(バッツ側のキャラ)の条件が一致しなくとも、反射した側(エヌオー)のレベル値に合えば、効果が発動する”という性質を持っている。つまり…エヌオーを、自身が発動した「レベル5デス」で、自滅させられる!
――ただまあ、実際にやってみたが、他の魔法を4連反射したときのように、「パパパパン!」とエフェクトが4つ重なるわけでもなく、通常の「レベル5デス」で倒した時と演出は同じである。しかも、敵5ターン目が来るまでに、余裕でエヌオーをレベル255へと持っていけるため、レベル系魔法のターンまで、無駄にターンを流すことになる。そんなわけで、「レベル5デス」を反射する作戦は、ネタ度も実用性も低めだが、一応は攻略動画に収録しておいたので、必要に応じて、ご覧いただきたい。さて、今回は割と短くまとまったが、これはもちろん、次が悲惨な戦いになるということである…。
◆動画◆
何を貰っても死ぬ、地獄の戦い |
最終回である。今回は、「Lv1ひとり(かくれる禁止)」という究極条件で、裏ボスであるエヌオーに挑んでみたいと思う。
…さて、ご存じの通り、「かくれる」は、FF5における最強の防御手段である。隠れているキャラを戦闘不能にできる手段は存在しない(強いて言うなら、逃走可能なバトルでは、生存者が隠れているキャラだけになると逃げてしまう、というくらい)。しかも、任意のタイミングで隠れる/現れることができるため、「かくれる」を解禁するだけで、「安全なターンだけ現れて攻撃する」という戦法が成立してしまう。もちろん、事前情報は必須であるし、敵行動を正確にカウントし続けるというデメリットは存在するものの、「『かくれる』を解禁するだけで、勝てることが分かってしまう」というバトルも少なくない。
――ということで。低レベルプレイに様々な条件を付加していく中で、「かくれる禁止」という制限が出てくることは、至極当然の話であった。そこに、あの伝説のFF5プレイヤー:にゅすけ氏の攻略によって有名となった「Lv1ひとり」(【氏のFF5ページ】)という条件をプラスすると、戦闘不能者が出た瞬間にゲームオーバーであり、「Lv1キャラが1人で、真正面から敵の攻撃を凌ぎ切る」という、これぞ低レベルクリアーという条件になるのだ。
というわけで。「Lv1ひとり(かくれる禁止)」という条件は、これまでの分割更新の攻略において、定番の条件となってきた(Lv1キャラにこだわらず、「低レベルひとり」としている場合もある)。
――では、この定番と言える条件が、なぜ今回のエヌオー戦では、最終弾まで登場が遅れたかというと…単純な話で、難易度が高すぎるのである。正直、プレイする前は、とても勝てるとは思えなかったくらいだ。だが、頑張って勝利したので、エヌオー攻略の総まとめとして、どうか見届けていただきたい。
死死死死死死死死死死死死死死 |
では。エヌオーを「Lv1ひとり(かくれる禁止)」という条件で攻略するのが、どうしてそんなに難しいのか。それはひとえに、敵の攻撃手段の多彩さにある。とりわけ厄介なのが、「アクアブレス」「メテオ」「ギガフレア」「ドレインタッチ」などの無属性必中攻撃だ。
…さて、ここで、重要なことなので、エヌオーたちの攻撃手段を、サラッとおさらいしてみることにしよう。
さて、4体の敵が使う攻撃のうち、Lv1キャラを戦闘不能にしうる攻撃は、21種類である。
…では次に、それらの攻撃を、「@防御手段を問わず、確実に全滅するもの」「A防御手段を問わず、一定の危険度が存在するもの」「B手段によっては耐えられるもの」「C容易に防御手段を得られるもの」の4種類に分類してみよう。
とまあ、こんな感じである。「@:防御手段を問わず、確実に全滅するもの」ラインナップされた「アクアブレス」「メテオ」は、MP切れしか対策が存在せず、以前のMP切れ作戦(【その3】)で掛かった時間を考えると、1人プレイでの実用性は無いだろう。そして、「ギガフレア」はMP切れですら絶対に無理なので、「かくれる」(&ジャンプ)なしでは、確実にアウトとなる。これらの攻撃については、使わせないという対策を取るしかない。
…いっぽう、対局に位置する「C容易に完封できるもの」については、フォースシールドやリフレクトリングといった装備品だけでなく、調合技によっても容易に防御が可能であり、これを恐れる必要は無いと言える。
――となると、問題は、間に位置する「A防御手段を問わず、一定の危険度が存在するもの」と「B手段によっては完封できるもの」を、どこまで守っていけるかということになる。特に、Bに相当する攻撃は、8種類と上記の分類の中で最も多いため、できるだけこれを多く耐えることが重要だ。
地味に使いづらい「フォースシールド」に、ようやく本格的な出番が! |
さて。エヌオーの各攻撃について、実用的な防御手段は「I:フォースシールド」「II:イージスの盾」「III:リフレク(リフレクトリング)」「IV:調合技」の4種類だ。これらのどれを使い、どう組み合わせていくかということが、実戦では重要になっていく。
…まず、エヌオーの攻撃に対して、とりわけ有用なのが、全属性を吸収する「I:フォースシールド」と、多くの魔法を反射できる「III:リフレク(リフレクトリング)」だ。ただし、これら2つには、大量の重複部分が存在する。例えば、本体が初ターンに使ってくるガ系魔法は、フォースシールドとリフレクの、どちらを使っても安全だ。重要なところなので、突き詰めて考えたところ、「フォースシールドで防げるが、リフレクで防げない攻撃」は「アルマゲスト」のみ、「リフレクで防げるが、フォースシールドで防げない攻撃」は「フレア」と「デルタアタック」のみである(炎・氷耐性を調合で付与する前提)。
――また、「II:イージスの盾」については、フォースシールドによる全属性耐性を失うため、有り得ない…と思いきや、意外と検討する価値がある。何故なら、「1/3ではあるものの、『ドレインタッチ』に対抗できうる唯一の手段である」「石化耐性を持つため、グランドクロス石化による全滅や『悪魔の瞳』『ホワイトホール』に対抗できる」「物理回避率が、フォースシールド[10]に対して、イージスの盾[33]と高いため、『死神のつるぎ』の回避率を上げられる」「唯一の泣き所であるアルマゲストに対しても、1/3の確率で特殊回避を発動させればノーダメージとなる」と、独自のメリットが多数存在するからだ。よって、大真面目に、フォースシールドとイージスの盾は競合相手となるのだ。
というわけで。盾の時点で、フォースシールドとイージスの盾が候補となる。そしてそこに、リフレクを噛ませるか否か、リフレクを使う場合は、「リフレクトリング」にするか、それとも「IV:ちょうごう/ドラゴンアーマーによる逐次発動」にするか…という検討が必要となるのだ。
というわけで。実戦では、「フォースシールド+リフレク」「イージスの盾+リフレク」「フォースシールドのみ」などと状況を変え、エヌオーの各ターンについて、どれだけの確率で耐えられるか…ということをリストアップして、検討を進めていった。
…そして、実際に採用されたのは、「フォースシールド+リフレク」の組み合わせである。前述の通り、この組み合わせは重複が多く、フォースシールドのみで防げる攻撃は「アルマゲスト」、リフレクのみで防げる攻撃は「フレア」「デルタアタック」しか存在しない。ただ、それらの攻撃は、どれも攻略上のキーとなる。まずリフレクについて、エヌオー第1形態の3ターン目には、「メテオ
/ フレア / ホーリー」という攻撃があり、メテオはどちらにせよ終わりだが、フレアはリフレク反射が可能なため、リフレクなしだと2/3の確率で死んでしまう。そして、エヌオー第2形態の2ターン目には「デルタアタック
/ フレア / ホーリー」というターンがあり、リフレクを貼っていれば100%安全だが、フォースシールドだけだと2/3の確率でアウトとなる。とまあこんな感じで、要所要所でリフレク反射は重要になってくるため、これを使わない手は無いと考えた。
――いっぽうの、「フォースシールド」の起用については、第2形態の「アルマゲスト」を確実に防げるというのが大きなメリットとなるが、それ以外にも、リフレク反射不能な「メルトダウン」「ディープフリーズ」に対抗できる(GBA版)というポイントも存在する。もちろん、調合技の「ドラゴンシールド」(炎・氷・雷無効の耐性を付与)でも良いのだが、ただ、ドラゴンシールドの使用には1ターンを潰してしまう。後から振り返ってみて分かったのだが、第1形態戦は、「ギガフレア」が来るまでのタイムリミットに対し、敵味方が最良の行動をして、ようやく1回だけ自由なコマンド入力の余裕が生まれるというギリギリの戦いであったため、1ターンを潰すデメリットは大きい。よって、「フォースシールド」を採用したことも、良かったように思える。
ピンポイントでのリフレク発動も重要 |
また、リフレクの発生手段としては、もちろん永続の「リフレクトリング」を使う…と思いきや、「ちょうごう:ドラゴンアーマー」(リフレク+プロテス+シェル状態を付与)を用いていく。なお、リフレクは時間経過で切れてしまうため、逐一発動が必要となる。
…では、それだけのデメリットを負ってまで、絶対に装備したいアクセサリはと言うと…それはもちろん、「エルメスの靴」だ。お馴染み、オートヘイストの効果を得られるアクセサリであり、他のアクセサリの出番を根こそぎ奪ってしまうことから、バランスブレイカーとされることもある。そして、エヌオー戦では、多くの魔法攻撃を防御できる「リフレクトリング」や、必中ゾンビの「死者の踊り」を防御できる「天使の指輪」なども重要である。
――では、なぜ私が、今回バトルでエルメスの靴に注目をしたかというと…それは、ステータス耐性である。これまでも何度か述べてきたが、エルメスの靴には、「睡眠・麻痺・スロウ・ストップ」に対する耐性を得られるというおまけがある。だが、今回バトルでは、厄介な技の中に「グランドクロス」が存在する。睡眠・麻痺・スロウ・ストップは、まあ、発動したらどれも終了だろうなということは分かる(ヘイストドリンクで発動させたヘイストは、グランドクロスのスロウによって、相殺ではなく上書きされる)。それらに対して、一気に耐性を得られるエルメスの靴の“おまけ”は、おまけが本体と言っても良いくらいの強さを誇るのだ。余談だが、最近では耐性部分を目当てとして使うことの多い「ボーンメイル」は、「即死・毒・暗闇・老化・混乱・バーサク」を無効化するものであり、なんとエルメスの靴とは1つの重複も無い。
そしてもちろん、エルメスの靴の“おまけ”でないほうの効果として、初手からヘイスト状態でスタートし、序盤の展開を有利にできるという点も見逃せない。素早さ50のキャラを使い、「リフレクトリング」を装備して、最初に「ちょうごう:ヘイストドリンク」で始めた場合、実質的な初手はt=105からとなる。いっぽう、「エルメスの靴」を使えば、初手はt=35、「ちょうごう:ドラゴンアーマー」を入れたとしても、実質t=70からだ。たった1手、されど1手という感じであり、コマンド入力回数が鬼のように厳しい第1形態戦では、この猶予が喉から手がでるほど欲しいのである。
そして。最後の重要な検討対象としては、体防具が存在する。今回は、「100%ではない物理回避率を0%にする」という特殊効果を持つ単体物理攻撃:「ディメンションゼロ」が存在し、エヌオー第2形態が「1ターン目の2連続攻撃で、それぞれ1/3」と「6ターン目に、必ず」という頻度で使ってくる。防御手段は、分身・召喚ゴーレム・「まもり」であるが、今回プレイで実用性があるのは分身のみである。ちなみに、分身を掛けるために、大真面目に「ちょうごう:祝福のキッス」を自分に対して使おう、などと検討したこともあった。
…ということで。体防具については、最初から分身ステータスを1つ持った状態でスタートできる「ミラージュベスト」で決まり…と思いきや、実際に採用していったのは、「ボーンメイル」であった。というのも、ボーンメイルには、即死耐性が存在し、石化+即死の「ホワイトホール」を確実に防御できるからだ(GBA版では、どちらか片方の耐性があれば、両方を無効化できるという仕様である)。ホワイトホールは、ダミー(杖)が3ターン目の行動として使ってきうるほか、第2形態戦では、自発的な行動やカウンターとしてもちょくちょく飛んでくるため、それを確実に無効化できるというメリットは大きい。なお、即死耐性は、「ちょうごう:ライフシールド」でも付与できるのだが、例によって、1手を節約できるというメリットは重要だ。
――ちなみに。石化だけを付与する「悪魔の瞳」と、石化+即死の「ホワイトホール」だと、どう考えても後者のほうが強そうだが、前述の理由により、実戦で恐ろしいのは「悪魔の瞳」である。ホワイトホールはボーンメイルで100%安全となるが、悪魔の瞳は、普通に石化させられて終わる。一応、ドラゴンアーマーのおまけとして付いてくるシェル状態で命中率が半減している(はず)のだが、それでも、かなり危険な瞳であると認識していった。
最速6回、期待値通りでもコマンド12〜14回と、攻撃性能は悪くないが… |
装備があらかた決まったということで、次はアビリティである。
…まず、今回は、「かくれる」(&ジャンプ)を封印しているため、エヌオー第1形態戦において、ダミー(腕)が使用する「ギガフレア」という、絶対の時間制限が存在する。タイムリミットは、t=600程度であり、素早さ「50」かつ「エルメスの靴」装備でスタートした場合、17回のコマンド入力が許される。
――では、それだけコマンドが入れられれば余裕かというと、とんでもない。というか、タイムリミットまでにHP60000を削れる手段は、極めて限られる。例えば、“全体に固定3000”と、低レベルでは最高クラスの性能を誇る「ごうせい:ニードルキャノン」を使ったところで、コマンド20回が必要であり、余裕で足りない。「はなつ」あたりで9999ダメージを与え、その後にニードルキャノンを16連打しても、57999ダメージにしかならないということで、ニードルキャノン頼みでは無理である。
ならばと、当初の私が大真面目に考えていったのは、「ひっさつ:エレメントアタック」の使用である。「ひっさつ」は、剣闘士のコマンドアビリティであり、剣闘士をマスターした状態であれば、確定9999ダメージの「エレメントアタック」が50%の確率で発動する。期待値通りのダメージを与えられれば、コマンド12回でダメージは59994に達し、リフレク反射で微弱なダメージを追加すれば、第1形態を倒せるだろう。これなら、運次第ではあるものの、行動17回以内で相手を倒すという目的を達成できそうだ。通常の低レベルプレイであれば、エレメントアタックの威力は壊れ気味であるが、エヌオー第1形態では、それくらい急がなければ、バトルが間に合わないのである。
…そして、「ひっさつ」を使う明確なメリットに、レベルドーピングが必要ないということがある。「ドラゴンパワー」などによるレベルドーピングは、低レベルプレイにおける火力強化の基本であり、ここまで何度も活用してきた。ただ、特化すると火力が適正レベル攻略すら凌駕し、低レベルらしさがなくなってしまうという難点がある。そのため、できれば縛っていきたいと思っている手段でもあった。
――さて、「ひっさつ:エレメントアタック」なら、確定9999を与えられるため、レベルドーピングは必要ない。ダメージが運次第という難点も、そもそもが運ゲーであるエヌオー戦の方向性とは矛盾しない。そして、敵が属性に一切の耐性を持たないという点も、追い風になっている。
ただ、実際には、「ひっさつ:エレメントアタック」を採用した作戦では、エヌオーを倒すことはできなかった。それは、第2形態まで行ったが負けてしまうだとか、「ギガフレア」の時間制限が来てしまうとか、そういうハイレベルの話ではない。エヌオー第1形態本体の攻撃で、普通に死ぬのである。
…やれ。後々の展開を考えると、エレメントアタック作戦のコマンドアビリティは、ものまね師を前提とし、「[ものまね] /
ひっさつ / ちょうごう / ぶんしん」で確定となる。「ちょうごう」は、エルメスの靴装備ならドラゴンアーマー(リフレク)、リフレクトリング装備ならヘイストドリンクしか使わず、汎用性の低いコマンドなのだが、どちらも使わなければ終わるレベルの必須技であるため、「ちょうごう」は外せない。
――ということで。エレメントアタック時に使うコマンドでは、エヌオーのコマンドを全く妨害できない。エヌオー本体は、こちらのキャラより少し遅いくらいのペースで行動し、4ターンルーチンの2,3,4ターン目では、それぞれ1/3の確率でこちらのLv1キャラを撃破可能である。これにより、「ギガフレア」による時間制限など関係なく、ルーチン行動で死ねるのだ。少し計算してみると、ギガフレア発動までに、エヌオー本体は10回の攻撃ができ、そのうち、“1/3の確率でキャラが死ぬターン”は7回訪れる。よって、ギガフレア発動前に、普通の攻撃で敗退する確率は、なんと94.1%である。もちろん、杖の「ヘイスト」によってエヌオーが加速してしまうと、更に絶望的である。ギガフレア以前に、エヌオーの通常攻撃を何とかしなければ、勝てないのだ。
エヌオー第1形態には、実はスロウが有効である(第2形態は無効) |
というわけで。実際に採用した攻撃手段は、「ごうせい:ドラゴンキャノン」である。エヌオーには、お馴染み、「ちょうごう:竜の口付け」で、竜タイプという弱点を付与できる。それを、「ごうせい:ドラゴンキャノン」で突けば、限界までのレベルドーピングを前提とし、シェルなしなら確定9999、シェルありでも準カンストのダメージを与えられる。エヌオー第1形態を倒すまでに、5回のレベルドーピング+「竜の口づけ」×1回+6〜7回のドラゴンキャノンということで、計11〜12コマンドだ。これまた、コマンド17回以内という制限を守れそうである。
…そして、「ごうせい」ならば、「スロウキャノン」によって、エヌオー第1形態本体にスロウを掛けられる(攻略本にはスロウ有効と書かれていないが、付与が可能である)。この行動は、極めて重要である。これにより、ギガフレア発動までのエヌオーの行動回数は5回に半減し、上と同様の計算での敗北率は70.4%となる。つまり、ギガフレアまで辿り着ける確率は、5.9%→29.6%と、約5倍に達するのだ。
――もちろん、杖による「ヘイスト」でスロウが消されてしまう可能性もあったりする(FF5では、スロウ状態のキャラにヘイストを掛けると、相殺ではなく、ヘイスト状態で上書きされる)ため、単純に勝率が5倍になるわけではない。だが、「スロウキャノン」を採用してからは、実際にちょくちょく第2形態までバトルが進められるようになり、そして最終的に勝利を掴むこともできた。そのため、スロウの使用は、間違いではなかったと言える。
さらに! レベルドーピングからの「ドラゴンキャノン」を使う明確なメリットとして、第2形態戦を大幅に楽にできるという点がある。
…やれ、ここまで、時間制限が重要となる、エヌオー第1形態の話を行ってきた。一方の第2形態には、確かに、ギガフレアのような直接の時間制限は無い。ただ、危険な攻撃が多く、できるだけ早くバトルを終わらせたいのは同じである。
――さて、攻撃手段として「ひっさつ:エレメントアタック」を採用する場合、第1形態の時と同じく、期待値で12回が必要となる。いっぽうの「ドラゴンキャノン」であれば、第1形態の時にレベルドーピングを済ませているため、「竜の口付け」×1回+「ドラゴンキャノン」×6で計7回と、大幅にコマンド入力回数を減らせる。第1形態ではほぼ対等だった攻撃回数が、第2形態では雲泥の差となるのだ(ちなみに、エヌオー第2形態はスロウを無効化するため、その点での差別化はできない)。
という感じなのだが。「ごうせい」でスロウキャノン&ドラゴンキャノンを使う作戦の欠点は、レベルドーピングが必要となる点である。最初に5回の強化時間が必要となる点は、まあ「エレメントアタック」の発動率と相殺できるので良しとして、やはり「低レベルプレイなのに、レベル値を上昇させることによって火力を強化する」という点は、なんとも言えない居心地の悪さを感じてしまう。
――しかしながら。そのレベルドーピングを封印できる「ひっさつ:エレメントアタック」作戦は、エヌオー第2形態はおろか、ギガフレアまでにすら到達できないということで、全く勝てる気配を感じられなかった。エヌオーという裏ボスの大将を相手に、「Lv1ひとりで撃破(かくれる禁止)」なんて極限の条件で挑んでいるのだから、舐めプをしている余裕は無いのである。
ダミー(杖)の行動で起き上がるときに、既に謎のゾンビ化した色になっている… |
以上のような流れにより、使用キャラと戦法は、以下のものに決まった。
まず、メインのLv1キャラとしては、いつも通り、素早さパラメーターの高いクルルを使用する。まあ、この編成での実素早さは「44」であるため、偶数となって、半減後のレナとの違いは無いはずである(だからといってレナを使ったところで、特別メリットがあるわけでもなく、HP+1とMP+1を持て余すだけだが…)。さらに、既に議論をした通り、重要となる盾枠には「フォースシールド」、アクセサリは「エルメスの靴」としていく。さらに、体防具としては、分身を1つ得られるミラージュベストも候補に挙がったが、最終的には、グランドクロス対策となる「ボーンメイル」を装備していった。
…そして、上で議論に登って来なかった武器&頭枠については、「チキンナイフ」「黒頭巾」で素早さ重視としていく。武器については、「マインゴーシュ」などを装備し、少しでも「死神のつるぎ」を受け流せる確率を上げようかなあ…と思ったこともあったが、それが使われるのは第2形態であり、まず第1形態を突破しなければ話にならないということで、「チキンナイフ」で行動速度を上げていった。やれ、どちらかというと、チキンナイフすら捨てて、「フォースシールド
/ イージスの盾」か、イージスの盾二刀流(?)をしたかったのであるが、両手に盾は装備できないので仕方あるまい。そして頭枠は…黒頭巾以外に、特に意味を為せる装備品が無い。
――最後に、コマンドアビリティについては、ものまね師の3枠に、「ごうせい」「ちょうごう」「ぶんしん」をセットしていった。「ごうせい」は、スロウキャノンとドラゴンキャノンという2大技を発動するためにもちろん必須で、「ちょうごう」も竜の口付けとドラゴンパワーを発動するために必要、最後の「ぶんしん」も、第2形態の「ディメンションゼロ」を回避するために確定である。ということで、コマンドについては、全く変える余地が無い。
そして。味方側の状況については、今回はLv1ひとりということで、戦闘に使うクルル以外を戦闘不能にする。
…加えて、クルルについては、小人状態にしておく。ディメンションゼロは、100%で無い回避率を0%にしてしまうため、小人にしても関係ない…と思うかもしれないが、「死神のつるぎ」のほうは、普通の物理回避率を参照する。フォースシールドは、物理回避率が「10」しか無いため、それが2倍になっても回避率20%と微々たる差であるが、やり込みプレイでは、こういう小さなものを積み重ねていくことが重要なのだ。
――また、他の死亡者3人に対しても、あらかじめ剣闘士にジョブチェンジをしておき、さらに「いばらの冠」と「天使の指輪」を装備させておく。これは、「死者の踊り」対策である(剣闘士は、いばらの冠を装備できるジョブの中で、HPが最低)。死者の踊りは、戦闘不能者にも当たり、強制的にゾンビとして起き上がらせるが、対象にゾンビ耐性が存在する場合には、HP1で通常の蘇生が行われるという内容になる。普通のプレイならありがたいが、1人クリアーでは邪魔でしかない。よって、「いばらの冠」でスリップとなり、HP1で起き上がってもすぐに死んでもらうようにするのだ。これで、死者の踊りが、バッツ・レナ・ファリスに当たった場合の問題はなくなった。あ、クルルに当たったら普通に終わるので大丈夫です。
このグランドクロスが、ちょうど第1形態の時間制限の半分 |
では、いよいよ、実際のバトルを始めていこう。まずは、第1形態戦の時間の流れを、一気にまとめておこう。あ、あとから全て解説するので、まずはサラッと流して大丈夫です。
とまあ、こんな感じである…と言われても、意味が分からないだろうから、キーポイントだけ述べておこう。
…まずは、下のほうを見ていただきたい。クルルの15ターン目がt=570であり、ギガフレアがt=600に来るということで、今回バトルは、恐ろしいほどに時間が無い。バトルがかなり上手に進んで、6回目の「ドラゴンキャノン」で倒せたところで、たった1回の自由行動しか許されないのだ。かと言って、必須行動ではない「スロウキャノン」と「ドラゴンアーマー(リフレク付与)」を省略すると、勝率が激減してしまう。
――ちなみに、「t= … 」の数字を上から見ていくと、幾つか裏返っているものがある。まあ、敵の素早さはランダムで1ポイント上下するから仕方ない…と言いたいところだが、一番酷いところで、15ポイントも反転している(t=395とt=380)。全てクルルが遅れる側になっており、前々から考えているように、ターンが回ってきたときに1カウントだけ時間が進むか、ヘイスト状態の「半減」の解釈が間違っているか、「ごうせい」「ちょうごう」などのコマンド実行にタイムラグがあるのか…正直、私は解析レベルまでFF5に詳しいというわけではないので、その辺りのところは分からない。結局のところ、最終的には、実際のゲームで試して、戦法が成り立つかどうかを確かめるしか、方法が無いのだ。
こんな技でも普通に終わるのが、Lv1+ひとりプレイ |
では、上のタイムラインについて、まずは真ん中であるt=300までを、細かく見ていこう。
ここがいきなり赤字になっているのだが、これはもちろん、スロウキャノンのスロウ付与率が75%しか無いからである。 2回目以降のスロウキャノンに掛けるという手も、一応は無いこともないのだが、バトル冒頭かつ、WiiUバーチャルコンソール版で戦闘直前からやり直せるということで、スロウが外れたら即座にやり直しをしていった。
しばらく普通の応酬が続く。杖の「リジェネ」は、発動してしまうと、「ドラゴンキャノン」×6での撃破が遠のいてしまうが、どちらにしろ7回では勝てるため、あまり気にしていなかった。
…そして、第1の失敗ポイントである、エヌオー第1形態本体の2ターン目が訪れる。ここで「アクアブレス」が選ばれてしまうと、どうあがいても失敗は避けられない。アクアブレスは無属性であるうえ、イージスの盾の回避対象にもならないため、使われないことを祈るしかないのである。
続いて、杖2手目は、試練の「ヘイスト」タイムである。FF5のスロウとヘイストは、相殺ではなく上書きされる形式であるため、杖がヘイストするだけで、一気に開幕のスロウキャノンが無と化してしまう。
…ならばと、こちらも「スロウキャノン」を使って上書きをすれば良いのだが、所詮は発動率75%であり、必ず遅延させられるとは限らない。しかも、魔法ヘイストには、「現在の待機時間を半減させる効果」を持つが、スロウキャノンには「現在の待機時間を2倍にする効果」が無い(魔法スロウにはある)ので、すぐにスロウを上書きできたところで、コマンド1回ぶん以上のロスが発生してしまう…はずだ。
――やれ、「はずだ」などと不明瞭なことを書いたのは、ここでヘイストを使われてしまった場合に、その後のバトルが上手くいったことが、一度も無かったからである。スロウキャノンで上書きをするにも、無視してそのまま戦い続けるのも、どちらにせよ地獄であり、ヘイスト=失敗と考えたほうが良かった。その鬼畜さたるや、同枠にあり、同じく厄介なはずの「シェル」(ドラゴンキャノンが9999割れするようになる)が、霞んでしまうくらいであった。
しばらくクルルの自己強化が続いたあと、第2の脱落箇所が現れる。「メテオ」は、アクアブレスと同じく、MP切れしか対抗手段が無いため、低レベル1人では使われてしまった瞬間に失敗だ。
「ドラゴンパワー」によるクルルの強化が終わるあたりで、前半の山場が訪れる。杖と腕の両ダミーが、一撃必殺のST攻撃を使うのだ。
…まず、杖の3ターン目は、2連続攻撃の後半部で、命中率「99」の石化技である「悪魔の瞳」を使う。やれ、普通のゲームならば、石化だけの「悪魔の瞳」よりも、石化+即死の「ホワイトホール」のほうが厄介なのだが、FF5では、複数のステータスが同時発動する技は、一つを防ぐと全て発動しないという仕様(GBA版)のため、ボーンメイルで簡単に防げるホワイトホールのほうが格下である。なお、石化耐性を得られる装備は、「イージスの盾」と「リボン」しかなく、今回はどちらも装備できない(盾枠はフォースシールドで埋まり、ものまね師なので素ではリボン装備不可)。悪魔の瞳は、気合で避けるしかあるまい。
――では、命中率と言うと、今回の編成による魔法回避率は「15」であり、シェル状態によって、必中ではないステータス攻撃の命中率は1/2に下がるはずである。また、既にクルルのレベル値は99(101?)に達しているため、第1段階の命中率は97%、第2段階の命中率は85%、そして更にシェルによって半減するということで、まあ大体、40%程度の命中率になる。「悪魔の瞳」が選ばれる確率自体が1/3ということで、計算を簡単にするために、ここでの失敗確率は1/7(約14.3%)ということにしていった。
ちなみに。2連続行動の前半部である「カエルの歌」のカエル状態についても、既に小人となっているから問題ない…と思いきや、バトルの流れに影響を与える。カエル状態は、物理回避率が0になるというのは知っており、第2形態における「死神のつるぎ」が当たりやすくなるなどの悪影響を与える。が、どうも魔法回避率も0になるらしく、その後の「悪魔の瞳」によって、石化をしやすくなってしまうのだ。
…でもまあ、2連続行動中の前半でカエル化した場合に、後半の魔法でさっそく効果が適用されるかは分からなかったし、カエルの歌は命中率が「66」と低めなこともあって、あまり気にしてはいかなかった。後に乗せる勝率計算でも、考慮していない。
――ちなみに、カエル状態は、わざわざ1ターンを潰して治すほどでもない…というか、調合技だと、「万能薬」では小人も解除してしまい、「乙女のキッス(調合版)」ではおまけのHP回復がボーンメイルで反転して死、「カエルのキッス」には魔法トードと違って“カエルから戻すほうの効果”が無いため、地味にカエル状態の治療手段が存在しなかったりする。
そして。一方の腕ダミーのほうは、第1の大技である「グランドクロス」を使ってくる。これが、今回は、なかなかの即死技となるのだ。
…さて、グランドクロスは、計18種類(17種類?)のステータスの中から、ランダムで1つを選び、「必中」確率で発動させる(耐性があるものが選ばれた場合は、何も起こらない)。今回も、装備枠が苦しい中、「ボーンメイル」と「エルメスの靴」で、できるだけ多くを防げるようには頑張っているものの、「石化」「ゾンビ」は選ばれた瞬間に全滅であり、「死の宣告」についても、明らかに時間が足りず、やはりアウトとなる。というわけで、グランドクロスは、1/6の確率で全滅という、決して侮れない一発全滅技となるのだ。
というわけで。
第1形態戦の前半部と言える、「レベルドーピング完了&グランドクロス発動」までの成功率について、まとめてみよう。
そんなわけで。レベルドーピングが完了するまでという準備段階で、1/6.5という、まあまあキツい確率になってしまった。
…まあでも、「エレメントアタック」狙い(=スロウキャノンを使わない)だと、エヌオー本体の攻撃が5回に増え、ここに更に2/3が2回掛かってしまうので、それよりは遥かにマシである。やはり、本体しか遅延させられないとしても、スロウ状態は重要なのだ。
強化が終わったら、ひたすら火力で攻める! |
では、第1形態後半部の、敵撃破まで(t=300〜600)を記してみよう。
さて。終了までを一気にまとめてしまったが、手抜きではない。ここで失敗する行動は、本体4ターン目の暗黒魔法で「ドレインタッチ」を使われることしか無いからだ。強化が終われば、あとは流れなのである。
――そういうわけで。第1形態を突破できる確率は、ざっくり1/10ということになるだろう。体感としても、だいたいそれくらいではないかな…と思う。「エレメントアタック」の時には絶望的だったが、スロウキャノン&ドラゴンキャノンを採用すると、現実的な確率で、第2形態へと進めるのだ。
コマンド1枠を埋めるが、他だとバグ利用?
のミラージュベスト貼り替えくらいしか… |
では、第2形態とのバトルに、話を進めていこう。もう、「ギガフレア」による時間切れは無く、ダミーが消えて敵が1体になるので、明確に整理する意味は薄い(敵味方で、1:1より味方側有利で行動できる程度)のだが、せっかくだからと言うことで、第1形態の時と同じく、時系列でまとめてみたいと思う。
というわけで。これもまあ、ゴチャっとしているが、赤字部分の数から、厄介なのは、敵の自発的な行動ではなく、カウンターということが、ハッキリ分かっていただけるだろう。
では、各行動について考察をしていこう。濃い赤字の部分は、敵ターンの自発的行動であり、それぞれ1/3ということで、問題はあるまい。死亡する可能性のある攻撃は、「メテオ」「ドレインタッチ」であり、該当ターンの使用率は1/3だ(メテオは2連続行動の1枠目)。
…次に、奇数ターンのカウンターは、「ハリケーン /
死神のつるぎ / 何もしない」となっている。このうち、「死神のつるぎ」が選ばれた場合には、失敗の可能性がある。死神のつるぎは、物理回避率のみによって回避が可能(分身・ゴーレムの回避判定は行われない。即死効果を耐性で無効化しても物理ダメージは受ける。シェルでは命中率は半減しない、などの性質がある)であり、フォースシールド&小人の実質物理回避「20」と、オートアビリティの「しらはどり」により、回避率は46.4%ということになる。逆から考え、「死神のつるぎ」が発動した場合の失敗率は、53.6%である。
――さて、カウンター技として、「死神のつるぎ」が選ばれる確率が1/3であることを考慮したうえで、カウンター[奇]が来た場合の死亡率を、計算を簡単にするために、最も近い自然数の分数として、1/5.5と定めることにしよう。自然数とは…。
続いて、偶数ターンのカウンターは、「ホワイトホール
/ 死者の踊り / 何もしない」というラインナップだ。
…さて、これらの中で、「死者の踊り」は、必中ゾンビという効果を持ち、これでクルルが狙われてしまえば終了である。ただし、戦闘不能者にも当たる(対象をゾンビとして復活させる。ただし、ゾンビ耐性を持つ場合は、HP1での蘇生となる)という性質があるため、実質的な死亡率は1/4である。「死者の踊り」が選出される確率とも合算し、カウンター[遇]での死亡率は、1/12と考えて良いと思われる。
というわけで。上の流れを前提としたうえでの、第2形態の勝率を計算してみよう。
ということで。狙ってはいないが、第1形態・第2形態ともに、勝率は約10%という数値になった。合算すると、当然、バトル全体の勝率は1%となる。
…やれ、第2形態のバトルについては、分身が消される数や、第1形態で自由行動が合ったか否か、その他にも「瀕死技」→「グランドクロスやメルトダウン追加効果によるスリップで死」などといったパターンも存在するため、なかなか確率計算は複雑となる。ただ、体感として、勝率1/10というのは正しいと思える。つまり、合算の勝率が1%というのも、大きくは外れていないであろう。
裏ボスに相応しい、果てしない戦いだった… |
というわけで。今回の、「Lv1ひとりで撃破(かくれる禁止)」でのエヌオー撃破率は、1%ということが分かった。
…やれ、勝率1%と言われると、なかなか苦しそうに思える。だが、私のような歴戦のやり込みゲーマーにとっては、絶妙な確率であるように思えるのだ。今となっては懐かしい、個人サイト全盛期におけるやり込みプレイの黎明では、確率の低さだけが縛りプレイの価値のように捉えられたこともあった。そこから時代が進み、今度は逆に、戦略を練ってしまえば、運要素少なめ・勝率高めの戦いが好まれるようになった。
――だが、そこから更に転じて、「全ての対策を講じたうえで、勝率が低い」という戦いは、なかなか新鮮であるように思える。しかも、概算の勝率は、自然数の中で最少の「1%」である。これが、2桁%となると高すぎだが、小数点以下の確率となると、逆に低すぎであって、ただただ運ゲーという感が増してしまう。そんな中で、「1%」という確率は、“事実上可能”と“理論上可能”の、ちょうど次元の狭間に存在するような感じである。これくらいの確率こそが、最終的に、やり込みプレイが目指すべき領域であると思うのだ。
そして。これにて、エヌオーの、全5回の攻略も終了である。エヌオーは、これまでのグランエイビス・アルケオデーモン・ガーディアンといった、裏ダンジョンの強敵たちと比べても、際立って厄介な性質を持つ相手であり、当初は5回どころか、1回勝てるかどうかですら怪しいと思っていたくらいだ。
――それが、最終的には、こんな様々な撃破法で楽しめたのだから、まったくもって、世の中というのは分からないものである。やっぱり、やり込みプレイに、限界なんてものは無いのだ。これから先も、私より遥かに優れた人が現れて、今からでは想像の付かないような、物凄い攻略を実現してくれるのだろう。なのでやはり、エヌオー戦が収録されたバージョンの配信をですね…。
ちなみに。この日誌の完成間際となって、同じく「低レベルひとり」などの条件を付け、GBA版の追加要素部分もプレイされている配信者様が居ることを発見した。このエヌオー戦についても、もちろん攻略をされている(【ニコニコ】 / 【ブログ】)。
…さて、「ポチ」氏の攻略&動画は、投稿時期が10年以上前と古いうえ、動画の画質がかなり低く(暗い…)、解説ブログもバグっている(PCだと黒背景に黒文字となっている?
)。しかも、動画の投稿時期が、ニコニコ動画に10分の時間制限があった時代であり、それ以上の長さを持つ動画は「zoome」とやらに投稿されていたようだが、そのサービス終了によって、多くが散逸してしまったようだ。こうして、やり込みプレイの記録は失われていくのである。
――しかしながら、エヌオー戦のLv1ひとり動画を見てみたところ、かくれる禁止で「竜の口付け」→「ドラゴンキャノン」を使っている。また、「ごうせい」も封じるならば、「エレメントアタック」しかギガフレアに間に合わせる手段が無いということも、先に見抜いていらっしゃる。恐らく、15年前の時点で、今の私と似たような結論に達していたのであろう。
まあ、氏の攻略と私の攻略には、若干の差異がある(すっぴんを使い、ミラージュベスト貼り替えによって分身状態を確保し、盾持ち替えも使用していることなど)ため、直接の比較はできない。ただ、先駆者兄貴の攻略として、もっと早く知っておきたかったと思う。例えば、ガーディアン戦では、「波動砲」の2連続攻撃に対し、HP奇数&回復行動を決定済みにして耐える(【ニコニコの動画】の5:15ごろ)という、驚きの方式が紹介されている。こういうことを知っておけば、それを前提としたうえで、更に発展させるような攻略ができていたかもしれないからだ。もちろん当サイトも、いつかは消えてしまうことだろう。記録をちゃんと残しておくというのは、実に難しい…。
◆動画◆
個性的で面白いジョブなのだが、いかんせん入手時期が遅すぎる |
こんな感じで。三大裏ボスの一角にして、追加ストーリー上の大ボスと言える「エヌオー」の攻略は終了である。
…さて。エヌオーを倒すと、最後のGBA版追加ジョブである「ネクロマンサー」が手に入る。「アンデッド」の体質を持ち、特定の敵を倒してラーニングすることで、アルケオデーモン・ハーデス・エヌオーといった敵たちが使ってきた「暗黒魔法」を、こちらも使用可能になるという特性がある。
――ただまあ、言うまでもなく、入手が遅すぎであり、ここまで来ると、実用性というより、コレクター向けという意義が大きい。他の追加ジョブである“砲撃士・予言士・剣闘士”も、取得は「伝説の12武器を全て入手したあと」であった。今からすると遥か昔に感じるが、あれですら遅いと言われるくらいである。裏ボスを倒したあとに新ジョブが解禁されたところで、使い道が乏しすぎるのだ。やれ、GBA版のスタッフたちは、今から振り返ると信じられないくらいに、しっかりバランス調整ができていたのだから、もう少し自信を持ってくれて良かったのに…。
そして! 裏ダンジョンである「封印の神殿」に存在するボスも、いよいよ残り1体となった。相手はもちろん、最強とされる「神竜改」である。
…やれ、神竜改は、あのオリジナル神竜における、8000ダメージの「タイダルウエイブ」すら過去の遺物とするような超凶悪技を、毎ターンのように使ってくる。しかも、一定時間ごとに無敵になってダメージを無効化するという、他に類を見ない特性を持っている。そして更に、ファイナルアタックとして、「ギガフレア」→「メテオ」という、エヌオー戦で苦しめられた無属性攻撃を2連発し、これを強引に封じてしまうと、ダミーターゲットが本体をHP全快で復活させてしまうという、ちょっとヤケクソ気味の耐性を持つようだ。毎回言っている気がするが、現段階では、ちょっとどうやって勝てば良いのか分からないという感じである。
――ただまあ。もう、私の中でのFF5攻略は、極限の地平に達してしまっており、ちょっとくらい滅茶苦茶な相手のほうが、むしろ楽しめるというものである。最後の敵である神竜改も、一筋縄では行かないだろうが、きっと来年の私が何とかしてくれるであろう。2023年も、ありがとうございました!
(2023年12月28日) 5430 PV
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