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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
蘇生可能な点など、ボーンメイルとは細かいところで異なっている |
それでは、最後の戦いを始めよう。「封印の神殿」、その最後に残った敵は、三大裏ボスの中でも最強とされる「神竜改」である。
…と、その前に。前回、エヌオーを倒して入手した新ジョブ:「ネクロマンサー」について触れておこう。GBA版追加ジョブ4つの中で、最後に手に入るものであり、ジョブ特性「アンデッド」と、専用技の「暗黒魔法」により、悪くない性能を誇る。
――しかしながら、いかんせん、入手が裏ボスを倒した後とあって、遅すぎる。そのため、実用性というよりも、遊び要素として語られることが多いジョブである。しかし、せっかくだからということで、今回はしっかりと解説をしてみることにしたい。
まず、「ネクロマンサー」というと、“死体を操る術師”という程度の意味であるが、創作作品では、自分自身もアンデッド化していたり、ゾンビ系モンスターの名称だったりすることが多い。FF5もその例に漏れず、ジョブ特性:「アンデッド」によって、回復魔法でダメージを受け、デスでHPが回復する。
…さて、アンデッド特性というと、「ボーンメイル」を装備した際にも得られる(得られてしまう)が、そちらとは細かいところが異なっている。まず、アビリティ「アンデッド」のメリットとしては、戦闘不能からの回復は普通に可能である(ボーンメイルはフェニックスの尾などによる蘇生不可)。また、フェニックスの尾などの蘇生効果を受けても、瀕死で留まれる(ボーンメイルは戦闘不能)。そのため、コマンド「そせい」による全体蘇生とも両立できる。
――また、「アンデッド」では、即死だけでなく、ゾンビ化への耐性も得られる。これまでは、ゾンビというと、アクセサリの「天使の指輪」しか対処法が無く、しかもほとんどの場合はそんな余裕が無いため、「ゾンビーパウダー」や「死者の踊り」が、凶悪技として立ち塞がって来た。よって、それらを防げる手段が増えるというのは大きい。
最後に、「アンデッド」では、「ゾンビブレス」を完全に無効化できる(ダメージが0となり、ゾンビ化もしない。※GBA版)。ピンポイントな特性だが、ゾンビブレスも無属性全体攻撃ということで、低レベルクリアーの天敵であったため、この特性は大きいものだ。
逆に、ボーンメイルと比べたときの、オートアビリティ「アンデッド」のデメリットというと、デス耐性以外のボーンメイルの特性は得られない。ボーンメイルは、“呪いの装備”枠ということで、第2世界の中盤で手に入った当初は、物理防御力の高さ目当てで装備していくことが多かった。しかし、ゲーム終盤では、暗闇・猛毒・即死・バーサク・混乱・老化という多彩なステータス耐性を目的として起用することが多くなり、その他にも、毒属性吸収の能力も有益であった。これらの特性が、オートアビリティ「アンデッド」では得られないのだ。
…また、即死耐性とデス系についてはややこしいが、ボーンメイルでは「グランドクロス」や「ブラスター」による即死も防げた。しかし、「アンデッド」では、これらで即死が出たら死んでしまうということになる。アンデッドが持つのは、“デス系への耐性”であって、即死耐性ではないからだ。
――最後に、オートアビリティ「アンデッド」は、アビリティ枠×1個を要求する。これは途轍もなく厄介だ。ボーンメイルは、体枠の防具であり、競合相手が「ミラージュベスト」と「黒装束」くらいであった。しかしながら、アビリティ枠は毎回熾烈な争いが発生しているため、そこを押しのけて「アンデッド」を付けられるかどうかというのは、なかなか厳しいところがある。
ちなみに。オートアビリティ「アンデッド」は、ネクロマンサー自体に特性アビリティとして具備されているほか、★7アビリティとしても習得できる。しかしながら、メリットとデメリットの両面があるということを考慮してか、ジョブマスターをしても、すっぴん/ものまね師には引き継がれない(バーサーカーの「バーサク」と同じ)。まあ、そりゃそうだよな…という感じである。全ジョブを極めたら全員がアンデッドになってしまうなんて、悲しすぎる。
というわけで。オートアビリティ「アンデッド」は、利点と欠点の両方が存在する。ただ、こういう尖った性能のものは、やり込みプレイでは活躍しやすいことが多い。それだけに、入手タイミングが遅すぎるというのは残念である。例えば、裏ダンジョンの開始時に手に入っていたら、普通にグランエイビス戦やエヌオー戦で、既に役目を果たしていただろうに…。
――それでも! この「アンデッド」には、最高にして最大の活躍場所が残されている。それはもちろん、今回の「神竜改」戦である。というわけで、その出番を楽しみにしていただくということで、まずはネクロマンサーの新能力の1つ目である「アンデッド」の紹介を終えたい。
ちなみに、書くところが無かったのでここに書くのだが、アビリティ以外のネクロマンサーの能力については、見るべき点は無い。パラメーターについては、既存ジョブを上回るものは無いため、マスターしたところで能力値はアップしない。全パラメーターの合計値が1位ということはあるが、それが役立つかどうか…。また、装備については貧弱そのものであり、防御の中心となる盾が装備できないため、敵の攻撃であっさり倒れてしまう。やれ、最後のジョブなのだから、ミラボレアス装備(F外失)みたいな感じで、パラメーターが限界突破するくらいあっても良かったと思うのだが…。
すいませんこれでなに効くの(´・ω・`) |
次に。ネクロマンサー2つ目の要素である「めいやく(盟約)」というコマンドについて述べていこう。最初に言っておくが、これは使えねぇ!
…まず、「めいやく」の内容は、4種類のモンスターを、異次元からランダムで呼び出して攻撃させる、というものである。使用自体はノーコストであり、「とらえる/はなつ」と同じく、呼び出した側のモンスターの火力を参照する。ネクロマンサーのランク1アビリティであり、15ABPで獲得できる。
――具体的に、出現するモンスターは、以下の通りである。
とまあ、こんな感じだ。何をトチ狂ったのか、魔法倍率が最低の「4」か、それに近い敵ばかりを呼んでしまっている。例えば、Lv50・魔力60であれば、魔法倍率は15となるため、これらの魔法を普通に放てば、3倍のダメージを与えられる。一応、どうやら属性強化は乗るようだが(「雷のロッド」を付けたら、スケルトンの威力が200→300と上がった)、もちろんそれなら普通に「サンダガ」とかを放てば良い。いやあ、第1世界終盤で手に入るアビリティとかで、この性能なら分かるよ。裏ボス撃破後だよ?
…というわけで。この「めいやく」は、予言士の「せんこく」(死の宣告のように時間差で様々な効果を与えるが、効果が低すぎるうえに、ボス耐性で全て阻まれる)と同じく、全く使い道の無いアビリティである。更に言うと、「宣告」には専用の新規エフェクトが用意されていた(「よげん」とも異なる)が、「めいやく」は、ただモンスター名が出て既存技が発動するだけであるため、その点でも劣っている。
――やれ、この性能の低さでは、通常プレイにおいて全くの無駄行動となることはもちろん、火力の低い初期レベルクリアーでも、遊び技として使うのが限度であろう。うん、神竜改に遊べる余地は残っているかな…。
ちなみに。ネクロマンサーのジョブコマンドは、次に紹介する「あんこく(暗黒魔法)」という、まあ至極当然の設定になっており、「めいやく」は、わざわざセットしなければ使えないコマンドである。しかしながら、このような尋常ではない低性能を見せつけられたら、普通の人は、1〜2回程度使って終わりであろう。それどころか、内容を知っている人であれば、もはや一度も使わないということも有り得る。
――やれ、ネクロマンサー自体が、もはや裏ボス撃破後のおまけと言っても良いくらいの状況なのだから、「めいやく」はもう少し遊んでも良かったのではないだろうか。ほら、例えば、フレアーが「パワーヒット」で鉄拳制裁をしてくれるとか。
バトル性能は微妙かもしれないが、見た目性能は非常に高い |
最後に。ネクロマンサー3つ目の要素にして、代名詞と言えるのは、コマンドアビリティの「あんこく(暗黒魔法)」である。
…やれ、「あんこく」と聞くと、FFシリーズでは、「自分のHPを削って強力な攻撃を行う」という内容の物が多く、初登場のFF4を皮切りに、FFシリーズで時折登場する技となっている。私の過去のプレイだと、“闇属性を持つことにより、属性強化によってMP消費攻撃+◯◯キラーと同等の威力を出せる”(【FF9/回復禁止
低レベルクリアー:第16話】)、“「たたかう」ではない手軽な打撃攻撃手段となる”(【FF9/回復禁止
低レベルクリアー:第23話】【FF12/たたかう禁止
低レベルクリアー:第8話】)などといった性質を活かすため、ちょくちょくお世話になっていたりする。
――いっぽう、FF5版の「あんこく」は、暗黒魔法の略であり、GBA版で新たに追加された暗黒技を発動できる。ラインナップは、全てが新規技であり、「ドレインタッチ」や「ディープフリーズ」など、これまで裏ダンジョンの強敵たちが使ってきた物も多い。
さて。この暗黒魔法は、さすがに裏ダンジョンのクリア後に手に入るということがあって、威力と効果自体は、それなりに強力なものが多い。ただ、悲しいかな、バトル面での実用性を考えると、やはり出番はほとんど無くなってしまうのである。
…というのも。この暗黒魔法は、まず、「れんぞくま」の対象とならない。魔法攻撃は、最終的には「れんぞくま」とコンボして2連続攻撃にするのが基本であったため、それができないというのは痛すぎる。汎用性最強の「しょうかん」ですら、連続魔法の対象だったのに、なぜ暗黒魔法は非対象なのか。
――さらに。暗黒魔法は、リフレク反射の対象とならない(GBA版)。これは、敵側リフレクを貫通できるメリットとして捉えられなくもないが、いわゆる“デルタアタック”、つまり「味方全員をリフレクにして跳ね返す」という攻撃も不可能となる。今回のようなやり込みプレイだと、リフレク反射で威力を上げていくのは常套手段であった。連続魔法の対象とできず、リフレク反射も行えない…。1/2 × 1/2で、破壊力は1/4なのである。
ただし。暗黒魔法は、これまで裏ダンジョンの強敵たちが使ってきた攻撃手段であり、そういった強力技を自分でも使えるというのは、少年漫画でいう“敵だったキャラが味方になる”という感じで、熱いものを感じる。また、全てがGBA版の新エフェクトであり、使ってみると非常に見栄えがする。さらに、連続魔法やリフレク反射とのコンボはできないものの、決して貧弱なわけではなく、十分に実用に足る性能である。
――そういうわけで。暗黒魔法は、ただ弱いだけのアビリティとは異なり、どこか使ってみたくなる魅力が存在する。後述する習得手段も含めて、「裏ボスの撃破後に、実用性ではなく、遊び要素を付与する」という意味では、十分に成功していると言えるだろう。
「死の宣告」で経験値を0にして倒してもOK! |
さて。そんな暗黒魔法を覚えていく手段は、「該当する敵を、ネクロマンサーで撃破する」という方式である。“バトルの勝利が必要となる”という点においては、FF6の「おぼえたわざ(青魔法)」と似ているが、あちらと違って、青魔法が発動される様子を目撃する必要は無い…というか、そもそも「取得できる暗黒魔法=仕様技」となっている敵は1体も居ない。その代わりに、裏ダンジョンの入り口に居る人物から、暗黒魔法を習得できるモンスターのヒント(所在するダンジョンと、特徴の説明)を得られるため、メチャクチャに悩みまくることは無いであろう。
――ちなみに、この人が、例の“伝説の12武器の勇者”かどうかは、微妙なところである。ただ、暗黒魔法と亡者の巣窟、そして封印の神殿と海底モアイ像の関係性などを語っているところから、やはり並大抵の人物ではない。エヌオーも再び封印されたことだし、成仏せいよ…。
さて。これらの“暗黒魔法を覚えられる敵”の中に、ボスモンスターは1体も居ないため、残念ながら低レベルでは習得不可能である…ということはなく、そもそも経験値が0の敵だったり、「とらえる」で捕獲して経験値を0にしても倒した扱いになったり、何なら「死の宣告」でも良かったりする。そのため、低レベルであっても、普通に技を増やしていけるのだ。
――というわけで。暗黒魔法は、上記の通り、連続魔法・リフレク反射とコンボできない。そして、残ったバトル要素は、神竜改との戦いに、連戦モードの「亡者の巣窟」くらいである。恐らく、低レベルプレイで、暗黒魔法が活躍することは無いだろう。だが集める!
やり込みって、そういうものだ。
汚いなさすがアサシンきたない |
SeeDと戦っていた頃のお前はもっと輝いていたぞ! |
空を飛び(飛んでいるとは言っていない) |
考えるのをやめそう |
最後に。全10個の暗黒魔法のうち、低レベルでは習得できない2つについても、紹介しておきたいと思う。
海の底に封印…エヌオー
= 五条さんだった…? |
というわけで。今回の第37話は、神竜改の回なのであるが、まさか、前段のネクロマンサーの解説だけで終わってしまった。
…とはいえ。分量としては、10000文字強ということで、もはや1コ話として扱っても恥じないくらいである。それに、ちょっと去年は無理をしすぎたから、2024年は、実生活とサイト更新を、バランス良く進めていきたいと考えている。そのため、ここで今回は区切ろうと思う。
――そんなわけで。
持ちネタの「宝箱の中から出現」は健在 |
それでは、「神竜改」の攻略を始めていこう。
まずは…というか、分割更新の今回は、詳細データーからまとめてみることにしよう。
まったく同じタイミングで攻撃を入力すれば、毎回同一の結果に…なりません! |
お分かりいただけただろうか。いや、分かるわけないわな。ということで、神竜改の性質のうち、まずは、「無敵能力」について紹介していこう。
…さて、神竜改には、HP管理を行う「本体」と、自発的な攻撃を行う「ダミー」の、計2体が登場している。このうち、ダメージを与えられるのは本体のみなのであるが、その本体が、全時間の約半分、無敵状態となっているのだ。
――細かい仕様を言うと、本体は、自ターンが回ってきた際に、「無敵と非無敵を入れ替える」という行動を入力している。本体とダミーの素早さは、同じ「95」である。そのため、バトル開始時は非無敵でスタートし、開幕にダミーが使用する「マイティガード」の前後で無敵となり、8ターンルーチン開幕の「ミールストーム」の前後で無敵が解除される…といった感じである。ちなみに、ときどき勘違いされるが、「本体とダミーが入れ替わる」という性質は無く、常に2体がバトルに登場している。ちなみに、ダミーは羽根のあたりに存在するようだ。
さて。上記のように、「特定の攻撃の後で、無敵状態か否かが入れ替わる」というのであれば、分かりやすい。神竜改は、開幕の固定行動のあと、8ターンルーチンと偶数単位で行動をするため、“特定の攻撃”の後に無敵でなければ、バトルが進んでも、その関係が崩れることは決して無い。
…と思いきや、ここからが厄介な性質である。ご存じ、FF5では、敵側の素早さは、±1の範囲で、ランダムに前後する。これにより、ダミーの攻撃ペースと、本体の無敵解除が、少しずつズレていくのだ。我々の目に見えているのは、「ダミーの攻撃」のみであり、本体の無敵化/非無敵化は、いつ起こっているのか分からない(厳密には、ゲージが一瞬止まる現象で判断できる…のか?)。
――しかも。素早さが僅か1ポイントのズレであったとしても、元々の素早さが95…つまり、行動ごとのカウントが「25」ということで、積み重なると影響は莫大である。例えば、本体が「24」・ダミーが「25」カウントずつ行動するようになった場合、8ターンルーチンが終わったところで、ズレは8ポイントとなり、敵行動ペースに対して、1/3も無敵変化が前倒しになってしまう。同様に、本体&ダミーの行動ペースが2カウント差であれば、8ターンルーチンを終えたところで、2/3も両者の行動ペースが違ってきてしまう。こういったものが繰り返されるうちに、何がなんだか分からなくなってしまうのだ。
というわけで、実際に戦ってみての感想として、私は、「敵の無敵化タイミングを完全に把握するのは不可能」と捉えていった。パターン化が可能なのは、本当の序盤くらいであり、そこから先は、「殴ってみて、攻撃が当たるかどうか」という判別しかできない。神竜改は、全ての攻撃を、1/2の確率で回避するモンスターなのである。
…ちなみに、他の防御能力としては、お馴染みダミーターゲットが1つ存在することにより、「みだれうち」や「リフレク反射」による攻撃が散らされてしまう。無敵化による回避能力と合わせて、それらの攻撃は、1/4の確率でしか命中しないということになる。結局のところ、相対的には、他の攻撃と比べても1/2でしかないのだが、「みだれうち」を主力とする戦いは、体感としては、かなり苦しくなるはずだ。
神竜改「…今のはパワーヒットではない…。たたかうだ…」 |
続いて、敵の攻撃能力について、触れていこう。属性攻撃と打撃のコンビネーションが、極めて厄介である。
…さて、神竜改は、原種の持っていた「タイダルウエイブ」に、元ラスボス専用技「アルマゲスト」、そして低レベルでは厄介な「ゾンビブレス」など、多数の凶悪技を、素早さ95=「25」カウントごとという、人外魔境の剛速球で放ってくる。しかし、個々に対処をするのは、そこまで難しくない。
――というのも。まず、属性攻撃は、オメガ改から入手した「フォースシールド」にて、全てを無効化できる。そして、これまで対処できなかった「ゾンビブレス」についても、エヌオー撃破で手に入ったネクロマンサーの「アンデッド(特性アビリティ)」で、0ダメージに軽減でき、ゾンビ状態も発生しない。同じく、三大裏ボスであるオメガ改とエヌオーを倒して得た物品が、さっそく神竜改との戦いで役立ってくれるのだ。かつてのライバルから託された力を使って、最後の敵に挑む…少年漫画的な激アツシーンである。
いっぽう。ここしばらくの敵とは違う特性として、神竜改は打撃も強力である。開幕のモードでは、8ターンルーチン5ターン目に、「たたかう×2」の2連続攻撃がある。攻撃力200の物理倍率40という狂った火力であり、前列だと、約8000という尋常ではない大ダメージを受ける。ただ通常攻撃が、必殺技クラスの威力を誇るのだ。よって、通常プレイであっても、「後列」「マイティガード」「巨人の薬でHP倍化」「ゴーレム」「分身」などの物理対策の中から、複数の物を積み立てていく必要があるだろう。低レベルでは、無論、カスっただけでロストである。
…そして、本体のHPが15000を切ると、「ミュート」を使ったのちに、「たたかう
/ たたかう / クリティカル」×2 → 「たたかう /
クリティカル / 何もしない」×3という、通常攻撃CT0に入る。もちろん、神竜改の素早さも、無敵モード発動もそのままであるため、思った以上に厄介である。
――ただし、ご存じの通り、FF5は、物理攻撃への対策が多いゲームである。「源氏の盾+小人」ならば、ほぼ大丈夫といえる回避率にできる。また、「ぶんしん」や魔法「ブリンク」でも、分身は2体登場するため、2連続攻撃を確実に回避できる。その他、太古の時代から使えた「まもり+かばう」を、ここで復刻してみるというのも面白いだろう。特に、HP15000からのモードチェンジ後に、これらの対策を用意できれば、勝利は確実となる。
というわけで。属性攻撃にも打撃にも、それぞれの対処が可能なのであるが、問題は、これらの組み合わせである。
…まず、属性攻撃に対処するには、「フォースシールド」が最有力であるが、その物理回避率は「10」しか無いため、打撃を受けると簡単に転ばされてしまう。ならばと、回避率の高い「源氏の盾+小人」を装備すると、今度は属性防御が脆弱となり、「ちょうごう:ドラゴンシールド」で3属性耐性を付与しても、「地震」「ブレスウイング」「ポイズンブレス」「アルマゲスト」「タイダルウエイブ」と、多数の攻撃で寝かされてしまう。
――やれ、確かに、地震はレビテト、ポイズンブレスはボーンメイル、タイダルウエイブはさんごの指輪という防御手段が存在する。しかし、「レビテトは戦闘不能で解除される」「ボーンメイルを付けると蘇生が不可能になる」「さんごの指輪を付けると、蘇生からの初動が遅すぎる」などというデメリットも存在し、単純に起用できるわけではない。フォースシールドが4枚に分裂すれば、こんな苦労はしなくて良いのだが…。
では、盾による対策を諦め、分身状態で物理対策をするのはどうか。そのためには、「ぶんしん」や、魔法ブリンクを発動するための「しろまほう」をセットすれば良い。分身は2つ増えるため、2連続攻撃を確実に防御できる。ただし、ただでさえ「アンデッド」などで狭まっているアビリティ枠を更に圧迫してしまう。また、戦闘不能になったキャラは分身が消えるため、リカバリーからの発動には向いていない。また、分身は2個であるため、発狂モードの3連続攻撃で乙ってしまう恐れも存在する。
…ちなみに。私は“コマンド入力が複雑になる”という理由で、ほとんど使っていないのだが、戦闘中の装備変更により、「盾持ち替え」をするという方式もある。フォースシールドと源氏の盾を持ち替えれば、更に防御を盤石にできるだろう。そのついでに、バグ技?
の「ミラージュベスト張替え」を適用して分身を用意していく…という手もあるかもしれない。
――ただし、この戦法は、パターンが複雑になってしまうこと(神竜改はこちらのキャラより早いので、単純な「特定の攻撃の後に持ち変える」では駄目)、そして「アイテム」でアビリティ枠が圧迫されてしまうというデメリットも無視できない。使うかどうかは、よく考えていこう。
というわけで。敵がもし、属性攻撃だけか、または物理攻撃だけであれば、対処は容易であった。だが、属性攻撃と打撃の両者が巧妙に組み合わされていることこそ、やり込みプレイレベルでの神竜改の、最大の難点である。どの攻撃も対処は可能だが、全ての攻撃を安全に・完璧に・全員で防御する手段は無い。守りながら戦うには、味方キャラクターの蘇生なども含め、複雑なパターン化が要求されてくるのである。
このFAを生き残るため、低レベルでは「かくれる」「ジャンプ」が絶対に必要 |
続いて。カウンターである。神竜改は、原種神竜には徹頭徹尾存在しなかった、カウンター能力を保有している(厳密には、原種にも、ダメージを受けてHPが20000以下になったとき、1/3の確率で「ゾンビブレスを使い、開幕の『何もしない』→『タイダルウエイブ』から攻撃をやり直す」というパターンが用意されているが、全バージョン共通で機能しておらず、ボツ設定となっている)。
…まず、神竜改の本体にダメージを与えると、「ホワイトホール
/ 何もしない / 何もしない」が発動する。ホワイトホールは、元エクスデスの専用技だが、今となってはお馴染みの、「即死+石化」の効果を与える攻撃である。例によって、FF5では、片方のST耐性があれば両方発動しない(GBA版)ため、ほとんどの場合は大丈夫なのだが、忘れた頃に刈り取られたりするので、注意が必要である。どうしても装備の用意が不可能なら、「ちょうごう:ライフシールド」を使う手もある。なお、このカウンターは、どうやら攻撃をしてきたキャラを優先して狙うようだ。
――続いて、使用した攻撃が「みだれうち」であった場合(無敵状態の対象に当てても発動する)、反撃は「ゾンビーパウダー /
死の宣告 / 何もしない」となる(みだれうちの仕様上、最大で2回の判定が行われる)。防ぎにくく、解除に手間の掛かる厄介な攻撃であるが、こちらも攻撃してきたキャラを優先して狙うため、行動不能となるのは1人に留まるというのが救いである。
しかしながら、ダミーが存在することから、みだれうちの命中率は半減する(本体の無敵を含めるなら1/4)ため、そもそも、攻撃手段としてあまり有用ではない。また、みだれうちには、3発目以降はカウンター対象にならないという仕様があるらしい。よって、みだれうち専用カウンターの発動率も低くなりうるが、巨大な罠として、1発目と2発目がダミーに当たり、3発目以降で本体のHPを0にしてしまうと、図らずともFA封じを行ってしまい、後述する「本体がHP全快で復活する」という鬼畜仕様が発動してしまう。よって、そもそもこの戦いでは、みだれうちを使うべきではないのかもしれない。
というわけで。オメガ改やエヌオーと比べて、常設のカウンターは大したことが無い。しかし、両者に存在しなかった「ファイナルアタック」=死に際のカウンターは、ちょっと度し難いレベルの凶悪行動となっている。
…というのも。神竜改のHPを0にすると、「ギガフレア」→「メテオ」の2連続カウンターが発動する。もっとも、通常プレイであれば、魔法倍率「7」である本体の使用(ダミーは「41」)であり、ギガフレアは2000弱、メテオも1000前後の4発みだれうち(どちらもシェルで半現可能)と、しっかりHPを確保していれば、大して怖くはない。が、低レベルプレイでは、両者とも恐怖の無属性全体攻撃である。
――というか、もはや、2連続攻撃である意味はなく、最初のギガフレアだけで確実な一発全滅となる。リフレク・MP切れ・ミュート・イージスの盾・シェル&巨人の薬、全て駄目なので、必ず「かくれる」か「ジャンプ」で回避をしなければならない。
そして。神竜改のファイナルアタックが更に厄介な理由として、FA封じを行うと、ダミーが本体をHP全快で復活させるという行動に走る点である。
…さて、神竜改のFAは、「ギガフレア→メテオ」の2連続攻撃であるが、内部的には、更にその後に、「ダミーを消滅させてバトルを終了させる」という処理を行っているようだ。よって、ギガフレアとメテオを封じてしまうと、バトル終了の処理も発生せず、ダミーだけが残ってしまう。その場合、敵にダメージを与えることができず、永遠に戦闘が終了しない。その詰み防止ということなのか、神竜改のダミーは、本体が居なくなった時に、自ら死を選ぶ…なんて普通のことをするわけがなく、本体をHP全快で復活させてバトルを振り出しに戻す。悪魔か?
――というわけで。これまで述べてきた、「必ず『かくれる』か『ジャンプ』が必要」という文章には、こういう理由も存在するのだ。やれ、同じくFA封じ封じを持っている敵として、エヌオーは、本体だけでなく、杖ダミーも第2形態への移行を担当していた。それが、神竜改では、更に過激となって、“これまでの努力を全て水の泡にする”という無慈悲なタイダルウエイブを振り下ろすのだ。さすが、FF5シリーズ最強を名乗るだけの、最凶の行動である。
お勧めの攻撃は、今回も「飛竜の槍」を二刀流した「ジャンプ」! |
そんな神竜改なのであるが、もちろん、攻略法は存在する。私のお勧めは、「フォースシールド」を装備したキャラを立て直し要員とし、「ちょうごう」で地道に耐性を付けながら、「飛竜の槍」を二刀流した「ジャンプ」を打ち込んでいく作戦である。
…まず、開幕の神竜改の8ターンルーチンは、「フォースシールド」を装備していれば、ほぼ安全となる。そこから、「@フォースシールドでも防げない『たたかう×2』」と、「Aフォースシールドが1枚しか無いこと」の問題を解決していけば良いだろう。前者の「たたかう×2」については、魔法「ブリンク」による分身付与もあるが、適正レベルであれば、ゴーレムの召喚が最有力であると思われる。後列+プロテス状態であれば、神竜改の打撃1発を、2000程度のダメージにまで軽減できる。ゴーレムの耐久力は、「術者のレベル×50
+ 1000」であり、その数値を超えたとしても、貫通して人間キャラがダメージを受けることは無い(ただし、2連続攻撃の1発目でゴーレムが消えた場合、2発目は普通に人間キャラが喰らう)。よって、2連続打撃をゴーレム1回で防げることになり、有用性が高い。回避やHP受け作戦とも共存でき、置いておくだけで役立つ召喚獣である。
――続いて、後者のフォースシールドが1枚しか無い点については、「ちょうごう」によって、各種の耐性を付与していく戦法が有効である。属性耐性の付与というと、直接的なのは「ドラゴンシールド」による炎/氷/雷耐性であるが、他にも色々な防御手段があるので、後で具体的に紹介していこう。特に、HPが2000程度あれば、8ターン目の「アルマゲスト」や「タイダルウエイブ」にも真正面から勝負できるので、持久戦を挑んでみるべきである。
なお、味方の蘇生手段としては、立て直し要員に「そせい(コマンドアビリティ)」を付けておくと、一気に味方全員を復活させられ、効率が良いといえる。ただし、「そせい」は瀕死での復活となるため、対抗馬として、「ちょうごう:リザレクション(フェニックスの尾+ポーション)」も覚えておくと良い。
ということで。戦闘では、各キャラクターに「ちょうごう」をセットし、各所の強化を行っていく。まず行うべきは、「竜の口付け(竜の牙+乙女のキッス)」によるボス耐性で、ミールストームを無効化することだ。敵は、最大HP割合ダメージ攻撃を多く使うほか、「アルマゲスト」でもスリップを付与してくるため、ミールストームでHPを1桁にされると瞬殺の恐れがある。よって、まずはそれを防がなければならない。
…次に、「ドラゴンシールド(竜の牙+エーテル)」で、3属性耐性を付与する。敵は、炎・氷・雷の攻撃を全て使い、炎と雷の最大HP割合ダメージ、そして全体5000の「吹雪」を無効化できる効果は大きい。
――そこまでキャラを強化したら、続いては、元々のHPが2000以上あるときに限るが、HP受けの態勢を整えていく。まず使うのは、「巨人の薬(竜の牙+エリクサー)」だ。これでHPを2倍にする。続いて、シェル状態を掛けていくのだが、最良の手段は、もちろん「あおまほう:マイティガード」である。全体シェルだけでなく、プロテスとレビテトのおまけも有用で、全てを無駄なく活用できる。そうして、HP4000台+シェル状態とすれば、元々のダメージが8000程度であるアルマゲスト&タイダルウエイブにも、真正面から勝負を挑んでいけるのだ。
そうして、防御態勢が整ったら、あとはいよいよ攻撃である。神竜改に対し、最良の攻撃手段となるのは、「飛竜の槍」を二刀流した「ジャンプ」だ。開幕の「マイティガード」が無効になった前提であるが、ジャンプ使用者のレベル値が僅か40程度でもカンストに達しうるという、ぶっ飛んだ大ダメージを与えられる。神竜改は、最初から竜タイプという明確な弱点を持っているため、「竜の口付け」を使うまでもなく、飛竜の槍による攻撃が有用なのだ。敵の無敵状態によってダメージが無効になったとしても、辛抱強く、攻撃を続けていこう。
…ちなみに、アビリティ枠に余裕があればで良いのだが、更に時空魔法の「クイック」とコンボしていくと、ジャンプは有用性が高まる。ジャンプは、「入力してから跳び立つまで」と「跳んでから落ちてくるまで」の2つに待機時間が存在する。しかし、「クイック」でザ・ワールドをしている場合は、1発目のジャンプも2発目のジャンプも、待機時間なく落ちてくるため、最大で1回の行動チャンスにつき39996という、莫大なダメージを与えられる。実に、実質的に攻撃2回で勝てるということになり、もう「ミュート」後のモードチェンジすら、関係なくなってしまう。
――というか。ここまで高火力となると、わざわざ態勢を固める必要すらなく、序盤で無敵解除のパターンが安定している間に瞬殺してしまうという考え方も出てくるだろう。例えば、初回のミールストームの後は、必ず敵の無敵状態が解除されている。そこに、レベル40程度のキャラがクイックジャンプを2人で打ち込んでしまえば、意外と、即座に相手のHPを0にできてしまうのでは…?
というわけで。神竜改については、確かに人外魔境の超能力を誇るものの、決して対処不能な相手ということは無い。
…まあ、私は、「通常プレイ」というものを知らないのだが、低レベルにおいても似たような戦法で勝っているので、たぶん何とかなるはずだ。大丈夫、高レベルなら、「ゾンビブレス」や「ポイズンブレス」では死ななくなるし、「カーズ」によるスリップダメージも、ほぼ無視できるし、「ドラゴンパワー」によるレベルドーピングも必要無い。神竜改は、絶対に勝てる相手なのである。諦めず、戦い続けていこう。
いつも「4人で完封」などと名付ける瞬殺作戦は、実現できなかった |
ようやくバトルに辿り着けた。ではまず、第1の戦闘パターンとして、「Wジャンプ決め打ち」というものを紹介していこう。
…まず、私が最初に実行しようとしたのは、いつものような、瞬殺ベースの完封作戦である。神竜改のHPは、マイティガード&無敵状態で、実質的に4倍となって260000…などという捉え方も不可能ではないが、無敵解除のタイミングは、ランダムではなく、パターンが決まっている。また、マイティガードについても、発動率が低いうえ、「完封」ということを考慮しても、無敵解除時にディスペルを当てれば良い。神竜改のHPは、やはり65000なのだ。
――しかも。これまでの裏ダンジョンの敵とは異なり、神竜改は「竜タイプ」という明確な弱点を最初から持っている。よって、飛竜の槍/二刀流ジャンプにより、僅かレベル値が40程度のキャラで、カンストかそれに準ずるダメージを与えられる。よって、これを複数人で打ち込むことで、一気に敵HPの65000を削り切ってやろうと考えたのだ。
しかし、結論から言うと、この「瞬殺ベースの完封」は、上手くいかなかった。最大の要員は、“本体とダミーの素早さが異なることによる、無敵解除のタイミングズレ”なのであるが、それ以外にも問題が山積みであった。
…まず、厄介なのは、敵の開幕の攻撃である。軽く、パターンを引用してみよう。
こんな感じである。開幕は、本体とダミーの素早さズレがあったとしても、その影響が小さいため、固定パターンで行動可能である。
…よって、「@:ミールストーム」の後は、必ず非無敵である。また、「A:炎 /
吹雪 / 吹雪」の前後のタイミングでジャンプを入力した場合にも、ヘイスト前提で45カウント後に落ちてきて、t=110程度にて、確実にダメージを与えられるようだ。これ以上バトルを長引かせると、敵の攻撃パターン・無敵解除タイミングの両方が厳しくなるので、瞬殺ベースの完封を狙うのなら、これくらいの流れでトドメを刺さなければならない。
しかしながら、このタイミングだけでは、コマンド入力回数が足りない。素早さ50を前提とし、ヘイスト状態の味方が行動できるのは、t=35&t=70の2回であり、4人全員でコマンド入力をするとして、合計8回である。いっぽうで、神竜改:HP65000を瞬殺するのに必要なダメージのうち、59994を二刀流ジャンプで与えるとしよう。必要な行動は、「@ディスペル」「A〜Fレベルドーピング×2回×3人」「G〜Iジャンプ×3回」「J残り5996を削る行動(「はなつ」など)」の11回である。もうこの時点で、クイックによる一度だけの2回行動を加えたとしても、8回では全く足りない。
…ならばと、4人全員で3セット目の行動を入力しようとしても、「素早さ不足でゾンビブレスを受けてしまう」「炎や吹雪で崩される」「そもそもゾンビブレス直前にジャンプしても落ちてくるのは無敵時である」などと、問題だらけである。この初回チャンスでの瞬殺は、レベルドーピングが必要無いくらいの強さがある場合の話であり、さすがに低レベルプレイでは無理なのだ。
――ちなみに。二刀流ジャンプ要員を2名とし、「はなつ」による9999ダメージを3回にするという考え方もある。しかしそれでも、「@ディスペル」「A〜Dレベルドーピング×2回×2人」「EFジャンプ×2回」「G〜Iはなつ×3回」と、コマンドを1回しか短縮できない。しかも、実際のバトルに当てはめようとすると、誰かいつ「はなつ」を使ってジャンプするのかという問題が発生し(ミールストーム後に3人で「はなつ」を使うと、2人がジャンプで飛び立つタイミングが無い)、どうにも上手く適用できそうになかった。
ところで。「B炎 / 吹雪 / 吹雪」の前後でジャンプをすると、そのまま厄介な「Cゾンビブレス」も飛び越して落ちてくる。その後の攻撃は、「Dたたかう×2」「E稲妻
/ 地震 / 地震」と、そこまで厳しくも無いので、再び「ジャンプ」からの攻撃を仕掛けていくべきと考えるかもしれない。というか、コマンド入力回数の不足を補うためには、バトルを長引かせるという処置をするしかない。
――しかしながら。ここまで来ると、素早さランダム変化の影響が大きくなり、固定パターンで攻撃を当てられなくなるのである。私も、「特定の敵攻撃の後」というパターンはもちろん、「よげん」や「せんこく(※予言士のランク1アビリティ)」まで使って、いろいろな時間調整を試してみた。しかし、どうしても、確実に無敵解除を狙い撃ちすることはできなかった。たった±1の素早さ変化が、バトルに大きな影響を及ぼすのである。やれ、FF5ほどの戦略性があるゲームだったら、このようなランダム変化は、排除したほうが良かったのでは…。
「づ」がどうしても見つからず、OPから初めてバッツにちづけさんになってもらった |
ということで。残念ながら今回は、瞬殺ベースの完封作戦を諦めることにした。ただし、“パターン化による早期撃破”という理念は残したいと思った。そこから作り出したのが、成功例となった、「Wジャンプ決め打ち」という作戦である。
…さて、「決め打ち」というのは、「決まったタイミングで、ジャンプ攻撃を打ち込む」という意味だ。それも、今回は、「決まった敵行動の後に、ジャンプを入力する」ではなく、「決まった敵行動の後に、ジャンプ要員を蘇生させ、そこからジャンプ攻撃を行う」という、ひとひねり加えた方式だ。
では、なぜそうして、蘇生からのパターンを作っていくのか。それは、「フォースシールド」を使えば、1名だけが耐え続けるのは容易だからである。
…というのも。低レベルであっても、「@フォースシールドで属性攻撃を無効化する」「A魔法『ブリンク』か『ぶんしん』で物理攻撃を避ける、または戦闘中の装備変更で『源氏の盾+小人』に付け替える」「B特性アビリティ『アンデッド』でゾンビブレスを無効化する」の対策を取れば、なんと神竜改の8ターンルーチンを、棒立ちで耐えることができる。この態勢を突破できるのは、「カーズ」によるスリップのみであり、ほぼ安全と言えるのだ。
では、このキャラクター1名を使って持久戦を挑めば、そのまま神竜改に楽に勝てるのかというと、無理である。まず、最後の「ギガフレア」→「メテオ」の回避を完全単騎で行うとなると、「よげん」「かくれる」の2つを組み合わせるしか無いのだが、上記の作戦で要求されるのは「アンデッド(特性アビリティ)」と「しろまほうorぶんしん」であるため、計4つのアビリティが必要となり、枠が足りなくなる。
…では、ファイナルアタックの回避手段を、別に用意することにしよう。耐久役のものまね師に、「アンデッド」と「しろまほうorぶんしん」を付けた場合、アビリティ枠が一つ余る。よって、「ちょうごう」あたりを装備すれば、レベルドーピングを行ったのちに、適当な高威力技で、単騎での攻めも可能だろう。しかし、この場合、HP15000からの物理発狂に気を付けなければならない。その状態の敵は、「ミュート」を使ったあと、「たたかう
/ たたかう / クリティカル」×2→「たたかう
/ クリティカル / 何もしない」×3のみを繰り返す。後者の3連続攻撃も、期待値で言うと、(2/3)×3
= 2発だから、まあ大丈夫でしょう…と言いたいところだが、敵は25カウントごとという、ヘイスト状態の味方を超える、空前絶後のシャカシャカ感で行動する。
――それでもまあ、フォースシールド+小人の「回避率20」と、特性アビリティ「しらはどり」による33%回避があれば何とかなるかもしれないが、せっかく開幕の8ターンルーチンを安定させたのに、最後発狂からは運ゲーとなってしまうのは、片手落ちという感が否めないのだ。
「偶数or奇数の攻撃後に、蘇生させ、ジャンプを打ち込む」の流れをパターン化する |
そういうわけで。「4人で瞬殺ベースの完封」も、「完全1人での持久戦」も、どちらも上手く行かないことが分かった。そこで私は、「耐久役の1人が凌ぎつつ、タイミングを図って攻撃役を蘇生させ、そこからジャンプを打ち込んでいく」という折衷案を思いついたのだ。
…そして。このアイデアの一番良いところは、もし特定の時刻で駄目だった場合、攻撃タイミングを大幅に切り替えられることである。神竜改の「本体」は、攻撃役の「ダミー」とほぼ同じ速度で行動し、無敵と非無敵を切り替える。ダミーは、8ターンルーチンで攻撃するため、奇数ターンから“決められたパターンの攻撃”を仕掛けて無敵だった場合、再び奇数ターンから攻撃を仕掛けると、また無敵を引いてしまうことが多い。ならば逆に、奇数からの攻撃が無効化された場合、偶数からの攻撃は通る可能性が高いのである。
――やれ、今回バトルの特性上、「ほぼ」「ことが多い」「可能性が高い」などという弱い言葉を使わざるを得ないのだが、これくらいは許してほしい。ただデタラメに攻撃を仕掛けていくのではなく、奇数ターン、または偶数ターンからの攻撃をパターン化し、駄目だった場合は攻撃タイミングを切り替える…というふうに戦っていくことで、ランダム要素の強い神竜改との戦いに対し、何とか戦法と呼べるものを立てられたと思う。
では。具体的に、「蘇生→ジャンプ」による攻撃が可能な、奇数、および偶数ターンとは、具体的にいつなのか。
ここで、神竜改の8ターンルーチンを振り返ってみよう。
さて。神竜改は、25カウントという爆速で行動する。よって、例えば、「Fカーズ」のあとに攻撃役を蘇生させると、ヘイスト状態を前提としても、ゲージを貯めるのが間に合わず、「Gアルマゲストorタイダルウエイブ」で乙ってしまうので、このようなタイミングで蘇生させてはならない。
…そういう観点で考えると、「奇数ターン」から蘇生→ジャンプ打ち込みが可能となるのは、「@ミールストーム」の後のみである。次の攻撃は、炎or吹雪であるが、バトル開幕の時間を使って「ドラゴンシールド」で3属性耐性を付けておけば、決して死ぬことはなく、希望の未来へとジャンプができる。
――いっぽう、「偶数ターン」からの固定攻撃が可能となるのは、「Eブレスウイングorポイズンブレス」と「Gアルマゲストorタイダルウエイブ」の後である。前者の場合は、Fカーズで、攻撃役が小人かカエル化してしまう危険性もあるが、デメリットはそれくらいだ。後者の後は@ミールストームに戻るため、何の問題もあるまい。どちらも、攻撃役がゲージを溜めて、ジャンプ可能だ。
その他、「Bゾンビブレス」の後についても、奇数/偶数の両方の攻撃チャンスとできる。ゾンビブレスを受けると、耐久役は「アンデッド(特性アビリティ)」でやり過ごすが、攻撃役はゾンビとなってこの世を彷徨う。だが、FF5では、「聖水(通常版でも調合版でもOK)」でゾンビ状態を解除すると、ゲージが最初から数え直しになるという性質がある。それはつまり、戦闘不能からの蘇生と同じである。
…よって、「Bゾンビブレス」の直後にゾンビを解除すれば“奇数ターンからの攻撃”が、ゾンビブレスを受けたあと、「C稲妻or地震」まで待ってからゾンビを解けば“偶数ターンからの攻撃”が、それぞれ可能となる。
――ただし。その場合、奇数攻撃=ゾンビブレス直後に解除した場合は、「C稲妻
/ 地震 / 地震」をゾンビキャラが耐える必要がある。稲妻は、ドラゴンシールドの雷耐性で凌げるが、レビテトは戦闘不能で解除されるため、地震はアウトである。よって、このB→Cでの奇数攻撃を仕掛けられる確率は、1/3だ。また、偶数攻撃=Cの後にゾンビを解く場合も、「Dたたかう×2」で攻撃役が戦闘不能とならない必要がある。分身も戦闘不能で消えるため、攻撃役が狙われた場合は「しらはどり」のみが頼りとなる。計算上、ここが凌げる確率は1/2となるはずだ。まあ、これらが失敗したとしても、次の奇数・偶数チャンスを狙っていけば良いので、実戦では、バトルを早回しする方法として、積極的に用いていった。
ちなみに。これらの攻撃は、奇数or偶数ターンの敵行動を凌いだのち、「戦闘不能の状態から攻撃役を蘇生させ、次のターンで『ジャンプ』を使わせる」という一連の流れで行われる。ということは、そのタイミングに、必ず攻撃役が戦闘不能になっていないといけない。
…のだが、神竜改の攻撃の中で、確実に攻撃役が戦闘不能になれるタイミングがある。それは、「Eブレスウイングorポイズンブレス」だ。ブレスウイングは、最大HP割合ダメージであり、風属性のため、「ちょうごう:ドラゴンシールド」の無効化対象にならない。ポイズンブレスの毒属性も同じである。どちらの攻撃も必中だ。加えて、Eが使われるタイミングでは、バトルの全期間を通して、絶対に攻撃役がジャンプをしていることは無い。以上の理由により、Eのターンにて、フォースシールドを持っていないキャラで、確実に戦闘不能者を作成できるのだ。
――ちなみに。「ブレスウイング」は最大HP割合ダメージであり、HPが回復していると低レベルキャラでも一撃必殺とならない。が、この対策は簡単である。まず、バトル開始時は、その辺の溶岩でも踏んで、HP1になっておけば良い。そして、戦闘中においては、蘇生コマンドとしては「ちょうごう」を使うのだが、HP&MPを全回復する「リザレクション(フェニックスの尾+ポーション)」など、高性能な蘇生技を使わず、「調合版フェニックスの尾(フェニックスの尾+フェニックスの尾)」で、HP1/4の状態で復活させていく。これによる蘇生も、「ブレスウイング」による1/4の最大HP割合ダメージも、どちらも小数点以下を切り捨てているため、敵6ターン目で戦闘不能となれる態勢を維持できるのだ。
初ターンは敵味方の強化合戦 |
では、大きな流れが、「耐久役と攻撃役を作り、『耐久役が特定タイミングで戦闘不能の攻撃役を蘇生させ、そこからジャンプを打ち込む』という一連の流れをパターン化する。攻撃が無効化された場合、蘇生タイミングを奇数⇔偶数で入れ替える」と決まったところで、枝葉の部分を詰めていこう。
…まず、この戦闘で主に使うのは2名であるが、開幕は4人でスタートする。理由は、「ちょうごう」による強化を手早く行って、バトルを無駄に長引かせないためだ。その、開幕の強化役としては、素早さの高いクルルとファリスを使用する。なお、この2名は、目印として、カエル状態にしておく。そして、残った中から、力の高いバッツを攻撃役にし、最後に耐久役をレナとする。
――ちなみに、ファリスをサポート役とする目的については、お馴染み「クイック」による2連続行動を利用するため…と言いたいところであるが、これらの強化要員は、敵3ターン目の「A炎
/ 吹雪 / 吹雪」(※開幕のマイティガードを1ターン目として数える)で戦闘不能となる予定である。いっぽうで、素早さ補正の少ないものまね師だと、非常に微妙なところであるが、2回行動が間に合わず、得をできないことがある。というわけで、ファリスもすっぴんとし、「まさむね」「リボン」などで思いっきり素早さ補正をすることで、安定2ターンの行動を確保していくことにした。まあ、極端な話、最初から戦闘不能であっても問題ない枠だし…。その他、HPについては、レナは全快で、他の3人は瀕死としておく。
それでは、バトルを始めていこう。まず、まさむね装備のファリスのターンが、そして神竜改の「マイティガード」を挟んで、残り3人のターンが回ってくる。ここで行うことは、全員が「ちょうごう」だ。まず、バッツに「ドラゴンパワー」×2でレベルドーピングを行う。次に、「竜の口付け」でレナにボス耐性を付与し、最後に「ドラゴンシールド」でバッツに炎/氷/雷耐性を付ける。初手はこの4つだ。ドラゴンまみれである。
…さて、レベルドーピングは良いとして、他の2つについて紹介をしていこう。「竜の口付け」による、レナへのボス耐性付与は、「ミールストーム」を無効化するためである。「フォースシールド」&分身&「アンデッド(特性アビリティ)」を用いたレナの防御態勢を崩す唯一の可能性が存在する攻撃は、「カーズ」でランダム発動するスリップだ(これを無効にする手段は存在しない)。対策は、「デスポーション」のデスベホマでHPを回復しつつ、解除まで待つことなのだが、ミールストームで瀕死になっていると、対処が間に合わずに★瞬殺★される危険性が高い。ということで、レナは、ボス耐性で、ミールストームを無効にしていくのだ。なお、そのような理由があるので、バトル開幕もレナだけはHP全快でスタートである。
――次に、「ドラゴンシールド」での、バッツへの3属性耐性の付与については、戦闘不能でも解除されないので、後に攻撃チャンスを増やすことと、そして開幕の9999×2の攻撃チャンスを逃さないことに使用可能である。バッツは、強化の次ターンで「ジャンプ」を入力するのだが、敵の素早さ次第で、微妙に「A炎or吹雪」に間に合わないことがある。よって、3属性耐性が未付与だと、貴重な19998ダメージのチャンスを失ってしまう恐れがあるのだ。もちろん、それでも後からジャンプ攻撃を増やせば良いのだが…後の攻撃回数を3回から2回に減らして、バトルを効率化するためである。
一体いつから――― |
続いて、敵の「@ミールストーム」が使われ、再び味方4人のターンが回ってくる。ここは、確実に相手の無敵が解除されている大チャンスなので、必要となる行動を、絶対に入れておかなければならない。
…ということで。「まさむね」装備で初手を取ったファリスは、2手目も早めに回ってくるので、「裁きの杖」をアイテム使用し(まさむね+裁きの杖の二刀流)、敵にディスペルを掛けておく。やれ、マイティガードは、本体が無敵の時に発動することが多いらしく、多くの場合で発動していない。ただし、一応は「完封」を目指していたということもあり、運次第で勝てなくなるようなことは避けたいので、念には念を入れておく。
――ちなみに、この“確実に無敵が解除されているタイミング”を逃すと、「敵のプロテスが確実に解除されている状態」に持ち込むことは、なかなか面倒になる。何故なら、敵方にプロテスが掛かっているかどうかを画面上で確認する手段は無い(GBA版)。しかもディスペルは、無敵の相手に当てたり、効果自体の有無に関係なく、エフェクトが表示される。よって、最終的には、「攻撃を当ててみて半減されるかどうか」しか判別手段が無くなってしまう(一応、ライブラを掛けて「浮いている」表記を見るという方式もある…か?)。よって、冒頭以外でプロテスを解除しようとするのは、かなり面倒になってしまうのだ。
次に、クルルのターンも訪れるので、「はなつ:バイオソルジャー(ゼファーゾーン版)」で「炎」(←!?)を発動し、最大HP割合ダメージで、9999を与えておく。なぜこんなモンスターを使ったのかというと、絶対に誰も使わないような奴を出してみたかったからである。バイオソルジャーは、第1世界で登場する個体については、文字通り「バイオ」を放つのだが、ピラミッドのゼファーゾーンが召喚した物を使うと、謎に「炎」が発動するのだ。ゼファーゾーンは、例の、はいてない疑惑のあるモンスターである。女の子が腹を冷やすというのは良くないので、紳士として暖めてやろうと思ったのだろう(意味不明)。
…とまあ、そんな雑談は置いておいて、ここで単発9999ダメージを与える理由は、敵に最後の物理発狂を使わせないためである。飛竜の槍
二刀流ジャンプで、9999×2を与えて相手のHPを削っていくと、65000→45002→25004→5006となり、最後で「HP15000未満」の条件を満たして、ミュートからの通常攻撃CT0が発動する。そうなると、奇数・偶数ターンという概念が消滅し、パターンがメチャクチャとなってしまう。
――いっぽうで、「はなつ」で最初に9999を削っておくと、HP減少は55001→35003→15005→0とできるため、物理発狂を封印できる。なお、こういう理由であるため、「はなつ」が無理に9999である必要は無く、むしろ、適当なモンスターの「パワーヒット」あたりで、6000〜8000くらいのダメージを与えるのが最良である。何故なら、発狂対策としてはギリギリを狙いすぎであって、もしミスって小ダメージを与えると(例:バッツのトドメのジャンプが外れ、レナのFA回避目的のモノマネジャンプが当たる)、HPが15000未満になってしまう恐れがあるからだ。
そうして、残るは、攻撃役バッツ&耐久役レナの2手目であるが、これらのキャラが行動する前に、神竜改が「A炎or吹雪」を使うことがある。しかし、先回りが起こるか否か、または使われる攻撃が何かに関わらず、結果は同じである。開幕のみの活躍であるファリス&クルルのカエル2匹が死亡し、バッツは「ジャンプ」を入力できる(バッツは、ドラゴンシールドで3属性を無効化しているため)。
…そして、耐久役のレナは、もはやすることが無いため、「ぶんしん」を使い、分身状態を貼っておく。以降も、バッツが跳び立った後など、やることがなくなり、かつ分身が1体以下の場合は、「ぶんしん」で分身を増やしておく。ちなみに、検討段階では、「しろまほう」をセットし、「ブリンク」だけでなく「ディスペル」も使おうと考えていたが、開幕を4人で挑むことに決めたため、簡略化して、「ぶんしん」コマンドのほうを採用していった。
――その後、「Bゾンビブレス」を、レナが「アンデッド(特性アビリティ)」で無効化したあとに、先ほど希望の未来へと跳び立ったバッツが落ちてくる。これまで述べている通り、素早さのランダム変動によって、本体の無敵化とダミーの攻撃実行は少しずつズレていくのだが、このタイミングで入力した「ジャンプ」は必ず命中する。そして、プロテスも確定で解除されているため、固定で9999×2のダメージを与えられるのだ。
バ「見えた!
クリーム色!!」 |
というわけで。ここまで、固定パターンで味方の状況を整え、かつ、「はなつ」の9999
+ 「ジャンプ」での9999×2と、ダメージを与えてきた。あとは、9999×2の「ジャンプ」を2回当てれば勝てる。
…しかしながら、バトル序盤が終わると、本体とダミーの行動ペースのズレにより、固定パターンで非無敵時に攻撃を当てることは(たぶん)不可能になる。よって、ここからは、手はず通り、「敵の偶数回または奇数回目の攻撃をスタート地点とし、攻撃役のバッツを蘇生させ、次ターンで『ジャンプ』を入力する」という攻撃を仕掛けていく。
――さて。その、攻撃開始が可能なタイミングについては、偶数回については「Eブレスウイングorポイズンブレス」「Gアルマゲストorタイダルウエイブ」、奇数回については「@ミールストーム」の後が、それぞれ該当する(「Bゾンビブレス」についても、ゾンビ解除=蘇生と捉え、不確定なものの、攻撃タイミングとできる)。そして、偶数回からで攻撃が当たらなければ奇数回へ、奇数が駄目なら偶数へと変更することで、攻撃時刻を大幅に変えていくのだ。
最後に。バトルの終え方についても、注意が必要である。敵は、ファイナルアタックとして、「ギガフレア」→「メテオ」を使い、これをFA封じするとダミーが本体をHP全快で復活させてしまうため、「ジャンプ」か「かくれる」での回避が絶対に必要となる。しかし、耐久役のレナのアビリティは、「ちょうごう」「ぶんしん」「アンデッド」で埋まっており、回避コマンドをセットする枠が無い。ここまで来て、神竜改に勝てないのか?
もちろん勝てる!
…では、勝ち方について説明していこう。序盤の固定パターンを終えた時点で、敵の残りHPは35003と、あとはWジャンプを2回当てれば勝てる状態となっている。よって、2回目のバッツの「ジャンプ」については、レナも「ものまね」で飛び立つのだ。それが非無敵時に当たれば、レナが空中に居る状態で「ギガフレア」→「メテオ」が発動し、勝利が確定する。そして、もしバッツが無敵中に落ちてきてダメージが無効化されたとしても、レナの落下も無敵中に当たる(はず)ため、偶数と奇数を入れ替えて、再び「ジャンプ」→「ものまね」を入力していけば良い。
――ちなみに。「ジャンプ」については、コマンド決定から少しだけタイムラグを取ったあと(ヘイスト状態を前提として「5」カウント後)、「空中に飛び立つ」という行動をする。その前に「ものまね」を決定すると、「ものまね」のほうが発動が早く(ヘイストで「2」カウント後)、「ジャンプ」より1つ前の行動を反復してしまう恐れがある。よって、レナの「ものまね」決定は、バッツが飛び立ったことを確認してからだ。それさえ守れば、大丈夫である。
というわけで。こんな感じの戦法で、複雑怪奇な神竜改を、まあ、「固定パターン」という感じで、倒すことができる。
…ただし!
今回の戦法を崩しうる、コマンド入力ミス以外の唯一の要素として、「Fカーズ」による、スリップの付与が存在する。確率自体が低いため、あまり気にする必要は無いのだが、満足に練習もできないため、いざ発生すると、非常に焦る。しかも、トドメの段階では、「バッツがジャンプするのを待ってから、レナが『ものまね』を入力する」という行動をするため、スリップ状態に対して、極めて脆弱となる。
――よって、その対策として、今回は、「バトルスピード:3」を採用していった。FF5のバトルスピードは、他シリーズのように、ATBゲージが溜まる速度が変化するのではなく、「『誰かにターンが回ってきて、一時的にATB進行が止まる時間』が変化する」という内容である。そして、スリップだと、その「一時的にATB進行が止まる時間」にも、HPが減っていく。つまり、バトルスピードを上げると、スリップダメージの影響を小さくできるのである。まあ、カーズでスリップが発動する確率は1/13であるため、実際のバトルでは検証できていないものの、たぶんこれで大丈夫なはずだ。というわけで。この「Wジャンプ決め打ち」をもって、神竜改に対する“完封作戦”の代用品とさせてください…。
◆動画◆
バ「俺は…永遠に持ってる男なんじゃい」 |
第2戦は、お馴染みの戦法となっている「ゾンビビュート作戦」を、神竜改へと適用していこう。
…まず、ここを読んでいるような方にとっては、今更感があるだろうが、作戦の概要について復習しておこう。FF5では、ゾンビ状態のキャラは、ダメージでは決して戦闘不能にならず、「味方への打撃」のみを繰り返す。この際、「追加効果で魔法が発動する武器」と「リフレクトリング」を組み合わせると、相手側にダメージを与えることが可能となる。もっとも、ゾンビ状態は全滅判定の一つとして使われるため、そのままだと意味は無いのだが、そこを「かくれる」とコンボすることで、不死身のゾンビが、永久に相手へとダメージを与えてくれるようになるのだ。
――そして。この作戦で使用される武器の代表格が、追加効果でファイガが発動する「ファイアビュート」である。そのため、ゾンビ+ファイアビュートで、「ゾンビビュート作戦」と呼ばれているのだ。嘘です、呼ばれてません。私が勝手に名付けたので、広まってくれるといいな。
ところで。オメガ改とエヌオーは、このゾンビビュート作戦への対策を持っており、単純に「かくれる」を使うだけでは勝てなかった(【第35話 序-5】【新-1】、【第36話 そのA】)。しかしながら、FF5シリーズ最強モンスターの神竜改は、意外にも、純粋なゾンビビュート作戦で勝利可能である。
…理由として、神竜改は、無敵になるという前代未聞の防御能力こそ持つものの、直接の回復能力は保有していない。また、吸収する属性は聖だけであるため、アルマゲストがリフレクで跳ね返って回復される…なんてことも無く、最強のファイガを攻撃に使用していける。ちなみに、オメガ改は炎自爆による回復とバリアチェンジ、エヌオーはリジェネやドレインタッチ、といった回復能力を持っていた。
――さらに。神竜改は、ゾンビキャラを撃破できる技を持っていない。FF5では、ゾンビキャラに対しても、「サークル」による消滅など、ごく僅かに通用する技がある。しかしながら、神竜改の使用技の中には、それらの技が存在せず、決してゾンビたちを止めることはできないのだ。オメガ改との戦いでは、謎のカウンター封じによって発動されなかった(ファイアビュートとウィザードロッドを持ち、反射ファイガでダメージを与えても、何故か全くカウンター対象とならない)ものの、「サークル」が存在したため、これが発動すると、ゾンビキャラが消されてしまう恐れがあった。
そんなわけで。神竜改には、何も考えず、あらかじめゾンビ+ファイアビュート+リフレクトリングのキャラを用意し、「まさむね」装備キャラが初手で「かくれる」を使う…という単純なゾンビビュート作戦にて、100%勝利が可能である。なお、気になるのは、後半の「ミュート」であるが、実験してみたところ、ミュート中でも武器の追加効果魔法は発動するようなので、問題ないだろう。
…なのであるが。確かに、敵には直接の回復能力こそ無いものの、高い防御力を誇っている。敵は、本体が半分の時間だけ無敵になることと、ダミーターゲットが1つ存在することにより、反射ファイガの命中率は1/4となる。また、神竜改は魔法防御力も「100」と高いため、威力「185」のファイガのダメージは、約半分に軽減されてしまう。しかも、敵の行動ペースが約25カウントごとと尋常ではない早さを持っていることに対し、味方側はアクセサリ枠が「リフレクトリング」で埋まってしまうため、敵が3回行動するなか、やっと1回だけこちらのターンが回ってくるといった始末である。
――というわけで。そのまま戦うと、ちょっと笑えないレベルで時間が掛かってしまうと思われる。そのため今回は、序盤に安全な時間を用意し、そこでキャラ強化を行うことで、時間短縮を狙っていった。まあ、ただゾンビキャラを用意して「かくれる」だけでも勝てるので、ちょっとした余興である。
「固定パターンでゾンビになる」というのが、意外と難しい |
ではまず、どこから強化を行っていくべきか。まず採用したのが、今回プレイで初登場となる、「歌うゾンビ作戦」である。
…さて、理屈は全く分からないのであるが、GBA版までのFF5では、パラメーターUP系の「うたう」を使いながらゾンビ状態になると、歌の効果が持続したままになる。その際、歌い続けるだけでなく、通常のゾンビとしての行動=味方への打撃も行われるようだ。重要な特性として、このゾンビが歌っている状態は、敵味方の攻撃によっては解除されない。そして、ゾンビはダメージによって戦闘不能にならないため、歌い続ける不死の壁が誕生するのだ。
――よって、「かくれる」を使って待っていれば、隠れているキャラにも歌は届くため、どれだけでも味方を強化できるし、ゾンビに「癒やしの杖」など、無害な武器を持たせておくという手もあるだろう。それだけでなく、ゾンビビュート作戦にて歌うゾンビを適用すれば、「うたう」による強化も、「ゾンビとしての打撃」の部分も、両方とも活かせて、非常に効率的である。
ところで。この「歌うゾンビ作戦」は、これまでのプレイでは、出番に恵まれてこなかった。その理由は簡単で、戦闘中にゾンビキャラを作成する必要があるからだ。“ゾンビ化攻撃を使ってくる強敵”というのは、それなりに居るのだが、そのステータス異常としての厄介さからか、確率が低かったり、条件付きだったりすることが多い。歌うゾンビ作戦には、「『うたう』を使いながらゾンビ化する」という流れが必須であり、そこをまず安定させなければ、パターンとしての実用性は低くなってしまう。
…そういう観点から、神竜改を見てみると、「8ターンルーチンの3ターン目」=「冒頭マイティガードを入れても4ターン目」という、早すぎでも遅すぎでもない絶妙なタイミングで、「ゾンビブレス」を使ってきてくれる。しかも、単体対象の「ゾンビーパウダー」や「死者の踊り」ではなく、ゾンビブレスというのが好都合で、複数人を一気に“歌うゾンビ”へと変えることが可能である。そんなにゾンビたちに歌ってほしいのか。
というわけで。今回は、バッツを「かくれる」要員、残りの3人娘をゾンビ要員として、編成を組んでいった。
…まず、使う歌は、「英雄の歌」「魔力の歌」「素早さの歌」の3つである。英雄の歌ではレベル値を、魔力と素早さはそれぞれのパラメーターを、30カウントごとに「1」上昇させる(ヘイスト状態なら2倍速)。上限はどれも「99」であるため、最終的にLv99/魔力99/素早さ99の最強ゾンビが完成することになる。その他の、敵味方の強化&弱体化と組み合わせることにより、反射ファイガで、なんと9999ダメージすら叩き出せるようになった。
――ちなみに。担当する歌については、クルルに「英雄の歌」を使わせ、後はどちらでも良い。クルルは、攻撃役として「ファイアビュート」を振るい、そのために「ヘイストドリンク」でヘイスト状態になっている。ヘイストだと歌による強化速度が2倍になるため、1→99と最も上昇量が必要なレベル強化を担当させるのが妥当なのだ(なお、他の初期値は、魔力は60程度、素早さは45程度)。
エフェクトは表示されないが、ちゃんと半減しているので大丈夫 |
続いて。歌以外にも、序盤は少しだけ自由時間があるため、お馴染みの「ちょうごう」を用いて、敵味方の強化・弱体化を行っておく。
…まずは、攻撃役となるクルルに対して、強化の基本である「ヘイストドリンク(亀の甲羅+目薬)」でヘイストを掛けておく。これで、行動回数を2倍とでき、ゾンビは戦闘不能にならないため、以降はバトル終了まで解除されることは無い。次に、「エレメンタルパワー(聖水+目薬)」で全属性強化を行い、ファイガの威力を1.5倍とする。これら2コマンドだけでも、単純計算で火力は3倍である。
次に、神竜改に対しては、「亀の甲羅割り(亀の甲羅+毒消し)」を当てておく。これは、対象の物理防御力&魔法防御力を半減させる特技であり、青魔法「ガードオファ」とは違って必中であるため、魔法回避率120という、五条さん状態になっている神竜改にも当たる。すると、魔法防御力は100→50と半減し、基本威力「185」=185〜208のファイガによるダメージ基本値は、「85〜108」
→ 「135〜158」と上昇する。よって、亀の甲羅割りを1回掛けることによっても、与ダメージを約1.5倍とできるのだ。
…という解釈は誤りであり、実際には、属性強化は、威力である「185」のほうに1.5を掛けるようだ。よって、ファイガの威力は「277」=277〜311となり、亀の甲羅割りによって、「177〜211」→「227〜261」と変化する。よって、与ダメージは、1.25倍程度にしか上昇しないということになる。ちょっとした計算方式の違いにより、実際のダメージが変わってきてしまうのだ。もちろん、1.25倍でも、重要な強化であることには変わりない。
――ちなみに。亀の甲羅割りの演出については、敵の後ろから、ハンマーでピコッと殴るというものだ。だが、神竜改はサイズが大きすぎるためか、やってみても何も表示されない。ただ、初回のミールストーム後という確定無敵解除タイミングで当てれば、ちゃんと効果は発揮されているので、安心である。
以上、「歌うゾンビ」「ヘイストドリンク&エレメンタルパワー&亀の甲羅割り」を使った場合の強化を、無強化の際と比べてみよう。
とまあ、こんな感じだ。最終的な火力差は20倍であり、なんと9999まで狙えるようになった。
…ただし。マイナス要素も無いわけではない。単純なゾンビビュート作戦ならば、ゾンビは1人でOKであり、全ての打撃を「ファイアビュート」によるものとできていた。しかしながら、今回は3人のゾンビが歌いながら殴り合うことになり、ファイアビュートを装備したクルル以外の打撃は無駄である(「電撃鞭」によるサンダーは、オメガの場合と違って弱点を突けないため、神竜改の装甲を貫けない)。彼らは、非ヘイストとはいえ、クルルと同じペースで素早さの強化を受けているため、最終的にはクルル:レナ:ファリス=2:1:1程度の行動ペースとなってしまう。半分の打撃が、無意味になってしまうのだ。
――さらに。今回は、「ゾンビブレス」のまでの神竜改の攻撃を耐えるために、「アイスシールド」を装備している。このアイスシールドによって、「ファイアビュート」の打撃が回避されてしまうことが増える。打撃部分を回避すると、追加効果の魔法は発動しないので、ファイガの発動率が低下する。
最後に、最大火力9999というのは夢のある話だが、ここまでキャラクターが強化されるには、実時間で10分強が掛かるようだ。後に書くのだが、今回の戦法だと、運次第だが、20分程度での勝利となるようで、つまるところ、全体の半分以上の時間で最大火力を出せていないのだ。
とまあ、こんな感じで。無理やりマイナス要素をまとめてみたが、まあ言うまでもなく、各種の強化を行ったほうが早い。
…例えば、原種の神竜を振り返ってみると、あちらには無敵もダミーも存在せず、ファイガが発動すれば必ず命中する。その場合ですら、勝利までに55分が掛かったと記録されている(【第27話 そのA】)。ダメージについては、あちらの神竜もマイティガードを使って、しかもそれが確実に適用されるため、400強と同程度になるが、神竜改はダミーと無敵化で攻撃命中率が1/4となるため、その点だけでも、4倍の4時間が掛かると見て良いだろう。そして、敵の行動ペースも「改」のほうが上であり、純粋なHP自体も55500→65000と上がっている。よって、ただのゾンビビュート作戦で神竜改を倒すには、5時間とかそれくらいは余裕で掛かってしまうことだろう。良かった、最初から時間短縮を狙っていく方針にしておいて…。
――ちなみに。ファイアビュート役については、二刀流のもう片方に「ウィザードロッド」を装備すると、エレメンタルパワーに頼らずとも、属性強化が可能になる。しかしながら、この方式を使うと、謎に敵カウンターも封じてしまう(【第35話】)。オメガ改の際は、ゾンビすら消し去る「サークル」を封じる方式として役に立ったが、今回はカウンターを封じてしまうと、ファイナルアタックまで不発となり、そしてダミーが本体をHP全快で復活させてしまう。こちらは決して死なないが、敵も絶対に倒せず、千日手となってしまうため、今回はあえて敵カウンターを発動させてやらなければならない。
わけの分からない追加武器だが、一発ネタという使い所が見つかった! |
最後に。上で書いた通り、今回は3人で歌うゾンビとなる都合、ファイアビュートを装備するクルル以外…つまりレナとファリスの攻撃は無駄となってしまう。そこで今回は、その2人に、ロッドを装備させ、戦闘の効率化を狙っていった。
…やれ、誰も気にしていないが、ロッド装備での「たたかう」は、リフレクによって反射される。よって私は、ファイアビュート以外に、相手を攻撃する一助になれば良いかな…と思っていた。しかしながら、実際に戦ってみると、まるで命中しない。神竜改の物理回避率は「20」しかないので、魔法回避率「120」のほうに引っかかっているのか、その他に理由があるのかは分からないが、結局のところ、ロッド打撃のリフレク反射では、1ポイントも相手HPを減らせなかった。
――ただし、それで全くロッド装備が役にたたなかったかと言うと、そんなことはなく、スッと攻撃がミスしてくれるので、エフェクトが短くなる効果があった。全く考えていなかったが、放置プレイとなる今回バトルでは、嬉しいメリットだ。
そして、このロッド装備で戦っていた際に、ちょっと奇妙な現象に遭遇した。神竜改にデスが当たり、そして敵が再生したのである。
…まず、私は、もともとロッド装備を攻撃手段として使おうと考えていたこともあって、攻撃力の高い順として、「デモンズロッド」(GBA版追加武器)をレナに、そして「ウィザードロッド」をファリスに装備させていた。そして、デモンズロッドの追加効果は「デス」である。そのデスが、リフレクで跳ね返ったところ、なんと神竜改に命中した。そして、その後、敵が再生をしてしまったのだ。どういう…ことだ…?
――が、これは別に、神竜改だけの特殊仕様というわけではなく、どうやら、無敵の対象に即死攻撃が当たったときの共通演出のようだ。よって、見た目的には、デスベホマと同じものであるが、敵のHPは回復していない。びっくりした、ヤズマットフルケア事件の再来かと思った…。ちなみに、ダミーはグラフィックが存在しないため、デスが命中しても、消滅したり再生したり、というふうには見えないようだ。
最強の敵が、単純な必勝法に耐性が無いというのは意外だった |
ちなみに。神竜改は、最大HP65000に対し15000を切ると、「ミュート」を使った後に、物理発狂のモードに入る。しかし、これも問題ない。いくら打撃ダメージが高かろうと、決してゾンビは撃破不能だ。また、「歌うゾンビ」の態勢についても、敵味方の打撃では崩されない。
――そして、最後についても、敵は「ギガフレア」→「メテオ」のファイナルアタックを使用し、これをFA封じするとダミーが本体を復活させてしまうのだが、ゾンビビュートによるファイガ反射は普通にカウンター対象であるため、ファイナルアタックも発動してくれる。そして、ギガフレアもメテオも、もちろんゾンビを成仏させることはできない。以上、ケチの付けようがない勝利である。
とまあ、こんな感じで。ゾンビビュート作戦により、神竜改を撃破できた。なお、時間については、「歌うゾンビ」「調合技による敵味方の強化&弱体化」「ロッド空振りによるエフェクト省略」といった一連の改善を加えることにより、最終的に20分程度での撃破となった。
…やれ、実際にプレイしてみると、無敵化とダミーにより、結構な確率でファイガが外れてしまう。これがもうちょっと多く当たれば、早く倒せそう…!
と思って何度かやってみたが、結局のところ20分くらいは掛かってしまうので、たぶん確率的にはこんなところに収束するのであろう。
――ちなみに。ゾンビによる魔法反射のみを攻撃手段にする場合にも、まだまだタイム短縮手段は存在する。例えば、アイスシールドでファイアビュートを受け止めてしまうことは無駄が大きいので、「ミールストーム」を魔法回避率で避け、さらに「炎or吹雪」で、最大HP割合ダメージの炎のほうが選ばれてくれることを期待する…などという手もあるだろう。その他、適用する調合技を吟味したり、適当なところでビュート役以外のゾンビたちには退場をしていただき、ゾンビィクルルのソロステージにしてみたりと、様々な方式が考えられる。もはや何がなんだかわからなくなってきたが、最速のゾンビを目指す人が居たら、ぜひ頑張ってみてください。
◆動画◆
この勝ち方が必須なので、ABP0「獲得」は理論上も不可能 |
第3弾である。今回は、FF5の制限付き低レベルでお馴染みとなっている「ABP0」という条件を、神竜改との戦いに持ち込んでみたい。ただし、ABP0「状態」という条件である。
…やれ、なぜ、こんな見慣れない書き方をしたのかというと、神竜改を、低レベル+ABP0の通しプレイにて撃破することは、理論上も不可能だからである。その理由は、例のファイナルアタックだ。敵は、HPが0になると、最後に「ギガフレア」→「メテオ」を放つ。このうち、ギガフレアについては、2114低レベルでは、あらゆる手段を用いても耐久不可能である。そして、繰り返し述べているように、FA封じでギガフレア&メテオを不発にすると、ダミーが本体をHP全快で復活させてしまうという凶行に出るため、発動自体も封じることもできない。よって、ギガフレア+メテオのダメージを、「かくれる」か「ジャンプ」で無かったことにするしかないのだ。
――ところが、ABP0の条件だと、「かくれる」は、吟遊詩人のジョブコマンドではなくランク1アビリティであるため、使用不能である。よって、「ジャンプ」のほうを使うことになるのだが、当然の話として、「ジャンプ」を使うためには、使用者が竜騎士である必要がある。しかも、滞空中にFAのギガフレアを避け、バトルを終了させる都合、勝利時に竜騎士は生存状態となる。よって、神竜改の撃破報酬であるABP150を、必ず竜騎士が獲得してしまうのだ。なお、「ものまね師」でジャンプを反復したとしても、やはりものまね師がABPを獲得してしまうため、同じことである。
やれ。私が最初に、ABP0での撃破を行おうと思ったのは、調べごとの基本:FF大辞典の【「Final Fantasy V Advance」の記事】に、「ある1匹のモンスターを除いて、低レベル+ABP0で攻略可能」と書かれており、下線部のリンク先として、神竜改が貼られていたことがきっかけである。これを見て、私は「ああ、神竜改が強すぎて、ABP0では倒せないと思われているのだな」と考え、なら私が倒してやろうと思い立ったのだ。
…まあ、結果を言うと、上記の通り、ABP0で倒せない理由は、「ファイナルアタックを生き残るために竜騎士が必要で、その竜騎士が絶対にABPを獲得してしまうから」であった。ただ、ABP0でバトルに勝つまでなら、何とか行けそうなことが分かった。今回プレイが、もし通しでのABP0攻略であれば、「撃破後リセット」ということになるだろう。そういう意味での、「ABP0『状態』で撃破」という名称である。
――ちなみに、攻略内容としても、「ABP0」という、私がこれまで行ってこなかった条件からか、他に類を見ない、独自のバトルが展開された。「ABP0でのバトル終了」が不可能となっても、ボツにしなかったのは、その戦法を紹介してみたかったからという思いも強い。まあ、異次元クラスの超強敵である神竜改を、5回も倒さなければならないのだから、せっかく思い付いたものは使っておきたいよね…。
ABP0プレイだと、語り継がれるに相応しい難所となる |
ではまず、私の低レベルでは未知数となる、「ABP0プレイの難しさ」というものを、紹介していくことにしよう。
…まず、ABP0プレイだと、ジョブのアビリティを習得できない。何だそれだけか…と思うところだが、逆から考えると、つまり「ジョブに初期設定されているアビリティしか使えない」ということである。例えば、強コマンドの1つである「あおまほう」を使うためには、それだけの目的で青魔道士を採用せねばならない。「まもり」「じくう」「くろまほう」「ぬすむ」「まほうけん」「とらえる/はなつ」など、ピンポイントで役立つコマンドについても、アビリティ1枠どころか、キャラ1名を費やさなければならなくなってしまうのだ。
――さらに。ABP0の場合、ジョブのランクアップによって覚えられる系統のアビリティは、全く使用不能となってしまう。代表的なものは、「かくれる」と「ちょうごう」だ。これらは、これまでの低レベル攻略で頻繁に使用してきたので、それが使えないとなると、大幅な戦略変更が強いられるだろう。その他にも、「みだれうち」や「れんぞくま」といった最終攻撃手段はもちろん、「あやつる」や、GBA版追加アビリティだと「よげん」や「ごうせい」も、ランクアップで覚える系統の技なので、使用不能である。「ひっさつ」は、選択こそ可能なものの、エレメントアタックの発動率は3/16と低いままになる。意外なところとして、「とんずら」が使用不能(ついでに「けむりだま」も)なので、雑魚戦においても厄介なことになってくるはずだ。
もちろん、ジョブ特性についても同じであり、「にとうりゅう」は忍者中以外では決して使えず、「せんせいこうげき」「けいかい」「しらはどり」といった、有って当然だと思っていたジョブ特性も、該当する職業に就職中以外は使えなくなってしまう。あれだ、FF5が発売した1992年(平成4年)は、転職をしまくったあげくフリーになるのではなく、終身雇用が当たり前だったということだろう(意味不明)。
また。各ジョブを使う都合、そのジョブの低い能力や、装備の不自由さと、どうしても付き合わなければならない。
…まず、防御のカナメとなってきた「盾」であるが、意外にも装備不能なことが多く、実に2/3に相当する量のジョブは盾を持てない。他の防具枠でも、魔導師系は「黒装束」や「ミラージュベスト」「ボーンメイル」が装備できず、意味を為す装備品が存在しないなんて悲惨なことすら有り得る。そして、武器については、従来は「ものまね師が装備できない」という点だけが話題になってきたが、それにほぼ全局面で向き合うことになる。なにせ、「まさむね」「飛竜の槍」「ファイアビュート」「アポロンのハープ」などの主力武器は、ごく限られたジョブしか装備できない。また、酷いジョブは、「チキンナイフ」や「マインゴーシュ」すら装備できず、武器枠が意味を為さないという場合すら存在する。
――さらに。すっぴんやものまね師は、マスターしたジョブのパラメーターを引き継ぎ、私はそれを、当然のことだと考えていた。しかし、コマンドアビリティのために、他ジョブを使わざるを得ないとなると、どうしても、各ジョブ固有の能力値で戦っていかなければならない。最重要なのは、もちろん素早さである。素早さの基本値は、シーフが「40」、戦士系・魔導師系が「25」程度で、そしてどちらにも属さないジョブは、それらの間…という感じであるが、概して、ABP獲得可能なプレイよりも遅くなる。特に、戦士系などは、鎧を着込んで重くなるため、ちょっと想像し難いくらいにターンが回ってこない。これまで散々、シーフをコピーしたすっぴん/ものまね師の素早さを知っている身としては、「えっ、こんなに遅いの!?」と困惑してしまうものだ。
最後に、「通しでのABP0攻略」というものを考えた場合、すっぴんだけを残して勝利する必要がある。すっぴんは、それ自体ではアビリティを習得できないということで、「ABPの獲得」という概念自体をスキップできるのだ(ものまね師は、999ABPで「ものまね」を獲得するので、不可)。
…しかも、このすっぴんは、私のよく知っている最強すっぴんではなく、全パラメーターが低く、かつ、「たたかう」「アイテム」しか使用できないという貧弱ジョブである。ただでさえ、1ジョブ1アビリティということで、枠の圧迫が激しいのに、4人のうち1人はジョブまで完全に固定されてしまう。もっとも、「全ての装備品を装備できる」という性質は、この状態であっても存在するため、使い方次第で、それなりの活躍ができるだろう。
――むしろ、ここでの問題は、「すっぴんだけを残して勝利する」というふうに、勝ち方が限定される点であろう。何かのジョブについているキャラは、生存して勝利するとABPを獲得してしまうため、敵撃破までの間に、必ず戦闘不能としなければならない。「自然な流れで戦闘不能者を作る」というのは、思った以上に難しいものである。または、最初からすっぴんのみで挑むか…?
ということで。低レベル+ABP0だと、私の行っているアビリティ取得が自由なプレイと比べ、多くの場面で戦法の見直しが要求される。
…例えば、第2世界のビッグブリッジでは、「プチチャリオット×3」との強制戦闘が行われる。ここは、低レベルプレイでは難所の一つとして知られているのだが、私がプレイした際には、「はなつ:ガルキマセラ」で相手を死の宣告状態にしたあと、「かくれる」で待っていれば終わる戦いであった。せいぜい、ランダム対象となる「はなつ」を敵3体に均等に当てるというのが確率が低いというくらいで、何が難しいのか、全く分からなかった。
しかしながら。ABP0という条件を加えると、ここは鬼門に変わる。まず、「はなつ」を使うために、3人を魔獣使いにしなければならない。そして、死の宣告では、経験値とは異なってABPはカットできないため、残り1名はすっぴんと決まる。つまり、ジョブは「魔獣使い×3
+ すっぴん」で固定だ。そして、コマンドアビリティについても、「かくれる」は、吟遊詩人の技であるうえ、そもそもジョブコマンドが「うたう」である都合、ABP0だと絶対に使用できない。「うたう」についても「愛の歌」によるストップが使えれば、戦闘の大きな助けとなる(死の宣告のカウントも進まなくなるので、最終的には解除する必要がある)が、魔獣使いとすっぴんで枠が埋まるため、歌は使用できない。というか、「はなつ」でガルキマセラ×3を放った後に残るのは、「たたかう」「アイテム」だけである。どうしろと?
…とまあ、そのような最低条件において、即死攻撃の「マスタードボム」などが雨あられと打ち込まれる中で、敵3体の猛攻に耐えつつ、死の宣告のカウントを0にしなければならないのだ。極め付けに、バトルの終え方として、ラスト1体のカウントが0になる前に、「魔獣使いたちが戦闘不能で、すっぴん1名だけが生き残っている状況」にする必要がある。耐えれば良いのか、死ねば良いのか、どっちか一つにしてくれ!
――という感じで。ABP0プレイにおけるプチチャリオット戦は、アビリティ取得を許可していた今回の通し時とは、全く別種の戦いとなり、考えるだけでも難しそうである。しかも、これを終わらせても、即セーブはできず、そのままビッグブリッジを踏破する必要があるのだ。ちなみに、1年以上前となる当時の日誌でも、ABP0プレイにおける難しさについては、触れていたりもするのだ…(【第9話】)。
あえて非ヘイストで「ジャンプ」を使うことにより、厄介な攻撃をまとめて回避できる |
では、そんなABP0「状態」において、神竜改の撃破へと、挑戦をしてみることにしよう。
…なお、前述の通り、ジャンプ回避で竜騎士生存が必要なため、神竜改をABP0獲得で倒すことは、理論上も不可能である。しかしながら、あくまで「低レベル+ABP0」という条件を模擬するのなら、パーティにすっぴん1名を入れるという考え方もあるだろう。
――というわけで。ここはどうすべきか私も悩んだのだが、最終的に、すっぴんは入れないことにした。理由は、どうせすっぴんを入れても、そのすっぴんを最後に生き残らせることはできず、話がややこしくなってしまうからだ。あとはもちろん、難易度の話もある。最終的には、すっぴん1名を入れたとしても、少しの変更で勝てるくらいの戦法が出来たと思うのだが、立案段階では、そこまで余裕があるとは思っていなかったので…。
というわけで、具体的な戦法を考えていく。まず、私が確認しようとしたのは、「ジャンプ」を入力し、そして落ちてくるタイミングである。
…まず、ABP0だと、「かくれる」が使えない。よって、最後の「ギガフレア」→「メテオ」を避けるためには、「ジャンプ」が絶対に必要であり、同様に竜騎士の投入も確定となる。そして、竜騎士は盾を装備できるジョブであるため、「フォースシールド」を使えば、8ターンルーチンの多くの攻撃を無効化可能だ。しかしながら、「ゾンビブレス」や「たたかう×2」など、フォースシールドでは防ぎきれない攻撃も存在する。これらに対して、「ジャンプ」を使うと、どのように回避できるか、試してみたのだ。
――では、重要なことなので、神竜改の序盤の8ターンルーチンを、再び貼ってみよう。
さて。これらのうち、「Bゾンビブレス」は、フォースシールドでは防げない、無属性必中攻撃である。また、「アンデッド(特性アビリティ)」を使うためには、ネクロマンサーに就く必要があるが、ネクロマンサーは盾を装備できず、他の攻撃全てに脆弱となってしまう。それでは意味がない。
…次に、「Dたたかう×2」は、フォースシールドの回避率が「10」しか無いため、やはり不適である。盾持ち替えを許可したとしても、源氏の盾で物理に対し半完全回避を実現するには、小人状態になっている必要がある。しかしながら、小人状態だと、「ジャンプ」の火力も極小化する。竜騎士は、デフォルトで「飛竜の槍」を装備できるため、せっかくだから攻撃要員にしていきたいというものだ。以上、厄介なのは、「ゾンビブレス」「たたかう」である。
ではまず、いつものように、竜騎士にエルメスの靴を装備させ、まずは「Bゾンビブレス」の前にジャンプを入力してみた。すると、B→Cと回避したあとに落ちてきて、「Dたたかう×2」が命中して終了であった。 糸冬 | 制作・著作:やり込みinFF
…と、普通なら思うところであるが、次に私は、エルメスの靴を外してみた。ヘイスト状態は、「@ジャンプコマンドの決定後、飛び立つまでの時間」「A飛び立ってから落ちてくるまでの時間」を、両方とも半減する。よって、あえてエルメスの靴を外すことで、ジャンプで落ちてくるタイミングを遅らせられるのだ。実際に試してみると、B→C→Dと避けたあとに、落下をしてきた。フォースシールドの弱点となる「Bゾンビブレス」と「Dたたかう×2」を、まとめて回避可能なのだ。これはお得感満載である。
ただし。「ジャンプ」で苦手な攻撃を避けられたからと言って、それだけで勝てるわけではない。忘れがちだが、落ちてきてから再び飛び立つまでにも時間が必要であり、そこで死亡確定の攻撃を使われる場合もあるからだ。今回は、すっぴんではなく、重戦士系の竜騎士、しかもヘイストなしということで、落ちてきてからターンが回ってくるまでには、約100カウントが掛かる。神竜改の攻撃を、3〜4回は受けてしまう計算だ。こりゃ無理そうだな。
…と思っていたが、実際にやってみると、「Eブレスウイングorポイズンブレス」「Fカーズ」「Gアルマゲストorタイダルウエイブ」「@ミールストーム」と受けたあとに、竜騎士のターンが回ってきた。EGは属性攻撃であるためフォースシールドで無効化でき、F@は直接のダメージ技ではない。Fカーズのステータス異常が気になるところではあるものの、再び竜騎士のターンが回ってくるのである。
――その後の展開であるが、「A炎or吹雪」を確認したあと、ジャンプを入力すれば、同じく「Bゾンビブレス」から「Dたたかう×2」までの一連の攻撃を回避することが可能である。これでループを作れた。竜騎士にあえて「エルメスの靴」を装備させず、ゆっくり落ちてくることによって、神竜改の序盤の8ターンルーチンを、ABP0の竜騎士で凌げるのだ!
ちなみに。何度かプレイをしていくと、このパターンでジャンプを入力する場合、「落下時に神竜改が無敵だったり非無敵だったりするパターン」と、「必ず神竜改が非無敵の時に落ちてこられるパターン」の、2つが存在することが分かった。もちろん、有利なのは後者である。恐らくであるが、本体とダミーの素早さがちょうど同じになった時に、“必ずダメージを与えられるパターン”になるのだろう。実戦では、落下攻撃が無効化された時点で、「これは失敗のパターン」と判断して、バトルを最初からやり直していった。
…さらに。今回、竜騎士であるバッツの実素早さは「23」(素早さ25で装備の重さが23)であり、初手は計算上、t=97に回ってくるということになる。そして、「ジャンプ」を入力してから飛び立つまでにも5カウントが必要となるため、バッツがお星さまになるのは、t=102だ。いっぽうで、神竜改は、素早さのランダム変動も入れて、24〜26カウントごとに行動する。開幕のマイティガードを入れると、「Bゾンビブレス」は4ターン目に飛んでくるということで、時刻としては、t=96,100,104のいずれかだ。以上の理由により、計算上、バッツのジャンプが間に合うのは、神竜改の素早さが最低値だった時のみということになる。げに恐ろしや…。
――そしてそこに、ジャンプで必ず非無敵を引けるパターンを組み合わせるならば、本体とダミーの素早さが両方最低ということになり、確率は1/9ということになる。確かに、実際、本当の意味でバトルが開始できる確率は、それくらいだったように思う。予想よりも遥かに酷い★運ゲー★をやっていた…?
ということで。バトルが開始できる確率が1/9というと、結構キツいのであるが、実はこれを早期に判別する方法がある。それは、味方のATBゲージを目安として使うことだ。どういう仕組みなのかはサッパリ分からないのだが、敵の「A炎or吹雪」のターンが来る前に、味方側初手のクルルのATBゲージが溜まった場合は、「Bゾンビブレス」よりも前に、竜騎士の「ジャンプ」が間に合う。さらにこの際、クルルとファリスのゲージが両方とも満タンになっていた場合は、必ず「ジャンプが当たり続けるパターン」である(他にも当たり続ける場合は存在する?)。
――とまあ、こんな感じで。全く理由は分からないし、別に狙っていったわけではないのだが、味方側のゲージを物差しとすることで、コマンドを1個も入力せずとも成功か失敗かが分かるということになった。今回、私はプレイにWiiUバーチャルコンソール版のFF5アドバンスを使用しており、「まるごと保存」というリアルタイムセーブ機能で、宝箱の前から即座にやり直せる。この判別方式で、プレイがかなり円滑になったと思う。
「ナイト」のジョブは、ABP0で「まもり+かばう」のコンボを成立させられる! |
では次に、竜騎士以外のジョブについて考えていこう。
…と、その前に。「竜騎士を2名以上用意するのは駄目なの?」と思う人も居るかもしれないが、駄目である。「フォースシールド」のほうが1枚しか用意できないため、仮に2人目の竜騎士が「Bゾンビブレス」と「Dたたかう×2」を避けたところで、他の属性攻撃で狩られてしまうのだ。というわけで、竜騎士は、1名のみの採用である。
――ちなみに、竜騎士を担当するのはバッツだ。というのも、バッツが竜騎士になると、凄くFF4のカインっぽいデザインになるので、せっかくだからガリを活躍させてみたかったのだ。ちなみに、魔法剣士はミンウ(FF2)っぽいので、多分だが、狙っているのだろう。FF5の主人公はバッツ!! ちなみに、戦術面のメリットとしても、一応だが、「力が最も高い」という利点が存在する。
さて。竜騎士以外のジョブとして、私が重要だと思ったのは、「ナイト」である。
…理由を述べると、ナイトは、特性アビリティ「かばう」を内包し、かつ、盾を装備できるからである。よって、あらかじめ「源氏の盾+小人」状態のナイトを用意し、「ミールストーム」あたりで瀕死状態のキャラを用意できれば(「フェニックスの尾」だとHP1/4で復活する。FF5の瀕死はHP1/8からなので、そのままでは駄目。「聖水」によるゾンビ解除も、フィールドだとHP1で復活するが、戦闘中では少量のHP回復を伴ってしまう)、ラストの物理発狂を耐え抜くことができる。さらに、ジョブコマンドも「まもり」は、念には念をという感じであるが、源氏の盾+小人では99%だった物理回避率のうち、残り1%を補ってくれるのだ。
――よって、序盤の8ターンルーチンは竜騎士だけで凌ぎ、敵が「ミュート」を使ったら、ナイトを復活させ、「かばう」により盾となってもらう…という方式で、竜騎士をずっと安全にできるのだ。ちなみに、ナイト担当はレナである。バッツ以外の3人のうち、最も素早さが遅いキャラという理由であるが、意外なところとして、魔力の基本値が最大という方面も活かすことができた(実は、ダメージ計算式の都合上、凄く微妙に役立っていなかったのだが…)。
最後に、残った2名のジョブは、「吟遊詩人」とした。ジョブコマンドは「うたう」であり、「かくれる」は使えない。
…さて、吟遊詩人を採用した理由は、もちろん、ゾンビビュート作戦でも使用した、歌うゾンビ作戦のためである。今回、竜騎士×1名以外は、基本的に開幕4ターン目の「Bゾンビブレス」を喰らって乙となる。それを、「イージスの盾」などで無理やり避けてしまう手も無いこともないが、それよりも、歌うゾンビィとなって、竜騎士・ナイトといった戦闘キャラたちの能力を高めていったほうが良いと判断したのだ。
――そして、今話の挿入歌は、「英雄の歌」と「素早さの歌」である。英雄の歌は、お馴染みレベル値の強化によって、ダメージを向上させる。今回、竜騎士は「飛竜の槍」を装備してジャンプする。二刀流が無く、有ったとしても片手がフォースシールドで塞がるため、単発となるのだが、あっという間にダメージは9999に達し、低レベル+ABP0でも全く問題ない火力を発揮してくれる。また、素早さの歌のほうは、素早さを向上させていくものである。今回は、編成の都合上、全員がエルメスの靴を装備できない。しかも、シーフコピー状態のすっぴん/ものまね師で無く、他ジョブということで、その遅さは予想以上のものである。そこを、素早さの歌で補っていくことにより、最終的に神竜改と同じくらいの迅速で行動できるようになるのだ。
ちなみに、吟遊詩人の担当キャラは、クルルとファリスだ。素早さが高い順というのが理由だが、バッツは力を/レナは魔力を、それぞれ使うため、ひょっとするとこちらが余り物だったのかもしれない…。
ちなみに、「素早さの歌」で素早さを上げると、竜騎士の「ジャンプから落ちてきたあと、ターンが回ってくるまでの時間」は短くなるが、「『ジャンプ』コマンドを入力してから、上空に飛び上がり、そして落ちてくるまでの時間」は変化しない。
…よって、素早さをドーピングしたとしても、「Bゾンビブレス」「Dたたかう×2」を回避しつつ攻撃を当てるというパターンは、変わらず実行可能である。そして、落下後にターンが回ってくるのが早くなったとしても、行動を変える必要はなく、「A炎or吹雪」を無効化するまで待ってから、「ジャンプ」を入力すれば良い。我ながら、なかなか都合の良すぎる作戦だ。
炎吸収はイメージ通りだが、何気に氷無効の能力も併せ持つ |
それでは。ジョブを、「クルル/吟遊詩人」「レナ/ナイト」「バッツ/竜騎士」「ファリス/吟遊詩人」と決めたところで、細かい戦法を考えていこう。
…開幕で行うべきは、「バッツがジャンプでゾンビブレスを回避しつつ、クルルとファリスが歌うゾンビとなる」ということである。だが、これを実行する前に、まずは「A炎or吹雪」を耐えなければならない。一応、ミールストームを魔法回避率、つまり気合で回避し、次の攻撃が最大HP割合ダメージである「炎」であることを期待する…などという方式も無いことも無いが、もっと効率の良い戦法として、「炎の指輪」を装備すれば、炎吸収&氷無効の効果を得ることができ、この第2ターン目の攻撃へ、まとめて対処が可能である。
――ちなみに、炎の指輪は、水属性弱点の性質も得てしまうため、8ターン目に使われうる「タイダルウエイブ」が確定9999となってしまう。だが、元々の8000ダメージであっても、どうせ即死には変わりないし、ルーチン8ターン目が来る時には既に竜騎士以外がゾンビとなっているため、どうでも良い。むしろ、原種神竜の最強必殺技が、9999と更に強化されている(※神竜も同威力なので強化されていない)という感じで、お得感が増すものだ。
ちなみに。バッツについては、「フォースシールド」で炎も氷も無効化するため、「炎の指輪」を装備する必要は無い。かといって、戦法は“非ヘイストでゆっくり落ちてくる”というものであるため、ステータス耐性の魅力もある「エルメスの靴」を装備できない。ならばと、今回は、「ハイパーリスト」というアクセサリを装備していった。地味にGBA版の追加アクセサリであり、力+5のほか、武器攻撃力を+10するという、他に類を見ない効果を持つ。二刀流の場合、表示は10しか上がらないが、ちゃんと両手の武器とも+10だけ攻撃力が上がっているようだ。
…そして、今回のバッツの場合だと、レベルドーピングを使うため、力+5と攻撃力+10の、両方の効果を活かすことができる。Lv99を前提とし、力51&物理攻撃力119と、力56&物理攻撃力129では、前者が物理倍率41、後者が45となるため、約1.2倍のダメージ差が生まれてくるはずである。と言っても、「ジャンプ」はすぐに9999でカンストしてしまうため、関係ない…と言いたいところであるが、実際には、「ハイパーリスト」装備でジャンプを当てていくと、敵素早さが実質的に固定となり、ジャンプも必ず命中していくことによって、戦闘がパターン化し、最終的に、HPを3桁に調整できるようだ。
――例えば、実際の勝利時は、最後のトドメ前の敵HPは、299となっていた。これが、数千も残っている状況だと、最後に小人状態のナイト1人で倒すのは、なかなか骨が折れてしまう。つまり、「ハイパーリスト」を装備することで、敵HPをちょうど良く調整できるのだ。私の奴、そこまで考えて…!!
さて。今回の編成だと、それぞれのキャラの実素早さは、クルル36/レナ27/バッツ23/ファリス35だ。最も遅いバッツが、「ジャンプ」で飛び立ったあとに「ゾンビブレス」が飛んでくる(間に合わなければ全滅)という仕様上、吟遊詩人のクルル&ファリスと、ナイトのレナは、1回ずつ行動が可能である。
…しかしながら、やるべき行動は確定である。クルル&ファリスは、それぞれ「英雄の歌」と「素早さの歌」を始め、次のゾンビブレスで歌うゾンビとなる。これで十分であり、他の行動を入力する余地も必要性も無い。
――そして、ナイトのレナについては、意味を為せる行動を入力するのが難しいので、無難に「防御」でターンを送っておく。「まもり」を入力しても、ゾンビ状態では効果が適用されず、「かばう」も行わないため、全くの無意味だ。かといって、小人状態なので打撃も無理だし(そもそも敵は無敵状態)、バッツがミールストームで受けたダメージを回復することすら、「ボーンメイル」装備なので不可能である。
スロウ状態で落ちてくると、ゲージは0「以下」からのスタートとなる |
ということで。ゾンビブレスの前に、竜騎士バッツの「ジャンプ」が間に合い、かつ、神竜改の本体とダミーの両方が素早さが同じとなっていれば、そのままジャンプで「Bゾンビブレス」から「Dたたかう×2」をまとめて避けられ、落下攻撃は必ず命中し、そして次のゾンビブレスまでにジャンプが間に合う…という、固定パターンを成立させられる。その判別も、味方側のゲージによって、比較的早期に可能である。
だがここで、忘れてはならないことが2つある。1つ目は、カウンター:「ホワイトホール」の存在だ。神竜改のカウンターについては、基本的に無いものとして扱われることが多いものの、ダメージを与えると、「ホワイトホール
/ 何もしない / 何もしない」という反撃が発動する。ホワイトホールは、元ラスボス第1形態の専用技であり、非必中で「石化+即死」の効果を与える。GBA版までのFF5では、複数のステータス異常が発生する技は、いずれか1つの耐性があると、全て発動しない。よって、ホワイトホールに対しては、装備品で簡単に耐性を持てるうえ、そうでなくとも「ちょうごう:ライフシールド」で即死耐性を付与すればOKだったため、これまで大した問題になってこなかった。
…しかしながら、今回のABP0プレイだと、普通にホワイトホールに吸い込まれていくのだ。即死耐性を持つ装備は「リボン」「ボーンメイル」、石化耐性を持つのは「イージスの盾」「リボン」である。竜騎士では、リボンは装備できない。盾枠も、フォースシールドで埋まっている都合、イージスの盾を付けることは不可能だ。そして「ちょうごう」は、薬師のアビリティであるうえ、初期状態で使えずランクアップで覚える系統のコマンドなので、二重の意味で使用できない。となると、「ボーンメイル」しか候補が無いのだが、ボーンメイルを装備すると、戦闘中の蘇生が不可能になるという大きなデメリットが存在する。今回は、最後の物理発狂で竜騎士が倒されるパターンも想定しており、竜騎士戦闘不能で失敗確定というのは、なかなか大きな弱点であった。
――しかしながら。攻撃を当てると、1/3の確率でカウンターを喰らってアウトというのは、思った以上に危険である。よって私は、竜騎士に「ボーンメイル」を装備させていくことにした。これにより、竜騎士のバッツは、最後に「ジャンプ」でファイナルアタックを生き残るというだけでは足りない。戦闘の全てを通して、絶対に戦闘不能になってはならないキャラと化したのだ。
次に。対策必須なのが、「Fカーズ」である。グランドクロスの単体版と言える攻撃であるが、ゾンビや死の宣告など、厄介な即死系の攻撃は発動しない。これまでは、リボン・ボーンメイル・エルメスの靴などで防御し、スリップのみの攻撃とされてきたことが多いが、今回は多彩なST異常が発生しうる。具体的に言うと、ボーンメイルで防げる(即死/)毒/暗闇/老化/混乱/バーサクと、源氏の兜で防げる小人/混乱を除き、蛙・睡眠・麻痺・沈黙・スロウ・スリップ・ストップが、1/13の確率で発生する。なお、アクセサリ枠には、お遊び感覚で「ハイパーリスト」を装備していたが、他のアクセサリを装備したところで、これらカーズで発生する異常への耐性は(「エルメスの靴」を除いて)増やせない…ということは確認済みである。
…さて、実際には、バッツ以外の3名は全てゾンビとなっており、そちらにもカーズが逸れてくれるため、バッツが狙われる確率自体が1/4であり、そのうえで、約半分の確率で、何のステータス異常も発生しない。ただ、いざST効果が発動すると、それで終わりということも多い。私が実戦で経験したものだと、例えば、「スロウ」は、カーズ版だと「発生時点での待機時間を2倍にする」という効果は無く、次のゾンビブレス前に飛び立つまでは行ける。ただ、「落ちてくるまでの時間」と「落下後、ゲージが溜まるまでの時間」は、ともにスロウで2倍になってしまう。そもそもの素早さが遅い竜騎士は、スロウ状態になると、なんとゲージが0以下から始まるらしく、何度も何度も何度も神竜改の攻撃を受け、やがて全滅をしてしまった。
――また、別の回では、「カーズ」を受けたバッツが、HP十分なのに関わらず、急に膝を付いて、静止してしまった。恐らく、ストップが発生したということなのだろう。ストップは、発生させる技の種類とボス耐性によって持続時間が異なるという仕様のようだが、今回の場合、ATBゲージが復帰することはなく、神竜改の4連続攻撃を許して、ゾンビブレスで全滅となってしまった。
とまあ、こんな感じで。今回の条件において、「カーズ」は、なかなか緊張感のある技となるのである。
ちなみに。地味に重要だったりするのが、ゾンビとなる吟遊詩人×2とナイトが装備する武器である。こんなもの、攻撃要員として参加しないのだから素手で良い…と思うかもしれないが、素手はクリティカルが発生し、「6」ダメージを与え、ミールストームで瀕死となったバッツを戦闘不能にしてしまう恐れがある。しかも、2連撃となって、エフェクトまで長いというデメリット付きだ。
…ならばと、攻撃力の低い「ナイフ」「ダガー」などを装備させても、上手く行かない。何故なら、ナイトのレナは小人状態になっており、物理防御力が「0」に下がってしまっているからだ。レナには、源氏の盾を装備させているため、小人状態とのコンボで物理回避率が99%になる…と言いたいところだが、短剣には攻撃対象の回避率を低下させる効果があるため、せっかく絶対防御将軍となったレナを、普通に三枚おろしにしてしまう恐れがあるのだ。
――というわけで。最終的な作戦としては、吟遊詩人ゾンビたちには、「銀の竪琴」を装備させることにした。銀の竪琴は、打撃時に、非必中で「現在HPの1/16」のダメージを与えるという、同系統で最弱の武器である。現在HP割合ダメージで小数点以下を切り捨てているため、瀕死のキャラにパーティアタックを加えても、決して戦闘不能にすることはない。まあ、エフェクトが少し長いのが気になるところだが、そこさえ我慢すればOKだろう。
ミールストームで瀕死になったり、ポイズンブレスで回復されたり… |
こんな感じで。細かいところに関しても、しっかり仕上がってきた。「Fカーズ」こそ怖いものの、「Bゾンビブレス」前にバッツが「ジャンプ」を成立させられれば、バトルは続けられる。そして、神竜改の本体とダミーの素早さが一致すれば、ジャンプ落下で必ず非無敵時を引き続けられ、「飛竜の槍」の竜特効と、歌うゾンビによるドーピングを生かして、ABP0の竜騎士でも、大ダメージを与えていけるのだ。
…ということで、実戦では、ジャンプの落下攻撃で、1584 → 3432 → 5076 → 6432 → 8460 → 9720 → 9999と、少しずつ与えるダメージが増えていく。なお、今回は、敵が物理発狂に入るタイミングも重要なので、HP計算も電卓とかいう外部ツールで行っていており、最後の9999ダメージを与えた時点で、敵HPは20297となっていた。うむ。ここからカンストを2回与えれば、HPをギリギリに調整できるという意味で、非常に良い値だ。
そういうわけで。もう1回だけ「ジャンプ」を入力し、落下してきて9999を与えたら、最後の物理発狂対策へ、こちらもモードチェンジをする。
…まず、HPが15000を切ったということで、神竜改は「ミュート」を使う。その後、「たたかう
/ たたかう / クリティカル」×2 → 「たたかう
/ クリティカル / 何もしない」×3 (※これのクリティカルは「たたかう」と同じ性能)のみを繰り返すというモードに入る。が、素早さドーピングのおかげで、敵の打撃が始まる前に、竜騎士のターンが回ってくる。そのため、このタイミングで、「聖水」を使い、ナイトのゾンビ状態を解除する。すると、「かばう」が有効になり、「小人+源氏の盾」で、神竜改の物理攻撃をシャットアウトできるようになるのだ。
ちなみに、「かばう」の効果を受けるためには、竜騎士が瀕死になっている必要がある。敵ルーチンの中には「ミールストーム」があり、今回の戦法だとそれを受けるパターンとなるため、基本的にはそれでOKなのだが、ミールストームは非必中ではないため、魔法回避率で外れてしまうこともある。
…さらに、FF5では、無効と吸収が同時にあると吸収が優先されるようで、「フォースシールド(全属性無効)」「ボーンメイル(毒吸収)」の装備で「ポイズンブレス」を喰らうと、HPが回復してしまう。一応、順番は「ジャンプ落ちてくる」→「ブレスウイングorポイズンブレス」→「ミールストーム」→「ジャンプ飛び立つ」なので、ポイズンブレスでHPが回復した状態で物理発狂に入ることは無い(「ジャンプ落ちてくる」の次ターンが「ミュート」になる)のだが、毒吸収により、ミールストームでの瀕死を維持できず、賽の振り直しとなってしまう。もっと言うと、「HP57の1/8」は7からなので、ミールストームを喰らっても、HP8か9で止まって、庇護対象と認識されないなんてこともありうるだろう。
――ならばと、上手く瀕死になれなかった場合、物理発狂への突入を先送りにすれば良いではないか…と思うところだが、それも不可能だ。何故なら、「ジャンプでゾンビブレスを避ける」というパターン上、落下時に必ずダメージを与えてしまうからだ。では、ダメージを与えないために、「ジャンプ」を使うタイミングを調節して…うん、パターンが複雑になってしまううえ、そもそも「たたかう×2」を避けられなくなるな。
というわけで。物理発狂の開始時に、バッツが瀕死になれているかどうかは★運★である。
…実際の確率計算を述べると、今回の竜騎士の装備の中で魔法回避率が存在するのは、ボーンメイルの「10」だけであるため、ミールストームの命中率は9/10、そこからバッツがHP7以下となるのは7/9だ。つまり、ポイズンブレスで戻された場合、次ルーチンのミールストームで瀕死となれる確率は70%である。挑戦時に、これで失敗したことは無かったが、なかなか侮れない数値だ。
――ちなみに、一応は、瀕死になれなかった際のオプションとして、「ボーンメイル装備のバッツが、自分に『ポーション』を使う」というオプションも用意していた。これにより、50ダメージを受け、HP57のバッツは、確実に瀕死状態となれる(ハープの攻撃でHPが50以下になっていた場合を除く)。ただまあ、コマンド入力が1回増えることになり、「かばう」の態勢を完成させるまでに、神竜改のターンが2回来てしまう(はず)。これを凌ぐのは、ちょっと難しいかもしれない。まあ、あくまで、失敗時の保険の一つ…ということだ。
無敵だから無敵デース!! |
そんな感じで。「ミールストーム」で瀕死になれていた場合は、敵の物理発狂が開始される前に、そしてポーション自爆で瀕死化する場合は、2度の敵ターンが回ってきたあとに、源氏の盾+小人での「かばう」態勢が完成する。
――さて、「源氏の盾+小人」だけでも、物理攻撃の回避率は99%であり、ほぼ安全となる。ただ、防御を盤石にするために、ナイトは更に「まもり」を入力する。これで、晴れて、物理攻撃には100%安全な状態とできるのだ。まあ、実戦では、この1%の隙を突かれて敗北したこともあったし、そもそも小人状態のナイトには、他にできることも無いし…。
そんなわけで。敵の物理発狂に対して、完全な防御を実現できたら、まずやることは、放置である。というのも、バトル開始から既に短くない時間が経っているものの、まだレベルと素早さのドーピングは完了していないようなのだ。完全に見た目からの判断だが、バッツの行動後のゲージ量は、“初期状態でヘイストを掛けた場合よりも少し蓄積しているくらい”であるため、物理発狂到達時の素早さは80程度、つまり、バトル開幕からだと、レベル値/素早さともに、+60ほどになっていると思われる。
…さて、この数字は、割と嫌である。少し先の話をするのだが、今回の勝負の終え方は、「竜騎士がジャンプをしている間に、ナイトが『魔法のランプ』を連打して、うまく非無敵時に攻撃系の召喚獣を命中させ、HPをゼロにする」というものだ。ところが、運が悪いと、ナイトが魔法のランプを使っても、1発目のバハムートが無敵時に当たり、その後のゲージを溜めて2発目のリバイアサンもまた無敵時に当たるという悲惨なパターンを引いてしまうことがある。実際にこれで1回負けた。計算上、行動間隔が52カウント=素早さが68程度だと、確実にこのパターンを引くことになる。ちなみに、魔法のランプの3発目はオーディンであり、斬鉄剣が発動してス゜パ〜ンと切れてくれるが、例によって見た目だけであり、実際には何も起こっていない。
――まあ、冷静になって考えると、今回は本体とダミーの素早さが同じである都合上、敵は必ず「攻撃を使うごとに無敵と非無敵を入れ替える」というパターンになる。よって、相手の攻撃を凌いだと同時にジャンプ&魔法のランプ1発目を入れて、それが不発だったら、相手攻撃を確認したあと、2発目を使えば、必ず非無敵を突けることになる。よって、攻撃開始タイミングを「敵行動の直後」とするなど、しっかりパターン化をすれば、無理に素早さを最大値まで上げる必要は無かったと思われる。とはいえ、レベル値のほうは最大まで強化する意義があるので、ここでしっかりファリスとクルルのデュエットを大サビまで聞いておくのは、どちらにせよ必要なことかな…。
というわけで。ドーピングを完璧に終えるため、ナイトが「まもり」を入力した状態で、竜騎士にターンを回し、その状態で放っておく。「まもり」は、ナイトにターンが回ってきた瞬間に切れるという性質があるので、その可能性も排除すれば、完封となるのだ。
…そうして、5分ほどが経ったら、いよいよ最後の攻撃を始める。まず、「聖水」を使って、吟遊詩人ゾンビたちを人間に戻し、普通に死んでもらう。今回は、通しでのABP0プレイとしても撃破後リセットになるだろうから、戦法としての意味はないのだが、ゾンビ状態で戦闘を終えてもABPは手に入る(試した)ので、少しでも獲得ABPを少なくするためである。
これを当てれば勝ち…というか、この2発で勝たなければならない |
では、最後の攻撃を始めよう。歌うゾンビたちに人間として成仏してもらったあとは、ナイトが「まもり」を入力しながら、竜騎士でジャンプ攻撃を1回当てる。この際、もうタイミングは何がなんだか分からなくなっているので、適当に放って、敵が無敵だったらやり直す…という方式にしていった。
…そうして9999を与えた時点で、敵の残りHPは299であった。あと一撃で倒せるということで、ここからはトドメの態勢に入る。まず、竜騎士が「ジャンプ」をし、次にナイトは「魔法のランプ」を使う。魔法のランプは、あらかじめ初期状態に戻しており、「バハムート→リバイアサン→オーディン(斬鉄剣)→シルドラ」の順に登場する。
――さて、時間的な考察をしてみよう。竜騎士が「ジャンプ」で飛び立ってから落ちてくるまでのペースは、素早さによって変化せず、非ヘイストなので、「80カウント」で固定である。素早さ99となっているナイトは、重さによる減少分を考慮し、「22カウント」ごとにターンが回ってくる(はず)。よって、「魔法のランプ」で攻撃をできる回数は3回であり、3発目が斬鉄剣(無効)であることを考えると、必ず2発でトドメを刺す必要がある。
しかし、これは実は簡単な話である。今回は、本体とダミーが同時に行動するパターンであり、ダミーが攻撃を行うごとに、無敵と非無敵が変化する。よって、バハムートが当たらなければ、相手の攻撃を確認して、その後にリバイアサンを呼び出せば良い。素早さを限界までドーピングしたため、ナイトですら神竜改よりも早くなって、確実にこれが可能となるのだ。厳密に言うと、物理発狂の偶数回目は、1/27の確率で「何もしない」×3になってややこしいのだが、その場合も、ナイト行動ペースの「22カウント」と敵行動の「26カウント」が近いため、当てずっぽうでも命中することが多いはずだ。
むしろ問題は、火力のほうである。神竜改は聖属性以外を吸収する能力は持っておらず、バハムートもリバイアサンも上位の召喚である。よって、さすがにレベル値が「99」ならば大丈夫…と言いたいところであるが、レナナイト、略してレナイトとかいう激サブネーミングのキャラは、魔力が「18」しかない。これでも一応、「エンハンスソード」等で補正をした値である(ブラッドソードは、特殊な火力計算により、ゾンビ小人でもダメージを与えてしまうため駄目)。
…ということで、魔法倍率は「10」であり、無強化の場合と比べ、たったの2.5倍だ。ちなみに、すっぴんOKだと、魔力は70程度を確保できるため、魔法倍率は「31」となる。無理やり戦士キャラに魔法を使わせても、1/3くらいの威力しか出ないのだ。あれ、こういうFFって、逆に久しぶりかも…。
――しかも、神竜改は、「100」という高い魔法防御力を持つ。バハムートのメガフレアは威力「250」、リバイアサンの大海嘯は「195」であり、どちらも魔法防御力無視の性能は無い。よって、メガフレアのダメージは1500程度、大海嘯は1000程度ということになる。というわけで、このトドメの段階では、3桁までHPを削っておく必要があるのだ。299という値は、かなり良い感じであった。
というわけで。最後に、竜騎士がジャンプをしている状態で、メガフレアか大海嘯を当てれば、敵HPが0となり、ファイナルアタックの「ギガフレア」→「メテオ」が発動する。しかしながら、竜騎士は空中に居るため、命中せず、敵が倒れてバトル終了だ。長かった…。
――さて、これまでも述べている通り、今回バトルは、この勝ち方が必須となるため、最後に竜騎士(か、「ジャンプ」をモノマネできるものまね師)の生存が必須となって、勝利時のABP150をカットすることはできない。しかし、戦闘に勝つまでは、ABP0の能力値で行けた。ちょっとおぞましいくらいの低戦力だったが、何とか勝てたのは良かった。総じて、アビリティ取得が自由の低レベルプレイとは、全く違う感覚を味わえたように思う。またいつか、追加要素ありのFF5が移植されるときがあったら、今度は低レベル+ABP0で遊んでみようかな…。
◆動画◆
AviUtlのタイマー機能を使えば、あらゆるゲームのボス戦TAができるぞ |
第3弾では、「ABP0プレイ」という、今回の通しとは別条件のやり込みプレイを模擬した。よって、続いての第4弾でも、普段の“何でもあり低レベル”とは異なるゲームスタイルを実践してみたい。今回行うのは、RTAである。
…さて、RTAとは、皆さまご存じの通り、「リアルタイムアタック(Real Time Attack)」の頭文字を取った言葉である。「リアルタイム」=「現実時間」ということで、ゲーム内時間ではなく、実時間によるタイム計測を行うのが特徴だ。RTAは、競技性が分かりやすく、動画映えし、配信との相性も良いことから、現在のやり込みプレイにおける花形であり、古今東西のありとあらゆるゲームで行われている。逆に、かつて主流であった「ゲーム内時間を使ったタイムアタック」のほうが、むしろIGT(=インゲームタイム)などと呼ばれ、区別されるようになった。
――ところで、RTAという概念が普及したのは、確かFFで言うと12から13の間(2006年〜2009年)であったように思う。FF12のアルティマニアオメガには、「タイムアタックvsリアルタイムアタック」という記事が載せられており、「リアルタイムアタックでは、多少時間をかけてでも、成功率の高い戦術で挑んで1回目での突破を狙う」などと、両者の比較が行われている(FF12アルティマニアオメガ
P.496 2006年12月15日 初版第1刷)。私は、その記事を読んだ時に、「そう言えば、RTAという言葉をネットで聞いたことがあったな…」などと思ったものであった。
やれ、それ以前となると、例えば最速攻略が大いに話題となったFF9では、実時間を計測するタイプのタイムアタックなどは、全く行われていなかった。逆に、FF13くらいになると、もはやゲーム内時間を使ったタイムアタックなどは皆無となり、RTAという用語が説明不要で用いられるようになっている。やはり、ゼロゼロ年代の後半に変革があったと言えよう。
さて、話をFF5に戻すと、神竜改攻略の第4弾の名称は、「49.5秒で撃破」というものである。FF5には、バトル時間を計測する機能は無いため、この49.5秒とは、RTA=実時間での計測となる。RTAと言っても、ゲーム開始からエンディングまでを取り扱うのでなく、バトル単品を題材にもできるのだ。
…その際、まずはタイムアタックということで、定義を明確にする必要がある。つまり、どこからどこまでを戦闘時間として計測するかだが、開始地点は「戦闘開始前の演出が終わって背景が表示される瞬間」、終了地点は「『戦いに勝った!』のメッセージが表示される瞬間」とする。私が動画編集に使っているAviUtlには、タイマー機能が存在し、フレーム単位での編集も可能なため、それを使って計測をしていくのだ。ちなみに、撃破時間を細かく言うと、「49秒46」である。切り捨ても切り上げも不適格な数値であり、少数台2位を四捨五入して、題名では「49.5秒」と書いていった(後の動画サムネでは、FF13式で、切り捨て)。
――その他、時間ではなく、FF5のように戦法をカッチリ決められるゲームでは、「手数」という意味での最速記録を目指すのも面白いだろう。そちらはそちらで、RTAとは違った面白さを出せるはずだ。ちなみに、今回の手数は「3手」であった。
65000 + 669×2
- 65536 = 802 |
では、神竜改を素早く倒すには、どうすれば良いのか。私が考えたのが、「オーバーフローバグの利用」である。
…まず、オメガ改と同じく、神竜改は、「@リジェネによる回復」と、「A『よげん』による吸収」によって、HPオーバーフローを起こす。それぞれ、HP65536を超えた分が、0からループが再開されるという内容である。この性質を使って、HP65000のオメガ改については、あらかじめ「自爆」で52削ってから、リジェネの588回復を発生させることで、緑字とともにHP0で消滅させるというとんでもない戦法を実現したりもした(【第35話:新-3】)。
――しかしながら、神竜改は、この戦法では勝つことができない。というのも、たぶん世界で初めての試行だと思うのだが、リジェネによる回復死はファイナルアタックが発動せず、「ギガフレア」→「メテオ」を封じてしまい、ダミーが本体をHP全快で復活させてしまってオシャカとなってしまった。
ということで、今度は、「よげん:聖なる審判」でのオーバーフローのほうを試してみることにした。
…まず、私は、またしても「自爆」で小ダメージを与えたあと、HP65536ちょうどでオーバーフローを発生させることで、敵の撃破を狙ってみた。具体的な計算としては、ファリスのHPを増強したあと、自爆で130ダメージを出し、聖なる審判で666を回復させることにより、65000-130+666
= 65536という狙いだ。回復量として666を選んだのは、ゾロ目で分かりやすかったということがある。
――さて、聖なる審判の威力値は「220」であり、敵HPの下1桁が0の時に使うと倍率は「3」、回復量は魔法防御力を無視するので、660から3刻みで、最大は741となる(はず)。候補は28点ということで、確率1/28だ。しかも、神竜改へ確実にダメージを与えられるタイミングは、「開幕2ターン目の『ミールストーム』後」だが、自爆が現在HPを参照する都合、ミールストームを気合で避けなければならない。まあ、魔法回避率を「天使の白衣(+24)」や「ソーサリーマント(+20)」などで固めれば、半分程度の確率で避けられるのだが、前述のダメージ乱数と掛け算の関係になり、なかなか実現は苦しくなる。
それでも、頑張って挑戦を繰り返して、ミールストームを回避し、自爆で130を与え、聖なる審判の回復量として666を引いてみた。これにより、敵を撃破…できない。何だか分からないが、「ミュート」が発動して、その後も敵が倒れる様子は無く、失敗が確定してしまった。
その後、「しらべる」で調べてみて分かったのだが、どうも「聖なる審判」でオーバーフローを起こした場合、更に2倍のHPが回復する扱いとなっているようだ。例えば、見た目上の回復量が「700」であった場合、65000+
700×2 = 66400となり、そこから65536が引かれて、最終的なHPは864となる。ちなみに、オーバーフロー関連なしでも回復量は2倍となるが、見た目の回復量で65536を超えなかった場合は65000に戻るだけなので、恐らく「攻撃が2連発で当たっている(?)」という感じの処理になっているのだろう。
…ということで、「聖なる審判」でオーバーフローをさせた後の神竜改のHPは、1000弱ということになる。これは絶望的な数値だ。私は、最後の「ギガフレア」→「メテオ」の演出をカットするために、誰かが隠れている状態で敵HPを0にする…つまり、「よげん」で撃破をするということを考えていた(予言技は、通常のカウンターは封じるが、ファイナルアタックは発動する仕様)。しかし、最強の「天地崩壊」ですらダメージは500弱であり、敵は「聖なる審判」で2倍を回復して800〜900程度のHPとなってしまうため、「聖なる審判」→「天地崩壊」と当てても倒せないのだ。
――いちおう、その他のバリエーションも試してみた。まず、あらかじめダメージを与えておく手段では、「表示された緑文字の数値(1発目?)を足して65536を超えなければ、オーバーフローが起こらない」という仕様上であり、出る数字の大きさが「聖なる審判
>> 天地崩壊」という仕様上、2発目の回復量を天地崩壊が上回ることができず、絶対に無理である。ならばと、「聖なる審判を予言する」→「エクスカリパーで1ダメージを与える」→「天地崩壊で攻撃」という順番で攻撃してみたが、これでも敵を倒すことはできなかった。予言技は、「よげん」コマンドを入力した時のHP下1桁で威力が決まるという仕様のため、これならば聖なる審判は威力最低/天地崩壊は威力最大となるはずなのだが、何故か両方とも最大威力となってしまったのだ…。
それでも私は、「最後のファイナルアタック演出をカットする」という方式にこだわり続け、「聖なる審判」→「天地崩壊」→「天地崩壊」と当てる手を思いついた。これは勝利に繋げることができたのだが、残念ながらタイムが49.5秒より遅かったので、最終的にはボツとしている。
完全な低レベルでもこの威力なので、オーバーフロー後に当てれば、確実に倒せる |
というわけで。「かくれる」中に撃破をして、ファイナルアタックの演出をカットしようという考えは、ことごとく失敗してしまった。ならば、普通にファイナルアタックは受ける方針にしてみると、どうだろうか。
…さて、トドメを「よげん:天地崩壊」にこだわらない場合、話は簡単である。「聖なる審判」でオーバーフローを発生させた瞬間に、「飛竜の槍」のジャンプ攻撃を当てれば良い。完全な初期レベルであっても、約1500のダメージを与えられ、オーバーフロー後の相手を瞬殺するのに十分な火力を発揮できる。命中率も100%なうえ、飛び上がり/落下の両方のエフェクトが短い。これを使って、戦法を組み立てていこう。
まず、「聖なる審判」を当てる方式からである。ここまでのプレイで、既に、「まさむね」で初手を取って「よげんLv3」を使えば、敵の無敵が解除されている時に、予言技が炸裂するということは分かっている。「まさむね」が必要な都合、予言技を当てられるのは1人だけという難点はあるが、「聖なる審判」でオーバーフローを発生させる場合、これが最速となるだろう。
…そして。その直後に、「ジャンプ」による落下攻撃が発動すると、無敵パターン的にも時間的にも理想である。実験してみたところ、「炎or吹雪」の文字が表示された瞬間に、ヘイスト状態のキャラが「ジャンプ」を入力することで、「聖なる審判」のすぐ後…それこそ、効果音が続いているくらいの直後のタイミングに、落下攻撃が発動することが分かった。
――もちろん、トドメを刺すのが落下攻撃であるため、敵のファイナルアタックである「ギガフレア」→「メテオ」を受け、その演出時間だけタイムをロスしてしまう。しかしながら、前述の通り、「よげん:天地崩壊」で倒すパターンがあまりうまく行かなかったので、やむを得ないのだ。
速度「1」は、FF5名物の「ターンが回ってきたとき、時間が止まる」も無くなる |
では、枝葉の部分を詰めていこう。今回の戦闘で必要なのは、「よげん:聖なる審判」を使うキャラと、「ジャンプ」を使うキャラである。では、2名で戦闘するのかというと、そうではない。3人目として、「かくれる」を使うだけのキャラを起用するのだ。
…というのも、通常の攻略であれば、「よげん」を使うキャラに、「かくれる」もセットしておき、そのまま隠れてしまえば良い。ただ、これはRTAであり、「よげん→かくれる」とカーソルを動かす時間が惜しい。また、この予言キャラには、エルメスの靴を装備させることになるのだが、素早さが高すぎると、無駄な3ターン目が回ってきてしまって、こちらもロスになる。というわけで、「かくれる」を使うだけの、遅い3人目が居たほうが、タイム短縮に繋がるのだ。これらは、どれも従来の低レベルプレイでは、全く気にしなくて良かった要素である。コマンド数ではなく、実時間でのタイムアタックというのも、なかなか新鮮だ…。
――ちなみに、この予言キャラについてだが、生きていると邪魔になる。何故なら、「ミールストーム」は全員で回避するとエフェクトが出ないが、そのために使えるのは魔法回避率だけであるため、確率面での難易度が上がってしまうのだ。よって、「よげん:聖なる審判」を使ったあとは、いばらの冠のスリップによって、いい感じに戦闘不能となってもらう。そのためのHP調整も、あらかじめ行っておいた。
続いて、敵の行動である。神竜改は、「マイティガード」→「ミールストーム」→「炎or吹雪」と行動するが、これらによるタイムロスも最小としたい。「マイティガード」は、演出はどうしようも無いが、プロテス&シェル状態は発生しないものとして考える。発生した場合、聖なる審判による回復量も半分(倍率が「3」→「1」となるので、実際は1/3)と化し、そもそもオーバーフローが起こらなくなってしまうので、勝つ手段は消滅する。
…次に、「ミールストーム」については、死ぬことは無いが、全員が回避した場合のみ、エフェクトが発生せず、時間短縮が可能である。魔法回避率の高い装備品として、「ロイヤルクラウン、ラミアのティアラ(+10)」「天使の白衣(+24)」があり、これを使って、2名が気合で回避をしていく。なお、枠の関係上、今回は使えなかったが、アルマゲスト半減作戦で活躍した「ソーサリーマント」も、+20という高い魔法回避率を持っていたりする。
――最後に、「炎or吹雪」については、炎が選ばれ、かつ、無効化した場合にのみ、エフェクトが省略される。なお、高頻度の吹雪のほうは、氷属性を無効にしても、演出が再生されるという謎仕様だ。よって、1/3の確率で、炎のほうが選ばれることが必須となる。炎の属性無効については、「フォースシールド」か「さんごの指輪」で可能であるため、これらを活用する。
さて。味方の行動については、既に述べた通り、「まさむねで初手を取って『よげんLv3:聖なる審判』を未来予知する」→(予言キャラがいばらの冠スリップで死ぬ)→「『炎』を確認したら『ジャンプ』を入力する」→「かくれる」で良い。全て「きおく」により反復できるため、あらかじめ準備をしておくことで、こちらはAボタンを押すだけで良いのだ。
…最後に、今回はRTAということで、コンフィグも重要である。メッセージスピードは、最速の「1」で良いとして、バトルスピードのほうについては、最速の「1」か、それに次ぐ「2」か悩んだ。というのも、FF5のバトルスピードは、他シリーズのように、ゲージが溜まる速度が変わるのではなく、「『味方にターンが回ってきて、バトル進行が一時的に止まる時間』の長さが変化する」という内容である。そして、バトルスピードが最速の「1」だと、この停止時間が0になるため、2〜6で戦う場合とは、異なる時間管理が必要となるのだ。
――やれ、ナンバリング上の前作であるFF4(発売はFF5の1年半前)では、ATBが初採用された作品ということもあってか、時間の流れが止まるなどというシステムは無かった。よって、コマンドを選んでいる最中も、容赦なく敵側が行動する。しかも、物理攻撃が主体の敵が多いということもあって、バトルスピードが実質的な難易度設定という、実に初心者殺しの仕様になっていた。というわけで、そこから反転して、続編では、“ATBゲージの停止時間”というシステムを用意したのであろう。結果的に、それがFF5に、FF10のCTBのような戦略性を持ち込んでくれたというわけで、当時の判断は大成功であった。
しかしながら。あえて、バトルスピード「1」を適用し、FF4のような感覚で遊んでみるというのも、これもまた面白いであろう。FF5の縛りプレイと言えば、王道は低レベルクリアであり、ジョブ縛り(あえて普段使わないジョブに着目する、1ジョブだけで攻略する、など)も面白いものだ。だが、バトルスピード「1」縛りというのも、FF5がFF4となって、新鮮であろう。やはり名作には、いろいろな可能性が存在するな…!
さて。話が逸れすぎてしまった。神竜改の最速攻略に、バトルスピード「1」と「2」のどちらを使うかであるが、当初は「2」のほうを採用していた。「2」ならば、短いものの、「ターンが回ってきたときにバトル進行が停止する」という基本が変化することは無く、あらかじめ「きおく」で入力コマンドを決定しておけば、Aボタン押しっぱで、これまでと変わらないプレイ感覚を維持できる。これにより、当初の私は、「52秒00」という撃破タイムを記録していた。私は、これで完成形と思って、プレイ日誌の執筆を始め、動画の方も投稿している(【YouTube】)。
…が、これだと、ターンが回ってきたときに、少量のタイムロスをしていることは事実である。よって私は、失敗覚悟で、バトルスピード「1」を採用してみた。これだと、まさむね装備の「よげんLv3」が、固定パターンでは当てられなくなってしまう。しかし、当たることもあるため、いつもながら★運★と割り切っていく。その他の行動については、「ジャンプ」は敵の「炎」と重ねられるし、「かくれる」は「ゾンビブレス」にさえ間に合えば問題ない。
――というわけで、試してみたところ、バトルスピードが「1」でも、敵を倒しうることが分かった。ならば、最速攻略は、こちらでやるしかない! ちなみに、効果があったかどうかは不明だが、前に出るバッツとファリスは前衛に、隠れるで後ろに下がるクルルは後列に、それぞれ配置している。
そんなわけで。動画投稿済みであったにも関わらず、私はプレイをやり直した。更に、「52秒00」の際は、1回倒しただけで計測終了としていたため、それが本当に最速かは分からなかった。というわけで、バトルスピード「1」の今回は、合計3回の撃破をして、その中で最も早かった「49秒46」を、最終的な撃破タイムとして採用している。FF13表記でいうと、小数点以下を切り捨てているため、3秒の短縮となる。うん、これだけできれば満足だ!
49.46…シクヨロ!! |
と、いうわけで。「『よげんLv3:聖なる審判』を最速で当て、HPオーバーフローを発生させる」→「直後にジャンプで落下してくる」というパターンで、低レベルでも実現可能な、早期攻略を行ってみた。
…さて。今回のような戦いを行った理由であるが、それは、「オーバーフローを使いたかったが、単に倒しただけのオメガ改とは異なり、ひと捻りを加えたい」という思いがあった。そこからの、「RTA」という新要素の採用である。今回が初参戦であったが、コマンド数や人数としてのコンパクトさだけでなく、演出時間やコンフィグなどといった、まったく新しい要素を考えていく必要があった。これがタイムアタックの面白さか!
ちなみに。“私のタイムアタック企画”というと、それは無論、【FF13:ボス戦タイムアタック】であり、まとめ動画は、私のYouTubeチャンネルの中では、唯一の安定した再生数を提供してくれる作品となっている。もちろん、プレイした手応えとしても良好であり、クリスタリウム封印/最強キャラ決定戦/オプティマ変更なしに続く、第4のFF13やり込みとして、十分に満足の行く出来となった。このボス戦タイムアタックを、今回のRTA的な計測方式を使うことで、他のFFシリーズに適用できるかもしれないのだ。
――もっとも、FF13は、レベルキャップ=章ごとの成長制限が付いていたからこそ、序盤から、ストーリー上の敵についても、タイムアタックを楽しんでいくことができた。他のFFだと、序盤からLv99に上げて〜などといった展開になりやすいはずだ。よって、今回のように「低レベルタイムアタック」などといった形式にするか、またはラスボス・裏ボスのみといった感じで、限定的な攻略になると思われる。まー、それで十分だ。最速攻略というシンプルさは、動画映えするし、多くの人の興味を惹いてくれるだろう。今回バトルでは、ボス戦RTAという、新しいジャンルを、自分の中で確立できたように思う。まだまだ、FFシリーズは、やり込みがいがあるのだ。とはいえ、その前に、まずは全シリーズのプレイ日誌制覇から終わらせなくては…。
◆動画◆
さすがに「ジャンプ禁止&かくれる1回」では無理そう… |
いよいよ最終弾である。今回は、お馴染みの「Lv1ひとり(かくれる禁止)」という条件で、FF5シリーズ最強の敵に挑んでみることにしよう。
…まず、当初の私は、「かくれる1回」という制限にするつもりだった。というのも、ここまで読んでくださった皆さまはご存じの通り、神竜改はFA(ファイナルアタック:死に際のカウンター)として、「ギガフレア」→「メテオ」の2連続攻撃を使用し、その片割れのギガフレアですら、低レベルでは決して耐える手段が無い。しかも、このFAをカウンター封じなどで封印してしまうと、ダミーが本体をHP全快で復活させるという人道に反した行為に走る。
――以上の理由により、「ギガフレア」→「メテオ」は、必ず発動させなければならない。前述の通り、ギガフレアを無効にしたり耐久したりするのは不可能なため、「かくれる」か「ジャンプ」を使い、攻撃自体を避けていく必要がある。「かくれる1回」を、このFA回避に使おうと考えたのだ。
しかしながら、この「かくれる1回」という条件は、お話にならなかった。理由は、開幕の8ターンルーチンは、魔法も物理も強力だからである。
…まず、神竜改との戦いで重要となるのが、防御のカナメとなる盾として、何を採用していくかだ。が、全属性を無効化できる「フォースシールド」を装備すると、「Dたたかう×2」で普通に死ぬ。フォースシールドの物理回避率は、小人状態でも20%しかなく、装備:「マインゴーシュ」や、オートアビリティ:「白刃取り」を兼用しても、頻繁に殴り殺されてしまうのだ。1ルーチン生き残るだけでも普通に難しく、バトル終了まで打撃を避け続けるなんてのは、とてもじゃないが、実現不可能であるように感じてしまった。
――次に、打撃対策として、「源氏の盾」を装備すると、属性攻撃で死ぬ。一部の属性攻撃は、調合や他の手段で耐性を持てるが、聖属性の「アルマゲスト」だけは、フォースシールド以外に完全耐性を持つ手段が無く、水属性の「タイダルウエイブ」も、アクセサリ枠を「さんごの指輪」で埋めるという、莫大なコストを背負うことになる。これらの攻撃は、「Gアルマゲスト
/ タイダルウエイブ / タイダルウエイブ」というパターンで使用されるため、来ないことを祈る作戦は使えない。「イージスの盾」で、物理にも魔法にも対策できる?
いやいや、どちらにも中途半端なキャラが完成するだけだ。
そもそも、「盾で物理か魔法のどちらかに特化して対策する」という方式は、「ゾンビブレス」の存在を忘れている。無属性攻撃のゾンビブレスは、回避不能であり、基本的に低レベルでは、使われてしまえば終わりである。盾で回避するなら「イージスの盾」しか無いが、回避率は1/3で、1回や2回ならまだしも、それ以上となると、期待するのは難しいだろう。
…ならばと、ネクロマンサーの特性アビリティ「アンデッド」を使おうにも、今回は勝利条件の都合上、「1.かくれる」と、時間差で攻撃できる「2.よげん」が必須で、2枠を専有する。この時点で、もう絶対に、全ての攻撃に対策をするのは不可能だ。ものまね師を採用し、3枠を活用する場合、「1.かくれる」「2.よげん」をセットすると、1枠しか空きがない。ゾンビブレス対策に「3.アンデッド」と装備するなら、他の防御能力は盾のみが頼りになり、やはり物理か属性かのどちらか片方にしか対抗できなくなる。「ちょうごう」で自己強化を行うことすらできないのだ。
――いっぽうで、すっぴんを使い、盾持ち替えや、装備変更によるミラージュベスト張替えバグを前提にしようにも、「1.かくれる」「2.よげん」でアビリティ枠が埋まり、ゾンビブレスに対抗できない。イージスの盾に持ち替えして、1/3の確率で受け流すのが限界である。要するに、「かくれる1回」という条件では、これまで封印してきた禁断の呪術を使ってですら、攻撃全てに対処するのは無理な話なのだ。
またそうやってすぐ飛び立つ |
そういうわけで。私はかなり早期に、「かくれる1回」を諦め、「ジャンプ」を使うほうにしていった。と言っても、FA回避のためだけの「ジャンプ1回」とすると、更に取り回しが悪いだけとなるので、思い切って、ジャンプをフル活用する方向性に変えたのである。
…さて。方針転換に伴って、私が最初に調べたのが、「どこでジャンプすると、どのタイミングで落ちてくるか」という点である。まず、盾を、物理対策に使う場合にも、属性対策に使う場合にも、絶対に避けるべきなのは「Bゾンビブレス」である。特性アビリティ「アンデッド」は枠が無く、「イージスの盾」を装備すると、全ての攻撃に2/3の確率で脆弱となってしまう…。
――ということで。ABP0の時(【そのB】)とは異なり、今度は、「エルメスの靴」でヘイスト状態になって、試してみた。まず、バトルが開幕したら、「ちょうごう:ドラゴンシールド(エーテル+竜の牙)」で、炎/氷/雷の3属性耐性を付与する。その後、すぐに「ジャンプ」を入力すると、ちょうど「A炎/吹雪」の前に飛び立って、そのまま「Bゾンビブレス」を避けたあとに落ちてくることが分かった。
次に。ゾンビブレスを避けたあとに落ちてくると、ATBゲージを溜めている最中に「C稲妻/地震」が来るのだが、前者はドラゴンシールドで、後者はレビテト状態で無効化でき、エフェクトすら表示されない。
…さて、今回は、ぴょんぴょんと「ジャンプ」で跳ね回りながら戦っているのだが、それだけでは勝てない。何故なら、盾の回避率を上げるために、戦闘キャラは小人状態になっているため、物理攻撃力に全く期待できないからだ。つまり、ジャンプ以外に、何らかの行動を入力しなければ、敵にダメージを与えられないのだ。もちろん、使用するのは魔法攻撃である。
――というわけで。次に避けるべき攻撃は「Gアルマゲスト/タイダルウエイブ」と遠いため、このC後のタイミングで、自由行動を入力していく。しかし問題は、この段階だと、神竜改は無敵状態になっているということだ。もちろん、バトルが長引いて、少しずつ無敵化がズレていくことを期待する手もあるが、それだと合計の攻撃命中率は1/2ということになり、バトルの効率は半分に下がってしまう。
そこで私が思いついたのが、「次の『Dたたかう×2』まで待ったあと、自由行動を入力する」という手段である。神竜改の、本体とダミーの素早さが同じであれば、「Dたたかう×2」の後は、どれだけバトルが進んでも、必ず敵が非無敵の状態となっている。よって、ここで、敵に対して、弱体化やダメージ攻撃を仕掛けることができるし、味方の強化に使っても構わない。なお、「Dたたかう×2」を正面から耐える都合、盾は、物理対策の「源氏の盾」で決まりである。というか、もともと、「ミュート」後の物理発狂を凌ぐため、源氏の盾を使用するのは確定的だったのだが…。
そして。「Dたたかう×2」の直後に自由行動を実施すると、その後にゲージを溜めている際、「Eブレスウイング/ポイズンブレス」を受けるが、前者は最大HP割合ダメージなので、1発でいきなり死ぬことは無い。後者は、「ボーンメイル」で吸収可能であり、ブレスウイングのダメージを回復することにも使える。使用率は、ブレスウイング:ポイズンブレス=1:2であるため、まあ、ブレスウイング5連発で死ぬ可能性は、考えなくて良いだろう。
…さて、この後の行動は、「Fカーズ」「Gアルマゲスト/タイダルウエイブ」である。Gは、喰らうと必ず死ぬので、絶対に避けなければならないが、地味にFカーズのほうも危ない。今回は、ステータス耐性も優秀な「ボーンメイル&エルメスの靴」を両方とも装備しているため、発生ステータスこそ少ないものの、カエル状態など、解除が困難となる物も多い。このバトルは長期戦のため、できれば「Fカーズ」「Gアルマゲスト/タイダルウエイブ」を、1回のジャンプで、まとめて回避してやりたい。そんな都合の良いことが可能なのか?
もちろん、可能である。
――さて。現在は、「Dたたかう×2」のあとに自由行動(ジャンプ以外の行動)を入力し、「Eブレスウイング/ポイズンブレス」を食らったあとにゲージが満タンになったという状況だ。つまり、EとFの間である。ここで「ジャンプ」を入力すると、なんともまあ都合の良いことに、FとGをまとめて回避可能なのだ。全滅必至のアルマゲスト&タイダルウエイブはもちろん、「Fカーズ」も避けられ、ランダム発生のステータス異常の脅威すら排除可能なのだ。
最後に。EF間のジャンプでF&Gをまとめて避けると、その後に落ちてきて、8ターンルーチンが再び最初からスタートする。
――そしてこの際、「A炎/吹雪」の前にターンが回ってくるため、そこで「ジャンプ」を入力すると、「Bゾンビブレス」を避け、その後に落ちてくる。つまり…これらのパターンは、反復可能である! 勝ったッ! 第5部完!!
厄介な最後2ターンをまとめて避けられるだと…? |
というわけで。かなり複雑なパターン説明となったが、やることはシンプルであり、以下のように行動すれば良い。
こんな感じだ。これでも十分に複雑だが、入力するコマンドは黄色字で書いた3種類である。
…さて、上のパターンでは、攻撃タイミングそれぞれについて、目印となる敵行動がある。よって、何十回と反復する場合も、そこまで極端な集中力を必要としない。さらに、「A炎/吹雪」は、コマンド名が表示されたあとにジャンプしても良いし、後半部でパターンが崩れた場合、仕方なしで「Fカーズ」を受けてから「ジャンプ」をする…という方式で、少なくとも全滅確定の8ターン目は確実に避けられる(実際、勝利時にも1回だけカーズを喰らっている)。
打撃×2を盾で受け流したら「自由行動」のチャンス |
それでは、真ん中の「自由行動」にて、何を入力していくか…ということについて、説明をしていこう。
…まず使うのは、上でも少し触れたが、味方キャラへの「ちょうごう:竜の口付け(竜の牙+乙女のキッス)」である。この技によって、ボス耐性を付与することにより、「@ミールストーム」が確定で空振りとなる。瀕死状態になると、「Eブレスウイング/ポイズンブレス」のうち、最大HP割合ダメージの前者によって死んでしまうため、その状態を避けるためだ。
――ちなみに、ミールストームを無効にしても、毒吸収できる「ポイズンブレス」が一度も選ばれず、5回連続で「ブレスウイング」を喰らうと死んでしまう([1/3]5
= 1/243)。そのために、「ちょうごう:デスポーション」でのボーンメイル逆転回復というオプションも用意していたが、さすがに5回連続という確率は低すぎるうえに、そもそも「ドレインキッス」でHP回復が行えるため、デスポーションは1回も使わずに済んだ。
そして、2ルーチン目以降の「自由行動」で使うのは、「亀の甲羅割り(毒消し+亀の甲羅)」だ。敵の物理防御力と魔法防御力を半減させる(小数点以下切り捨て)という効果であり、青魔法のガードオファと違って、「必中」だ。
…理由として、今回は、魔法攻撃を主力として使っていくが、地味に神竜改は「100」という固い魔法防御力を持っており、魔法ダメージが通りづらい。特に今回は、勝利条件の都合上、トドメは「よげん」で刺すと決まっているのだが、予言技は全て魔法防御力の貫通能力を持っていない(弱点突きの場合を除く)。よって、亀の甲羅割りを当てておくことで、バトル全体の流れをスムーズにできるのだ。
――というわけで。HPを削り始める前に、「亀の甲羅割り」×6を当て、魔法防御力を0まで削って…いない。半減を繰り返すことで、敵の防御力は、100 → 50 → 25 → 12 → 6 → 3 → 1 → 0、と減っていく。この矢印の数が「亀の甲羅割り」の回数であるため、0までに必要なのは7回である。が、私が「6回で良い」と判断した理由を考えてみると、どうも自分が手書きしたメモが汚すぎて、情報を正しく認識できていなかったようだ。うわっ…私の性能、低すぎ…?
最高威力、演出短い、素材が足りる、ボーンメイル装備でも吸収可と、メリットだらけ |
次に。ぴょんぴょん跳ね回りながら魔法防御力を下げ終わったら、いよいよ攻撃だ。使うのは、「ドレインキッス(亀の甲羅+乙女のキッス)」である。
…さて、この攻撃は、威力が255でカンストしており、「ちょうごう」における最強の攻撃技である。Lv1キャラであっても、魔法倍率は最低「4」が確保されているため、1000強のダメージを与えられる。ちなみに、ボーンメイルを装備していても、HP吸収は問題なく行えるため、気にすることは無い。
――いっぽうで、対抗馬として用意していたのが、「シャドーフレア(ダークマター+ダークマター)」である。威力は「240」と、ドレインキッスより少しだけ低めなものの、魔法防御力を無視し(1/32として計算、小数点以下切り捨て)、スリップの追加効果も持つため、攻撃技としては同程度の性能と考えて良い。実際、エヌオー戦におけるMP切れ作戦(【第36話:そのB】)では、MP切れで敵の主力攻撃を封じたあと、ドレインキッスとシャドーフレアの2つの調合技を使って、敵HPを削っていった。まあ、両者を併用した理由は、見た目を面白くするため、であるが。
ただし。今回バトルでは、「ドレインキッス」のみを使用していくことにした。理由は、HP計算を正確に行うためである。今回バトルは、勝ち方が「ジャンプの滞空中に、あらかじめ用意した予言技を当てる」という形式で決まっている。よって、“あと1発で倒せるHP”を知る必要があり、もっと言うと、高威力の予言技を当てるため、HP下1桁まで把握をしておきたい。
…しかしながら、シャドーフレアだと、スリップの追加効果が付いてきてしまうため、敵のHPを正確に計算するのが困難となる。まあ、実際には、敵味方が固定パターンで行動をするため、スリップにより追加ダメージも固定となるのだろうが…そんなことをしなくとも、ドレインキッスならば、画面に表示された数値をそのまま計算していくだけで良いのだ。
――さらに、その他の部分においても、ドレインキッスが勝る部分が多い。まず、ドレインキッスは、エフェクトが短い。また、HP吸収効果については、「ブレスウイング」で受けたダメージの回復に使える。最後に、素材についても、ドレインキッスは「亀の甲羅+乙女のキッス」と別々のアイテムを使うが、シャドーフレアは「ダークマター+ダークマター」と同じアイテムを重ねている。今回は、低レベル性を重視するため、レベルドーピングは行っていない。よって、シャドーフレアだと、敵HPの65000を削り切るまでに、ダークマターが枯渇してしまう恐れがあるのだ。
とまあ、そんな感じで、HP下1桁までを見据えて、「ドレインキッス」を使っていったのだが、実戦時には、機材トラブルにより、敵HPの計算に失敗してしまった。“機材トラブル”というと、いかにもという感じだが、安い電卓を使っていて、姿勢を変えた時に、計算結果が消えてしまったという、それだけの話である。次からは関数電卓か、持て余しているiPadや旧携帯電話端末あたりを使おう…。
…その関係で、「ちょうごう:ドラゴンブレス(竜の牙+竜の牙)」の使い方についても、変更となった。この技では、「使用者の現在HPと同値」だけダメージを与えられる。あらかじめ、クルルにモンクをマスターさせ(普段は「カウンター」の暴発を防ぐために未マスター)、最大HPを「51」にしておき、そのうえで「よげん」でトドメを刺す際に、最高威力を出すためのHP調整として使う予定だった。しかし、電卓の数値が消え、この用途での使用は不可能となった。
――しかしながら、戦っていくと、どうもクルルが神竜改に与えるダメージは、必ず4の倍数となるらしいということが分かった(魔法攻撃は倍率が「4」である。ジャンプについても、小人状態の物理攻撃力が「3」扱いで、敵の物理防御力が「1」、物理倍率が「2」なので、2×2=4となる?)。ということで、1回だけ「ドラゴンブレス」を使っておき、敵HPの下1桁を1つだけ下に動かしておく。これで、少なくとも、敵HPの下1桁が「0」となり、予言技が最低威力となることだけは避けられる。良かった、念のためにモンクをマスターさせておいて…。
という感じで、戦法が決まれば、あとは決まったタイミングに「ジャンプ」を入力し、隙を見て1回ずつ調合技を使っていくだけである。
…ただし、上でも少し述べたが、今回バトルで絶対に必要なのが、神竜改の本体&ダミーの素早さが同値となることである。これは、「特定の攻撃の後で、必ず相手の無敵が解除されている」という状況を作るためだ。滅多打ちでも、ジャンプで攻撃を回避していく行為には問題ないのだが、純粋に技の命中率が1/2となってしまう。ただでさえ長期戦となるのに、これは厳しいであろう。というわけで、敵の素早さ調整だけは、頑張ってリセマラしていった。
――いっぽうの、各種の行動を入力するタイミングについては、実はそこまで難解でもない。調合技を使うタイミングの「Dたたかう×2の直後」については、キン!orスッ!orカン!という気持ち良い効果音が2連続で鳴るので、それに合わせて調合を使い、そのまま次の行動として「ジャンプ」を入力すれば、「Fカーズ」と「Gアルマゲスト/タイダルウエイブ」をまとめて避けられる。その後は、「A炎/吹雪」の直前に落ちて来るが、そこでは「直後にジャンプする」「炎or吹雪の文字を見てからジャンプする」のどちらでもOKである。そして、「Bゾンビブレス」を回避して落下したら、そのまま「Dたたかう×2」を見届けて調合を使う…この繰り返しでOKである。完全パターンと言っても、そこまで極端な集中力が要求されるわけではないのだ。
とか何とか言っていて、実戦では、謎に一度だけ「Fカーズ」を喰らってしまったりもしている。これで、例えばカエル状態が発生してしまうと激烈にピンチなため、心臓バクバクとなったのだが、運良くボーンメイル&エルメスの靴の耐性によって、何もST異常が発生せずに済んだ。後から動画を見返しても、特にコマンド入力に遅れた感じは無かったのだが、あれは何だったんだろう…。
魔力ゼロ、拳のみ、勝者あり |
というわけで。約50分を掛けて、前半部のモードを突破し、残りHP15000の物理発狂へと突入することができた。
…さて、ここでの神竜改は、まず「ミュート」を使ったあと、「たたかう
/ たたかう / クリティカル」×2 → 「たたかう / クリティカル
/ 何もしない」×3を繰り返す(GBA版
神竜改のクリティカルは、「たたかう」と同じ効果)。なお、今回は敵本体とダミーの素早さが同値で戦っているため、「ミュート」は確実に不発になると思われる。仮に有効になったとしても、「よげん」は予言行為/効果発動の両方がミュートで無効にならないため、問題ない。
そして、こちらの戦い方としては、もう「ジャンプ」で敵攻撃を回避する必要は無いため、どんどん「ドレインキッス」を当てていけば良い。敵が無敵になる特性は同じだが、今回の戦い方だと、固定で2回行動するほうの後に、必ず無敵が解除されているので、そこを狙ってキスしていく。
…のだが、ここで問題が1つ存在する。今回は、電卓がバグって正確な敵HPが分からなくなっており、調子に乗って攻撃すると、敵HPをゼロにしてしまう恐れがあるのだ。ファイナルアタックの「ギガフレア」→「メテオ」は、低レベルだと耐える方法は無く、「ジャンプ」「かくれる」を使うしかない。さらに、1人クリアーだと、「よげん」を時間差で当てる以外の勝ち目は無い。よって、ドレインキッスで倒してしまったら駄目なのである。しかしながら、現在HPはもちろん、HP下1桁も不明となっており、予言技の威力も不安定となっている。そのため、できるだけギリギリまでHPを削りたいのだ。
――ただし。敵が「ミュート」を使った時点で、残りHPが15000未満ということだけは確定である。よって、私はそこから、13回のドレインキッスを当てていくことにした。ドレインキッスのダメージは、1100程度というところであり、14発だと、勢い余って倒してしまう危険性が高いからだ。あと、13は、私にとって縁起の良い数値なので…。
なんかもう、ジャンプと隠れるは大差ない気がしてきた… |
そんな感じで。敵の激しい物理攻撃を盾で受け流しつつ、ドレインキッスを13発当てる。いよいよ、トドメの段階だ。
…さて、これまで何度も述べてきた通り、「Lv1ひとり(かくれる禁止)」という条件で、神竜改に勝つためには、「ジャンプ中に予言技を当てる」という方式しか無い。クルルLv1の最大MPは「5」であるため、最強の「天地崩壊」(威力250)は、MP下1桁が「0」(10,20,30など)の時に発動するという性質上、使用不能である。さらに、2番目に強力な「聖なる審判」(威力220/MP下1桁が「5」で発動)も、敵が聖属性を吸収するため使えない。よって、その他の攻撃技を使う必要がある。
――その中で、私が選んだのが、MP下1桁が「3」の時に発動する、「隕石」である。威力は「190」だが、ダメージ倍率が「2〜20」と、天地崩壊&聖なる審判の「3〜30」と比べて2/3であるため、与ダメージは天地崩壊の半分程度である。さらに、自爆ダメージがあり、即死の追加効果まで存在するため、基本的には、狙って出す技ではないと言えるだろう。ただし、今回は、使用可能な技の中で最強であり、かつ、自爆ダメージについても、どうせ「ジャンプ」で回避するため関係が無い。そういうわけで、バトル開始前から、トドメを見越して、あらかじめクルルのMPを「3」に調整しておいた。なお、予言の種類については、「よげんLv1(消費MP1)」と「よげんLv2(消費MP3)」が使用可能である(Lv3は消費7)。
続いて重要なのが、予言をするタイミングである。予言技を回避するほうは、「『(技名)』まで あと 1」というメッセージを確認したら、「ジャンプ」を入力すればOKだ。いっぽうで、敵の無敵時を避けるための方法は、よく考えなければならない。「よげんLv1」は、予言行為をしてから155カウント後に、技が発動する。神竜改は、素早さが「95」の場合、25カウントごとに行動をする。よって、最初に非無敵の時に予言を行えば、t=25で無敵、t=50で非無敵…と進み、t=150から25カウントの間は、非無敵となるはずである。
…というわけで。無敵が解除される「打撃×2(固定回数)」の後というタイミングで、クルルが「よげんLv1」を使い、155カウント後の「隕石」を予言する。そのまま、盾で打撃を受け流しながら、「『いんせき』まで
あと 1」というメッセージを確認したあと、ジャンプで空中に逃げる。そして、いよいよ「隕石」が発動した。やったか!?
――やっていない。どうやら、予言技は無敵時に炸裂をしてしまったそうだ。ヤバい!
私は、この予言で倒せると思っており、失敗した場合のパターンを全く考えていなかった。MPを回復すると、「5」に戻ってしまって、「聖なる審判」で相手を回復させてしまうし、かといってMP調整のために、クルル自身に「ダークエーテル」を当てると、3MPダメージで現在MPは「2」となり、簡単には「3」に戻せない。
しかしながら。現在、予言Lv1(消費MP1)を使用し、MPが3→2と減ったあとである。冷静になって調べてみると、MP下1桁が「2」の時も、発動するのは攻撃技の「大噴火」(威力165×倍率2〜20)である。そういうわけで、これを使って、再び同じタイミングから攻撃を仕掛けてみた。さあ、どうなる…?
…が、やはり「大噴火」についても、無敵時に効果が発動してしまった。やばい!! 残りMPは「1」であり、あと1回しか攻撃ができない。どうする!?
――しかし。ここで私は、更に冷静になり、「打撃×2(固定回数)」から予言すると必ず無敵時に当たるのならば、「打撃×0〜3」の後に予言すれば、非無敵時を選べるはずだということに気付いた。そういうわけで、三度目の正直:「大洪水」(威力180×倍率2〜20)である。敵はタイダルウエイブが必殺技だが、神竜/神竜改ともに、意外にも水属性の耐性は「標準」である(両者ともに「聖吸収」のみ)。
そういうわけで、タイミングを変えて予言をしたところ、今度は無事に、3024ダメージを与え、神竜改のHPをゼロにできた。そして、クルルはそのとき空中に居たため、ギガフレアもメテオも不発となって、無事に勝利でバトルを終えられた。ちなみに、与ダメージから、神竜改のHP下1桁は「7」であったことが分かる。良かった、割と高い威力を出せるHPになってくれていて…!
「よげん」も、いろいろ使える良アビリティだった |
というわけで。実戦では、3回目の「予言」でギリギリ勝てたのだが、何ということは無い。あらかじめ、この事態に対策するオプションを考えておくべきだった。敵の素早さがランダムで変化する都合、予言技が上手く当てられないということは十分に想定できる。だから、「打撃×2の後からで当たらなかったら、打撃×0〜3の後にからに予言タイミングを変更する」という方式を、最初から用意しておくべきだったのである。
…また、MPについても、下1桁が「3」だけでなく、「2」「1」も神竜改に通用する攻撃技なのだから、無理に1回で倒し切る必要は無いし、MPについても、「調合版エーテル」で回復してから「ダークエーテル」を当てれば、「2」の状態から再開できる。つまり、何度でも予言で攻撃ができたのである。こういった事態を最初から意識していれば、バトル中に無用の混乱をきたすことも無かった。
――やれ、その他にも、「亀の甲羅割り」で防御力が「1」だけ残ってしまったり、電卓の数値が消えてHPが分からなくなってしまったりと、今回バトルはやたらといろいろな面がグダった。まあ、約1時間のバトルということで、さすがにやり直すことはしなかったものの、今後があるのなら、こういうところは改善しなければならないだろう。意外と、私のやり込みも、ライブ感で作っていたりするのだ…。
ちなみに。最終的なアイテム消費量については、特に多く使ったのが、亀の甲羅の65個と、次点が乙女のキッスの60個である。乙女のキッスは、「竜の口付け」でファーストキスを捨てており、亀の甲羅は6つを叩き割っている(後に計算する動画の記録と消費量が合わないように思えたが、謎に乙女のキッスは98個からスタートしている。勢い余って、クルルまでカエル化してしまったのだろう…)。ということで、使用したドレインキッスは「59回」だ。やはり、ダークマター+ダークマターのシャドーフレアでは、物資が枯渇してしまっていたはずだ。良かった、あらかじめキス殺のほうを選んでおいて…。
◆動画◆
本当の本当に、最後の戦い |
というわけで。FF5シリーズ(?)で最強の敵である「神竜改」についても、無事に5つのパターンで、撃破することに成功した。素早さに加えて、技の多彩さ、そして無敵になる特性、さらに凶悪無比なファイナルアタックと、頭のおかしい特性を持つ敵であったが、いつもながら、こっちがもっと頭をおかしくすれば大丈夫であった。
…ちなみに。特大ボリュームとなった第37話の文字数は約91000文字、画像は49枚である。やれ、本編ラスボスの際(【第29話】)は、分割更新ながらも、約83000文字と、1話としての最長記録を11年半ぶりに更新したことで驚いたが、半年で早くも記録が塗り替えられてしまった。でもまあ、さすがに、FF5も終わるし、91000文字という記録が破られることは、未来永劫ないであろう。無いよね?
そして、最後はいよいよ、アドバンス版でクリア後に追加された、もう一つの要素である、「亡者の巣窟」だ。ただ、これは、GBA版FF6にも存在した“連戦モード”という趣が強い。敵は、強化されているとはいえ、これまで倒してきた面々である。また、バトルによる戦利品は手に入らず、途中で経験値が入ってしまい(ソル
カノン戦)、それによるレベルアップはどうやっても避けられないため、クリア後リセットをしなければならない。
――というわけで。「亡者の巣窟」は、低レベルプレイにおいて、なかなかに微妙な存在となるのだが、それでも、これまで壮大に楽しませていただいたGBA版FF5に残された、最後の要素である。この同窓会への招待状を、しっかり受け取ってやろうではないか。次は、いつ更新できるかなあ…。
(2024年3月24日) 6179 PV
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