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管理人の日記
キュウリを切ってかつお節とポン酢を掛けるだけのサラダが…意外とイケる!!
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本日のニュースを見ていて驚いた。日本で行われている「ふるさと納税」について、来年10月(※今年ではない)から、各種ポイントサイトでのポイント付与が中止になるという。映像では、ポイントサイトの具体例として、「さとふる」と「楽天ふるさと納税」が登場していた。
…やれ、同制度は、去年10月にも弱体化が行われたため、私は9月に駆け込みで購入をすることになった(【日記:2023/10/1】)。それに引き続き、来年には、再びの劣化が訪れることになった。いつもなら、こういうものは「改悪」と形容してぶっ叩くところだが、今回ばかりは、妥当だと思うのである。
まず、「ふるさと納税」というシステムについて、復習をしておこう。このシステムは、日本に存在する任意の自治体に、“納税”という名の寄付をすることで、返礼品を得られるとともに、翌年の住民税&所得税の支払いが免除されるという制度だ。
…ぜんぜん分かりやすくないので、私の具体例を交えて説明していこう。私は、昨年9月に、39000円ぶん、ふるさと納税の商品を購入した。返礼品として得られたのは、ラーメン45食と米40kgであり、「ラーメン:1食100円」「米:10kg3000円」と安価な市販品に換算しても、合計16500円に相当する。そして、最初に払った額の39000円のうち、2000円は手数料として取られるが、残りの37000円ぶんの税金を、今年6月の給料から順番に、納めなくて良くなっている(はず)。合算すると、2000円で、16500円ぶんのラーメンと米を買ったのと同じであり、完全にやったもん勝ちの施策となっている。
――また、「ふるさと納税」を運用する側としても、地方自治体は、魅力的な返礼品によって全国から税収を集めつつ、かつ、その返礼品を地元の品で固めれば、地域の産業まで応援できるというメリットが存在する。都市部への一極集中は、少子化を皮切りにデメリットが特大なため、“税を都市から地方へ”という方針自体は、大きく間違ってはいないだろう。
ところがどっこい、この「ふるさと納税」は、少し大局的に考えてみると、不健全にも程があるという制度になっているのである。
…まず、最初に我々が「10万円の納税」をしたとしよう。何もせずそのまま納めれば、市町村やら県やら国やらが、10万円を使用可能である。しかし、ふるさと納税では、まずは血税の10万円が、返礼品の購入に費やされる。これを3割とすると、10万円の元資が7万円に減ってしまう。さらに、本日、槍玉に上げられた「ポイントサイト」では、ポイント付与率が2桁%で、10の位が「1」ではないみたいなメチャクチャな還元が行われており、仮に20%とすると、2万円ぶんのポイントが、これまた税収から奪われてしまう。
――つまり、最初は10万円あった税金が、「返礼品」「ポイントサイト」というフィルターを通すことで、5万円に減ってしまったのである。もちろん、減ったほうの5万円は、謎空間に吸い込まれたわけではなく、「ふるさと納税」を使用した人が受け取っているため、一種の「減税策」と言える。また、「返礼品で地域の産業を応援する」「税収を都市部から地方に回す」という目的自体は果たせているため、これはこれで問題ないのかもしれない。ただ、こういった過剰な競争の末に、結局は税金が足りなくなって増税をするというのなら、それはもう本末転倒と言わざるを得ないのだ。
さらに、ふるさと納税は、「減税」という国民側に利点があるサービスとしても、ちぐはぐな点が多い。
…まず、ふるさと納税は、率直に言って、めんどくさい。普通に売っている商品を買うとか、市役所に申請するだけといったサービスとは異なり、複雑な点がいくつも存在する。また、減税額を超えて「ふるさと納税」を行おうとした場合、「納税が行えない」ではなく「上限を超えた分が無駄になる」というシステムであるくせに、上限額の正確な把握が困難だ。私は、去年からiDeCoを始めており、その他、今年は岸くんが定額減税なんて制度をやっているため、もはや「ふるさと納税」に何円まで投じられるかは、全く分からない。私ほどの金銭ヲタクすら困ってしまうくらいなのだから、未経験者にとっては、雲の上のような話であろう。しかも、ポイントサイトでの還元率まで含めて、最高効率を目指そうとすると、話は更にグッチャグチャで、意味不明の物質と化してしまう。こんな特級呪物を、「攻略」などと言って、むしろ楽しんでいるのは、私くらいの暇人だけだ…。
――また、「納税額=控除額の上限」は、基本的に年収によって決まる。例えば、年収300万円の独身世帯は約28000円だが、年収600万円で77000円、年収1000万円で180000円などと拡大されていく。ふるさと納税では、基本の手数料が2000円掛かるため、年収が高ければ高いほど、“2000円で買える商品が増える”ということになる。つまりこれは、儲かっている奴が更に得をする制度なのだ。また、税控除は即座ではなく、翌年の6月から行われる。その仕様上、貯金なしの自転車操業をしている人や、安定職を持たない人にとっては、使いづらいサービスとなってしまっている。
いやいや、見るやろ… |
以上の理由により、ふるさと納税は、「@安定した仕事に就き」「A高い給料を得ている」「B暇人」が、最も大きなメリットを得られるのだ。いびつすぎる…。国がお金の面で救済しなければならないのは、どちらかというと、これらの逆の立場の人ではないだろうか。
――しかも、同じように高給取りの暇人が得をできるNISAには、「預金口座で腐っているお金を、市場へ投じる」という前向きな意味があった。それに対して、「ふるさと納税」は、最終的な税収が目減りするので、もう凄まじく後ろ向きな政策なのだ。
そのような観点からすると、今回の「ふるさと納税商品による、ポイント付与の禁止」というナーフも、そこまでメチャクチャな処置とは思えない。もちろん、短期的には還元率が減って損をすることになるだろう。だが、ふるさと納税は、結局のところ、我々が生きる国や県や市町村を舞台としたキャンペーンなので、それが出血大サービスという状況だと、最終的には、私たち自身にとっての負担になってしまう。
――やれ、前に書いた「囚人のジレンマ」が示しているように、閉鎖空間で、“自分だけが得をする行動”を全員が繰り返すと、回り回って、皆が損をしてしまうという結果になる(【日記:2024/5/15】)。現状のふるさと納税も、まさにそれである。だが、我々は囚人ではないのだから、しっかり協力をしていくべきだ。日本国が、そして「ふるさと納税」が、それぞれサ終をしてしまわないように、健全な運営を行っていくことが重要なのだ。
ということなのだが。本日、驚いたのが、今回の「ふるさと納税へのポイント付与を禁止する」という変更について、ナンタラ大臣みたいな聖府のおエラいさんが、「ふるさと納税は、返礼品目当てではなく、寄付金の使い道や目的に着目して行うことに意義があると考えている」と発言したらしいということである。ば〜〜〜〜〜っかじゃねえの????
…やれ、例えば私は、全財産の9割近くをアメリカ株に投資しているが、これは別に、アメリカ人兄貴を応援したいからというわけでは無い(※「応援したくない」というわけでもない)。アメリカ株に資金を投じているのは、純粋に、それが私自身にとって、最も金銭的メリットがあると考えているからだ。「ふるさと納税」もそれと同じである。もちろん、おまけ程度に利用用途を選べるのなら、「子育て支援」とか「若者への教育」みたいな項目を選ぶが、そうでなく、少なくないお金が懸かっている分野では、絶対にお遊びはしない。もし、「ふるさと納税」が、金銭的なメリット無しで、本当に「ふるさと」へ税金を払えるだけという制度であれば…そんな面倒なこと、やるわけないというものだ。
――そういうわけで。聖府のおエラいさんの頭の中には草が生え散らかしているということも分かったが、とりあえず、「ふるさと納税」の弱体化は、来年の10月からである。つまり、2024年と、2025年の9月まで(=2026年の適用分)は、それぞれ現行の制度で納税が行える。私は、9月が誕生日であり、楽天サービスではその月にポイント還元を受けられるため、元から9月にふるさと納税への投資を行おうと思っていた。よって、ここ2ヶ年は、制度変更による影響を受けることは無さそうだ。まずは、2年間で山ほどの米を貰っておき、その後のことは、またそれから考えましょうかね…。
(2024年6月25日) 4344 PV
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