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管理人の日記
ふるさと納税は、ティッシュと麺類で固めました。米は、高すぎて無理!
なるほど〜。普通に目で見れば分かります!! |
人気漫画「
…が、その中の登場人物である「
――やれ、呪術廻戦では、裁判・パチンコ・電気分解(化学)など、様々な現実世界の概念が登場している。このうち、電気分解は、漫画「Dr.
STONE」も担当した人が監修していたということが知られている(【該当ツイート】)。また、パチンコは恐らく作者の趣味で、裁判も、きっと詳しい人に取材をしたのだろう。だが恐らく、物理には監修が付かなかったと思われる。「X線」という2文字さえ出さなければ、どうとでも言い訳できたのだが…。
さて。まずは、「X線」という概念について、できるだけ簡単に紹介しておくことにしよう。X線は、紫外線よりも更に高いエネルギーを持った光の一種であり、そのままでは、我々の目には見えない。1895年に、ドイツのレントゲン博士によって概念が発見され、その翌年には、さっそく医療用としての利用が始まっている。とまあ、その歴史からも分かるように、身近な分野としては、診療所・病院等での画像診断という利用が大多数である。俗称として、「レントゲン写真」「レントゲン検査」などという用語も使われるが、レントゲン線という物質は無く、「X線(エックス線、エツクス線)」が正式名称である。なお、「γ線(ガンマ線)」とは、発生原理の違いが存在するだけ(発端が原子核ならγ線、それ以外ならX線)であり、物理的な存在としては、まったくの同一物質である(波長の違いで、X線とγ線を分けているわけではない)。
…そして、人体をX線で撮影すると、通常、我々のよく知っている、骨は白く・肺は黒く、肉はその間という画像が出来上がる。この理屈まで説明していると、もう明日の仕事までに書き終わらないため、ばっさりカットしよう。話を呪術廻戦に戻し、鹿紫雲が、宿儺をこれでX線撮影して、内部構造を分析した…というのが、作者の人が言いたかったことであると思われる。が、仮に鹿紫雲が、X線を発生させる能力を持っていたところで、このままでは決して宿儺の構造を確認できない。理由は、同じ光の仲間であるくせに、「可視光を見る原理」と、「X線を画像化する原理」が、全く異なっているからである。
――まず、我々が可視光を目で見る原理は、「太陽や電灯による白色光が反射され、それが目に入って来ている」ということにある。白色光の中には、様々な波長の光が含まれており、例えば、我々の目で赤に見える物質は、「赤い光を反射する」という性質を持っているのだ。しかし、X線は、原則として反射しない。よって、現実世界では、X線発生装置の照射直線上に、X線を受け取るための検出器が必要である。古くはフィルム、現在では大半がFPDと呼ばれる私の年収4年分くらいの値段の電子フィルムが利用されており、それを使って、我々の目に見える「レントゲン画像」を作っているのだ。
さて、この「X線発生装置」と「検出器」の関係は、「カメラ」と「フィルム」に例えると分かりやすいかもしれない。「カメラ」と呼ばれる大掛かりな機械で光を発生させ、それを「フィルム」と呼ばれる板に写し取って、画像化をするのだ。厳密には、実際のカメラには、カメラの機械内部に受像体が入っているため、もう全く異なるのだが、「カメラ」「フィルム」以上に、一般の人でも分かるように、X線と検出器の関係性を説明できる用語を、少なくとも私は思いつかない。X線は反射しないため、撮影には、「カメラ」と「フィルム」の2つの機構が、絶対に必要なのである。
――よって、まず、鹿紫雲が「カメラ」になり、X線を宿儺に向かって発射したとしよう。その場合、それを受信する者がおらず、宿儺は全くのノーダメージで終わる。次に、鹿紫雲が「フィルム」になって、肉眼を強化してX線を観測しようにも、今度はX線を発生させる要員がいないため、やはり宿儺を透視することはできない。X線は、光ということで、当然のごとく光の速度で進むため、発生させてから移動するのも無理である。どうしろと?
つまり、やっぱり外側からの奇襲をしろと… |
ちなみに。X線は、ご存じの通り、人体に対する有害な作用も持っている。これを使って、直接的に宿儺を攻撃するのも考えられるだろう。
…のだが、私に言わせると、この手の放射線兵器は、そのエネルギーを使って石でも投げつけたほうが効くというのがほとんどだ(関連?:【@】【A】)。呪術廻戦の登場人物たちは、「反転術式」という回復魔法を使え、欠損した四肢を再生させたり、致命傷となるようなキズを治療したり、制限付きながらも、死者の体を動かすようなことすら可能とされている。よって、そういう連中を、癌にして倒すようなことは、どう考えても無理である。
――ならばと、X線の持つ物理的な破壊力に期待する手もあるが…いや、無いな。いま現在の科学力でX線を発生させる場合、投じた電力に対し、99.2%は熱エネルギーへと変わってしまう。よって、仮に相手をX線で焼き切ろうとした場合、その100倍の熱が自分自身へと発生する。というわけで、X線で相手を攻撃しようと思ったが最後、自分がいきなり熱によって爆発するのである。そもそも、鹿紫雲は、電気信号を使って自らの身体能力を加速したり、落雷で物理的な攻撃を行う能力を持っている。それを使って、通常の戦闘を挑めば良いのだ。
ちなみに。作中での鹿紫雲は、“X線解析”によって、「宿儺には腕が4本・口が2個ある」という情報を得ている。しかしこれは、普通の目で見ればそれで分かるので、結局のところ、何も判明していないに等しい。最後の切り札であった「蛍光X線分析」すら敗れ去った!
――というわけで。鹿紫雲がやるべきであったのは、X線解析(?)などでは無かったのだ。まず、領域展開「
(2024年9月23日) 2837 PV
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