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管理人の日記

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故障を直して動き出した直後、だいたい何十枚と印刷が為される |
本日の弊社では、京セラのプリンターが海外仕様を暴発させ、紙詰まりにより印刷不能となる事件が発生した。
…まず、プリンターというと、「今どき紙に印刷するなんてローテクだなあ」と思うかも知れないが、逆だ逆、ハイテク技術の塊である。給排紙にプリンタヘッド、インクカートリッジ(トナー)にネットワーク機能など、パーツがとにかく多く、精巧である。インクジェット式は、安価な家庭用プリンターとしても人気だが、その技術は、説明を聞いてもロストテクノロジーだ。さらに、情シス的に言うと、「可動部がある」「物を飲み込んで、そして出てくる」など、厄介な構造を多く持つ。さらに、インク交換などにありがちであるが、手を加えてから結果が出るのが遅く、現場での迅速な対応が難しい。壊れやすく、直しづらいのがプリンターであり、私の天敵のような機械だ。プリンターに比べれば、パソコンなど、動く部品も無く、中身がスカスカで、構造が分かりやすい。いじるところがないから、部品を取り替えるか修理に出すしか選択肢がないと、楽勝なのだ。
――とまあ、そんな我々の苦労は全く知られず、現場の人は、今日も健気に、ヘアピンを給紙口に落としたり、印刷できないのに何度も何度もジョブを送り込んだり、無理やりインクを装着して内部のピンをヘシ折ったり、ぐらつく台の上に置いて「何か印刷がブレちゃうの…」と悩み相談してきたりと、愉快な運用をしている。事実は小説より奇なりというやつで、現場の現場猫感は、ちょっと私の想像を超えているものだ。
というわけで。業務用プリンターに求められる機能は、私は「できるだけ単純で、可動部が少なく、かつ、現場でいじれない構造」だと思う。しかし、弊社が大量に購入した京セラのプリンターは、THE★日本企業ということで、その逆であり、なんと現場で海外仕様を暴発させるギミックを搭載してしまったのだ。
…というのも。本日は、昼休みにFF8日誌を書いていた時に、とある部署から、「なんど印刷しようとしても紙が詰まるの…」という報告が来た。人手が足りず、私が出ることになった(※もちろん昼休みは後で回収しました)。現場に行って、いつものように蓋を開け、手際よくトナーを外して内部を点検してみるが、異物混入や明らかな破損パーツは見当たらない。これまでにないパターンであったが、本体の液晶表示を見てみると、「トレーで紙詰まりを起こしている」とのことであった。しかし、そのトレーを点検してみても、やはり目に見えた異常は発見不能である。客の居る現場だったので、素早い対処が求められると思い、私はいったん部屋に戻って、“正常動作するプリンターと、トレーだけ入れ替える”という対応をした。すると、思った通り印刷ができたので、直ったことを伝えて、すぐにその場を後にした。
――そして、部屋に戻ったあとは、原因究明をしようと、まず異常品が分からなくならないよう養生テープを貼ったあと、更なる予備プリンターからトレーだけを連れてきて、両者で間違い探しをしてみた。すると、不良トレーだけ、紙止めとなる爪の部分が、謎に奥方向にズレている。どうやら、それにより、A4用紙が綺麗にセットできず、給紙不良が起こっていたようだ。
さて。これでめでたく問題解決と洒落込みたいところであったが、更に深掘りをしてみると、その「紙止め爪のズレ」は、故障によって起こったのではなく、この京セラプリンターの正しい仕様という事実が発覚したのだ。
…というのも、その紙止めは、トレー内の「PUSH」と書かれているボタンを押し込むことで、引っかかりが外れ、奥へとずらせるようになる。しかし、「PUSH=押せ」は日本語として定着しているレベルの英語だから良いとして、押すと何が起こるのかサッパリ分からない。私みたいなバグゲーハンターですら分からなかったのだから、現場の人々にはカケラたりとも理解不能だろう。そして、一旦ずらすと、突起部が引っ掛かるため、意図的に力を掛けなければ、手前へと自然に戻ることはない。つまり、「意味も分からずPUSHを押してスライドさせてしまい、そして元に戻せなくなる」という事故が容易に発生するのだ。
――ところで。その「PUSH」と書かれている周囲を注意深く見てみると、ガイド線のような溝と、「Legal Folio OficioU」という、謎の文字列が書かれている。分かるような分からないような単語であったので、AI先生で調べてみると、これはそれぞれ、海外で使われている規格であり、どれも“A4を縦長にしたような紙のサイズ”であるらしい。なるほど、部品を共通にして、海外展開時の追加コストを避けようというわけだ。分かった分かった。かくして弊社には、意味も分からず海外仕様が暴発する時限爆弾プリンターが、大量にばら撒かれていることが発覚したのであった…。
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あーもうメチャクチャだよ |
ちなみに。このトレーだが、非常に故障の多いパーツとして私に知られており、少なくとも以下の2つのTHE★日本製という機能が、私を苦しめている。繰り返すが、これは、ただ紙を入れるだけのトレーである。
●前面の回転式ダイヤル
トレーの前面に、オモチャのスロットのように、くるくる回して「A4」「B5」などを表示できる可動部が存在する。“いま、トレーにどの紙が入っているか教えてくれる機能”であり、2個も3個も用紙を使う大型プリンターなら、ありがたいパーツであろう。だが、1つしかトレーのない印刷機には、全く不要である。そして、この表示部と中の紙が一致していないと、印刷不良を起こす。現場では、紙を取り替えるときに、わけも分からず触れてしまって、わけが分からないので修正不可能という事態が頻発している。ちゃんと現場を見て商品つくってる?
●トレー手前のバネ式ロック機能
京セラプリンターのトレーは、水平に紙がセットされているのではなく、“奥が下になるよう、斜めに”紙が格納されている。だが、「投入するときは水平のほうが入れやすいだろう…」という配慮なのか、手を怪我しそうな強さのバネが下層に入っており、「まず上板を押し込み、カチッと底面にハメて水平に固定する。その後、紙を投入し、奥へ押し込む。すると、装着完了と同時に爪が外れてバネが跳ね上がり、紙が斜めにセットされる」という、芸術的なアクロバティック無駄構造になっている。そして、前半部の「まずバネ部を押し込み、カチッと底面にハメて水平にする」は、例によって「PUSH」としか説明されておらず、現場では「何がPUSHなんだ」という至極当然の疑問をいだかれているためか、斜めのまま紙を追加投入する人が頻発している。むしろ、「下に押し込んだら板が戻らなくなった!」という報告さえ来るくらいだ。いやー、日本のモノづくり精神!!!!
というわけで。まとめると、京セラプリンターは、“紙さえ入れば良いトレー”に対して、余計な技術を大量投入して高機能化した結果、誰も理解できず、むしろ不具合の温床としてしまった。事実上、「PUSH」と書かれている場所を押すと不具合が発生すると言っても良い。やっぱりバグゲーじゃないか!
…さて、この問題の根本的解決は、こんな自爆ボタン搭載プリンターは無かったことにして、もっとシンプルで低価格なプリンターを購入することだ。だが、そんなものは今さら無理であり、弊社はお偉いさんが後ろからキン○マでも鷲掴みされてるのか、高くて低性能な日本製を大量購入してしまう傾向がある(【例:2025/10/9】)。
――では、現実感のある対策としてどうすれば良いのかというと、テプラを使って、大量の説明文をベタベタ貼り付けてしまうことだ。奥のPUSHボタンには「ここは押さない(海外の紙サイズになります)」、手前のPUSHには「ここをカチッと鳴るまで押し込んでから紙を入れる」、そして外側のダイヤル部には「ここがA4と表示されるよう使ってください」と、とにかく大量の文字で説明しまくるのである。まあ、どこぞのコンビニの失敗コーヒーメーカーがごとく、デザインが最悪になるが、そもそも無駄にトレーを高性能化しようとした敗北設計なのだ。アホにはアホになって対抗するしかない!!
(2026年3月11日)

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