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管理人の日記ログ
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壁にシールを貼り付けたみたいな立体感の無さだなぁ |
先日、「ピクセルリマスター(笑)」版FF5(以下「ピ」)の配信日が、11月11日になると告知された。それに伴い、数枚のスクリーンショット画像が新たに公開されたのだが、またしても情けない出来が露呈してしまったのである。
…さて、上の画像がそれである。映っているのは、ゲーム開始から1〜2時間程度で訪れられる、「ウォルス城」および「ウォルスの町」だ。作中では、水のクリスタルによって守られた国であり、その関係からか、湖の中に都市が存在している。
――のだが。「ピ」では、陸と湖の境界部分が上手く描写されていない。まるで、大陸の上に湖のシールを貼り付けたかのようである。その中にあるウォルス城と町については、藻の上にでも浮かんでいるのだろうか。少しでも増水したら、即座に水害が起こりそうである…。
ちなみに、左下は、私が所有している「WiiUバーチャルコンソールのGBA版」をこのためだけにプレイし、同一の場面で撮影をした画像である。GBA版では、地面と水の境界部分に”白波”のような描写がなされており、アニメーションこそしないものの、立体的に見えるよう表現がされている。もちろん、ベースとなったSFC版や、その移植であるPS版も同じである。旧スマホアプリ版についても、「劣化ドット」とか「顔の様子が変なのだ…」などと言われていたが、少なくともこんなどうでもいい部分まで突っ込まれることは無かった。
では、「ピ」の基本的な情報を振り返っておこう。元々、「ピ」の企画は、今年6月に発表され、FFシリーズの中でも”ドット時代”の、FF1〜6が移植されることになった。FF1〜6は、シリーズの基礎を作り上げた名作であるものの、「現行機であるPS4/5やニンテンドースイッチで遊べない」という難点があったため、本当の決定版が登場するのなら、私としても嬉しいものであった。しかし、初報の時点で、PSP版どころか原作にすら劣るドットや、GBA版やPSP版での追加要素の未収録が濃厚なこと、その他にも対応ハードがPC&携帯電話であり「現行機でプレイ不可能」という問題が解決できないことなど、既に怪しい雰囲気が漂っていた(【日記:2021/6/14】)。
…そして。その後、7月になって、まずはFF1〜3がまとめて配信された。最初に、プレイした人により、GBA/PSPでの追加要素は未収録であることが確定となった。また、ドット絵があまりにも悲惨な出来であり、FF1のクラスチェンジ後のモデルには逆に笑ってしまった(【参考画像】)。しかも、追加要素は削除したが、GBA版やPSP版の要素は中途半端に残っており、完全移植としても微妙である。そして、この出来で、旧版を配信停止にしてしまった(3,4の3Dリメイク版を除く)のだから、「無いほうがマシ」などと非難されるすらもある。しかしながら、FF1〜3は原作がファミコンであり、現在の基準からすると非常に遊びづらいことや、『3』については初の2Dベースの移植となったことから、それなりに評価をする声もあった。
しかし、その空気は、明らかにFF4になって変わった。発売直前の8月末になって、海外公式のツイッターから宣伝動画が配信されたのだが、これが「カイナッツォが腕立て伏せをしている」「『あんこく』が尻から飛んでいく」というおぞましい品質であり、「ボス戦のアレンジBGMが画面と合っていない」という問題点まで発覚した。わざわざ、原曲から切り替えていく演出にしたせいで、余計に異質さが目立ってしまったのだ(【日記:2021/8/28】)。
…その後、9月頭に配信された本編を紐解いてみると、”尻から暗黒”のみは直っていたものの、予想もしなかった方向から問題が発覚した。作中では、ATBが正しく動作していないうえ、「レベルアップまでの経験値を半分にする」という雑すぎる調整が行われていた。そのため、難易度バランスがメチャクチャになり、ゲーム性が消滅したのである。この辺りについては、私はあくまで人づてに聞いたものである。実際のプレイ感想としては、【こちらのサイト様】で詳しくレビューをされているので、そちらをご覧いただきたい。なお、該当記事にはコメントも多く付いており、記事の内容を批判する物もあるが、どちらに説得力があるか、ぜひ皆さまの目で判断してほしい。
――やれ。FF4は、FFシリーズの特徴であるATB(アクティブタイムバトル)を初めて採用した、”現代FFの原点”とも言える作品である。それをこんな酷い品質にしてしまうのは、あまりにも悲しい。これはもはやFF4ではなく、FF4っぽいゲーム、「ピ4」である。「た5」みたいな表記だが、この文字列の意味も、恐らく”ピ”を作っているスタッフたちは知らないだろう…。
184 + 184 +
184 + 184 + 184 + 184 = 1104 |
というわけで。このピクセルリマスター(笑)は、みすぼらしい劣化移植だ。「10年遊べる決定版」だの「究極の2D」だのと言った公式の大言壮語は、全くの的外れである。音楽やドット絵などに、原作のスタッフが関わっているらしいが、それで作品がこの出来では、もう才能は枯れているのだろう。
…しかし。最初に画像で紹介した、ウォルス城の水辺の表現など、「それくらいはどうでもいい」と思う人も居るだろう。ごもっともである。加えて、例えば”ピ4”の「飛行モンスターがふわふわしている演出の削除」「魔法エフェクトの『ゲーム性の統一』という名の使いまわし」「長すぎるスタッフロール」「ラスボスの形態変化時に9999の回復表示が出る」なども、単体では大したことのない要素である。しかし、そうやって、無数の妥協を積み重ねていった結果、どうしようもないクソ移植が完成してしまったのだ。人生の格言か何かだろうか。「これでいい」を足していくと、「コレジャナイ」になるのである。
――やれ、”ピ4”の悲惨な出来も、振り返ってみると、公式Twitterが発表した宣伝動画が始まりであった。そして今、”ピ5”について、立体感の無い水辺のグラフィックという問題点が露呈している。先が見えてしまった。”ピ5”も、前作と同じく、ここからでは予想も付かないくらいの最低な出来になってくれることであろう。FF5や6は、ドット絵作品の中でも特にファンの多い作品なので、ここからどうなることやら…。
さて。私については、繰り返し言っているように、ピクセルリマスター(笑)を買うつもりは無い。買いたくなるような出来では無いからである。
…では、どういう出来なら購入するのかと言うと、私は以前から「現行機でFF1〜6をプレイする手段が無い」ということを憂慮していた。そのため、『FF1』『2』はPSP版、『3』はDSリメイク版、『4』はPSP版かDSリメイク版、『5』『6』はGBA版を、そのままPS4かスイッチに移植するというだけでも、購入をするだろう。WiiUやVitaTVといったハードは、既に入手が難しくなっており、現在保有している私としても、いつまで使えるか分からないからだ。そして、「ピを買わない」ということは、それら旧バージョンよりも劣ると感じているということである。
やれ。私は、こんなサイトをやっている以上、FFシリーズの面白さを人に伝えたいと思っている。そして、FF7以降のリマスターについては、確かに完璧なものは無かったが、総合的に見れば新規ユーザーにはリマスター版をお勧めできるというものであった。基本部分のクオリティが上がり、各種の”インターナショナル版”での追加要素も収録されているし、PS4やスイッチといった現行ゲーム機でのプレイが可能であるからだ。
――だが、この”ピ”については、「率直に言って出来が悪く、追加要素もありません。しかし、他のプレイ環境を用意することが困難な場合、この作品を遊ぶしかありません。クリアできないほど酷いゲームではなく、各種の便利機能は充実しているため、”FFっぽいゲーム”をやった気分にはなれるでしょう」などと、何重にも条件を付けて勧めざるを得ない。こんなことを、これから10年以上も続けなければならないとは、悲しいものである。なんだ、この哀れな出来は…。こんな劣化版は無かったことにして、もっと、買いたくなるような、人に勧めたくなるような、そういう移植作品を用意してくれ。
(2021年10月29日)
”小部屋”のバラエティ豊かさはこちらが心配になるレベル |
久し振りのマリオ作品として、「スーパーマリオオデッセイ」をクリアーしました。今作では、何故か、「サルゲッチュ」や「クラッシュ・バンディクー」といった、初代PS時代の懐かしいアクションゲームの雰囲気を凄く感じました。
…さて、「マリオオデッセイ」は、スイッチ向けの新作3Dマリオであり、スイッチ発売年である2017年の秋に登場した。初公開の際は、広い森に都市といった断片的な情報から発表されたため、「ついにマリオもオープンワールド化か!?」などと噂されたものであった。当時、既に私はオープンワールドでつれぇ経験をしていたので、この”猫も杓子もオープンワールド”という雰囲気にはウンザリしていた。まあ、その時の私は、マリオシリーズの作品をプレイすることは全く考えていなかったのもあるが…。
――しかし、結局のところ、『オデッセイ』の内容は、『64』『サンシャイン』のような、箱庭系の探索アクションとなった。それらと比べると、1エリアが広めになっているうえ、全般的なボリューム感も増しており、まさに正統進化形と言える作品である。やれ、スイッチの任天堂ソフトは、様々な理由により、WiiU版の移植であったり、アップグレード版という程度の位置付けの作品が多いのだが、「マリオオデッセイ」は完全な新作と言って良いだろう。
そんなわけで。私は、3Dマリオ企画の一環として、この「マリオオデッセイ」を、9月頭ごろからプレイしはじめ、本日ようやく880個のムーンをコンプリートできた。最初に良かった点から言うと、まずは変身アクションの多彩さが挙げられる。
…やれ、今回のマリオの目玉動作は「帽子投げ」であり、基本の攻撃として使えるほか、特定の敵に当てることで、その敵へと変身することができる。これにより、キラーやバブル(溶岩から飛び出してくる火の玉)といった定番キャラクターを動かせることはもちろん、「体が伸びるイモムシになって飛び石を渡る」「電気に変身(?)して電線を高速移動」といった頭のおかしなアクションを楽しむことが可能である。
――やれ。この手の”変身”は、アクションゲームにはありがちな要素であるものの、「実用性が低く、使わされている感ばかりが目立ってしまう」という場合が多い。実際、マリオオデッセイでも、その枠から大きく外れることは無かったりするのだが、最も重要な「使わされている感」を覚えることは少なかった。恐らく、変身動作のテンポ良さと、その後の操作の快適さなどが影響しているのだと思われる。こういった、特殊アクションに気持ちの良さを感じたことは、前述した「サルゲッチュ」などのゲーム以来である。恐らくその辺りが、懐かしい3Dアクションを彷彿とさせたのだろう。
また、全体的なボリューム感も良かった。今回の収集要素は「ムーン」というものであり、全880個が用意されている。エンディング到達に必要なムーンは100個程度であるため、その多くはクリア後の収集要素となる。実際、クリア後には、各地に散らばった「月の石」が解禁可能になるため、昔のマップを再び探索する意義が生まれてくる。サルゲッチュの最後のガチャメカじゃん。
…さて。『64』や『サンシャイン』『ギャラクシー』といった過去の3Dマリオでは、なぜか共通して、”120”という数字が収集要素の総数となっていた。では、それが880となった『オデッセイ』では、7.3倍のボリュームがあるのかと言うと、さすがにそんなことは無い。ただ、ボリューム感がかなり増しているのは事実であり、コンプリートまでのプレイ時間は40時間と、他の3Dマリオ作品の2倍に達するものとなった。もちろん、ただ単に探し回る時間が増えたというわけでもなく、マップ数やアクションの多彩さといった奥深さの面も、プレイ時間に比例してパワーアップしている。難易度面でも、非常に簡単に取れるムーンから、上級アクションを要求され、2桁回のリトライが必要となる物まで、多種多様である。
――とりわけ、”小部屋”のアクションの多彩さは凄まじい。本作では、メインとなるマップから、小さな空間に移動して、そこでムーンを捜索する…という構成が多く用意されている。その”小部屋”の中は、例えば2Dアクションであったり、変身操作を上手く使うものであったり、迷路・透明床・暗闇といった謎解き系であったり、ヨッシーに変身して登ってくる溶岩から逃げるというヨッシータワーへようこそだったりと、異様に多彩である。よくもまあ、これだけ豊富なアイデアを、新ハード発売から1年以内のゲームに盛り込めたものだ。そのあまりのバリエーション豊かさから、私のクリア後の探索では、「2」の吹き出しで示されている小部屋を探索することが、一番の楽しみであった。また、その小部屋内ですら、「ただのゴールで1個」「探索すると更に1個」というふうに2個のムーンが用意されており、奥深く遊べていた。
そして。地味に評価したいのが、ヒント機能のちょうど良さである。
…やれ、最近だと、少し難しい謎解きにすると、すぐインターネットで調べてしまうため、隠している意味が無く、作業感を与えるだけとなってしまう。しかしながら、マリオオデッセイのヒント機能は、「50コインを払うと、ムーンのある位置を、地図上に表示する」という、ほど良い感じの内容となっている。これならば、完全にゲーム性を失わせるでもなく、かと言って路頭に迷わせるという感じでもなく、ちょうど良いと感じた。私は、この機能を使うことにより、各マップに50〜100個程度あるムーンのうち、9割以上を自力で発見できた。まあ、どうしても無理な物は、攻略サイト様を見させてもらったのだが、そこ以外では、特に作業感を覚えず、コンプリートまでのプレイを楽しめたように思う。
――その他、クリア後の極一部を除き、リモコン操作などを強要されなかったということも挙げておきたい。WiiやDS時代からの任天堂の悪癖として、この手の特殊操作を必ずと言って良いほどゲーム内に入れてくるため、気持ちの良い操作性で楽しめなくなるという問題点が存在する。しかし、今作では、タッチパネルは全く必要なく、モーションセンサーや振動機能の利用なども、コンプリートを目指すための極一部を除いて、利用せずに済んだ。一時期は、「はい
/ いいえ」の選択にすらタッチパネルを強要していたことを考えると、隔世の感がある。「このゲームは デュアルショック せんようです」ではないのだ。
ヨシ!(良いとは言っていない) |
続いては、ちょっと良くなかったかな…と思った点である。全てのゲーム感想で書いていることなので、あまり気にしなくていいです。
まず、アクション面で気になったのは、モンハン持ちである。基本部分のマリオ操作は、幅跳びをベースとした『64』『ギャラクシー』の系譜であり、またしても方向転換跳びが主体の『サンシャイン』タイプではなかったのだが、それはともかく、操作感は非常に良好である。上級アクションとして、「投げた帽子に飛び込んで2段ジャンプをする」というものがあり、ノコノコタイムアタックでこれを使っているNPCを見た時には、目からウロコであった。
…しかし、各種の変身操作となると、必ずしもそこまで洗練されたものではない。特に気になったのが、変身中の各種操作がBボタンとYボタンに割り振られていることであり、これを右スティックでの視点操作と同時に行う場合、人差し指でBやYを押すというモンハン持ちを強要される。本作は探索型アクションであるため、カメラ操作と移動を同時に行いたい場合は多い。特に、加速が「ボタン押しっぱなし」となっているキラーやバブル、「右スティックで照準を合わせてYボタンで弾丸を発射」というTPS操作になっている戦車などは、モンハン持ちが必須と言える。
――やれ。この手の操作は、だいたいPS3世代の真ん中くらいから、R1やR2と言ったボタンに割り振られることが多くなった。理由は、右スティックと同時に動かせるようにするためである。任天堂が、他社製ゲームを研究していないはずが無いのだが、その結果が右モンハン持ちだったのであろうか…?
また、コンプリートを目指す場合、ミニゲームが地獄となることも挙げられる。特に糞バレー!!
…さて、このミニゲーム、総数はさほど多くなく、内容的にも割と良く出来ている部類のため、息抜き程度で遊ぶのなら悪くない存在と言える。しかし、上級ミッションとなると、点数ノルマが異様に厳しく設定されており、それも全て獲得しなければ完全コンプリートにならない。「なわとび」や「バウンドボウル」も厳しかったが、特に私が苦戦したのは「バレー」である。序盤が遅くて時間が掛かるくせに、最大速度になってから52回もラリーをし、合計100回に到達しなければムーンを獲得できない。その難易度は非常に高く、アッサリ失敗となって1回目からやり直しとなるため、著しくやる気が奪われる。
――最終的に、私はムーン879個を入手してから、最後の”バレーの上級ムーン”を獲得してコンプリートを達成するまでに、約2週間が掛かった。しかし、これは「2週間ずっと挑戦をしつづけて、やっと取れた」という意味ではない。あまりにもやる気が無くなりすぎて、プレイすらしていなかったのだ。結局、ネットで推奨されていた、「2Pプレイを使い、1Pのマリオを放置して、2P側のキャッピーだけでボールを跳ね返す」という方法を使わざるを得なかった。ハッ、マリオと帽子が分離して動作する、これをスイッチ本体のコントローラー分割と掛けていたのか…?
やれ。これは、現代の雷避けである。あのFF10のミニゲームも、バトル面でのコンプリートのために必須なくせに、難易度がとんでもなく高く、現在でも語り継がれるほどの不評となっている。このマリオオデッセイにおいても、それは同じである。私は、軽快なジャンピングアクションをやりたくてマリオを遊んでいるのに、何故こうして、積極的に面白いとは言えないようなミニゲームを繰り返さなければならないのだろうか…。
最後である。私はこれが一番の問題だと思うのだが、本作は今でも価格が高めとなっている。
…実際に、私が購入をしたのは、「中古かつパッケージ無し」という状態の悪い商品だったのだが、それでも4000円を要した。任天堂のオンラインストアも値引率が渋く、セール時でも30%OFFの4604円が最安である。発売4年が経つソフトとしては、かなり割高に感じてしまう。
――やれ。この「価格」の問題については、色々な意見があるだろう。ただ、私は、前の日記でWiiUについて「中古ソフトの安さが魅力」と触れたように(【日記:2021/10/16】)、”値段面での入手のしやすさ”もゲームソフトの大事な点であると思う。そういうわけで、DL版のセールは、もう1歩くらい踏み込んでほしいところである。カプコンやソニーのように、3桁円での大セールをしろとまでは言わないから、50%OFFくらいにまでは歩み寄って欲しい…。
もっと良かった!
90点以上を付けられる作品 |
というわけで。「マリオオデッセイ」は、コンプリートを目指すと少しだけ苦しい点が見えてくるのと、価格面での入手ハードルが微妙に高いことなどもあるが、内容面では3Dマリオの正統進化系と言える作品であった。クオリティはもちろん、ボリュームも歴代作品の2倍程度というのが嬉しい。
…そして、今回は、題名にも書いたとおり、「サルゲッチュ」や「クラッシュ・バンディクー」といった、二十数年前にプレイした初代PS時代の3Dアクションを、どこか思い出すものであった。この手のゲームは、現在のPSハードの主要ユーザー層と合っていないためか、ほとんど新作が発売されていない。そのため、たびたび最新ハードでの復活希望が出されるが、そういう人は、私のようにマリオオデッセイをやると、懐かしい気持ちになれるかもしれない。別に、「任天堂ソフトを遊んではいけない」という宗教は無いのだ。もちろん、PSのソフトを遊んではいけないという宗教も無い。
さて、次は何をやろうか。今回のマリオオデッセイと、前回のモンハンライズ(【日記:2021/9/1】)で、私はスイッチに一通りの満足ができた。
…そのため、WiiUとか3DSとかの旧ハードのために買ったソフトを消化していこうと思う。本格的ガチムチゲームのほうは、FFやり込みでガッチリ固められているため、息抜き程度にプレイできる作品が重要だ。やっぱ、携帯ゲーム機的な特性があると、気軽に遊びやすいんだよな〜。
(2021年10月29日)
そりゃルイージもこんな顔になるわ |
昨日夜、おぞましい発表が為された。先んじて公開されていた、「ニンテンドースイッチオンラインの、ニンテンドー64ソフト追加パック」(以下、「N64追加パック」)の料金が、年額でプラス2500円と示されたのだ。元々のスイッチオンラインの代金(オンラインプレイ+セーブデーター預かり+FC&SFCソフトのプレイ権)が、年間契約前提で2400円であったため、N64追加パックを加えると4900円となり、価格が丸々2倍となる。しかも、1ヶ月や3ヶ月と言った短期プランが無いため、1年契約しか行うことができないのだ。
…しかし。これだけだとレトロゲームに年間2500円を要求するガイジであるが、さすがにプラットフォーマーということか、一応はお得感のあるルートが用意されている。同じく、先日夜に公開された「あつまれ
どうぶつの森:ハッピーホームパラダイス」という新規DLCが、単品購入でも2500円となっているのだが、スイッチオンラインの追加パックには、このDLCが丸々含まれている。よって、この「どうぶつの森」のDLCを最初から購入するつもりなら、N64追加パックに契約をすると、おまけでN64ソフト+メガドライブソフトも付いてくるため、お得になるということである。
――そして、ここから予想するに、恐らくであるが、N64ソフトだけで料金2倍という高額負担を強いるわけではなく、今後とも新作相当のゲームソフトを付けることで、相対的に年間契約を安く感じさせるという作戦であると思われる。というわけで、1年目は「どうぶつの森」の追加DLCであるが、2年目は別のソフトかそのDLCを付けて、これまた「単品購入」より「追加パックの年間契約」のほうが割安になるようにする…という感じに設定するであろう。それならば確かに、N64ソフトの部分は、実質無料のように見えてくるものだ。
ところで。私は、先日の、N64追加パックの情報公開時に、その値段について、「月額換算30円とかの、相当に攻めた価格となるのではないだろうか(キリッ)」などと書いており(【日記:2021/9/24】)、まさか代金2倍というキチガイムーブに打って出るとは予想できなかった。
…もちろん、上にも書いたように、その代わりとして、大人気ソフトである「どうぶつの森」のDLC利用権が付いてきている。しかし、私はこの手のゲームをやらないので、私個人にとっては、前述の通り、レトロゲームに年間2500円を要求するガイジでしかない。
――さて、私自身はN64本体を所有したことは無いが、小学生時代の友人宅で何度かプレイをさせてもらったことがあり、ソフトには面白いものが多数あると感じている。そのため、先の初報時には、多少は心が揺れ動いたものであったが、この料金体系を聞いて、全く契約する気が無くなってしまったのである。私は、「どうぶつの森」を遊ばないため、年間+2500円という値段には安さを微塵も感じない。しかも、1ヶ月や3ヶ月といった短期契約が無いため、強制的に元プランを含めた年間加入を要求され、4900円を払わなければならない。正直、N64には良いソフトがあるとは思うが、値段を聞いて冷静になり、そこまでして遊びたいものではないと結論づけてしまったのだ。
やれ。サブスク…つまり定額サービスの中でも、特にオンライン系のサブスクは、原価(材料費)がほぼタダであるため、できる限りのお得感を持たせ、より多くの契約者を得るのがカギである。そういう意味では、このN64追加パックは、初手から大失敗をしていると思わざるを得ない。これは、後に値引きすることが前提…いやいや!
ここに来て、黒歴史のアンバサダープログラムを繰り返すことは無いでしょ!
ということで。個人的な感想としては、この”N64追加パック”は、「人気ソフトの最新DLC」と「レトロゲームのプレイ権」という噛み合わせの悪いものをセットにした、高額な”抱き合わせ販売”であると感じる。そして、確かに「どうぶつの森」は大ヒットソフトであるが、全ての人がそれを遊びたいわけではない。それを、年間契約で買わせようというのだから、ソフトの配給制であるとも思う。
…やれ、任天堂界隈を外から見ていると、実に景気の良い数字が並んでいる。しかしながら、配給制と言うと、戦災または自然災害といった非常時に行われるものである。そんなわけで、あの界隈の内情も、実は悲惨なことになっているのかもしれない。
――そして、ひょっとすると、今回の「『人気ソフトのDLC+レトロゲームのプレイ権』の年間契約」という販売方式は、これから本格的な配給制を始めるためのテスト配信なのかもしれない。今回のプランに真っ先に飛びつくような層は、「今月はマリオです!
来月はゼルダです! 再来月はスプラトゥーンです!
……」といった類のサブスクサービスがあれば、泣いて喜ぶものであろう。任天堂タイトルの販売実績を見ると、むしろそれのほうが合っているようにも感じてしまう。だが、これに付き合っていくかどうかは、よく考える必要がある…。
WiiUって神じゃね?
理想のレトロゲーハードって感じ…(※コントローラーの形を除く) |
ちなみに。ライバルハードとして、よく比較されるプレイステーションの「PSplus」であるが、こちらの料金は1ヶ月850円・3ヶ月2150円・1年5143円と高めであるものの、フリープレイ枠にて、PS4/5と言った現世代機のソフトが毎月配信される。また、PS5を持っていれば、「PSplusコレクション」という常時配信枠にて、PS4世代の名作ソフトが遊べるようになっており、「アンチャーテッド:海賊王と最後の秘宝」「デトロイト:ビカムヒューマン」といったハイクオリティのソニー作品に、「ペルソナ5(オリジナル版)」「モンスターハンター:ワールド(アイスボーンは無し)」「クラッシュ・バンディクー
ブッとび3段もり!(現在ではソニー作品という扱いではないらしい…)」などといったサードメーカータイトルなど、合計19作品がプレイ可能である。
…また、料金面の契約として、通常の年間プランは5143円であるものの、定期的に年間プランの25%または30%セールが行われており、それを用いれば3600円または3850円での1年契約が可能である。この場合、月額換算で300円〜321円程度となる。また、前述のN64プランと異なり、月額850円と割高になるものの、短期契約も可能であるため、「狙ったソフトが出てきた時だけ契約し、短期集中で遊ぶ」という利用方法も可能である。
――やれ。前の日記(【2021/9/24】)にも書いた通り、私は正直PSplusにも値段分の価値を感じておらず、次に期間が切れたら、もう延長はしないと決めていた。しかし、N64追加パックの驚異的な高価格を見て、逆にPSplusが凄くお得に感じてしまったのだ。値段と内容がまあまあ釣り合っているのはもちろんとし、1ヶ月ないし3ヶ月といった短期契約枠があるのも、利用の幅を広げてくれ、嬉しいものだ。
そして。PSplusだけでなく、もう一つ、相対的な評価が高まったものがある。それは、神ハードWiiUだ。
…ご存じの通り、WiiUは、バーチャルコンソール機能にて、ファミコン・スーファミ・N64・GBA・DSに加え、PCエンジン・MSXのDL版作品を楽しむことができる。値段は、GBAソフトが715円、スーファミソフトが838円、N64ソフトが1047円などとなっており、高めと感じる価格設定なものの、買い切りであるため、定額制で搾り取られることは無い。また、コントローラーの持ち心地は最悪であるものの、スイッチのように据え置き機としても携帯機としても利用ができるうえ、スイッチでは不可能な「携帯モードで遊びながら、映像をHDMIでパソコンに出力する」という使い方も可能なため、私にとって都合が良いものだ。そして、FF関連で言ってみても、FF5・FF6の旧スマホ版は、ピのせいで配信停止になってしまったため、追加要素のあるFF5&6を新規に遊べるのは、WiiUバーチャルコンソールで購入できるGBA版だけ…というメリットが存在する。
――更に言うと、WiiU本体のディスクでは、WiiU専用ソフトに加えて、前世代機であるWiiのソフトを遊べる(リモコンコントローラーの用意が必要)が、それらの中古パッケージまで安く入手できる。具体的に、ゲオのオンライン中古ストアで検索をしてみると、スイッチ版の「スーパーマリオ
3Dワールド+フューリーワールド」は5110円だが、WiiU版の「スーパーマリオ
3Dワールド」は938円で買える。また、新旧ハードで同時発売となった「ゼルダの伝説:ブレス・オブ・ザ・ワイルド」でも、スイッチ版5980円に対し、WiiU版は3317円となっている。これ神だよ、神。ありがとう任天堂…。
そんなわけで。今回は、スイッチオンラインの「N64追加パック」のおぞましい発表により、それとは無関係なPSplusとWiiUの評価が上がるという、変な事態となってしまった。
…まあ、私のゲームプレイ方針だと、PSplusですら値段分の元を取れない。そして、当分の間はお金を貯めていきたいため、余程のことがない限り、今回のN64追加プランに加入することは無いだろう。その「余程のこと」として、どうしてもスイッチのN64配信でしかプレイできないゲームが登場するという場合が考えられるが、主要タイトルはWiiUバーチャルコンソールでも販売しているため、基本的にはそちらで満足できると思われる。
――やれ。任天堂ファン勢の中でも、今回のN64追加プランに喜んで加入する人は、どれくらい居るのだろうか。もちろん、元々「どうぶつの森」のDLC購入が確定していた人は、それにN64ソフトのおまけが付いてきて、お得だと捉えられるはずだ。しかし、そうでない人にとっては、抱き合わせ販売ということで、割高感ばかりが目立ってしまうのではないだろうか。そしてこれは、任天堂が本格的なソフト配給制に入るための、ステージ1-1かもしれない。私にとってのPSplusもそうだが、サブスクに無闇やたらと長期加入するのは、ちょっと考えたほうが良いと思う…。
(2021年10月29日)
『3』は…まあフリプに来たら、一応はやってみようと思っているが… |
ふと、今では”懐かしのシリーズ”となった「ゴッドイーター」と「ダンガンロンパ」には、共通点があるのではないかと考えた。それは、「PSP〜Vitaの移行期に」「既存ゲームのフォロワーとして登場し」「Vita時代で燃え尽きた」という点である。
まず、「ゴッドイーター」は、言わずと知れた「モンスターハンター」の”フォロワー”(基本部分を真似しつつも、独自の要素も取り入れ、単なる模倣品に囚われないゲーム作品)だ。PSvitaには、諸般の事情によりモンハンシリーズが出なかったため、その代用品として登場した…というのは誤りである。初代の「ゴッドイーター(1)」の発売は2010年2月と、PSPの全盛期であり、その後も追加パックである「ゴッドイーター
バースト」などが人気を誇っており、モンハンシリーズと両立していた時代があったのだ。
…さて、「ゴッドイーター」の基本部分は、モンスターハンターの大ヒットによって生まれた”狩りゲー”と呼ばれるジャンルを踏襲している。しかし、単純なモンハンの劣化コピーには終わらず、AIキャラによる4人でのバトルや、”厨二病”的なキャラクターデザインとシナリオなど、独自の要素が多く追加されていた。私は、PSPの『バースト』からプレイを始め、その後にVitaで『2』『2
レイジバースト』とプレイをしていった。『2
レイジバースト』は、モンハンでいう2ndG的な決定版であり、今なおVitaを代表する大作であると思っている(感想記事は【日記:2015/12/26】)。
――のだが。その後、PS4向け作品として、完全新作である「ゴッドイーター3」が発表された(現在ではPC版やスイッチ版も存在する)。しかしながら、当時、既に”本家”と言えるモンハンシリーズがPS4に戻ってきており、代用品としての存在意義が怪しくなっていた。それでも、ゴッドイーターのファンであった私としては、モンハンと別方向の進化を遂げてくれれば良いかな…と思っていた。しかしながら、体験版をやってみると、グラフィックもアクション部分も全て駄目であった(【日記:2018/10/14】)。さすがに、こんなものに、9000円近い新作価格は出せない。そういうわけで、私と「ゴッドイーター」の付き合いは、『3体験版』で終わってしまった。私にとって、ゴッドイーターは、Vitaで燃え尽きたタイトルとなったのである。
また、「ダンガンロンパ」は、「逆転裁判」のフォロワーと言えるゲームだ。なぜか2つ連続でカプコン作品の亜流である…。基本的な部分は、「証拠品」を突きつけて「証言」の矛盾を明らかにする…という、まさしく逆転裁判なのであるが、「『超高校級』と呼ばれる特殊能力持ちの高校生たちが、仲間内で殺し合う」という緊張感のある設定に加えて、殺人がテーマであるにも関わらずポップ&ギャグな演出が為され、世界観は異彩を放ちまくっている。
…さて、この作品についても、『1』の発売は2010年11月と、PSP全盛期である。その後、『2』が2011年にPSPで発売した後に、Vitaでのバンドル版である『1・2
リロード』を挟んで、完全新作である『V3』が2017年にPS4/Vitaで発売された(当時の感想記事は【日記:2017/2/26】)。
――そして。このダンガンロンパシリーズについては、あまり出来の良くない関連作品を大量に登場させていたことが印象に残っている。例えば、2014年にVitaで発売された「絶対絶望少女」は、私が初めて発売日にダウンロード購入したゲーム作品であったが(ちなみに、パッケージ初の発売日購入は、2003年の「ファイナルファンタジー10-2」)、シューティングとしてもダンガンロンパ作品としても、微妙と言わざるを得なかった。また、上でゲーム作品の新作を『V3』と書いたが、これは「ダンガンロンパ3」のほうはアニメ作品として登場したからである。まあ、私の感想としては、第1話を見たが、続きを見ようとは思わない程度の出来であった。どうも、世間的な評価も、あまり良くは無いようだ。
そして、そこまで関連作品を乱発していたにも関わらず、2017年の『V3』のあとは、新作の発売が完全にストップしてしまった。この11月に出るスイッチ版も、『1』『2』『V3』のカップリングに、恐らくだが出来の良くないミニゲームを追加したという、”移植”の域を出ないものである。うーん、『V3』の後であっても、「高校生同士の仲間内での殺し合い」という部分さえ維持すれば、まだまだ続編が出せると思うのだけど…。
おい、「個性が無い」は言いすぎだろ! |
というわけで。「ゴッドイーター」「ダンガンロンパ」の2シリーズは、私にとって、Vita時代に全盛期を誇り、そしてVita終了と共に消えていったタイトルとなった。特に終わる理由が無かったのに終わったという面でも、奇妙な共通点を持つタイトルである。その他、私にとっては、それぞれ別の友人から教えてもらって深くハマり込むに至ったということもある。
…さて、これらの作品のうち、「ゴッドイーター」については、『3』がPS4/PC/スイッチで発売されている。上記の通り、私は体験版に酷くガッカリして購入しなかったのであるが、まあ一応は私の中で一時代を築いたタイトルであるので、フリプに配信された時はやってみようかなあ…と思っている。なお、あまり詳しくないが、現在ではバンナム発売のアニメ風アクションが多く登場しており(「コードヴェイン」や「スカーレットネクサス」など)、”フォロー元”であるモンスターハンターについてもPS4とスイッチで別々の作品が登場しているため、「ゴッドイーター」は役目を終えたと言えるだろう。
――いっぽうの、「ダンガンロンパ」については、キャラや演出などに独自の魅力が多いうえ、本家の「逆転裁判」にも新作が発売されていないため、こちらは『4』が出るのならば、是非とも買いたいと思っている。しかし、2017年の『V3』の後、元スタッフが退社をしてしまったらしく、新作を出すのは難しい状況となっているようだ。続編の可能性は…まあ、『ロックマンX9』よりは有ると思うのだが…。
しかし。こうして振り返ってみると、Vitaは実に、アングラな雰囲気のあるハードであった。結局のところ、PSPほどの一大ムーブメントは起こせなかったものの、”だからこそ魅力的に映った”という部分もあったように思うのだ。
…ちなみに、今年春に、PS3やVitaのオンラインストアを閉鎖するという発表が為された(【日記:2021/3/30】、【2021/3/31】)が、その後に撤回され、現在でもそれらの機種のDL版ストアは利用できる。しかしながら、セール対象としては、PS3/Vita/PSPソフトは一切登場しない。これらのハードのタイトルについては、2020年秋のセールを最後に、予告なく登場しなくなった。他ハードに目を向けてみると、例えば3DSソフトのセールは今も行われており、カプコン作品では「モンスターハンター」や「逆転裁判」のシリーズ作品が500円という超低価格で発売されることがある。3DSは、ちょっと現代としては性能的にかなりキツいのだが、これだけの低価格であれば、手を出してみようかなあと言う気持ちにもなってくる。
――というわけで。いま私がVita界隈について望んでいることは、各種セールへの復活である。値段3桁といった極端な低価格であれば、「ゴッドイーター」や「ダンガンロンパ」にも、今なお勧められる理由がある。やれ、これらの懐かし作品について、新作が出せないというのは分かった。だが、今はPS5への移行も足踏みしている状況なのだから、少しは旧作にもスポットライトを当ててほしいものだ。そうしたら、ファンの側で勝手に布教するからさ。
(2021年10月29日)
ヤン(35)「許された…」 |
「※ただしイケメンに限る」とは、要するに、「カッコいい者は何をやっても許される」「同じ言葉であっても、美形とブサイクでは全く受け取られ方が違う」という意味のネットスラングである。用途は、「優しい人が好きです(※ただしイケメンに限る)」などと、主に美形の男に対する”やっかみ”として使われることが多い。全盛期では、「※」とまで略しても通じることがあった。
…さて。この言葉の真偽については、もちろん、口で「見た目は気にしない」と言ったり、実際にさして気にしていないという人もいるだろう。しかしながら、例えば就職試験の面接では、何を喋っているかはほとんど関係が無く、顔の美しさや身振り手振りと言った”見た目”でほとんどが評価されていると聞く。また、顔以外の話で言えば、誰だってブクブクのデブよりもスラッと整った体型の男女に好印象を持つし、薄汚れた服装よりも清潔感のある者に好感を覚える。残念ながら、見た目は非常に重要と認めざるを得ない。特に、「第一印象」を左右するものとしては、最重要と言えるだろう。
そして、今回の主題である、FFシリーズに話を移すと、FFシリーズは、イケメンの多いRPGとされている。
…やれ、こう書くと、”野村FF”と呼ばれるFF7以降の特徴と捉えられることが多いのだが、ではその前の”天野FF”(?)がイモっぽいキャラが多かったかというと、そんなことは決して無い。FF4もFF6も、足が異様に長く、中性的な立ち振舞いの極端な美形男女ばかりであり、昔からFFシリーズにはイケメンが多かった。FF5も、イメージイラストについては、同様である。
――まあ、私の意見を言ってみると、世の中の創作物には、「何の才能もない私が成功しちゃった!」みたいなのもあるが、私としては、ゲームなのだから、わざわざブサイクに作る必要もないと思う。ゲームの中の人物が、「僕は暗黒騎士で、薄汚れた悪の遣いなんだ…」と悩んでみたところで、「でもお前イケメンじゃん」などとやっかみを浴びせることも無い。ゲームなのだから、格好良い、またはかわいければ、それで良いのである。
というわけで。FFシリーズは、美形が非常に多い。しかしながら、それはあくまで、わざわざブサイクを書く必要が無いという理由からであり、「※ただしイケメンに限る」のように、ブサイクが差別されているわけではない…と思っていた。しかし私は、FFシリーズ内でも、「※ただしイケメンに限る」が行われている状況を見つけてしまったのである。
…では、ここで、冒頭の画像を見ていただきたい。これは、2007年に発売された「DS版FF4」の、オープニングムービーから取った画像である(【YouTube】。ただしPC版)。内容は、主人公たち一行が、美しい緑の谷を見つめている…という感じのシーンであるが、パーティがこの組み合わせで旅をする状況は無いため、”イメージ映像”的なものと言える。
――しかしながら、ちょっと待っていただきたい。FF4の仲間キャラクターは、12人のはずである(同一人物の別バージョンを複数人に数えない)。だが、画像には、どうみても9人しか居ない。映っているのは、最終メンバーの5名に加え、ヤン・ギルバート・パロム&ポロムの4名である。逆に、除かれた3名は、シド・テラ・フースーヤとなっている。まあ、フースーヤは、加入時期や物語との関わり方から、この手の画像に登場できないというのは分かる。しかし、シドやテラについては、出さない理由が分からない。やっぱりジジイだからだろうか。そして、ヤン(35)はイケメンという扱いのようだ。
ちなみに、2007年のDS版オープニングムービー全体を見てみても、シド・テラ・フースーヤの3名は全く登場せず、そもそも3Dモデルが作られなかったようだ。かくして、FF4は、「※ただしイケメンに限る」ということで、物理的に登場自体を制限してしまったのである。
ちなみに。その後、シリーズ内続編である「FF4
ジ・アフター」でも、2011年のPSP版の際に、美麗なオープニングムービーが追加された(【YouTube】。こちらもPC版)。そこでも、最後のほうで、主要人物11名がラスダン?
を見つめるシーンが存在する。
…のだが、登場する面々は、FF4からはセシル・ローザ・リディア・エッジ、ギルバートにヤンである。これらのメンツは、原作時点で大人のため、既に年齢的に40前後のはずであり、FFシリーズの主要年齢層からすれば、ジジイまたはババアと言われてもおかしくない。特に、リディアなどは、時間の進行が速い場所に住んでいるであろうため、「見た目は20代後半ですが実際は1700歳です」とかでもおかしくない。しかし、それらのご隠居たちは、加齢によって衰えるどころか、原作以上の美形に描かれており、イケメン無罪として許されている。また、完全新キャラor実質的な新キャラからの登場では、大人パロム&大人ポロムに、セオドア・レオノーラ・アーシュラが選択されている。初代では”おませな女の子”だったポロムが衝撃的な大学デビューを遂げたということを除いて、明らかに美形のキャラクターたちが優先されていると言える。
――逆に、選出されなかった方々としては、まあオープニングムービーということで、ネタバレに関わる人たち(某2名)は集合シーンに出られないとしよう。それにしても、またしてもシドが出演できていない。そして、エッジ編の忍者4人集や、FFシリーズでは唯一かもしれないオバちゃんキャラのハル、ラブコメ要員のルカと人形2名が出演見送りとなった。また、一時的な味方キャラクターとしては、またしてもフースーヤが見送りとなっている。まあ、正直、この辺りは出しても仕方ないという感じがするのだが、またしても、ムービーに登壇できるのは「※ただしイケメンに限る」となってしまったのだ。
なぜ『13』の6人と『13-2』組という分け方にしなかったのかは永遠の謎 |
では、もう一つだけ、FFシリーズから、イケメンに限ってしまった例を挙げてみよう。それは、あのライトニングリターンズのエンディングである。
…まず、初代FF13には、戦闘メンバーとして、6人のキャラクターが登場する。これらの物語上での扱いは、物語の前半部が「仲間同士のぶつかり合い」をテーマとしていたためか、どの人物にも深く掘り下げが為されており、上々である。また、バトル面での性能としても、6人全員に出番があるという調整であり、極端な不遇キャラが居ることは無いうえ、最後まで育てても個性が残されており、戦闘バランスは非常に良好であった。
しかしながら。シリーズ最終作の『ライトニングリターンズ』では、そのうちの1人であるおっさんキャラのサッズに、まるで頭の上のアフロのように、暗雲が立ち込める。まず、作中シナリオでの扱いが、カイアス編のおまけという程度であり、不遇である。他の、”主要人物”と言えるようなキャラクターには、敵味方としての戦闘シーンや、物語上の大きな見せ場があっただけに、サッズについては残念な感じと言わざるを得ない。
…そして、今では伝説となったエンディングにおいては、苦戦するライトニングの元に、かつての仲間たちがそれぞれの召喚獣とともに駆けつける…という、今では少年漫画でもやらないようなド王道のシーンが流れるのであるが、何故かブリュンヒルデを従えているのは『13-2』からの新顔であるノエルとなっている。ノエルとブリュンヒルデには、あらゆる面で何の関わりも無く、どういう意図でこの組み合わせになったのかはサッパリだ。
――では、サッズはどうなったのかと言うと、その1分ほど後に、行方不明(のような状況)になっていたセラを連れて登場する。忘れられていないだけマシであり、逆に言うと、特殊な立ち位置で活躍しており、優遇という見方もできなくはない。ただ、「召喚獣と共に戦うのが『13』の6人」「セラを連れてくるのがノエル」とすれば、13組&13-2組ということで、それぞれの作品を綺麗にまとめられていた。FF13シリーズの物語は、最終作で何とか解決できたが、このサッズの扱いについては、現在も残る最大の謎となっている。やっぱ、戦闘シーンをイケメンに任せたかったのか…?
タイクーン王は四戦士では無かったりするのだ… |
さて。ここからは逆に、イケメンに限らなかった例を挙げてみることにしよう。それは、FF5の「暁の四戦士」である。
…まず、FF5は、前後の作品と異なり、比較的イケメンオーラの薄い作品であるとされている。メニュー画面に表示されているのは、キャラクターのイラストではなくドット絵であり、ストーリー要素もFF4やFF6と比べて薄めである。最終的なバトルメンバーは、いわゆる”無個性系主人公”のバッツに対して女3人という、FFシリーズでは稀に見るハーレムパーティとなるが、恋愛イベントは影も形も無い。
――しかしながら、後年の移植版、とりわけスマートフォンアプリ版では、作中のキャラクターイラストとして”天野絵”を表示するという暴挙をやらかした。天野絵は、あくまでもイメージイラストであり、実際にゲーム中で表示されているグラフィックとは、当時としても印象が大幅に異なっていた。特に、FF5においては、原作が常にドット絵での表現を行っていたため、違和感が大きい。GBAでも、この顔グラフィックに関しての批判はあったが、スマホ版については、高解像度で天野絵風の顔を表示してくれるため、作品の雰囲気と比べ、壮絶にミスマッチな感じとなってしまっている。
しかし、ここに笑いの神が舞い降りた! FF5では、「暁の四戦士」という、一言で説明すると、”主人公たちの以前に世界を救っていた4人組”が力を化してくれる。どうも、彼らの戦いからFF5の物語が始まるまでには、30年という時間が経っているため、四戦士は全員60歳前後の立派なジジイである。それが、とてつもなく暑苦しいグラフィックで大暴れするため、原作よりも一気に存在感が増したのだ。
…やれ、FF5の旧スマホ版は、天野絵風の顔グラフィックに加えて、ドット絵の出来も悪く、あまり好意的に受け止められていなかった。せいぜい、細かい変更点が大量にあるため、それがやり込み派プレイヤーに受けていたというくらいだろうか(なお、現在では某”ピ版”のために配信停止となった…)。ただ、ジジイたちの猛烈な熱量については、原作を遥かに凌駕していると言えるだろう。ドルガンとガラフとか、同じキャラの1カメと2カメだろ…。
――ちなみに。上の画像に登場するキャラのうち、タイクーン王については、「暁の四戦士」ではないのだが、しれっとラスト付近のシーンでは同列として登場している。また、オープニングで彼が発する「風の様子が変なのだ…」は、何と言うことの無いセリフだったのだが、スマホ版の変な顔グラフィックにより、今ではカルト的な人気を誇るようになった。この画像が貼られると、「お前の顔が変なのだ…」などと返されるのが恒例となっている。
ということで、FF4のオープニングムービーと、ライトニングリターンズのラストシーンでは、「※ただしイケメンに限る」であったが、FF5のスマホアプリ版では、「※イケメンに限らない」という結果となった。見た目は重要であるが、必ずしも正統派の美形のみが求められているというわけではないのだ。皆さまも、バイザーと羽と触角を付けて、「俺の様子が変なのだ…」などと喋ってみたりすると、大人気になれる…かもしれない。
(2021年10月29日)
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