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低レベルクリアー(GBA) プレイ日誌
良い意味で時代錯誤の、とんでもないゲームだった。GBA版の追加要素も良! |
最終回だ。今回は、例によって、プレイ全体のまとめを、「あとがき」として書いていきたいと思う。
…まず、今回のプレイ日誌の特徴として、とにかく異様に長くなった。とりわけ、ストーリー攻略の最終段階からは、「1体のボスに対して、複数の方法で挑む」という方式が一般的になり、日誌のボリュームが何倍にも膨れ上がった。書く方として大変だったのはもちろんであるが、読む方にも、読み込み容量や精神力の点で、大変な負担を掛けたと思う。
――さて。次からは、長い文章をやめるつもりはないが、更新の仕方には気を付けるようにしたい。やれ、当サイトのシステム上、1つのプレイ日誌は、0話+99コ話で、100コ話までしか投稿ができないのだが、ならプレイ日誌自体を分作にすれば良いだけの話である。
しかし。そのように文章が長くなったのには、それだけFF5が遊びごたえ抜群の作品だったということがある。特に素晴らしいのが、素早さが同じ場合、必ず同じタイミングでターンが回ってくるという点である。加えて、FF5はATBであるが、「味方にターンが回ってきた際、一定時間、バトルの進行が止まる」というシステムが存在する。これらの組み合わせにより、CTBを採用しているFF10に近い感覚で、ゲームを進めることができた。
…さらに、FF5は、効果が尖っており、使いがいのあるアビリティが多い。特に多く使用したのは、3種の神器と言える「ちょうごう」「ごうせい」「あおまほう」であるが、それ以外にも、「みだれうち」「よげん」「うたう」「れんぞくま」「まもり」など、要所で活躍したコマンドアビリティは多い。どれも、特徴的な内容を持ち、是非バトルで使ってやろうと思えるものであった。そして、これらのリストを見ていただければ分かるように、GBA版の追加アビリティと既存アビリティのバランスも、非常に良い感じであった。GBA版の追加要素のゲームバランスは、既存の要素をないがしろにするでもなく、かといって、全く役に立たないというわけではない感じで、とても良い調整であったと思う。これがないFF5なんて、私にはもう、考えられない。
――やれ、「ファイナルファンタジー5」の発売は、原作は1992年なので30年以上前、GBA移植ですら20年近く昔である。だが、FF5には、現代にも通用する、トップクラスの面白さがあると言える。話には聞いていたが、自分でプレイして、ハッキリと分かったものだ。
というわけで。ここからは、「あとがき」の恒例要素として、攻略で使った要素を評価していくことにしよう。
…ただし、FF5については、“キャラごとの個性が無いタイプのゲーム”なので、「キャラクター評価」をしても、あまり面白くならない。というわけで、行うべきは、「ジョブ評価」である。すっぴん・ものまね師・GBA版追加ジョブ×4を含め、全26あるジョブについて、詳細に語っていくことにしよう。やれ、これだけで、最低でも画像26枚であり、今回も相当長くなってしまうが、最後ということで、どうかお許しいただきたい。では、行ってみよう…!
ごくごく序盤から、物理攻撃への完全耐性を作れる |
●1 ナイト
ジョブ特性:「かばう」
ジョブコマンド:「まもり」
習得オートアビリティ:「かばう」「両手持ち」「盾装備」「鎧装備」「★剣装備」
習得コマンドアビリティ:「まもり」
入手時期:第1世界/風の神殿
特記事項:「かばう」の暴発を防ぐため、マスターしていない(よって、メインルートのセーブデーターでは、「剣装備」を未取得)
まずは、ド王道ジョブの「ナイト」である。強力な剣を装備し、打撃で敵を倒していくという、主人公スタイルで楽しみたいプレイヤーにうってつけだ。いっぽうで、こういうジョブは、プレイヤーの腕が上がるにつれて使用されなくなったり、または2周目プレイ等で、他ジョブを活かすために、あえて避けられたりもする。それもまた、王道である。
ナイトの強力なアビリティとしては、まず「両手持ち」が存在する。90ABPと序盤で獲得できるくせに、攻撃力2倍と激しく効果が高い。序盤は強力な盾が少ないということもあって、強化の基本として役立ってくれるだろう。
いっぽうで、やり込みプレイ的に重要なのが、「まもり」である。最序盤から使える物理対策であり、打撃のダメージを完全に0にできるとあって、第1世界から本編クリア後まで、様々な場面で活躍をしてくれる。しかも、ナイト自身が「かばう」を持っているため、全員(ナイト自身は非瀕死でも可)を瀕死にし、ナイトが「まもり」を入力するだけで、物理攻撃への完全耐性が完成する。やれ、私は、「FF5は、物理対策が容易なゲーム」という文章を、何度も書いてきた気がするが、その一翼を担っているのは、間違いなく「ナイト」というジョブである。
ところで、低レベルプレイにおいては、「まもり」+「かばう」のほうは、非常によく使われるが、剣を使った打撃のほうが注目されることは少ない。その理由は、物理と魔法における、ダメージ計算式の違いである。それぞれ、ダメージ倍率について、物理攻撃は「(力 ×
レベル)/128 + 2」、魔法攻撃は「(魔力 × レベル)/256
+ 4」というものであるが、小数点以下を切り捨てているため、それぞれ最低値の、「物理:2」「魔法:4」になりやすい。つまり、物理攻撃は、そもそも魔法攻撃に対して、威力が半分となりやすいのだ。
もちろん、計算式の関係上、レベルドーピングでレベル値を上昇させた場合、物理攻撃のほうが、魔法攻撃よりも威力が上がるペースが早くなる…のだが、そうなると「みだれうち」「まほうけん」などとコンボすることが多く、活躍はゲーム終盤、つまり最強武器の「チキンナイフ」が使われることがほとんどだ。チキンナイフは両手持ち無効の武器であり、仮に行えたとしても、すぐ9999に達してしまうため、二刀流のほうが優先されるだろう…。よって、ナイトや、ナイトの装備品である「剣(騎士剣)」に声が掛かることは、少ないのである。
さらに、「盾装備」「鎧装備」についても、まず鎧は、物理防御力が高いだけであり、低レベルではほとんど呼び声が掛からない(「ボーンメイル」は軽装備の分類)。一方の盾は、ゲーム終盤において、防御のカナメと呼ばれるほどに重要な存在となったが、すっぴんはもちろん、終盤攻略で主力となったものまね師も、素で盾を装備可能なため、「盾装備」を引っ張ってくることは無かった。王道プレイで活躍できるものが、やり込みプレイでも強力とは限らない、ということである。
しかしながら。ナイトは、ある正念場と言える戦いに参戦した。それは、神竜改の「ABP0状態で撃破」というプレイである(【第37話:そのB】)。神竜改は、ファイナルアタックの「ギガフレア」を、「かくれる」か「ジャンプ」で回避しなければならない都合、低レベル+ABP0獲得での撃破は理論上も不可能だ。そのため、ABP0「状態」を模擬して、敵の撃破までを行う…という攻略である。
さて、同プレイでは、「ナイト(レナ)」「竜騎士(バッツ)」「吟遊詩人×2(ファリス・クルル)」という編成で、神竜改を攻略していったのだが、その際、HP15000からの通常攻撃CT0を受け流していったのが、ナイトの「まもり+かばう」であった。「まもり」だけでも「かばう」だけでも駄目であり、その両方を併せ持っているからこそ、1発8000という凶悪打撃の平均2連打を、全て受け流していくことができたのだ。これをABP0の初期状態から使えるというのが、ナイトの強みである。まあ、「源氏の盾+小人」を使っていたため、「かばう」だけでもほとんど大丈夫ではあったのだが…。
ちなみに。ナイトについては、数少ない、「マスターしないように気を付けていったジョブ」である。その理由は、「かばう」をすっぴん&ものまね師が暴発しないようにするためだ。
ご存じの通り、FF5では、マスターしたジョブのジョブ特性(オートアビリティ)が、すっぴん&ものまね師に引き継がれる。ナイトについては、「かばう」が引き継ぎ対象に当たるのだ。やれ、私は、複数人が同時に「かばう」を持っていた場合の、発動の優先順位などは、詳しくは調べていていない。だが、「回避率の低いキャラが間違えてかばってしまう」という状態は、作戦を立てるうえで、非常に邪魔となる。よって、そのような自体を避けるために、メインとなるセーブデーターでは、ナイトはマスターせずに進めていったのだ。
なお、ナイトには、力/魔力/体力/素早さのどれかが、全ジョブで1位ということはない(マスターしたジョブのパラメーター補正も、すっぴん&ものまね師に引き継がれる)。よって、ナイトマスターを避けたとしても、パラメーターMAXが不可能になることは無い。その際、オートアビリティの「剣装備」も使用不能となるのだが、まあ、すっぴんを使えばそもそも全装備を使用可能なので、特にナイトをマスターできないことによる不都合を感じることは無かった。結果、「ある戦法を実行するために、別データーを作って、ナイトをマスターする」ということも、一度も無かった。それはつまり、ナイトマスター時の能力について、特に着目がされなかったということであり、ある意味で、不遇なジョブだったのかも…。
この僅かに高いHPが重要になることもあった |
●2 モンク
ジョブ特性:「格闘」「カウンター」
ジョブコマンド:「けり」(モンクでのみ使用可能)
習得オートアビリティ:「格闘」「カウンター」「HP10%アップ」「HP20%アップ」「★HP30%アップ」
習得コマンドアビリティ:「ためる」「チャクラ」
入手時期:第1世界/風の神殿
特記事項:力&体力が1位、「カウンター」の暴発を防ぐため、マスターしていない(メインルートでは「HP30%装備」を未習得)
続いては、前作であるFF4のヤンをジョブ化したかのような「モンク」である。「けり」「ためる」は、ヤンのコマンドを、そのままFF5に持ち込んだような感じだ。なお、「けり」については、モンクのコマンドアビリティとして習得ができず、他ジョブでは使用不可能なコマンドとなっている。このようなコマンドアビリティは「けり」だけであり、特にゲームバランスを左右するようなコマンドでもないため、バグか設定ミスなのであろう。しかし、今に至るまで、全てのバージョンで修正されていないので、そういう仕様として捉えられている。
さて、モンクについては、オートアビリティの「格闘」により、武器を装備せずとも、レベルアップによって打撃の威力が上がっていく…つまり、「武器を買わなくても良い」ということがメリットとなっている。よって、低レベルクリアーでは、「@そもそもレベルを上げられない」「A武器を入手するための稼ぎが苦にならない」という環境により、モンクの特性を活かしづらい。一方で、通常プレイでは、「『格闘』を付けると力が50(最大値)になる」という隠れ効果が強力で、魔道士系ジョブに付けて素手攻撃を行えるようにしたり、Lvが極端に高くなるとトップメタに躍り出たりと、なかなか味わい深いアビリティになっているそうだ。
その他、コマンドアビリティについては、前述の通り、謎にモンク専用の「けり」のほか、「ためる」「チャクラ」など、微妙な内容である。それでも、「ためる」は、発動が遅くなる代わりに2倍撃という効果であり、序盤にほんの僅かだけ使用しただけマシだ。「チャクラ」なんて、「自分自身のHPを小回復+毒を解除」という、救いようのない内容だ。いったい何に使えば良いんだ…。
しかしながら。「格闘能力」と「コマンドアビリティ」以外については、モンクが注目された点は多い。
まず、モンクは、「力」「体力」と、2つのパラメーターが1位である…のだが! マスターすると、「カウンター」がすっぴん&ものまね師に引き継がれてしまう。カウンター攻撃が発動すると、「ものまね」先がカウンター打撃になってしまったりと、「まもり」状態が解除されてしまったりと、不都合な点が目立つ。そのくせ、低レベルプレイということで、ほとんどの場合、火力には全く期待ができない。よって、モンクをマスターすることはできず、最大のパラメーターを引き継ぐことはできない。それでも、「力」については、追加ジョブの剣闘士が同値1位なのでセーフだが、最大HPの値に関わる「体力」については、2位のバーサーカーで我慢するしかなかった(バーサーカーのバーサク特性は、さすがに引き継がれない)。
ちなみに。バーサーカーとモンクの「体力」の差で、どれくらい最大HPが異なってくるかというと、Lv1のレナ&クルルで、クルルが50→51、レナは51から変化なし、Lv4のファリスが103→105である。ただ、FF5には様々なバトルが存在し、この1〜2ポイントが戦略上重要になることもある(例:クルルのHPを51にして、「現在HPぶんのダメージ」を与える「ドラゴンブレス」で、敵HPの下1桁を調節する。【第37話:そのD】)。そのため、別データ―を作って、特別にモンクをマスターしていくこともあった。やはり「HPが高い」というのは、低レベルプレイにおいても、大きなメリットになるということが分かる。
また、「カウンター」についても、一般的なプレイであればメリットとなるし、低レベルプレイにおいても、暴発するのが駄目というだけであり、特化すれば、非常に使える特性アビリティだ。「まもり」で物理攻撃を0ダメージに抑え、「カウンター」でダメージを与えていく…というのは、最序盤から使える“物理攻撃しか使わない敵”への完封手段であり、しかもFF5ではカウンターに対してカウンターは発動しないため、ゲーム最序盤から使用可能なカウンター封じとなる。このような上級テクニックが、「風の神殿クリア後」というゲーム冒頭部から使用可能なのだ。FF5って、すげぇ!
ゲームがかなり終盤になるまで、「全員シーフ」がダンジョン攻略の基本だった |
●3 シーフ
ジョブ特性:「ダッシュ」「隠し通路」「警戒」
ジョブコマンド:「ぬすむ」
習得オートアビリティ:「隠し通路」「ダッシュ」「警戒」「ちょこまか動く」
習得コマンドアビリティ:「とんずら」「ぬすむ」「ぶんどる」
入手時期:第1世界/風の神殿
特記事項:素早さ1位
第3のジョブは、トレジャーハンターと言ってくれ!
の「シーフ」である。まず、最重要な点として、シーフは素早さが1位である。FF5で最重要のパラメーターは、ぶっちぎりで素早さであり、とりわけ、「敵に対して先手を取れるか否か」で、戦法は天と地ほど変わってくる。そういうわけで、素早さ最大のシーフをマスターすることは、すっぴん&ものまね師を強化するうえで、極めて重要となるのだ。まあ、非常に細かい点として、シーフをマスターすると、素早さを下げる調整に難儀するという点もあるが、それはFF5の問題であって、シーフのせいではないだろう。
また、その他のオート&コマンドアビリティについても、有用なものが目白押しである。まず「ぬすむ」は、アイテム集めのカナメであり、新しいダンジョンが解禁されるごとに、レア盗みを含めてアイテム収集をしていくというのが、ゲーム攻略の基本的な流れとなっていた。そして、そのたびに、文章が異様に長くなっていった…。なお、ドラクエは民家から拝借するが、FFはモンスターから盗んでいるので、むしろ善行と言ってほしい。
また、「とんずら」は、逃げられる敵から100%逃走するというものである。ゲーム序盤は、LR逃走だけでも十分に逃げられるが、FF5では、敵パーティによって逃走の成功率が決められており(レベル差は関係ない)、終盤に進むにつれ、全く逃走が成功しないような敵が増えていく。そのため、「とんずら」は、1コマンドで確実に逃げられるという意味で、確実性&即効性があり、ダンジョンを進む際の必須アビリティとなっていた。ちなみに、忍者の「けむりだま」というアビリティが、「とんずら」とまったく同じ効果である。なお、このようなコマンドアビリティの組み合わせは「けむりだま」&「とんずら」だけのため、これもひょっとすると設定ミスかもしれない。エフェクトが短く、即座に逃げられるぶん、「とんずら」のほうが有用である。
さて、シーフについては、オートアビリティも有能of有能である。「警戒」は、雑魚パーティのバックアタックを封じるため、「とんずら」と合わせて、雑魚戦を安定して切り抜けやすくなる。
また、「ダッシュ」については、PS版からはデフォルトで2倍ダッシュができるようになったため、アビリティの「ダッシュ」も組み合わせると、4倍速になってしまって操作しづらい、という意見がよく聞かれる。が、それは通常プレイでの話であって、やり込みプレイとなると、長い距離を移動したり、同じ場所を行ったり来たりして稼ぐ、という行為も増えてくる。そういう時に、「ダッシュ」の存在は、非常に便利なのだ。ちなみに、PS版では、×ボタンで2倍速移動ができ、そこに「ダッシュ」を組み合わせると、「何も押さない:等速 ×を押す:4倍」という仕様だったらしい。つまり、「ダッシュ」を覚えると、2倍速での移動ができなくなり、帯に短し襷に長しという状況であった。が、GBA版では、「何もボタンを押さない時の移動速度」をコンフィグで調整できるようになり、「何も押さない:等速or2倍 Bを押す:4倍」と、調整が効くようになったらしい。地味に親切さがアップしたという例である。
というわけで。シーフは、直接的な攻撃能力こそ低いものの、サポート役として最強のジョブであると言える。実際、第1世界や第2世界のボス戦以外のパートでは、とりあえず全員をシーフにジョブチェンジさせておくというのが、攻略の基本方針であった。全員がシーフで、まず「ぬすむ」をしつつ、敵の攻撃が始まる前に「とんずら」で逃げる。それだけで、低レベルクリアーの雑魚戦は切り抜けられるのだ。
「白魔道士」を使ったのは、マジのガチでここだけな気がする |
●4 白魔道士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「しろまほう」(Lv6相当)
習得オートアビリティ:「MP10%アップ」
習得コマンドアビリティ:「しろまほう(Lv1〜6)」
入手時期:第1世界/風の神殿
続いては、「白魔道士」だ。
通常プレイでは、ケアル系魔法が回復のカナメとなるため、必須に近いような扱いを受けるが、低レベルプレイでは、HPが低いため回復の重要性が低く、ついでにMPも低いため、魔法を唱えるという気分になりづらい。加えて、ランク3までの白魔法であれば、「れんぞくま」または「しろくろま」でも使用可能であり、そちらであれば、ランク2黒魔法の「スリプル」などが使えて、汎用性が高い。さらに、白魔道士のジョブ自体の能力についても、素早さが遅いうえに、盾すら装備できず、もはや低レベルでは戦う手段がないと言えるレベルだ。
そういうわけで、白魔法&白魔道士については、「リフレク」「ブリンク」や、小ダメージ対策の「全体ケアル」、その他にも代替手段を見つけづらい「ディスペル」など、ピンポイントな利用に留まった(上の画像の「バーサク」は、調合で簡単に発動させられるため、単なるお遊び)。なんだろう、「ゴミ」「使えない」とか罵られるより、こういう書くことの少ないジョブが、一番かわいそうな気がする…。
「ガ系魔法の全員リフレク反射」は、低レベルクリアーの切り札の一つ! |
●5 黒魔道士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「くろまほう」(Lv6相当)
習得オートアビリティ:「MP30%アップ」
習得コマンドアビリティ:「くろまほう(Lv1〜6)」
入手時期:第1世界/風の神殿
お次に登場するのは、白魔道士と対をなす存在の「黒魔道士」が登場だ。
やれ、“低レベルクリアーにおいての、魔法を取り巻く環境”は、白魔道士の項で紹介した通り…なのだが、黒魔法については、相手を撃破する手段となるため、白魔法よりも遥かに重要性が高い。その活躍は、ゲーム最序盤でのカーラボスに対する「サンダー」連打から始まり、第2世界のラストでガ系魔法を手に入れてからは、火力に拍車が掛かった。「敵が弱点とするガ系魔法を、属性強化したうえで、『れんぞくま』で全員リフレク反射する。それを『ものまね』で反復する」という方式は、低レベルクリアーにおける最強攻撃手段の一角として、クリア後クラスでも用いていったものだ。また、黒魔法には、ダメージ手段以外でも、「スリプル」など、戦略上重要となる魔法が多かった。高ランクの魔法を使うことが重要なので、「しろくろま」(ランク3までの白魔法&黒魔法を、1回使用できる)にお株を奪われるということはない。それどころか、「れんぞくま」(ランク3までの白魔法&黒魔法を、2回使用できる。他、同時に魔法系コマンドアビリティをセットすると、それも2連続で使用できる)の相棒として、「くろまほう」コマンドは、非常に呼び声が高かった。
なお、オートアビリティについても、白魔道士の「MP10%アップ」に対して、「MP30%アップ」と、恵まれている。このMP30%アップは、ファリスLv4が「クイック」を唱える際に必須という特徴がある。やれ、白魔道士と黒魔道士で、まったく同じアビリティを用意するのは良くない…と思ったのかもしれないが、なぜ10%アップと30%アップで、激しく格差を付けてしまったのか。まあ、一応、低レベルクリアーだと、「よげん」のためのMP調整手段として、主にメニュー画面で、10%アップや30%アップを付け外ししたこともあったから、かろうじて、両方が存在する意義があったということで…。
取得も、バトルでの使用も、両方が味わえる、おいしいジョブ! |
●6 青魔道士
ジョブ特性:「ラーニング」
ジョブコマンド:「あおまほう」
習得オートアビリティ:「ラーニング」
習得コマンドアビリティ:「しらべる」「あおまほう」「みやぶる」
入手時期:第1世界/風の神殿
風の神殿シリーズのラストは、「青魔道士」である。ご存じ、“敵が使う技を覚えて、使用する”という、特殊な魔法使いであり、何気にFF5が初登場だ。その後のFFでも、「おぼえたわざ」や「てきのわざ」などと名前が変わっていることもあるが、それらも全て「青魔法」で通じるくらいに、革新的な要素であった。敵の技を使用できるという点だけでも魅力的だが、「技を覚える」という過程が収集要素として楽しめるのも、これまた良い。
さて、FF5の青魔法は、「ラーニング」の特性を持ったキャラが、習得可能な技を喰らったうえで、勝利でバトルを終えることにより、技が増えていくという形式である(いちど覚えた技は、他のキャラも使用することができる)。だが、低レベルクリアーにおいても、「とらえる」で敵を捕まえることにより、経験値0でバトルを終えられる。よって、第1世界の時点で、かなり自由に青魔法を覚えられるようになるのだ。
さて、私は当初、青魔法を全く強いとは思っておらず、「せっかくだからコンプリートしておくか」くらいの気持ちで、収集要素として習得をしていた。だが、使ってみて魅力が分かったものは多い。説明不要の「レベル2オールド&レベル5デス」、敵が麻痺耐性を持っていなければ勝利確定となる「マインドブラスト」、魔法回避率100以上を除いて完全耐性が存在しない「黒の衝撃」によるレベル操作に、即死ではなく瀕死を掛ける「デスクロー」、経験値を0にできる「死の宣告」、忘れた頃に8倍打撃を当てられる「ゴブリンパンチ」など、様々な青魔法が、戦法に彩りを加えてくれた。3大チートアビリティ:「ちょうごう」「ごうせい」「あおまほう」の一角を作り上げるくらいの、強豪コマンドアビリティだ。そして、FF5のアビリティは、増えれば増えるほど面白いということを教えてくれたジョブでもある。
ちなみに。青魔道士の、「あおまほう」以外の点と言うと、「しらべる」が挙げられる。敵のHPを明らかにするという大変シンプルな内容であるが、ボス耐性を持っている敵にも有効であるため、”特定のHPラインから一気に相手を倒し切る”という作戦のために使われたりもした(【第29話:そのA】)。やれ、青魔法の習得と敵HPは一切関係が無い…と言いたいところだが、バトルを経験値0で終えるために「とらえる」を使うとなると、あちらにはHP1/8、または、HP1/2(「ゴルナゴの壺」装備時)という条件があるため、にわかに重要性の高いアビリティになってくる。FF5スタッフの奴、ここまで考えて…!!
「このキャラは打撃しかしません」というアイコン |
●7 バーサーカー
ジョブ特性:「バーサク」
ジョブコマンド:(なし)
習得オートアビリティ:「斧装備」「バーサク」
習得コマンドアビリティ:(なし)
入手時期:第1世界/ウォルスの塔
特記事項:体力2位(1位はモンク)、「バーサク」はすっぴん&ものまね師に引き継がれない
さあ、ここからは、沈んでいないウォルスの塔のクリア後に手に入るジョブたちだ。その開幕は、「バーサーカー」である。
まず、バーサーカーは、ジョブ自体が活躍しづらい。勝手に「たたかう」だけを入力するという点はもちろんだが、それ以上に、バトル開始時にワンテンポ遅れて攻撃を始めるというのが、特に雑魚戦では致命的だ。斧も使いやすいとは言えない武器であり、その他に見るべき点もない。よって、強さを求めて使用するジョブではなく、バーサーカーを使うためにバーサーカーを使う、つまり縛りプレイ向けのジョブであると言える。
それに加えて、低レベルプレイでは更に状況が悪く、ナイトの項で書いた通り、そもそも物理攻撃が活躍しづらい環境にある。そのうえ、勝手に行動するため、「まほうけん」とのコンボも不可能だ。どうしようもない。
ただし、それだけ悪条件が揃っているだけに、逆に、「最悪条件で敵を倒す」などという縛りプレイに使用可能である。例えば、封印の神殿における「ギルガメ」戦は、「Lv1バーサーカーひとり」という、これ以上ないであろう条件で、撃破を達成している(【第30話】)。弱いことは分かっている、だからこそ面白い。そういう意味で、バーサーカーは、弱くて使いづらいのに魅力的という、独特の立ち位置に君臨していると言えるだろう。
なお、強制バーサク以外の注目要素として、「体力2位」という点は見逃せない。体力は、最大HPを決定する値であり、1位は「モンク」であって、カウンター暴発の危険がある。よって、攻略の大半において、バーサーカーのHP=キャラの最大HPとして、定着するに至った。ちなみに、さすがに特性アビリティの強制バーサクは、初代であるSFC版からずっと、すっぴん&ものまね師に引き継がれない。これが引き継がれてしまったりしたら、まさに狂戦士にも程があるというものだ。
ST攻撃も属性付与も搦め手も強力だが、「魔法バリア」の存在が… |
●8 魔法剣士
ジョブ特性:「魔法バリア」
ジョブコマンド:「まほうけん」(Lv6相当)
習得オートアビリティ:「魔法バリア」
習得コマンドアビリティ:「まほうけん」(Lv1〜6)
入手時期:第1世界/ウォルスの塔
特記事項:超地雷アビリティ「魔法バリア」を避けるため、マスターしていない(メインルートでは「まほうけんLv6」を未習得)
ウォルスの塔クリア後に手に入るジョブPart2は、「魔法剣士」である。「まほうけん」は、言わずと知れた物理攻撃の超強化手段であり、FF5では「自分のみを対象にできる」「魔法剣を使うだけで1ターンを消費する」「魔法剣の効果を掛けられる武器が決まっている」と制約が多いものの、それを余裕で跳ね返せる超性能を誇る。なにせ、ガ系魔法の魔法剣で弱点を突けば、火力が4倍なのだ。
というわけで。あの、オメガ様に対する「魔法剣サンダガみだれうち」を皮切りに、多くの敵との戦いにおいて、魔法剣は切り札となっている。ダメージ系はもちろんだが、MPを削る「アスピル剣」、武器の攻撃力を+100する「フレア剣」、ST異常が必中となる「スリプル剣」「サイレス剣」「ブレイク剣」など、強力技がこれでもかと並んでいる。相棒となる攻撃コマンドは、「みだれうち」が最も基本かつ強力だったが、「ぜんぎり」で敵全員を石化させたり、「ねらう」で魔法剣のカッチョいいエフェクトを拝んでいったりした。
しかしながら、魔法剣士は、FF5における超地雷アビリティの「魔法バリア」を持っていることでも知られている。その効果は、「HP1/16瀕死という極限状態の時に、自分自身へのシェルが自動発動する」というもので、この時点で毒にも薬にもならなさそうな内容なのだが、どうも「瀕死状態の時に、誰かが何らかの行動をすると、それに対するカウンター扱いとして、自身にシェルを掛ける」という処理になっているようだ(瀕死状態が解除されても、シェルが解けることはない)。つまり、瀕死状態のまま戦っていると、誰かが行動をするたびに、ババババとシェルが発動し、非常に鬱陶しい。また、自動発動する行動の常として、「ものまね」の対象となり、「まもり」状態を解除してしまう。どちらも、低レベルクリアーでは、戦略上、重要となるアビリティだ。それが使えなくなってしまうというのは、極めて痛い。いっぽうで、シェルによる魔法ダメージ半減効果は、初期レベルでHPが低いということもあって、輪を掛けて意味が無い。
というわけで。「魔法バリア」は、通常プレイでも、「Lv6魔法剣を覚えるために、魔法バリアを許容する」などと、デメリットアビリティとして捉えられている。そして、低レベルプレイでは、その害悪度が大幅に増している。そのため私は、魔法剣士はマスターしないという方式にしていった。例によって、「フレア剣」や「アスピル剣」を使いたいときだけに、別データーを作っていく。やれ、「魔法バリア」の有効活用法は、魔法「シェル」を購入可能となるのが第2世界なので、第1世界の時点でシェルを発動させるために使う、マジでこれだけであろう…。
「ヘイスト」以外も、序盤ではちょくちょく使われた |
●9 時魔道士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「じくう」(Lv6相当)
習得オートアビリティ:「ロッド装備」
習得コマンドアビリティ:「じくう」(Lv1〜6)
入手時期:第1世界/ウォルスの塔
特記事項:「ロッド装備」にバグがあるのは、旧スマホ版のみ
続いては、時空魔法を操る「時魔道士」が登場だ。時空魔法と言えば、何と言っても「ヘイスト」だ。FF5のシステム上、行動ペースがぴったり2倍になるため、必須と言えるステータス魔法である。また、「スロウ」についても、敵の行動ペースが、これまたちょうど半分となるため、発動に成功すれば、一気にバトルを楽にできる。組み合わせると4倍だぞ。また、レベル操作が可能な老化状態についても、魔法「オールド」は、時空魔法に属している。その他、割合ダメージを与える「グラビデ」や、ゲームプレイの快適性を上げる「テレポ」「リターン」も、時魔法という扱いだ。
ということで。時空を名乗るだけはあって、バトルの流れを大きく左右するステータスが揃っているのだが、それらには他の発動手段が存在する物も多い。ヘイスト状態については、「エルメスの靴」や「ちょうごう:ヘイストドリンク」、スロウ状態については「ごうせい:スロウキャノン」、老化については「レベル2オールド」「ごうせい:オールドキャノン」などがそれだ。低レベルクリアーでは、最大MPが少なく、さらに相手に掛ける系統は命中率まで低くなりやすいという向かい風があって、魔法「ヘイスト」は序盤のみ、魔法「スロウ」「グラビデ」「オールド」なども、ゲームが進むにつれ、ほぼ出番が無くなった。それぞれの効果自体は有用だが、それ以外の発動手段で代用されてしまうという、珍しいパターンだ。
さらに、今作では、「メテオ」が時空魔法に属しており、防御力無視の固定ダメージ技として使用可能なのだが、メテオには、「消費MPを『ものまね』で踏み倒せない」という謎仕様が用意されており、攻撃技として使っていくのは難しいという感じであった。
ところが。それだけ両手両足を封じられても、まだ時空魔法には強豪が残っている。それは、「クイック」だ。「詠唱直後に、コマンドを2連続で実行できる」という特殊きわまりない性能を持ち(ただし、クイックの効果中にクイックを使っても無効)、通常プレイでも切り札として使用される。ただし、消費MPは77と莫大であるため、低レベルプレイでは唱えられない…と思いきや、「ファリスLv4に」「MP30%アップを装備させ」「金の髪飾りで消費MPを半減させる」という方式で、1回だけ2連続行動を入力できるようになる。
やれ、その場合、ものまね師を前提として、アビリティ枠を「じくう」「MP30%アップ」で2つ使ってしまうため、自由枠が1つしか残らない。そして、クイックの詠唱で、残りMPは「2」となってしまう。以上のことから、行動に対しては、非常に大きな制約が掛かる。だが、それだけのデメリットを負ったとしても、2連続行動というのは魅力的であり、“1回限りの切り札”として、極限のバトルで見せ場を作ってくれた。
ちなみに。オートアビリティの「ロッド装備」は、私のGBA版のプレイだと、ギルガメLv1バーサーカーひとり攻略にて、「賢者の杖」を装備させるくらいしか使い道がなかった(【第30話】)。だが、旧スマホ版においては、どうも「『ロッド装備』を外して装備変更画面に移った際、そのままロッドを装備可能な状態が続いている」というバグが存在するようだ。明らかな不具合なのだが、最終アップデートまで修正されなかったため、もうそういう仕様なのだと捉え、特殊な攻略で用いられることもあるんだとか。
基本的には「魔法のランプ」が多いが、コマンド版を使うこともある |
●10 召喚士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「しょうかん」(Lv5相当)
習得オートアビリティ:(なし)
習得コマンドアビリティ:「しょうかん(Lv1〜5)」「よびだす」
入手時期:第1世界/ウォルスの塔
特記事項:魔力2位、1位は予言士なので、追加要素が無いバージョンだと魔力最大
召喚魔法を使える「召喚士」も、ウォルスの塔のクリア後から使用可能だ。雑魚散らしに最適なジョブであり、まず、第1世界終盤からしばらくは、タイタン+大地の衣が無類の強さを発揮する。その後も、強化シルドラ・オーディンといった攻撃系は分かりやすい強さを持ち、カーバンクルやゴーレムを擁すサポート系は玄人好みの性能を誇る。
しかしながら、召喚魔法は、全般的に大メシ喰らいである。つまり、消費MPが多いということだ。よって、「しょうかん」コマンドは、MPに厳しい制限のある低レベルプレイとは相性が悪い。そのため、第3世界のピラミッドをクリアした後に、「魔法のランプ」(イストリーの滝の上流をチョコボで訪問すると入手可能、同地で使用回数も初期化できる)が手に入るので、それを使って召喚獣は呼んでいくが、「しょうかん」コマンドは使用しない…という戦闘が多くなっていった。ただし、召喚獣が強力なことは間違いないので、MPのバカ食いを承知のうえで、「れんぞくま」とコンボすることで2連続召喚を使ったり、「ものまね」で同じ召喚獣を呼び続けたり(魔法のランプだと「魔法のランプを使用する」という行為をものまねする=別の召喚獣が出てきてしまう)、連戦で「魔法のランプ」が使えないためにあえて「しょうかん」をセットしたり、などという使い方をすることもあった。
ちなみに。召喚獣のうち、「フェニックス」だけは、完全な低レベルを維持した状態では、入手ができない。理由は、第3世界のフェニックスの塔にて、全30階のダンジョンのうち、あろうことか29階にて、必ず敵の居る壁を調べなければならず、その戦いの経験値が回避不能であるからだ。やれ、低レベルだと入手できない技は、他に、ネクロマンサーの「カーズ」&「パニッシュレイ」といった物もあるが、フェニックスには、専用のダンジョンとイベントもあるため、それも含めて無くなってしまうというのは、残念きわまりない。
その他、召喚獣以外の点として、召喚士は、魔力のパラメーターが2位である。1位は予言士であるため、追加要素の無いバージョンでは召喚士がトップであり、GBA版&旧スマホ版においても、予言士入手が第3世界も佳境という段階なので、召喚士をMP目的でマスターしておく意義も大きい。
なお、マスター時に覚えられる「よびだす」というコマンドアビリティは、習得している召喚魔法をランダムで1つ発動するというものである。「魔法のランプ」と同じく、MPを消費しないが、何が出てくるか分からず、確実性が全く無いため、今回プレイでは一度も使わなかった。ネクロマンサーの「めいやく」といい、ランダム系は鬼門だ…。
最初は強くて、真ん中弱く、最後が強い。それが、赤魔道士! |
●11 赤魔道士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「しろくろま」(Lv3相当)
習得オートアビリティ:(なし)
習得コマンドアビリティ:「しろくろま(Lv1〜3)」「れんぞくま」
入手時期:第1世界/ウォルスの塔
魔法使いの最強コマンド:「れんぞくま」を習得可能な「赤魔道士」だ。ABP999が必要なため、かなり特化した育成が必要だが、覚えてからは常時2連続攻撃ができるのと同じになり、無類の強さを誇る。
さて。低レベルプレイにおいても、「れんぞくま」の強さは折り紙付きだ。黒魔道士のところで書いたが、「ガ系魔法の全員リフレク反射」は、低レベルキャラの最強攻撃手段の一角である。MP制限の大きい2114キャラであっても、ファリスならば、「金の髪飾り」を装備することで、ガ系魔法を2連打できるので、あとは「ものまね」でそれを反復していけば良い。敵の弱点を付けば、1人の行動につき10000弱(5000弱×2回)と、レベルドーピング無しの状態ですら、低レベルキャラとは思えないくらいの火力を叩き出せる。
なお、「れんぞくま」は、「しろくろま」の進化系ということなのか、そのままセットしても、Lv1〜3までの白魔法・黒魔法(第1世界水準)しか、2連続で使えるようにならない。よって、複数のアビリティ枠を使い、「くろまほう」「れんぞくま」などとセットすることで、この場合なら「くろまほう」で使えるアビリティを、「れんぞくま」にて2連打できるようになる。そういうわけで、アビリティ枠の圧迫も苦しくなるのだが、やはり火力が2倍というのは魅力的であり、多少とはいえない使いづらさを加味したうえで、強引にでも採用していける強さがあった。
なお、渋い使い方として、「れんぞくま」を単独でセットし、Lv1〜3までの白魔法・黒魔法を2連打していくという使い方もあった。主な使用魔法は、黒魔法Lv2の「スリプル」である。ご存じ、FF5の睡眠は、解除する行動を取らなければ永続であるため、眠らせた瞬間に勝利が確定するという敵も多い。よって、素の「れんぞくま」でスリプルを2連打すれば、相手を寝かしつけられる速度を2倍にできるのだ。全国のお母さん(お父さん?)必見のテクである。
忍者は巻物を武器にする。古事記にもそう書かれている。 |
●12 忍者
ジョブ特性:「先制攻撃」「二刀流」
ジョブコマンド:「なげる」
習得オートアビリティ:「先制攻撃」「二刀流」
習得コマンドアビリティ:「けむりだま」「ぶんしん」「なげる」
入手時期:第1世界/カルナック城
続いては、リクイドフレイムを倒し、燃え上がるカルナック城から脱出した後に獲得できるジョブたちだ。
まず、「忍者」については、ストーリー攻略上のバランスブレイカーとして知られている。その理由は、「なげる」の巻物技だ。僅か200ギルという安価で買えるにもかかわらず、威力は120で、ガ系魔法を全体化する場合より強い(参考/単体ラ系:50 単体ガ系:185 全体ガ系:92.5。巻物技は敵1体でも単体版にはならない)。装備の関係上、属性強化を掛けることはやや難しいものの、適当にポイポイ投げているだけで、十分すぎる強さを誇る。巻物技があまりに便利ためか、同じく専用アイテムの「手裏剣」や、そして「武器を消費して投げる」という方式は、空気化してしまっているくらいだ。なお、忍者は魔力パラメーターが低めであるため、手軽に取得できる魔法コマンド、特に「あおまほう」を付けて、魔力補正を掛ける…という方式が知られているらしい。
ちなみに。低レベルプレイにおいても、巻物技は便利かつ強力であるが、「ロッド投げ」と同じ理由で、戦法をワンパターン化させてしまう恐れがあり、あまり積極的には使いたくなかった。ただ、第1世界も終盤になると、HPが10000前後となるような敵も多く、それをチクチク削っていると、かなりの時間が掛かってしまう。そういう時に、コスパでロッド投げを上回る巻物技が、忍者のジョブとともに、使われていった(巻物技:200ギルで威力120なので、威力1あたり1.7ギル ロッド投げ:単体を前提とし、750ギルで威力185なので、威力1あたり4.1ギル)。その際は、「水遁」で水弱点を突けるサンドウォーム戦(【第6話】)、パーツもまとめて攻撃できるソル
カノン戦(【第7話】)など、巻物技の特性を活かしていった。
その他のアビリティついても、有用なものが多い。まず「二刀流」については、火力はもちろん、サポートとしても非常に強力である。FF5では、盾も強いため、武器を2本装備するか、武器と盾を1つずつ装備するかは、悩ましかった。だが、それが選択肢に挙がってくることから分かるように、「二刀流」の存在は、常に前提条件として考えられていた。
なお、次作のFF6で、「ガントレット」と「源氏の小手」の初回入手が同チャンスであるように、両手持ちと二刀流は、基本的には、対となるアビリティとして考えられている。だが、FF5においても、「両手持ち」と「二刀流」では、二刀流の圧勝である。2つぶんの武器の特殊能力を得られる、火力が9999の壁に阻まれづらくなる、「両手持ち不可」の武器はあっても「二刀流不可」の武器は無い、ゴブリンパンチは両手持ち無効だが二刀流は有効…といった感じだ。もっとも、「両手持ち」はナイトですぐに習得できるアビリティ(累積ABP90)であることに対し、「二刀流」は忍者のマスターアビリティ(ABP690)であり、FF5においては、これくらいの能力差は、当然と言えば当然である。
さらに、「ぶんしん」についても、渋い活躍をした。このコマンドは、ただ自分に魔法「ブリンク」と同じ効果を与えるだけなのだが、ノーコストであり、他の白魔法を使わないという場合、この「ぶんしん」で十分だ。よって、例えば、低レベル+ひとり攻略で、盾として「フォースシールド」(全属性無効)を装備せざるを得ず、物理回避がお留守…というときに、この「ぶんしん」コマンドをセットして補っていった。低レベルだと、魔法ブリンクの消費MP「6」も馬鹿にならず、リフレク状態を使う場面も多いため、「ぶんしん」コマンドのメリットは大きいのだ。
さて、FF5の分身は、「他のすべての回避手段が抜けられたときに、分身を1つ消費して、攻撃を無効にする」というプレイヤー側有利の仕様であるため、いちど張っておくと、かなり長持ちする。しかも、「ぶんしん」を使うと、分身状態を2つ増やすのだが、残り1つの時に発動すると3つになる(2つの時に使っても3つにはならない。魔法「ブリンク」などを含め、全て同じ)という、これまたプレイヤーにとってはありがたい仕様が存在する。エヌオーの「ディメンションゼロ」など、“100%ではない回避方法を無効にする”という性質を持つ攻撃に対しても、分身は100%なので回避可能だ。そういうわけで、「ぶんしん」は、特に「1人で撃破」系列の物理対策として、なかなか味のある使用法が行えた。渋い活躍をする忍者…つまり
もちろんこの場面では必須だが、それ以外でも活躍する! |
●13 魔獣使い
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「とらえる&はなつ」
習得オートアビリティ:「鞭装備」
習得コマンドアビリティ:「なだめる」「あやつる」「とらえる&はなつ」
入手時期:第1世界/カルナック城
「魔獣使い」は、「とらえる&はなつ」が印象的なジョブだ。まず、「とらえる」で消滅させた敵は、経験値が0になる。よって、このコマンドを使うことで、低レベルクリアーでも普通に敵を倒すことができ、かつ、ABPは0にならないため、無限のアビリティ稼ぎが可能となるのだ。もっとも、ABPについてのメリットは、第1世界の序盤からガルラ祭りが可能となるため、注目されることは少ない。しかし、経験値0のほうは、青魔法の習得を始めとし、要所要所で用いることができた。
そして。とらえたモンスターを解放しつつ技を発動させる「はなつ」のほうも重要だ。まず、ピ版以外のFF5では、ガルキマセラを放つことによる「死の宣告」が、ビッグブリッジでの経験値回避に必須となる(ピ版では、「死の宣告」に経験値を0にする効果が無くなった。また、後のバージョンで経験値0倍の逆ブースト機能が追加されたため、特別な経験値回避手段を用いること自体が不要となった)。その他の場面でも、「はなつ」は、特に攻撃手段として注目されることが多く、最大HP割合ダメージ技(ボス耐性でも無効化されない)を4連発で放って敵を瞬殺したり、超強力な「パワーヒット」で9999ダメージを与えたりすることができる。
ところで。「はなつ」は、ABP0プレイでも使用可能ということで、かなり研究が進んでおり、効率的な使用を突き詰めすぎると、戦法をワンパターン化させかねない。また、モンスターは使い捨てであるため、「特定のモンスターを準備してくる」というのも、なかなか手間が掛かる。そのような理由から、私は積極的な活用はせず、サイドアーム的な運用にとどめていった。すると、「アルマゲスト」や「タイダルウエイブ」のように敵専用技を味方側が使えたり、“敵自身のパラメーターで技を使用する”ということでST異常魔法の命中率が高くなったりといった感じで、なかなかバトルに彩りを与えてくれたように思える。あとは、「はなつ」の使用時は、必ず該当モンスターが画面に現れるため、絵面を盛り上げてくれるのも嬉しい。
加えて。魔獣使いは、「とらえる&はなつ」以外にも使用法がある。まず、オートアビリティの「鞭装備」について、鞭は「ファイアビュート」が、ゾンビビュートという唯一無二の作戦に使われた。また、素早さ+3という、第3世界の攻略途中においては、高い補正を持っている。そのため、他ジョブに「鞭装備」の1枠を割いてまで、装備していきたいということがあった。
また、「なだめる」については、GBA版にはバグがあり、「魔獣」以外の種族の敵に、必中の「ストップ」を掛ける。この特性から、オメガ改やエヌオー(第1形態)をなだめて行動を停止させる、という奇妙なバトルが展開された。オメガ様は、音波カテゴリを弱点としているため、「愛の歌」のほうも必中となるが、それよりエフェクトが短く、繰り返し使用する際に好ましい…という魅力もある。
さらに、「あやつる」についても、敵を操作して思いのままに行動させられるという内容であり、操作系の常として、敵が単体なら操作に成功した瞬間に勝利が確定する。しかし、単純に火力源にするよりは、時間を作ってアイテム稼ぎやキャラ強化を行ったり、「じばく」「ゆうごう」といった自殺技を使って敵を撃破する、または「ホワイトウインド」などの青魔法取得に役立てる…という使い方が多かった。まあ、FF5では、ターンが回ってきたキャラの行動をスキップできず、操ったモンスターについては「ぼうぎょ」も無いため、必ず何らかの攻撃を行わなければならない(例えば、打撃しか持たない敵1体を操った場合、「バッツ側を殴って被害をもたらす」か「モンスター自身を攻撃してあやつる状態を解除する」のどちらかを選ぶ必要がある)。さらに、基本の命中率は40%、「ヒュプノクラウン」を装備しても75%で、確実性が無いこと、その他にも、ボスに効くのはピュロボロスくらい(まあ、一発で倒せてしまうのと同じなので当たり前だが…)など、使いづらい点も多いが、型にハマれば効果は抜群というアビリティであった。
ごめん、風水士「ジョブ」の戦闘シーンが見つけられなかった… |
●14 風水士
ジョブ特性:「落とし穴回避」「ダメージ床」
ジョブコマンド:「ちけい」
習得オートアビリティ:「落とし穴回避」「ダメージ床」
習得コマンドアビリティ:「ちけい」
入手時期:第1世界/カルナック城
風水は、建造物の場所や方角から、その運命を占うものである。占いなんて…というところだが、古代中国では、魔術的な力を持つものとして、まことしやかに信じられていたそうである。“話術によって人を安心させる”という意味では、無下に切り捨てるのも不適切だろう。
それはそうと、FF5の「風水士」は、「ちけい」の一発屋である。「ちけい」は、バトルする場所の地形(背景)によって、特定の技が発動するというものであり、同じ地形の中では、レベルによって技の種類・範囲・発動率が決まり、最大4種類からランダムとなる。低レベルクリアーでは、わざわざレベルドーピングをする場合を除いて、最弱の技が100%発動するという内容になる。この技に利用価値があるか否かで、「ちけい」の運命が決まってくるのだ。
というわけで。私が活躍として覚えているのは、第1世界のガルラ狩りだ。ガルラは、そのまましばらく放置するだけでも、「とうそう(逃走)」を使ってバトルを終了させ、ABP1を落としてくれる。ただ、そもそも経験値0の相手であるため、普通にHPを削って撃破しても良い。そのために、「ちけい」が活躍してくれたのである。平原では、「突風」という風属性の技が発動し、短いエフェクトで、全属性弱点を持つガルラに300強のダメージを与えてくれる。これを2発当てると、HP500のガルラを倒せるため、放置よりもABPの稼ぎ効率が良くなるのだ。恐らくこれが、本プレイで「ちけい」が活躍した最大の…いや、唯一の場面であろう。ちなみに、海辺のほうに行くと、バトル背景が海岸に変わってしまい、発動技も無属性の「津波」(水属性を持たない)となって、効率が下がってしまう。ダメージもたった150程度の、津波とは名ばかりの水鉄砲である。
ちなみに。「ちけい」は、僅かABP25で覚えられる。使用はノーコストであり、ST攻撃が無効になったり、属性技が吸収されたりすることがあるものの、「よげん」と違って、味方へダメージを与える技は無い。よって、通常プレイでも、とりあえず「ちけい」だけ覚えておけば、魔道士系の通常攻撃として役に立つ。それが、低レベルプレイでは、ガルラ戦への攻撃手段という、超ピンポイントな用途で発揮されたのだ。
ちなみに。「落とし穴回避」と「ダメージ床」については、特性アビリティであり、すっぴん&ものまね師に引き継がれる。通常、両者とも、探索で役立つ内容だが、「ダメージ床」については、わざと踏んで全員HP1になりたいという場面も無くはない(FF5では、マップ上のダメージ床でのHP減少は1まで)。よって、僅かABP175でマスターしてしまう風水士が、攻略上の障害となることも考えうる。
もっとも、瀕死キャラを作りたい場合、私は、もっぱら「いばらの冠」によるスリップダメージを利用していた。そして、もしダメージ床でHPを1にしたい場合にも、すっぴん&ものまね師&風水士以外にジョブチェンジをしてからピラミッド訪問をするという手もあったため、特に問題とはならなかった。
「吟遊詩人の」戦闘シーンはここだけ?
「うたう」はよく使ったのだが… |
●15 吟遊詩人
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「うたう」
習得オートアビリティ:「竪琴装備」
習得コマンドアビリティ:「かくれる&あらわれる」「うたう」
入手時期:第1世界/黒チョコボの森
次に紹介するジョブは、「吟遊詩人」である。FF4に登場する「ギルバート」を擬ジョブ化したものであるが、あちらは一本道進行のゲームということで、明らかな弱キャラとして調整されていた(それでも使わなければならない)。一方で、FF5の吟遊詩人は、自由に選べるジョブの一つということもあって、使い方次第で光る性能となっている。ちなみに、スクエニ公式のせいで若い人は知らないと思うが、FF4のギルバートについても、GBA版からの追加要素や、シリーズ内続編では、自由選択可能なキャラとなり、“その中で選ばれる理由が必要になった”ということで、しっかり強化がされている。
まず、吟遊詩人の能力として、低レベルクリアーで最も注目すべきは、もちろん「かくれる&あらわれる」だ。隠れている状態のキャラを戦闘不能にできる手段は、FF5には一切存在しない。これは、「ジャンプ」にも存在しない特性だ(ジャンプは、ピラミッドなどに登場するマシンヘッドの「迎撃ロケット」で撃ち落とされる)。まあ、“生存しているのが隠れているキャラだけ”という条件を満たすと、逃走扱いでバトルが終了してしまう…というのは弱点だが、デメリットと言えるのはそれくらいであり、ボス戦が主体となる低レベルプレイでは、ほとんど関係がない。しかも、ジャンプと異なり、「かくれる&あらわれる」は、自分の好きなタイミングで引っ込んだり出てきたりすることができ、利便性も抜群である。
その一方で、「かくれる&あらわれる」は、それを使うだけで、「安全なターンだけ現れて、その他の時間は隠れている」という戦法が成立してしまう。よって、ゲーム性を制限してしまう恐れがあったうえ、「敵の行動回数を数える」という作業が、私はあまり好きではない。そのため、高難易度バトルでは、「Lv1ひとり(かくれる禁止)」などのように、名指しで封印されることもあった。
また、ジョブコマンドの「うたう」についても、活躍をしてくれた。ゲーム序盤から中盤では、敵全体の行動を封印する「愛の歌(ストップ)」や「誘惑の歌(混乱)」が、ノーコスト・全体対象・高命中率という性質で活躍したが、命中率を持つ技のため、終盤に進むにつれ、当たらないほうが多いくらいになり、出番が無くなっていった。そんな中で、音波カテゴリ弱点のオメガ様&オメガ改様は、「愛の歌」の救世主となった。なだめられたりもしたが。
対する強化系の歌は、特に「英雄の歌」を頻繁に使っていった。やれ、レベル値を強化したいのなら、「ちょうごう:ドラゴンパワー」で良いというところであり、実際そちらのほうが遥かに時間効率が高いのだが、ただまあ、やはりドラゴンパワーは強すぎであり、それだけに頼りがちであった。よって、「英雄の歌」も、バトルのバリエーションを広げるために役立ってくれる。その他、「うたう」ならアイテムを消費しないという魅力もあるため、時間効率を気にしない雑魚戦などでは、「英雄の歌」を使って放置…というプレイをしたこともあった。
その他、吟遊詩人は、ジョブコマンドが「うたう」という特徴もある。「かくれる&あらわれる」ではなく、「うたう」なのだ。これにより、人気の縛りである「低レベル+ABP0」プレイでは、「かくれる」が使用不能という厳しい状況になる。更にABP0の話を続けると、ABP0では「ちょうごう」も使用不可(薬師はのジョブコマンドは「のむ」)なため、レベルドーピング手段としても、「うたう」に注目される場面が増える。このような環境の中で、私のプレイでは、神竜改の「低レベル+ABP0状態で撃破」というやり込みプレイに、吟遊詩人×2名が参戦し、ゾンビ状態で「英雄の歌」と「素早さの歌」を使っていった。うん、ABP0というのも、ただ低レベルプレイを後ろ向きにしただけのやり込みじゃないな。次にFF5をやる機会があったら、ボスごとの縛りとして、「ABP0状態で撃破」という戦い方を加えてみることにしよう…。
なぜ4人いるのにピラミッドなのか…なぜ狩人を使ったのか…謎 |
●16 狩人
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「ねらう」
習得オートアビリティ:「弓矢装備」
習得コマンドアビリティ:「どうぶつ」「ねらう」「みだれうち」
入手時期:第1世界/黒チョコボの森
お次のジョブは、「狩人」だ。ご存じ、「みだれうち」という物理攻撃の最終奥義が存在するため、それだけで価値がある。その内容は、1発あたりのダメージを半分にして4連続の攻撃を行う(「二刀流」と組み合わせると8回)というものであり、それだけで常時2.0倍の火力を持つが、さらに回避率と防御力を無視するという凶悪すぎるおまけが付いている。
やれ、同じく物理強化として著名な「魔法剣」との組み合わせを考えた場合、「ねらう」や「剣の舞」を攻撃手段として採用すると、あっという間に9999の壁に達してしまう。その点、「みだれうち」は1発あたりの火力を半分にするので、カウンターストップの影響を小さくできる。
最後に、「みだれうち」だと、武器の持つ追加効果は発動しないが、これすら「チキンナイフのデメリットを封印できる」というメリット効果として捉えることが可能だ。以上、「両手持ち」が物理強化の第1歩であるのなら、「みだれうち」はその到達点であると言える。
が、狩人は、「みだれうち」が強すぎるためか、その他の点は空気である。「ねらう」については、FF4だと、ローザが弓矢を使う場合の必須アビリティであり、FF5でも弱いということはないのだが、わざわざアビリティ1枠を消費するほどかと言われると、そこまででもないというのが実際のところだ。GBA版では、「みだれうち」への対策を持つ敵が出てくる(専用カウンター、ダミーターゲットの存在など)が、そういった敵への対策として「ねらう」が使われるかというと、そういうこともなく、飛竜の槍
二刀流ジャンプが採用されることが多かった。「ねらう」だと、前述した9999の壁や、チキンナイフのデメリット効果が発動する…という問題点も大きい。まあ、同じ狩人ジョブで習得できるということで、「ねらう」の強化版が「みだれうち」ということなのかもしれない。一発一発しっかり狙うより、数をばらまくのが一番ということなのかも…。
ちなみに、その他のアビリティについては、「弓矢装備」は、伝説の12武器である「アルテミスの弓」が、両手を占有する代わりに、素早さ+3という高めの補正を得られるため、それ目当てで、第3世界の攻略中には声が掛かることもあった。ちなみに、攻撃手段としての弓矢は、「エイビスキラー(エイビス特効)」や「はやての弓矢(25%でみだれうち)」といったラインナップは、使えそうで使えなかった。代わりに、ST付与手段としては、「キラーボウ」が、第1世界終盤という早めタイミングで手に入り、アンデッドも消滅させられる一撃死系統の即死を発動させられるため、入手直後のキマイラブレイン戦(【第8話】)を皮切りに、ストーリー中のボス戦で、何度か活躍をしてくれている。ただし、武器さえ持てればなんとかなるため、全て、狩人ではなく、すっぴんでの使用となった。
最後に、「どうぶつ」については、オメガ改との戦いでネタとして用いてみた(【第35話】)が、まさにネタという感じの扱いにしかならなかった。なお、レナは、ギルガメッシュから「動物を愛する心を忘れるな!」と言われているが、これは残念ながら、忘れてしまったということであろう…。
「ジャンプ」が、攻撃手段としても、回避手段としても、活躍した! |
●17 竜騎士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「ジャンプ」
習得オートアビリティ:「槍装備」
習得コマンドアビリティ:「ジャンプ」「竜剣」
入手時期:第1世界/ロンカ遺跡
続いては、第1世界終盤のロンカ遺跡の攻略完了で入手できるジョブたちだ。なお、ガラフの一時離脱と同時に、これらのジョブが解禁されるため、ガラフが使えるのは、第2世界からということになる。その第1手は、“ガリ”こと「竜騎士」である。今回プレイで大活躍をしたジョブだ。
竜騎士の特徴は、何と言っても「ジャンプ」だ。FF5での効果は、いつも通りの、「まず飛び上がり、一定時間後に落下して、敵にダメージを与える」というものだ。何故、こんな説明をわざわざ行わなければならないのかと言うと、とある世界線に、攻撃回避能力を持たないうえ、イベント取得の「タネ大砲」の完全下位互換となっている、情けないジャンプがあるからだ。
さて、FF5のジャンプでは、飛び上がっている間は無敵となる。一応、「迎撃ロケット」という例外はあるにはあるが、使う敵がマシンヘッドというピラミッドの雑魚敵のみであるため、気にする必要は無い。完全無敵という性質は、「かくれる&あらわれる」と同じであるが、ただ、あちらは強すぎてチート感が有ったことに対し、ジャンプは「空中に居る間しか回避ができない」「落ちてきたあと、再びゲージを溜めるまでは無防備になる」と、欠点が目立つ。だからこそ、運用によって光るというものだ。そういうわけで、超強敵とのバトルにおいて、「かくれる」を禁止することは多かったが、「ジャンプ」については、むしろ戦略性を上げるということで、積極的に用いていった。その到達点が、「神竜改:ABP0状態で撃破」での採用である(【第37話:そのB】)。
さらに。ジャンプは、攻撃回避手段として役立つだけでなく、落ちてきた際の攻撃も強力である。専ら使われたのは、「飛竜の槍」とコンボするパターンだ。まず槍という時点で、「ジャンプ」によるダメージ上昇率が、1.5倍ではなく2.0倍に変化する。また、飛竜の槍は、竜特効の効果を持つ(ダメージ2倍&防御力無視)のだが、竜タイプについては、「ちょうごう:竜の口付け」で強制的に付与できる。さらに、「二刀流」と組み合わせ、飛竜の槍×2本を装備していった場合は、ジャンプによる落下攻撃も2連撃になる。これらの性質と、レベルドーピングを組み合わせることにより、プロテス状態を突き破って19998ダメージを与えるようなことも可能となる。
というわけで。エヌオーなど、「みだれうち」対策を持ち、明確な弱点も持たないような強敵に対しては、この「飛竜の槍
二刀流ジャンプ」が、最後の攻撃手段として、活躍をしていった。やれ、「飛竜の槍」は、自由に手に入るのが次元の狭間のラストフロアということで、オリジナル版では神竜くらいしかその力を活かせる相手が居なかった。だが、GBA版の追加要素により、活躍できる場面が大幅に増えたと言える。追加要素って…やっぱ良いな…!
なお、その他の竜騎士のアビリティについては、「槍装備」は、上記の通り「飛竜の槍」が強力であり、ものまね師はデフォルトでは槍を装備できないため、アビリティ1枠を割いてまで、槍を装備していく機会もあった。
一方の「竜剣」については、通常プレイならば、魔道士系に付けることで、MPを回復しつつ攻撃が可能と、そこそこの性能になる。ただまあ、これは通常プレイではないので、残念ながら、全く活躍する場面が無かった。青魔法をラーニングできる…そんな性質、ありません!
誉れは第1世界で死にました! |
●18 侍
ジョブ特性:「白刃取り」
ジョブコマンド:「銭投げ」
習得オートアビリティ:「白刃取り」「刀装備」
習得コマンドアビリティ:「みねうち」「ぜになげ」「いあいぬき」
入手時期:第1世界/ロンカ遺跡
続いては、戦い方が議論されることの多い、お侍さまである。
今回プレイで活躍したのは、まず「白刃取り」である。物理攻撃を25%の確率で回避するというものであり、すっぴん&ものまね師に引き継ぐと、常に打撃の命中率が0.75倍になる。デメリットも無く、ずっと活躍してくれた。ちなみに、バーサーカーに付けて意味のある、数少ないアビリティの一つだ。
また、侍は「刀」を装備できる。刀カテゴリの中には、あの「まさむね」が存在するため、それを装備するためだけに「刀装備」を付けていく…という状況が散見された。すっぴんはデフォルトで「まさむね」を装備できるため、「刀装備」を使っていくのは、ものまね師だ。やれ、たった1手を取るためだけに、武器欄とアビリティ1枠を埋めていく…それくらい、さきがけ能力というのは重要なのだ。
その他、「ぜになげ」については、通常プレイではバランスブレイカーとされることもある。ギルを消費し、かつ、物理防御の高い敵には無効化されるという欠点があるものの、侍ジョブの入手直後に戦う「ピュロボロス」などは、Lv1でも必ず一撃必殺が可能であり、攻略のカナメとなりうる。もっとも、今回プレイでは、ネオエクスデスの瞬殺に使ったり、テーマ性を重視して「亡者の巣窟」でのピュロボロス戦に使ったりと、限定的な利用に留まった。まあ、銭投げの魅力は、無属性の強力な全体攻撃という点であり、エフェクトの短さからポイポイ使っていけるということでもある。よって、低レベルプレイのように、“ボスごとに特化していく方針”であれば、そこまで飛び抜けた攻撃ではないとも言えるのだ。
ちなみに、その他のアビリティについては、まず「みねうち」については、相手を麻痺させる効果があるようだが、GBA版の時点ではバグによって機能しておらず、通常攻撃と同じである。まあ、逆刃刀だろうと、鉄の棒で本気で殴ったら、人は死ぬということだろう。
また、「いあいぬき」については、敵全体を確率で即死させる(判定は敵ごとに行われる)というものであり、長めの溜めを要求されるが、「ものまね」を使うと、溜め時間を踏み倒して、即死の全体切りだけを真似できるということで、亡者の巣窟でのクリスタル(封印されしもの)戦で採用されそうになった。しかし、実際のバトルで使用されたのは、即死攻撃の王である「魔法のランプ版オーディン」であった。というわけで、渾身の抜刀攻撃も使われることが無かった。つまり、私の侍は、魔法の刀で敵より先に行動し、そして、白刃取りで打撃を受け止めまくっていただけである。お侍さまの戦い方じゃない…。
家族に対する医療行為は、無資格で誰でもやって良い。お前も家族だ |
●19 薬師
ジョブ特性:「薬の知識」
ジョブコマンド:「のむ」
習得オートアビリティ:「薬の知識」
習得コマンドアビリティ:「ちょうごう」「のむ」「ちゆ」「そせい」
入手時期:第1世界/ロンカ遺跡
続いては、最強コマンド:「ちょうごう」を覚えられる薬師が登場だ。とにかく、その汎用性は圧倒的であり、有ると無いとでは、全くサポート能力が異なる。「ドラゴンパワー」によるレベルドーピングはもちろんとし、「ヘイストドリンク」によるヘイスト、「ドラゴンアーマー」によるリフレクといった強化ステータスの付与、「バッカスの酒」や「暗黒の吐息」で敵にST異常を掛けたり、「亀の甲羅割り」や「ダークエーテル」で少し変わった弱体化を行ったり、「ドラゴンシールド」による3属性耐性や「エレメンタルパワー」による属性強化、「竜の口付け」による竜タイプ&ボス耐性の付与、「デスポーション」による必中&即時発動の即死、「ポーション」「エーテル」「フェニックスの尾」などの単体アイテムと同内容の技、そして直接攻撃は苦手だが、それすら「シャドーフレア」や「ドレインキッス」でこなせる。もう、有用技の枚挙に暇が無いという感じであり、「低レベル+1人」系統の条件では、絶対に必要なコマンドであった。
が、最強コマンドの「ちょうごう」が強すぎるためか、その他のものは微妙である。
まず、「のむ」については、基本的に「ちょうごう」の下位アビリティである。「力の薬」という、“攻撃力を直接的に上昇させる”という効果を持ったアイテムは「のむ」のオリジナルだが、バグにより、GBA版では「ゴブリンパンチ」の威力にしか影響が無いらしい。なお、ジョブコマンドは「のむ」のため、ABP0プレイでは、「ちょうごう」が使えないという苦しすぎる事態になっている。やれ、「ちょうごう」は、アイテムを2つ選んで、次に対象を選ぶという流れが、完全にブラックボックスであり、それこそ薬の知識が無ければ、全く有効活用ができない。いっぽうの、「のむ」は、自分自身しか対象にできず、5種類のアイテムしか使用できないものの、効果が単純で必ず自己強化となり、しかも対象アイテムは全て110ギルで店売りされていて、大量調達が容易だ。というわけで、「のむ」は初心者向け、「ちょうごう」は上級者向けとして、ちゃんと棲み分けできているのだ。インターネット時代となって、上級者が増えすぎただけのことである。
そして、「ちゆ」「そせい」は、それぞれ「全員のST異常を回復する」「全員の戦闘不能を回復する」という、使えそうで、意外と使い所に困る効果であり、それぞれ、ごく僅かな戦いでしか用いられなかった。
最後に、オートアビリティの「薬の知識」は、アイテムの回復量を2倍にする(「ちょうごう」を含む)という効果であり、終盤戦では常時適用されていたはずだが、低レベルプレイではHPもMPも低いため、あまり嬉しさが無い。
余談として、SFC版限定だが、エンディングで確定フリーズを起こす「薬師バグ」なんてものも存在する(【FF辞典の記事】)。やれ、狩人の「みだれうち」と同様、薬師も、「ちょうごう」だけのジョブという感じであった…。
最強ジョブの「ものまね師」に、最強防具の「リボン」を装備させられる |
●20 踊り子
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「おどる」
習得オートアビリティ:「リボン装備」
習得コマンドアビリティ:「いろめ」「おどる」
入手時期:第1世界/ロンカ遺跡
次は、「踊り子」である。ネタジョブと見せかけて、使える特性が揃っている。
まずは、ジョブコマンドの「おどる」だ。4種類の技が等確率で発動するが、「ラミアのティアラ」などを装備することにより、4倍撃の「剣の舞」の発動率だけが2倍の50%となる。よって、期待値は「たたかう」などを選んだ場合の2倍であり、これは0.5倍撃×4回の「みだれうち」と同じだ。ジョブマスターが必要なあちらと異なり、「おどる」はたった75ABPで習得できる。そのため、第2世界の終盤、例えばアトモスやギルガメといったボスたちの戦いで用いていった。しかしながら、高火力な単発攻撃ということで、9999の壁に阻まれることが多く、ラストに近付くにつれ、出番は減っていった。
また、「リボン装備」も、需要が大きかった。「リボン」の内容は、各種のST異常耐性(完全耐性ではない)に全パラメーター+5と強力だが、デフォルトでは、すっぴんと踊り子しか装備できない。よって、ものまね師を使う場合は、「リボン装備」が必要だ。なに、ものまね師の3枠のうち、1つを「リボン装備」で埋めた場合、2枠を持つすっぴんと変わらないではないか…と言いたいところだが、ものまね師がデフォで持つ「ものまね」を活用する場合は、1枠を消費したとしても、なおすっぴんよりも利便性が高いと言える。その他、「リボン装備」は、リボンだけではなく、“リボン系”という装備を示しているということらしく、特に需要が大きいのは「マンイーター」だ。全パラメーターを+2するということで、リボンのおまけで手に持てるのは嬉しすぎる。
ちなみに、残ったアビリティの「いろめ」については、敵に“色目状態”という特殊なステータスを掛け、1回休みの状態にする。ただし、ボス耐性で防がれるということで、私のプレイでは、使った覚えがない。私はロリコンではないですが、色目を使われるならクルルちゃんがいいです(聞いてない)。
三種の神器「ごうせい」を持つ神職業 |
●21 砲撃士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「ほうげき」
習得オートアビリティ:「EXPアップ」
習得コマンドアビリティ:「ほうげき」「ごうせい」
入手時期:第3世界/封印の神殿(伝説の12武器をコンプリートした後)
さあ、ここからは、GBA版の追加ジョブだ。解禁場所は「封印の神殿」だが、本編クリアは必要なく、伝説の12武器を集めていれば良い。逆に、先回りしてネオエクスデスを倒しても、12武器を集めきるまで、追加ジョブは入手できず、封印の神殿も探索できない。というわけで、そんなジョブたちから、まずは、大砲を使って戦う「砲撃士」が登場だ。
さて、砲撃士の強みは、なんといっても「ごうせい」である。砲弾アイテム+他の素材を消費して発動する攻撃技であり、高火力と強力な追加効果を併せ持つ。とりわけ、ST異常系統については、「75%」という固定確率で効果が発動する。必中でないものの、「レベル差」「魔法回避率」の2つを無視できる。「魔法回避率」は、他の方式だと必ず影響を受けてしまううえに、終盤の敵は、「90」などとメチャクチャな値になっていることが多い。そういうわけで、オメガ&神竜への「スロウ」など、「ごうせい」の存在により、初めて実用的にST異常を決められるようになったというバトルも多い。
さらに、「ごうせい」は、攻撃手段としても強力であり、全体に固定3000ダメージの「ニードルキャノン」が、通常攻撃間隔で使えるほか、1000ダメージの「ニードルショット」、2000ダメージの「ニードルバースト」と組み合わせて、HP調整に使うことができた。その他の技も、レベルドーピングと組み合わせることで強力となり、使う技が「ドラゴンキャノン」であれば、「ちょうごう:竜の口付け」とコンボできるため、もはや元々の弱点が何であるかすら関係ない。さすがに、「みだれうち」や「飛竜の槍
二刀流ジャンプ」「強化魔法リフレク反射」などの最強攻撃手段には劣るが、多数のお膳立てを要求するそれらに対し、「ごうせい」は、アビリティ枠ひとつで機能するため、取り回しが大変よいと言える。
しかしながら、その他の能力については、極めて地味である。
まず、「ほうげき」は、小型版の「ごうせい」と言える能力であり、ノーコストで中〜高ダメージ+ST異常の効果を持つ。実は「ごうせい」は砲撃士のマスターアビリティであり、ジョブコマンドではないため、合計500ABPが必要だ。ただまあ、そのABP稼ぎを始めとし、「素材アイテムを消費する」「コマンド選択の手間が掛かる」「有効活用するために知識がいる」という点が、縛りプレイではことごとく無視できる。そのため、「ほうげき」は、「ごうせい」の下位となり、遊び目的でしか使われなくなってしまった。しかし、通常プレイならば、便利な技のはずだ。
あ、「EXPアップ」は、低レベルクリアーにおいては害悪アビリティのため、「1回の戦闘での最大レベルアップを検証する」というおまけ企画で使われただけでした(【YouTube】)。本当に良かった、これがすっぴん&ものまね師に引き継がれなくて…。
謎の仮面男(F内失) |
●22 剣闘士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「ひっさつ」
習得オートアビリティ:「てきよせ」「後列斬り」
習得コマンドアビリティ:「ひっさつ」「ぜんぎり」
入手時期:第3世界/封印の神殿(伝説の12武器をコンプリートした後)
特記:力1位(同値1位が「モンク」だが、カウンターの暴発を防ぐためにマスターしていない)
続いてのGBA版追加ジョブは、「剣闘士」だ。様々なアビリティを持つだけでなく、多様な武器種を装備でき、例えばナイト(とすっぴん)専用だった「騎士剣」カテゴリの、エクスカリバー・ラグナロク・ブレイブブレイドなどを装備できる点は大きい。地味に槍を装備できるので、「飛竜の槍」を持たせてみるのも面白いだろう。しかし、仮面を被った姿になり、かわいいキャラたちのお顔が拝めなくなるという点は、強烈なデメリットである。
さて、低レベルクリアーにおいて、最も役立ちうるのは、「ひっさつ」だろう。それで「エレメントアタック」が発動した場合、属性で防がれる場合を除いて、固定で9999ダメージを与えられる。しかも、剣闘士ジョブランクの成長によって発動率が上昇し、最大で50%にも達するということで、ダメージ期待値は4999.5だ。いかにも必殺の打撃という技であるが、条件はコマンドを選択するだけであるため、小人でも良いし、何なら素手でもOKだ。
というわけで、強すぎる…のだが、実際のプレイでは、そこまで乱用されることは無かった。理由は、確実性が無いからだ。私の今回プレイでは、FF10のCTBのように、決まった行動でパターンを作っていくことが多い。よって、不確実な「ひっさつ」は、敬遠されることが多かったのである。これほどの強力な攻撃ですら、バランスブレイカーとならないところに、FF5の面白さを感じるものだ。
その他のアビリティについて、「てきよせ」は、エンカウント率が激増するというものであり、各種の稼ぎプレイで役に立つ。ただし、一つ下で触れる「てきよけ」と比べると、そこまで役に立ってくれる場面は無かった。
そして。「後列斬り」は、低レベルプレイでは前列も後列も大差ないが、戦士系の被ダメージを自動的に半分にするものと考えれば、非常に強力だろう。「ぜんぎり」については、3/4の火力で敵全員を攻撃するというものであり、もっぱら「魔法剣ブレイク」とのコンボで使われた。次元の間:ラストフロアでの稼ぎに使ったり、ネクロフォビアのバリアを全滅させる際に使用をしたりした。
結果的に、剣闘士は、低レベルクリアーにおいて、そこそこの活躍に留まった。まあ、「エレメントアタック」がバランスを壊しまくるよりマシであろう。
初見だと自爆専用ジョブ、使いこなせれば強ジョブ |
●23 予言士
ジョブ特性:(なし)
ジョブコマンド:「せんこく」
習得オートアビリティ:「ABPアップ」「てきよけ」
習得コマンドアビリティ:「せんこく」「よげん」
入手時期:第3世界/封印の神殿(伝説の12武器をコンプリートした後)
特記:魔力1位(追加要素の無いバージョンでは、召喚士が1位)
「伝説の12武器コンプリート後」のタイミングで手に入る最後のジョブは、超級者向けの「予言士」だ。
このジョブの持ち味は、何と言っても「よげん」である。「術者のMP下1桁で技の種類が」「効果対象のHP下1桁で効果の大きさが」それぞれ決まり、「それが時間差で発動する」という癖まみれの性能である。しかも、技のラインナップには、味方も被害を受ける技が多く、あろうことかバッツたちのみを攻撃する凶悪技まで存在するため、通常プレイでは激烈に使いづらい。ちなみに、「HP・MPによって性能が決まる」という説明は、作中に存在しない。もはや、1〜2回使って、恐ろしい性能の低さに、永久封印されるレベルだろう。予言士ジョブ自体も、盾すら装備できず、とても弱い…。
ただし、低レベルプレイでも、とりわけ穿ったプレイをする私のような方針だと、その様々な性能が役立ってくる。例えば、最強技の「天地崩壊」は、敵のみに攻撃する技であり、最大で約8000のダメージを与えられる。「よげん」は、MPを消費するため、通常は同じ技だけを使い続けることは不可能だが、「ものまね」を使えば、その問題点を克服できる(「ものまね」は、発動技ではなく、予言行為自体をモノマネする。よって、「何らかの技」→「天地崩壊」と発動するようにすれば良い)。特に「かくれる&あらわれる」はモノマネの対象とならないので、「よげん:天地崩壊」を準備し、「かくれる」で避難して、安全なタイミングだけ「あらわれる」で「天地崩壊」を予言する…というコンボは、鉄板すぎて、むしろ使用が敬遠されるくらいであった。
その他、「よげん」の特殊な使い方として、「敵味方全体攻撃を使って、1人だけが属性無効をすることで、狙ったキャラだけを生き残らせる(【第29話:そのA】)」「予言技発動までの時間を、敵行動回数の計測に利用する(【第35話:新-2】)」「時間差で効果が発動することを使い、『ジャンプ』の最中に技を当て、敵のファイナルアタックを回避する(【第37話:そのD】)」などなど、様々な使用法ができた。このような使い方をしている私は、もはや超級者になってしまったのかもしれない…。
さて。予言士のアビリティは、「よげん」以外は、通常プレイでも使いやすい。まず、「てきよけ」については、アビリティの組み合わせを変えるたびに装備がリセットされる…というFF5の仕様が気になるものの、エンカウント率が激減するため、次元の狭間や封印の神殿といった、だだっ広いダンジョンを移動するのが快適になる。「エンカウントなし」と大差ない…というか、もはや「エンカウントなし」で良かったのではないか。
また、「ABPアップ」については、獲得ABPが1.5倍となるため、こちらについては、低レベルプレイでも使っていった。効果発動にアビリティ1枠を要求し、ジョブ育成に使うという都合上、(ものまね師を除いて、)全くアビリティ編成の自由が効かなくなってしまう。よって、必ず使えるというわけではないものの、稼ぎ効率を上げるために、使える時は積極的に適用していった。
また、予言士は、魔力パラメーターが1位のため、マスターすることで、すっぴん&ものまね師に高MPを引き継げる。今回プレイでも、MPについては、1ポイント単位で魔法が唱えられるかどうかが決まってくるため、素早くマスターして、その能力を利用させていただいた。
そして、意外な活躍をしてくれたのが、「せんこく」だ。有名な「死の宣告」のように、時間差で発動する効果を、相手に付与する…というものだが、効果が低く、しかもボス耐性でまとめて防がれるため、使い所を見つけるのが難しかった。ただ、最後の「亡者の巣窟」では、「多くの敵との連戦になる」「『せんこく』は、時間こそ必要だが、効果の発動自体は必中である」という環境を活かし、宣告版「死の宣告」(青魔法版とは効果が異なり、消費MPが0で、かつ、カウントダウン5=70バトルカウントと、素早く発動する)で、次から次へと、敵を異界送りしていった。思わぬところで役立ってくれるものだ。
やれ、「超級者向けジョブ」という解説は、予言士を入手した際に、私が何気なく書いた説明であった(【第22話】)。だが、それこそまさに、その後の活躍を予言していたと言える。
「最後の最後で、また世界を回れる」というお楽しみ要素として捉えるべきか |
●24 ネクロマンサー
ジョブ特性:「アンデッド」
ジョブコマンド:「あんこく」(Lv5相当)
習得オートアビリティ:「アンデッド」
習得コマンドアビリティ:「めいやく」「あんこく(Lv1〜5)」
入手時期:クリア後/封印の神殿(エヌオー撃破後)
特記事項:「アンデッド」はすっぴん&ものまね師に引き継がれない
GBA版最後の追加ジョブは、「ネクロマンサー」であるが、こいつは残念ながら使えない。
まず、最大の問題は、入手時期の遅さである。他3つの追加ジョブも、「伝説の12武器のコンプリート後」と遅かったが、このネクロマンサーについては、エヌオーの撃破後と、輪を掛けて遅い。普通にゲームを進めて残っているのは、オメガ改と神竜改、そして「亡者の巣窟」くらいである。
また、暗黒魔法こと「あんこく」については、それぞれ新エフェクトで楽しませてくれるものの、リフレク反射不可、「れんぞくま」が乗らない、MP消費が大きめ、などと、低レベルクリアーでは使いづらい点が目立つ。それでも、敵全員を75%の確率で石化させる「ヘルウィンド」なんかは、何とかして使ってみようと頑張ったのだが、謎な理由により、全く石化効果が発動せず、最終的な作戦には残らなかった(【第38話:2-5】)。暗黒魔法については、「該当する敵を倒して習得する」というシステム上、最後の最後という状況になって、再び世界を巡る楽しさを得られる。そういう、遊び要素と考えるべきだろう。
そして、「めいやく」については、もはや全く使い道が無い。4種類のモンスターをランダムで呼び出して、その技を使わせる…というものであるが、最も強いのが、フレアーの「フレア」による約1000ダメージという時点で、もはやどうしようも無い。もし、第1世界で手に入ったりしたら、一時的に使えたかもしれない…という程度の性能だ。こんなモンスターとしか盟約を結べなかったという時点で、ネクロマンサーの能力は推して知るべきだ。
ただし。オートアビリティの「アンデッド」は、なかなか使える。その理由は、無属性全体攻撃の「ゾンビブレス」を防げる、数少ない手段の一つだからだ。その特性を活かして、神竜改との戦いに、「アンデッド」のアビリティが起用されていたりする。“アンデッド特性”であれば、「ボーンメイル」で容易に得られるため、やはり、「ゾンビブレスをノーダメージで防御できる」という点に注目していくべきだろう。やれ、ネクロマンサーというジョブ自体は、何がやりたいのか不明なのであるが、この「アンデッド」については、逆にやりたいことが明確すぎであり、その部分が、最大級の強敵との戦いで役立ってくれた。
特に武器攻撃に関しては、ものまね師は力不足なので、すっぴんの役目 |
●25 すっぴん
ジョブ特性:マスターした他ジョブの特性を引き継ぐ
ジョブコマンド:なし(「たたかう」と「アイテム」で、自由枠2つ)
習得オートアビリティ:なし
習得コマンドアビリティ:なし
入手時期:初期から入手済
特記:マスターした他ジョブのパラメーターのうち、最も高いものが適用される。全ての装備品を装備できる
ラストは、「マスターした他ジョブの特性とパラメーターを引き継ぐ」という特性を持った、2つの特殊なジョブである。まずは「すっぴん」からだ。ちなみに、すっぴん(素嬪)とは、通常、「化粧をしていない女性」のことを示す。私はガサツ男だから全く分からないのだが、どうも、「成人女性は化粧をしないと失礼」という世界観があるのだとか…。
さて。すっぴんについては、通常、最終的に最強となるジョブとされている。すっぴん自体は何のアビリティも取得できず、初期アビリティも「たたかう」と「アイテム」だけだ。代わりに、全ての武器・防具・アクセサリを装備でき、かつ、マスターした他ジョブのパラメーターとジョブ特性を引き継ぐ。通常の他ジョブだと1個しか無い自由アビリティ枠を2つ持っているため、自分が最も強いと思うアビリティをセットできる。FF5では、マスターしたジョブに「★★★」のマークが付くが、すっぴんに星印を付けるためには、他のジョブ(ものまね師を含む)を全てマスターする必要がある。このことからも、すっぴんが最終的な完成形として考えられていることは間違いないであろう。
しかしながら、私の低レベルプレイでは、2番手という扱いになることが多かった。理由は、「ものまね師」が便利すぎるからである。その詳しい説明は、ものまね師の解説に譲るとして、結果として、すっぴんを使うのは、「装備を自由に使いたい場合」というのが多かった。「まさむね」「飛竜の槍」「アポロンのハープ」「リボン」など、ものまね師がサポートアビリティの力を借りなければ扱えない物を、すっぴんだとそのまま装備できるというのは、大きな魅力である。また、「ABP獲得が無意味になる」というデメリットは、通常プレイだと心理的に大きいが、低レベルではゲーム進行と稼ぎが分離されているため、問題とならないのだ。
その他の点として、ものまね師が手に入るのは、「第3世界で、3つ目の石板ダンジョンが攻略可能になると同時」と、ゲーム全体を見るとなかなか終盤である。そのため、それまでは、装備品や取得アビリティの能力を活かすジョブとして、すっぴんが選択されることも多かった。
ところで。固定コマンドの「たたかう」「アイテム」について、まず「アイテム」は、「戦闘中の装備交換ができる」「『魔法のランプ』を使える」ということを除けば、まあ「ちょうごう」の下位互換である。私は、戦闘中の装備交換について、コマンド入力が複雑になることを嫌って、ほとんど使用をしなかった。そのため、「魔法のランプを使える」が、「アイテム」の唯一と言えるメリットだった。調合で『無』と組み合わせる、とかは駄目なのか。
そして「たたかう」は、そういうピンポイントなメリットすら存在しない弱コマンドであり、とりわけ必中ではないということが痛く、本プレイでは全くと言って良いほど選択しなかった。これらに2つに枠を埋められ、ものまね師の実質4枠に対し、コマンド選択の幅が少ないというのが、すっぴんのデメリットだ。“すっぴん”もいいけど、やはり多少は何かをジャンクションしたほうが強いということだな…。
「ものまね」が、性能面はもちろん、魅せプレイに最適! |
●26 ものまね師
ジョブ特性:マスターした他ジョブの特性を引き継ぐ
ジョブコマンド:「ものまね」(他、自由枠3つ)
習得オートアビリティ:なし
習得コマンドアビリティ:「ものまね」
入手時期:第3世界/沈んだウォルスの塔
特記:マスターした他ジョブのパラメーターのうち、最も高いものが適用される。全ての装備品を装備できるわけではない(すっぴんに★を付けても同じ)。
最後に紹介するのは、本プレイで最強ジョブとなった、「ものまね師」である。
まず、ものまね師については、すっぴんと同じく、マスターした他ジョブの「ジョブ特性」と「パラメーター」を引き継ぐ。一方で、「全ての装備品を装備できる」という能力については、モノマネできておらず、基本的には魔法使い系の装備品しか装備ができない。そして、コマンドについては、「ものまね」のみが固定であり、その他、3つの自由枠が存在する。
さて、では、なぜこの「ものまね師」が、すっぴんよりも活躍したのか言うと、それは、実質的に、有用アビリティを4つ装備できるからだ。埋まっている一つの枠である「ものまね」は、本プレイにおける超強力コマンドであって、枠潰しなんてとんでもなく、ものまね自体が有用だ。すっぴんでは、「たたかう」「アイテム」のどちらもあまり役立たないため、事実上の有用枠は2つだが、ものまね師は、「ものまね」自体+自由枠3つで、4つの有用枠が存在すると言えるのだ。
さて、そのコマンドアビリティ:「ものまね」の内容は、「直前に選択したコマンドを真似して発動する」というものであり、MPなどを消費しないというメリットもあるが、FF5にはターン飛ばしが無い(GBA版まで)ため、アドリブ感のある通常プレイでは使いづらい。しかしながら、FF5は、「バッツたちにターンが回ってきた際、バトル時間の進行が止まる」「開幕で溜まるATBゲージのランダム性が無い」という特徴により、必ず狙ったタイミングにターンが回ってくる。よって、あらかじめ計画したうえで「ものまね」を使えば、思い通りの行動を反復できるようになるのだ。私は、基本的に、「パターンを作って敵を完封する」という戦い方でゲームを楽しんできたため、この方針と、FF5の仕様、そして「ものまね」の存在が、相性抜群だったのだ。
やれ、私にとっては、「このATBシステムがあってこそFF5!」という感じなのだが、実はGBA版までの話である。旧スマホ版では、「ターンが回ってきたときの時間停止」が無くなってしまい、パズルを組み立てるような戦略性が消失した(一応、時空魔法の「スピード」を使うと、GBA版までのルールに戻るらしい)。さらに、ピでは、「開幕のATBゲージが固定」という部分もなくなり、結果、ATBシステムまわりが、他のFFと変わらなくなってしまった。PS4&スイッチ版でも同じである。私があれほど楽しんだFF5のATBは、移植時に気に掛けるほどのものでは無かったということだろうか。ただただ、残念である。次の移植時には、コンフィグで、GBA版までのルールに戻せるオプションを搭載しておいてほしい…。
さて。話が逸れてしまったが、ものまね師が、「ものまね」以外で自由枠にセットするアビリティも、これまた多彩である。「ちょうごう」「ごうせい」「あおまほう」は、汎用性と強力さから、「三種の神器」であると思っており、これらを全て同時に使った、バッツ1人でのラスボス戦攻略なんかも存在する(【第29話:そのC】)。また、物理攻撃役になりたいときは、「みだれうち」や「まほうけん」、飛竜の槍を装備したうえでの「ジャンプ」などを使えば良いし、魔法攻撃なら「くろまほう」「れんぞくま」などをセットする。その他、「まもり」「うたう」「よげん」「ぶんしん」なども、バトルによっては使っていった。枠が多いことで、強くなるのはもちろんだが、実用性を度外視した遊び技を入れる余地も増え、その選択も面白かった。
いっぽうで、ものまね師の弱点と言えるのが、装備品を完全に自由には使えないということだ。ただし、武器に関しては、ぶっちぎり最強の「チキンナイフ」を装備できる。そのため、“魔法剣を使った打撃要員”として考えるなら、チキンナイフ側で余裕の9999ダメージが出るため、もう片手はどうでも良い。ただし、「まさむね」「飛竜の槍」「アポロンのハープ」など、更に特殊な強みを持った武器たちは、そのままでは使えないため、それらを戦法の軸として考えるときは、「◯◯装備」のサポートアビリティを適用するか、または、すっぴんの出番となる。
そして、防具に関しては、魔道士系にも関わらず、守りのカナメとなる盾を装備できるため、デフォルトで「源氏の盾」「イージスの盾」「フォースシールド」等を使い分けられる。その他の部位でも、消費MPを半減させる「金の髪飾り」や、特殊な防御能力を持つ「ミラージュベスト」「ボーンメイル」を装備できる。ということで、防具については、「リボン」をそのままでは装備できないということが、実質的な唯一のデメリットであった。前述の通り、ものまね師の有用枠は4つであるため、「リボン装備」を使ったとしても、まだすっぴんより優位に経っているのである。
そんなわけで。FF5では、すっぴんは戦士系最強、ものまね師は魔道士系最強とされることが多い。ただ、“低レベルプレイでは、基本的に魔法優位”という以上に、私のプレイ方針と「ものまね師」は、相性抜群であった。FF5の面白さを支えた、最強にして、最重要のジョブだったと言える。
ちなみに言うと、私は、「コマンド選択の簡潔さ」も、戦略の面白さだと思っており、1回ボタンを押すだけで入力が完了する「ものまね」は、その意味でも好都合だった。亡者の巣窟
4人攻略 / 第2ステージのレナは、「ものまね /
ものまね / ものまね / ものまね」なんて、とんでもないコマンドたったりする…。
[チキンナイフ]
FF6の「バリアントナイフ」と比べても、まだ強力と言える性能 |
というわけで。ジョブを紹介しただけで、「分割更新にしろよ…」という長さになってしまったが、あとがきは続く。次は、装備品について、書いていくことにしよう。まずは、「武器」カテゴリからだ。
◯武器1 / 短剣
●チキンナイフ
言わずと知れた、FF5の最強武器である。第3世界の開幕で、「ブレイブブレイド」との二択で手に入る。あちらも一応、あまり逃げない通常プレイにて、「両手持ち」とのコンボで役立つんですよ!
さて、チキンナイフは、「力と素早さのパラメーターを足して、2で割らない」という感じのバグった計算式を持ち、GBA版追加武器を含めても、ぶっちぎりで最大のダメージを与えられる。基本攻撃力は、逃げた回数によって強化され、最大で127となる。この数値自体は最強ではないが、前述の通りダメージ計算式が壊れているため、ぶっ飛んだ大ダメージを与えられるのだ。
ただし、デメリットとして、攻撃時に25%の確率で、代わりに「とんずら」が発動するデメリットがある(逃げられない戦いだと「逃げられない!」と表示され、何もしない。代わりに攻撃をするわけではない)。これを「みだれうち」で踏み倒すというのが運用の基本であり、その他にも、強化の基本である「両手持ち」は使えない、「まほうけん」による強化は乗る…などと、中級者向けの内容が目立つが、FF5を極めるつもりなら、この火力を生かさない手は無い。ちなみに、「素早さ+5」の補正も派手に強力であり、それだけを目的に装備していくことも多かった。短剣カテゴリなので、ほぼ全てのジョブで使用可能というのも魅力である。チキンナイフの無い戦いは考えられないというくらいに、常に環境に影響を与え続けた武器であった。
●マインゴーシュ
25%の確率で、敵の物理攻撃を受け止める。最速の入手チャンスは、炎上時のカルナック城だが、モンスター入りの宝箱なので、低レベルプレイでは第2世界に入ってからとなる。打撃を受け止めるという汎用的な能力のため、“武器枠が空いていて、素早さも必要ない”という時に使用できる。
ちなみに、「ディフェンダー」や「佐助の刀」も、同様の回避能力を持っていて、当初の私は、「攻撃力が一番低いマインゴーシュに、存在意義はある?」と思っていたが、短剣カテゴリということで、装備可能なジョブの多さが光り、同等の回避武器の中で、最も起用される頻度が高かった。逆に、低レベルプレイでは、物理攻撃力の中途半端な高さこそ、存在意義が薄いというものだ…。
●アサシンダガー
伝説の12武器の一つであり、フォークタワーのミノタウロスに「なげる」と一撃死するという謎仕様が有名だ。
攻撃能力としては、物理攻撃力81と、特に大きく見どころが無いが、短剣カテゴリなので、ものまね師でもそのまま装備ができる。よって、ものまね師が二刀流の「みだれうち」をする際に、片手にチキンナイフを持つと、もう片方がアサシンダガーとなるのだ。そして、最大限のレベルドーピングをし、ガ系魔法の魔法剣で弱点突きをした場合、チキンナイフ側では9999、アサシンダガー側では約7000のダメージを与えられる。アサシンダガー側が酷く低火力に感じてしまう(ダメージ上限が無いとすると、チキンナイフ側で約13000となるので、実際に非力なのだが…)ものの、このセットで4回攻撃をした場合のダメージは68000であり、特殊な形態変化を持っている敵を除けば、必ず一撃でHPを0にできる。
やれ、とてもピンポイントな状況であるように思えるが、原種オメガ戦(【第28話:その@】)など、これが当てはまるバトルは多い。チキンナイフとアサシンダガーでは、後者が遥か格下であるものの、それでも活躍できる場面があったのだ。チキンナイフが圧倒的で、その後は二番手争いが重要となる…FF5の武器環境を象徴する話題である。
●[追] グラディウス
「封印の神殿」で手に入る追加武器である。物理攻撃力が118と高く、聖属性を持っているが、魔法剣で上書き可能なため、アサシンダガーを超える、チキンナイフの新しい相棒として活躍できる。
また、重要なこととして、ものまね師がデフォルトで装備できる短剣で、唯一の「素早さ+2」の補正を持つ。チキンナイフは「+5」だが、それに次ぐものが、これまで「+1」しか無かったのだ。ものまね師が、素早さを1ポイント上げられる…それだけで、戦略が変わってくるバトルも存在するのである。
[飛竜の槍]
GBA版の追加要素のおかげで、活躍できる場面が大幅に増えた! |
◯武器2 /
忍者刀・騎士剣・槍・ハンマー・刀
●[追] 影縫い
これまた、GBA版での追加アイテムである。忍者刀のため、忍者とすっぴんしか装備できないが、片手武器として、チキンナイフに次ぐ「+3」の素早さ補正を持つ。とはいえ、上のほうで述べた通り、本プレイでは、すっぴんに対して、ものまね師の使用頻度が非常に高かったため、あまり出番は無かった。FF6では猛威を振るった(私の初回プレイでの鬼神戦とか…)ストップの追加効果も、「みだれうち」だと無効になってしまうし…。
●ブラッドソード
シリーズお馴染みのHP吸収効果を持つが、それよりも重要なのが、「魔力+5」という大きな補正を持つことである。実は、極限低レベルだと、「ファリスLv4の魔力が63から64に上がった瞬間」しか魔法ダメージが上がらない、という悲しすぎる事態になる(【第7話】)。しかし、レベルドーピングを使えば、その限りではない。杖やロッドすら凌駕する、最強の魔力補正武器である。
しかし、この武器の問題は、「騎士剣」カテゴリであり、すっぴん・剣闘士・ナイトしか装備ができないということだろうか。そのため、せっかく全員両手分の8本を集めたのに、ほとんど使われることは無かった。そりゃあ確かに、全ジョブが同じ装備品を使えたら、個性が無くなってしまうだろうが…。
●飛竜の槍
チキンナイフとは別の方向性を極めた、最強武器の一角である。ラスダン:「次元の狭間」の最深部にならないと入手できない(水晶竜からレア盗み、または次元城ボスのジュラエイビスから同じくレア盗み)が、基本攻撃力が119と高いうえに、竜特効の効果を持ち、ドラゴンタイプのモンスターに対して、「ダメージ2倍+防御力無視」の効果が発動する。さらに、槍であるため、「ジャンプ」による攻撃補正について、1.5倍ではなく2.0倍が適用される。
さて、竜タイプについては、「ちょうごう:竜の口付け」で全ての敵に付与できるため、もともと弱点を持っていない敵に対して有効だ。さらに、狙った敵を確実に攻撃できるため、エヌオーなど、ダミーターゲットで「みだれうち」対策をしている相手に対して、最大効率の攻撃になる。魔法剣で火力を上乗せできないのは残念だが、それでもプロテスを突き破って9999×2を与えるなど、十分すぎる火力を持つ。そういうわけで、あの最強武器のチキンナイフと、火力で棲み分けができているという、恐らく唯一の武器である。
オリジナル版では、ラスダン最深部での入手ということで、せいぜい神竜くらいしか有効に使える相手が居なかった。それが、GBA版の追加要素によって、活躍できる場面が大幅に増えた。この武器自体は何の強化もされていないが、ポテンシャルを発揮できる場面が増加したという意味で、大きな追い風となったのである。
●大地のハンマー
25%の確率で、打撃の代わりに、実質威力135(もともと「90」だが、大地のハンマー自体に地属性強化の能力がある)の「地震」が発動する。第3世界クラスの武器なのだが、何故か第1世界ラストのタイタンからレア盗みができるため、手に入れておけば、第2世界で活躍する。
ということで。頑張って入手しておいて、けっこう使った記憶があるのだが、日誌で振り返ってみると、使用されたのは「ギルガメッシュ戦の不採用となったバトル」「イベントバトルの、エクスデスvsガラフ」のみと、非常に地味であった。
●まさむね
装備者が、必ず初手を取れるようになる。「伝説の12武器」の中でも、最強の呼び声が高い武器であり、本プレイでも要所要所で活躍した。
ただし、よほどの場合を除いて、「エルメスの靴」で十分なこと(既に初手を取れるキャラが「まさむね」を装備したところで、何の効果も発揮されない)、装備可能なジョブが「すっぴん」「侍」のみと非常に少ないことから、意外や意外、汎用性に欠けている。個人的には、12武器でもっとも利便性が高いのは、「ウィザードロッド」かな…と思うものだ。
ただ、マサムネも強力なことは間違いない。とりわけ、アクセサリ枠で「リフレクトリング」など、エルメスの靴以外を装備したい場合は、1ターン目の鈍足さが強く問題となるので、「まさむね」で加速し、「ヘイストドリンク」を使う…というパターンが基本となった(亡者の巣窟・1人攻略:第1ステージなど。【第39話】)。そのためだけに「刀装備」のサポートアビリティを使っていったくらいだ。「リボン装備」という、ずばり名指しのアビリティは衝撃的だが(実際には、「リボン系」という、踊り子の複数の装備を指しているのだが…)、「刀装備」のほうも、実質的に「まさむね装備」であったように思う。
[賢者の杖]
魔法攻撃武器なので、カエル状態すら関係なし! |
◯武器3/ 杖・ロッド
●ワンダーワンド
「たたかう」を選択した際、代わりに白魔法か黒魔法が発動する。ランダムではなく、弱い順からリスト通りに発動するため、「魔法のランプ」のように、あらかじめ準備をしておいて、狙った魔法を決め打ちすることが可能だ。オリジナル版では、フォークタワーで1本のみが入手できたが、GBA版からは、ラスボス第1形態からレア盗みをしてクリア後セーブすることで、複数入手が可能となった。
さて、事前準備が重要ということで、「魔法のランプ」のように、いかにも使えそうな感じであったが、実際には、原種神竜との戦いで1回だけ使用するに留まった(【第27話:そのF】)。問題として、効果の発動に「たたかう」を要求するため、ものまね師では使用できない。そして、単発魔法のためだけに「たたかう」をセットするならば、その効果を代用できる別手段も用意できるのがほとんどということで、根本的に矛盾を孕んでいる。
そして、単発以外で使うとなると、攻撃魔法もあるにはあるのだが、そのままだと「ケアルガ」を相手に使ってしまってHPを全回復させてしまうため、バーサーカーやゾンビでの放置にも使いづらい。最終的に残ったのが、バーサーカーに装備させて、原種神竜に「バーサク」を掛け、その後に「いばらの冠」のスリップで死んでもらうという方式である。もっと、絶対、うまい使い方があると思うんだけど…。
●炎・氷・雷のロッド
それぞれ、各属性の魔法攻撃を強化できる。また、アイテム使用をすることで、使い捨てで、「ファイガ」などガ系の属性攻撃が発動する(自動的に全体掛けで威力92.5、敵が1体なら単体掛けで威力185。属性強化は、二刀流をした場合を除いて、不適用となる)。第1世界から750ギルで店売りをしているほか、各地で落ちており、特に氷のロッドについては、北の山へ向かう前のカーウェンの町と、かなり早期に手に入る。
低レベルクリアにおいては、あのマギサを、夫がシュバってくる前に一撃必殺できることを始めとし、序盤から中盤に掛けてのバランスブレイカーとなりうる。というわけで、私は当初、自主規制の対象としており、そのままゲームを進め、終盤になって気が付いてみると、もうロッド折りは全く強いとは言えない状況になっていた。FF6と同じ過ちを繰り返してしまったのである。まあ、属性強化手段としては、普通に使ったので、どうかお許しください…。
●ウィザードロッド
「伝説の12武器」の1つであり、炎・氷・雷に加え、地・風・毒の、合計6属性を強化する。汎用性が凄まじく、特にこれを装備したうえでの召喚獣シルドラは、バハムートに匹敵する威力と低い消費MPにより、生きていた時より活躍してくれると評判だ。
さて、そのような能力は、低レベルクリアーでも、もちろん有用なのだが、ただまあ、どれが1属性を強化できれば十分という場面が多く、そこまで滅茶苦茶に役立ってくれたわけでは無かった。しかし、全員が同じロッドを装備すると、あまりバリエーション的に美しくないため、装備品を選ぶ楽しさを上げるというアドバンテージを提供してくれた。
●賢者の杖
同じく、「伝説の12武器」の1つである。聖属性を強化し、アイテム使用で「レイズ」が発動する(壊れない)。しかし、この武器の強みは、「たたかう」などで魔法攻撃が発動する魔法攻撃武器であり、アンデッドに対し、8倍特効になるという点だ。
その魔法攻撃について、基本の威力は45だが、アンデッド相手で8倍になると、威力360であり、「フレア」などの約1.5倍である(魔法防御力は無視できないが)。また、魔法攻撃武器であるため、「みだれうち」「後列」「カエルや小人」などによっても威力が低下しない。完全な初期レベルであっても、1発1500(みだれうちすれば6000)と十分な火力を持つが、レベルドーピングすれば、そこにレベルドーピングを加えれば、容易に9999を連発可能となる。
ということで。裏ダンである封印の神殿においても、ギルガメ・アルケオデーモン・ハーデスと、アンデッドタイプを持つ強敵が出現するため、それとの戦いで大活躍をしてくれた。FF5のアンデッドは、シリーズお馴染みの回復逆転はもちろんとし、アポロンのハープや「うたう:レクイエム」などで徹底的にメタられているが、その中でも、「賢者の杖」で特効できることが、最も大きな特徴と言って良いだろう。“アンデッド特性を持っていることは、強烈な弱点”という印象を植え付けるのに、一役かってくれた武器である。賢者モードの杖…(意味深)。
●裁きの杖
賢者の杖と、どっちがどっちか分からなくなりそうな名前をしているが、こちらは、アイテム使用で「ディスペル」が発動する。個数も時期も限定ではないが、入手手段はモンスターのレア盗みのみであり、なかなか手に入りづらい。ちなみに、最速入手となる暗黒魔道士(第2世界のエクスデス城。レア盗み枠が「裁きの杖」)は、盗み枠ではなくレアドロップにて、「力の杖」という、おうじゃのつるぎ的な激レアアイテムを落とす(「たたかう」でバーサクが発動する。経験値持ちなので低レベルプレイでは入手不可)。ますます、どの杖がどの効果なのか分からなくなる…。
それはそうと、裁きの杖をアイテム使用した際の「ディスペル」(壊れない)は、「ちょうごう」で代用ができないため、枠を割いてまで発動したいこともある。ただまあ、プロテスやシェルは、思いっきり火力を上げれば問題なくなることが多いし、ヘイストなんかは、凶悪すぎて使う敵がほとんどいない。というわけで、ディスペル発動という効果は強力だが、そこまで多用されることは無い武器だったかな…。
[ファイアビュート]
「ゾンビビュート」という一つの遊び方を提供してくれた武器! |
◯武器4/ 弓・竪琴・鞭・ベル
●与一の弓
「伝説の12武器」の一つである。両手を占有するものの、「素早さ+3」という大きな補正を得られる。
第3世界に入ってからしばらくは、片手で「素早さ+2」の補正を得られる武器が無く、前提のように語られる「二刀流」も覚えていなかったため、「弓矢装備」とともに、素早さ補正用の装備品として活躍が可能であった…のだが、その後、イストリーの滝で量産できる「マンイーター」(全能力+2)の登場により、その役目を終えた。マンイーターは、「リボン装備」で装備可能となる“リボン系”に属するため、リボンの「+5」という補正とともに、大幅に素早さを高められるのだ。「◯◯装備」のアビリティが活躍する過程に、こういう歴史もあったのだ…。
●アポロンのハープ
これまた「伝説の12武器」であり、威力75の魔法攻撃武器だが、ドラゴンとアンデッドに対し、8倍特効…つまり、威力「600」という、フレアの2倍強という超高火力攻撃が可能になる(魔法防御は無視しない)。各種の縛りプレイ等で切り札とされることも多いが、私のプレイでは、「両手を埋めてしまう」「みだれうちとコンボできない(賢者の杖はコンボ可能)」「ものまね師が装備できない、というかそもそも奏でる手段が無い」などの理由により、あまり積極的には使われてこなかった。ドラゴン対策は「飛竜の槍」や「ごうせい:ドラゴンキャノン」、アンデッドには「賢者の杖」が活躍してくれたのである。
●ファイアビュート
「伝説の12武器」に属する鞭である。打撃の追加効果として「ファイガ」が発動し、片手で素早さ+2の補正を持つため、そのまま使っても強力だ。
だが、真価が発揮されるのは、もちろん「ゾンビビュート作戦」での使用だ。FF5のゾンビは、ダメージでは決して戦闘不能とならず、「味方への『たたかう』」のみを繰り返す。この際、「リフレクトリング」を装備していると、追加効果のファイガが相手側へと跳ね返り、ダメージを与えていける。味方側の生存者がゾンビキャラだけになると全滅扱いなので、そこは「かくれる」とコンボすれば良い。この作戦が行える装備はいくつかあるが、最も高火力なのが「ファイアビュート」のファイガであり、かくして、「ゾンビビュート作戦」なる名前が付いたわけだ。
さて、このゾンビビュート作戦、これだけで勝ててしまう敵も多いが、逆に、対策を持っている相手もいる。そういうわけで、複数の作戦でボスに挑む際は、「ゾンビビュートが通用するか否か」を検証するというのが、恒例の条件となっていた。鞭1本で、新たなプレイ方針を生み出した、名武器である。
●ティンカーベル
本編終盤のボスであるツインタニアが、ギガフレアチャージ中でない時に撃破された場合、1/16の確率で落とす…という激レアアイテムである。入手難易度の高さ、そして、ラスボス直前での入手というタイミングの遅さから、コレクターズアイテム扱いされることが多い。ただし、GBA版においては、「他バージョンより威力が強化されている」「次元の狭間のクリア後も、封印の神殿や亡者の巣窟が存在する」という特徴があり(【第25話】)、ただ称号アイテムとして肥やしにするだけでなく、是非、バトルで使ってみたいと思っていた。
その結果が、アルケオデーモンを4人で瞬殺する作戦である(【第32話:その@】)。9999が出る賢者の杖には劣るものの、約5000を与えることができ、HP50000の敵を初ターンで一撃必殺することに力を貸してくれた。出番としてはここだけであったが、コレクション用のアイテムだと思われていた武器に、ちゃんとガチな出番を与えられたという意味で、大満足の結果である。
[イージスの盾]
どの盾を使うかは、戦法の大きな分かれ道だった! |
◯盾
●イージスの盾
魔法攻撃に対して、33%の確率で、特殊回避を発動させる。最速入手は、ムーアの大森林であるが、火災発生の状況により、「フレイムシールド」と二択になる。どちらも終盤で量産が可能になるということで、先駆者兄貴を参考にし、私は「イージスの盾」を先行入手していった。ただし、この盾が本当に役立つのは、裏ボスクラスを相手取ったときだ。
さて、FF5には、「魔法回避率」という概念があるが、これはST魔法の命中率に関わるものであって、攻撃魔法は必中である。が、その攻撃魔法に対し、特殊回避を発動させられるのが、イージスの盾であって、唯一無二の能力である。よって、「ゾンビブレス」「アルマゲスト」「ドレインタッチ」など、対処の難しい攻撃に対して、最後の手段として使用をしていった。確率は1/3と頼りないため、基本的には、他の運要素と組み合わせた場合の保険としての利用か、または、1回避けられれば勝てる!
というバトルでの起用となった。なお、物理回避率は「33」と、小人状態を加味すれば打撃の2/3を回避できるということで、決して低い値ではないが、それでも実プレイではかなりの穴の大きさなため、環境を読んでの採用となる。
その他、地味に石化耐性を持っており、こちらについては、ラスボス戦の第1形態・エヌオー・神竜改が使ってくる「ホワイトホール」を無効化することなどに役立ってくれている。
●源氏の盾
物理回避率「50」を持つ盾である。ST異常の小人状態には、盾の物理回避が2倍になるというメリット効果があり、それと組み合わせた場合、どういう計算式か分からないが、99%以上の回避率を発揮する。「まもり」の確実性には叶わないものの、ほぼ完全な物理耐性を構築できる。まもりと比べると、小人キャラの行動を自由にできるうえ、「かばう」を組み合わせれば味方も守れる。やれ、盾カテゴリは、“3強”と言うべき状態であったが、その中でも、まさに最強と言える盾であった。
ちなみに、入手は、次元の狭間:ラストフロアの道中に出現するギルガメッシュから盗むことである。つまり、ゲーム最終盤での入手となるが、そうとは信じられないくらいに、歴戦の相棒という感がある盾だった。
●[追]
フォースシールド
全属性を無効化する、GBA版で追加された盾だ。とりわけ、FF5においては、聖属性・風属性を無力化できる手段は、このフォースシールドしか存在しないため、苦しいバトルで頼りになる盾である。
代わりに、デメリットも大きく、まず物理回避率は「10」しか無いため、「ぶんしん」などによるサポートが必要となる。さらに、「素早さ-5」の補正と、重さ「15」の弱体化を受ける(重さは、8ごとに、素早さ-1)ため、装備キャラの行動速度が1割ほど落ちてしまう。そして、1個限定であるため、属性持ちの全体攻撃を受けると、1人しか守れず、残り3人は沈んでしまう。というわけで、とても常用に足る盾ではないのだが、それだけのデメリットを負ったとしても、「アルマゲスト」など、無効にしたい技は多い。入手は、オメガ改の撃破報酬と、たいへん遅いが、その後のエヌオー・神竜改、そして亡者の巣窟での戦いに参戦し、“3強”の一角を占めるにふさわしい存在感を発揮してくれた。
[いばらの冠]
HP調整と、そして、自動的に戦闘不能になってほしい場合 |
◯頭防具
●リボン
力/魔力/素早さ/体力のパラメーターを全て「+5」し(補正値最大)、さらに、多くのステータス異常に耐性を持つ(完全耐性ではない)。最強の頭防具であり、「リボン装備」なんていうインパクトの強いサポートアビリティがあるくらいだ(実際の内容は、「リボン系装備」=踊り子専用の4つの装備品を使用可能になるというもの)。
さて、このリボン、デフォルトで装備可能なのは、踊り子とすっぴんのみである。だが、特に「素早さ+5」の能力を狙って、「リボン装備」の力を借りながら、ものまね師でも使っていくことが多かった。ちなみに、シリーズを通してのレアアイテムであり、FF5版もその限りではないが、第3世界に入れば、フェニックスの塔にて量産が可能である。
●黒頭巾
何と言うことのない、第3世界で店売りされている頭防具だが、「素早さ+2」という補正を持つ。リボンの次に高い値を持ち、ものまね師がデフォルトで装備できるため、気が付いたら被っていることの多い装備品であった。
●金の髪飾り
防御能力は低いが、「消費MP半減」の効果を得られる。低レベルクリアーでは、MPが非常に低いため、強力な魔法を使う際に、ほぼ必須と言える防具であった。ちなみに、3つまでしか入手できない個数限定品だが、強力な魔法は「ものまね」で消費MPを踏み倒すことが多いため、4人全員が装備したい…という状況は出てこず、問題は無かった。
●いばらの冠
高い物理防御と代償に、常時スリップのデメリットを受ける。FF5のスリップは、それでHPが0になるという特徴がある。そのため、最大HPの低い低レベルクリアーにおいては、全く使いどころの無い装備品だと思っていた。本当だぞ(【第14話】)。実際、確かに、「防御能力を目当てに、HPを回復しながら使う」ということは無かったが、その他の点で、大活躍してくれた。
用途は、まず、HPの調整用である。終盤は、条件を変えながら同じボスに挑んでいったが、その際、特定キャラを戦闘不能にしたり、HPを調整したかったりする場合が多い。そういう時に、「いばらの冠」を付けたり外したりしながら、「とんずら」で雑魚から逃げていくと、いい感じに調節できるのだ。
また、戦闘面でも、「冒頭で特定の行動をした後、自動的に戦闘不能になってほしい」という時に、「いばらの冠」を使うことができた。
これらの活用は、「デメリットを踏み倒す、またはメリットに変える」とはちょっと違って、「デメリットをプレイ幅の拡大に使用する」という方式であった。何かと用途のあった防具であり、ピラミッドでしっかり4つ集めておいて良かった。
[ボーンメイル]
高防御力、アンデッド化、ST耐性、ぜんぶ役立った! |
◯体防具
●ミラージュベスト
防御能力は平凡だが、開幕で分身を1つ得られる。1回だけだが、確実に打撃を回避できるということで、非常に頼りになる防具であった。何気なく装備していっても役立つし、回避が1回できれば勝てるというバトルに使用したり、他の物理耐性を組み立てるまでの時間稼ぎ、その他にも、「源氏の盾+小人」「コマンドアビリティ版ぶんしん」などといった物理耐性と組み合わせるのも有用だ。
ちなみに、バージョンによっては、戦闘中の装備変更を行うことで、ミラージュベストの分身1個が復活するというテクニックがあるようだが、少なくとも、私は戦法としては採用していかなかった。バグっぽい動作であるし、それに、「戦闘中の装備変更」は、ボタン操作がやたらと増えて、好きではない…。
●黒装束
一応、店売り最強の体防具であるが、重要なのは、「素早さ+1」の補正を持つということだ。実は、体防具で素早さ補正を持つのは、この黒装束と、あとは「忍びの衣」しか無い。頭防具の黒頭巾と合わせ、素早さを重視すると、みんな忍者になるのである。アイエエエエ!!
●ボーンメイル
高い物理防御力を持つ代わりに、アンデッド特性になってしまう。と言っても、回復・蘇生といった、通常プレイならば普通に入力する行動を、低レベルプレイではほとんど行わないため、デメリットはかなり軽減され、メリットのほうを多く得られる。
さて、第2世界での入手直後は、その「30」という高い防御力を活かして、敵の打撃を0ダメージにシャットアウトすることに活躍した。GBA版追加装備の「マクシミリアン」ですら「27」のため、この強烈な硬さが分かる。
その後、ゲームが終盤に進むに連れ、敵火力が上がっていき、物理防御力のほうは重要視されなくなっていった。だがその後も、「即死/毒/暗闇/老化/混乱/バーサク」という大量のST異常耐性と、毒吸収の属性効果、そして「ドレイン」などの吸収効果を逆転させられることから、活躍し続けた。さらに、“メイル”と鎧のような名前だが、ものまね師を含み、多くのジョブが装備できるというも嬉しい。多数のバトルに参戦した、名防具である。
●黒のローブ
「魔力+5」という、体防具で最大の補正を持つため、魔法火力を重視する際に装備していった。ちなみに、GBA版追加装備の「ローブオブロード」の魔力補正は「+1」である。何がやりたかったんだマジで。
[エルメスの靴]
え…普通に買えていいの? |
◯アクセサリ
●エルメスの靴
ぶっちぎり最強のアクセサリであり、バランスブレイカーに両足を突っ込んでいる。靴だけに。
FF5のヘイスト状態は、ターンが回ってくるペースが2倍になるというものであり、ATBシステムの「ターンが回ってきたときに時間経過が止まる」「行動エフェクト中は時間が進まない」という仕様上、ぴったり行動回数を2倍にできる。強敵との戦闘では、必須となるST効果だ。
もちろん、ヘイスト状態にするだけなら、「ヘイスガ」なども存在する。しかし、アクセサリとして装備していれば、その効果を開幕から得られ、ほとんどの敵に対して初手を取れるようになる。相手より素早さ数値が高ければ、2連続の行動も可能だ。また、戦闘不能から蘇生した場合も、エルメスの靴を装備していれば、ゲージが半分溜まった状態から始まるため、立て直しも楽になる。さらに、エルメスの靴は、「睡眠/麻痺/ストップ/スロウ」という厄介な連中へのST耐性も持っている。神は二物を与えすぎである。
ただまあ、いかんせん強すぎで、他のアクセサリの出番を奪いまくっている感があるので、決して罪の軽い装備ではない。もし、FF5にシリーズ内続編(暁の4戦士の時代や、伝説の12武器の勇者とか?)が出るなら、個数限定になるか、またはヘイストの効果が落とされるかになるだろう…。
●[追] ソーサリーマント
封印の神殿で、グランエイビス撃破後のエリアで入手できるアクセサリだ。「全属性を半減する」という、普段遣いに優れた効果を持つが、まあ普段遣いでもエルメスの靴が最強なので、活躍できる場面は少ない。
だが、本プレイでは、「アルマゲストを低レベルキャラでHP受けする」という、非常にピンポイントな用途で活躍した。敵を老化させて魔法倍率を「4」まで下げ、そこにシェルと聖半減を重ね、さらにファリスLv4のHPを「巨人の薬」で2倍にすることにより、ギリギリで耐えられるようになるのだ。全属性を無効化するフォースシールドの下位装備と思いきや、“無効化せず半減する”という点が、魅せプレイに役立ってくれた。
●リフレクトリング
「エルメスの靴」を外す場合に、最も需要の高かったアクセサリだ。効果は、お馴染みの常時リフレクであり、魔法攻撃から身を守れる。
さて、リフレク状態を発生させるだけなら、「ちょうごう:ドラゴンアーマー」や召喚カーバンクルが存在するが、それらは割と短めで切れてしまい、維持するのであれば、何度も上書きしなければならない。いっぽう、ヘイストについては、「ちょうごう:ヘイストドリンク」で付与でき、時間経過で解除されない。というわけで、初動の遅ささえカバーできるのならば、その後の効果はエルメスの靴よりリフレクトリングのほうが強力である。「まさむね」で初動の遅さをカバーしつつ戦った「亡者の巣窟・1人攻略の第1ステージ」なんかは、リフレクトリングが活躍した典型例であった(【第39話】)。
●天使の指輪
ゾンビ状態(+老化状態)を無効化できる。それだけの効果なのだが、GBA版ではゾンビ化攻撃をする敵が増えており、「ゾンビーパウダー」などは、当たってしまえば終了だ。というわけで、グランエイビス戦で、エルメスの靴を外して、装備していくこともあった。ただ、そちらでも、エルメスの靴を外した場合の「初動が遅くなる」というデメリットが大きくクローズアップされている。やっぱエルメスの靴は強すぎやろ…。
ちなみに、意外な使用法として、「ゾンビーパウダー」は、戦闘不能状態のキャラにも当たり、その場合はゾンビ化して復活してしまうため、「1人で撃破」といったプレイを邪魔してしまう。だが、「天使の指輪」を装備していると、「ゾンビ化せず、HP1で蘇生される」という処理になる。そこに「いばらの冠」で即座に戦闘不能となってもらうことで、プレイを邪魔しない…という使い方ができた。
バッツ「…………」 |
というわけで。最終的な結果としては、こんな感じである。
…まず、気になるプレイ時間については、とうの昔に「99時間59分」でカウンターストップをしており、正確な時間は分からない。動画を振り返ってみると、どうも、カンストしたのは神竜やオメガと戦っていた辺りのようだ。ただまあ、あの辺りから、「1体のボスに対して、複数の戦法で挑む」という方針が常態化し、それはゲーム内の時間には計測されていない。そういうわけで、実質的なプレイ時間は、2倍を軽く超えるであろう。プレイ日誌の執筆も激烈であったため、それも含めれば、普通に500時間、1000時間というレベルに達したかも…。
――そして、制作環境については、実は、キャプチャ機器を、名機:「MonsterX
U3.0R」から、4K対応の「CRC-GVCAP01」に変えてから、初のプレイ日誌ということになる。購入したのは、2022年の夏(【日記:2022/10/1】。1ヶ月ほど使用したあとの感想記事)であるが、それから完結させたのは、この日誌が始めてなのだ。PSP版のFF1は、VitaTVを使う都合、HDCPが掛かるため、MonsterX
U3.0Rでしか録画できないし…。まあ、既に本家日記側で、PS5の「FF7リバース」などもプレイしており、今さら言うのも何だが、新しい機器として、立派に活躍をしてくれている。
そして。使用作品については、WiiUバーチャルコンソールの「ファイナルファンタジーV
アドバンス」である。この選択は、本当に正解であった。
…まず、GBA版ということで、追加要素が存在する。本プレイ日誌は、「封印の神殿」と「亡者の巣窟」だけで10コ話を費やしており、全体の1/4…いや、内容の濃さを考えれば、それ以上のボリュームがあっただろう。これら追加要素の無いFF5は、私にとって、恐らく、酷く薄味に感じるはずだ。また、同じく追加要素のある旧スマホ版と比べても、原作を尊重したドット絵に、「ターンが回ってきた時にバトル進行が止まる」というATBシステムにより、原作が30年前のゲームとは思えないような、極めて戦略性の高いバトルを行うことができた。
――さて。ご存じの通り、WiiUと3DSのバーチャルコンソールについては、2023年3月にサービスが終了し、DL版ソフトの新規購入ができなくなった(【日記:2022/2/18】)。一応、購入済み作品の再ダウンロードは、2025年1月現在は行えるようだが、WiiUまでの任天堂ハードは本体とアカウントが紐づけになっている(スイッチから一般的なアカウント制に変更)ため、本体が壊れてしまえば終了であり、あまり救済処置としては役立っていない。
そして。ご存じの通り、現行機であるスイッチやPS4などには、「ピ」こと、ピクセルリマスターが配信されている。
…やれ、2023年4月のCS版の発売の際に、大分と手直しが為され、多少はマシになったようだが、ヘタクソなドット絵はもちろん、「追加要素が無い」という問題点は、未だに解決されていない。一応、「経験値0倍」という逆ブーストが追加され、新しい遊び方ができるようになったが、それくらいだ。まあ、今回のGBA版FF5にて、追加要素でこれだけ楽しませてもらった身からすると、それが無いなんてことは有り得ないのだ。
――まあでも、ここからピに手を加えるというのは無理である。改めて主張するが、まずはSFC版・PS版・GBA版といった旧バージョンを、現行機向けに復刻する。その後、本当の意味での「決定版」「完全版」と呼べる作品を作り直すべきだ。あんな出来損ないが決定版というのは、有り得ない。私を含め、ファンは頑張っているので、公式がもっとFFの魅力を伝えられるよう努力してください。
さすがに、1個のゲーム作品をここまで深く掘り下げられるのは、今回が最後かも… |
というわけで。これにて、FF5プレイ日誌は終わりである。
…最後となるが、今回は、文章が異様に長くなってしまったことが反省点である。もちろん、それだけFF5がやりごたえ抜群の作品だったということもあるが、1話1話の更新が異様に重くなり、読むほうの皆さま方にとっても大変であったと思う。それをしっかり反省し、次回の日誌では、もう少し、読み手にも書き手にも優しい作品にしていこうと思っている。
――それでは、次のゲームは既に決めてあるので、日記の毎日更新ということで、開始が遅くなるでしょうが、またよろしくお願いします…。
(2025年1月20日)
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