MEMEのことども 更新
04/10/2
04/10/2 (60) TOTO 先日、NHK「プロジェクトX」でウォッシュレットの開発の苦労話を取り上げていた。 前にも一度見た事があったが、この番組は何度見ても新たな感動を頂けるところが凄い! 何気なく便利に使わせて貰っているいろんな物が、実は、試行錯誤の末に完成した苦労の結晶だという事に気づかされる素晴らしい番組だ。 人間的な器の小さい私にとっては、どんな苦労や挫折にもメゲズに歯を食いしばって目標に突き進む登場人物が眩しい。 会社の存続を背に背負いながらも、失敗の屈辱から雄雄しく立ち上がる男達! 決して特別な方たちではないと思う。 苦労の末、見事に世間から評価を受けるような成功を手にした人たちの数の、何倍もの挫折者がいる事だろう。 それでもこつこつと会社の片隅で「いつかは・・・」という希望を持ち続けて頑張る、名も無い研究者や実務者たち。 小さなことでくよくよし、「ドレスの仕事なんて止めちゃおうかな!」と落ち込んでしまう私の甘さをしっかりと感じる。 何事も、当たり前のように思っている事が、実は水面下の努力と血の滲むような思いで成り立っている事に思い至る。 折りしも、今、シアトルマリナーズの「イチロウ」が年間最多安打記録「258本」を84年ぶりに更新する快挙のニュースが耳に飛び込んで来た。 素晴らしいという他ない! 彼の打法を見ていると、ぽいっ!と軽くバットを振るだけの様に見えるが、私達の知らないところでの努力と研鑽は凄いものがあるのだろう。 我が家の長男や孫も野球小僧で小さい時から涙のシゴキに耐えているが、「好きだから」出来ることで、イチロウのようにチームの責任を背負ったプレッシャーの中での身体作りはさぞ辛いだろう。 でも、それを感じさせないバッターボックスでのリラックスした姿態はどうだろう! 人間って素晴らしい!イチロウって素晴らしい! 千葉の片隅に生息して、くよくよしたり感動したり、毎日それなりに充実した日々を送っているつもりの私。 それのなんと小さいことよ! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それはさておき、冒頭の「プロジェクトX」の洗浄便座に話は戻る。 (~_~;) 彼らのお陰で毎日快適な生活をさせて貰っているが、便器のお掃除の複雑さには少々参っている。 全てに「雑なお掃除」が得意な私、やっているつもりでも直ぐに汚れてしまうのが難点。 友人の家で新しい洗浄便座を入れた時のこと、定年退職したご主人に退屈凌ぎに便座掃除をお願いして外出から戻って見ると、何と!新しいピカピカの便座に無数の傷が! 乾いたペーパーでごしごし擦ったらしい。 焦ってその上からまた擦って居る内にますますドツボにはまってしまったとか。 笑うに笑えない出来事を聞いた事がある。 掃除といえば、こんなことも・・・。 ある友人のお宅に伺った時の事。 神経質で、少しの妥協も許せないようなキッチリやさんのお宅は、見るからのキリリとした佇まい。 妥協だらけの私には、さすがぁ!!と、眩しい室内。 思わず長居となってしまって、帰り際にお手洗いをお借りすることになった。 そこでびっくり! 便器の中が、茶色に変色している。 室内のぴかぴかさとの対比の凄さに、思わずタジログ。 帰りの電車の中で、ふと思いついた。 「彼女は、綺麗好きのあまり、ごしごし毎日毎日ブラシで擦ったのね・・。きっと。」 一度傷が付いたら、それが気になるからそれに上掛けてまた擦る・・・。 それの繰り返しであんなことになったのだわ・・・。 もしかして、怠慢MEMEのやり方の方が正しかったのかも・・・ねっ。 と。 (ただし便器に関してのみ!) 「プロジェクトX」を見たのに関連して、便座のエピソードを・・と思って書き始めたが、途中イチロウのテレビ中継が入った為に、何だか支離滅裂なコメントになってしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー そこで、まとめ * 日々何気なく使っている物にも、制作の苦労と研鑽が裏にあることへの思い。 * 日ごろの鍛錬の積み重ねで、記録を作れる身体とチャンスが来る事への思い。 * 日ごろの几帳面さにも時として思わぬ落とし穴がある事への思い。 つまり、家事怠慢MEMEにも一筋の言い訳が出来ることがある!ということの発見。 (^_-)-☆ と・・・、こじつけてみる・・・。(ばしっ)
04/9/26 (59) 転勤 息子が転勤することになった。 我が家から新幹線通勤できる範囲の所なので、多分自宅から通うことになるだろうが、なかなか大変だろう。 「単身赴任しようかな・・・」などと、ちょっとわくわく感もあったりして落ち着かない模様。 羽をのばしちゃうわよ〜!!などと笑いながら牽制球を投げる私。 ーーーーー かくいう私達にも20年前にそんな転勤問題が持ち上がったことが・・・。 結局老犬の問題や息子の学校の問題などで主人には単身赴任して貰うことになった。 よぼよぼした明日をも知れぬ老犬「エリナ」を連れては転勤出来ない。 14歳のこの子は、旅行に行くのもいつも一緒、車の窓を開けて東名高速を突っ走ると、びゅんびゅん風を受けて毛をなびかせて喜んでいたが、寄る年波には勝てず、脳梗塞を患ったり心臓も弱くなってとても転任先まで連れて行くことすら出来ない有り様。 主人とは単身赴任(というかイギリス留学)は一度経験済みなので、案外気楽に送り出した私。 周囲から「一人で放っておくとろくな事はないわよん」などと脅されても、「うちの主人に限って大丈夫!」などと暢気な返事。 実際、「人畜無害度」「ルックス度」「真面目人間度」から考えて、どうみても「羽目をはずす」人には思えないのが根拠。 それに、まさか彼が浮気などする筈も無い! というか、対象にしてくれる方など有り得ない! と、堅く堅く信じていた私。 そんな大きな口を姉に叩いていたら、こう言われた・・・。 「あなたが結婚しても良いかな・・・と思って一緒になった人でしょ? そうだとすれば、世の中にあなたと同じ考えを持つ人がいても可笑しくないのよ」 つまり、あなた程度の人間だったら浮気の可能性はある・・・と・・・。 そうだったのかぁ・・・! それ以来、ちょっと謙虚になったMEMEでした! 勿論、二年半後には無傷で(の筈)我が元に戻って来た主人。 それからは「しょっていた」荷物を少し下ろしたMEMEになったと思う。 (かな?) さて、息子はどうするのかな?
04/9/26 (58) 取り合い 今、プロ野球が騒がしい・・・。 内部的には良く理解していない私だが、「ライブドア」と「楽天」の仙台拠点の取り合いには興味がある。 有能な若手起業家二人の先陣争いを見ていて、ふと思い出すことがある。 もう随分前の事、テレビに「子供の喧嘩」の場面が放映されていて、あまりに可笑しいので覚えているシーン。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 幼稚園に何故か「やかん」がある。 一人の坊や(A)がその大きな「やかん」を何気なくいじっている・・・。 そこへもう一人の坊や(B)がやってきて、やっぱり「やかん」に興味を示し始める。 最初は何とか自分もいじってみようと、そっと手を伸ばしたりしているが、先の坊や(A)は急にやかんを保持しようと身構え始める。 さて、(A)(B)共に「やかん」を挟んでだんだん白熱してきて、ひっぱり合いに。 しまいには、鼻水たらして泣きわめきながらの争奪戦。 先生が止めようが、もう二人には眼中にない。 みんなの注目の中、ぎゃぁぎゃぁ涙と鼻水を撒き散らしての戦いは、見事(?)(A)の勝ちに! やって〜! !(^^)! ーーーーーーーーーーーーーーーーー その後の二人の様子が面白い! 負けた(B)くん、鼻水を腕で拭きながら、「そ〜んなもん、最初から興味なかったんだよん!」というシラ〜!とした顔でみんなの輪のなかに戻ってしまう。 さて、その場に取り残された(A)くん、死守したやかんを胸にしっかと抱いたまま暫くボーッと立っていたが、良く考えて見ればこんな大きなやかんは自分も最初から別に欲しかった訳では無いことに気がついて、呆然とやかんを眺めている・・・。 そこで大決心! 僕もべ〜つにこんなのいらないんだ!という顔でその場にやかんをほったらかしてみんなの所に走って行く・・・。 かくしてぽつんと残された大きなやかんがひとつ写されている・・・。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 「ライブドア」と「楽天」の仙台争奪戦を見ていて、そんな場面を思い出したことでした! 勿論、「仙台」拠点を競うからにはそれなりの魅力とメリットを計算の上なのだろうが・・・。 「ライブドア」は今でも内容は知らないのだが、「楽天」には少々関わってしまった経験がある。 「ドレスの小路」と「けいの部屋」の二つのサイトがお世話になっていたサーバー「COOL」が「楽天」に吸収されて、短期間に「引越し」させられたのだ。 あまりの強引なやり方に、COOLユーザーは訴訟騒ぎにまで発展しそうな雲行きだった。 例えば、URLが変わっても「引っ越しました」というindexだけは旧URLで暫く使用できるように配慮するのが普通なのに、それも許さず、やみくもにアドレス変更をさせられるとか、有料サイトの料金の途中契約破棄問題とか・・・。 そんな訳で、私的にも「お気に入り」に入れてご訪問くださる方に一時的には本当に申し訳ないことになった経験がある。 若さと強引さでここまで発展進展してきた「楽天」の生命力には感心するものの、「奢れる者久しからず」にならない事を祈るのみ。 プロ野球の平常化が早く訪れるといいな・・・。
04/9/25 (57) 車中ウォッチング (空席) 青山で開かれるピアノリサイタル会場に向かう。 今日のリサイタルでご着用のMEMEドレスは薄紫のシックなもの。 ポーランドに留学中のR嬢の素晴らしい演奏を楽しみにわくわくしながら車中の人に。 きっとあのドレスもライトに映えて素敵なコンサートになるだろうなぁ・・・。 土曜の夕方とあって、そそくさと乗り込んだ車中には、遠征から帰る野球少年達が大きな荷物と共に三々五々座っている。 我が家の孫も新中学生、遠距離通学に加えて野球部の練習もあり、身体が慣れるまでは大変だろうな・・・といつも様子を窺っている最近の私。 前に座っている二人も多分新一年生かな? まだ成長していない身体が大きな荷物に埋まっているよう・・・。 ほほえましく見ていると、ある駅から乗って来た55前後のおばさんが二人の前に仁王立ち。 車両の端の3人掛けの椅子に二人で座っている二人を叱責するようなニュアンスで「おらおら!」ムード。 恐縮した二人は、大きな大きな野球道具を掻き集めて身を縮める。 どっかと座ったおばさんの尖った顔! 三人掛けをルーズに曖昧に二人で座っていたのは確かに悪いですよぉ・・・。 だけど!だけど! おばさん、周囲を見回してくださいな。 座る場所は他にも何席も有るでしょうがぁ・・・。 そんな怖い顔で「おらおら!」しなくたって、らく〜に気分良く座れるのに・・・。 大きな荷物に埋まって身を縮めていたあの新一年生たち、そのうちにこっくり可愛い舟を漕ぎ始めた・・・。 別になんでもないんですよ、このシーンは・・・。 でも、「ここと決めたら他に目が行かない」おばさんの行動にちょっとクスリとしてしまった。 周囲の全体を見分けてから行動を決める余裕が欠けている、頑固に自分を通す中年族の生態。(自分も含めて) ちょっと見回せば、いっぱい空席が有るじゃないですかぁ。 (~_~;) そこだけぎちぎちに荷物と人に埋まっている風景・・・。 ちょっと笑えた・・・。
04/8/7 (56) 車中ウォッチング(男性編) 暑い! 今日はドレスの生地選びのご相談で日暮里に出掛ける。 またまた「車中ウォッチング」に最適な人にめぐり会う。 今回は男性!男性の登場はなかなか珍しい。 土曜の朝という事もあり、ほぼ皆座れている状態の電車に乗り込んで来た30台後半位の男性が、斜め前に座る。 席を確保した後、きっちり着込んだ濃紺の背広を慌てて脱ぎ、それを丁寧に丁寧に折りたたんで棚の上に。 白地に細かいピンクの格子の洒落たワイシャツの背中が汗でぐっしょり。 さて、やっと座れる!ほっ・・・という感じの表情で、細身のズボンをつっつっと吊り上げ、皺を気にしながらしなやかに座る。 何回もズボンをつっつっと引っ張り、足をバレリーナのように跳ね上げては座り直す。 よほど皺が気になるご様子。 そういえば、ズボンのプレス線が「カミソリ」の様に尖っている。 あれ、むき出しになった黒い靴を見ると、くるぶしを上回る編み上げ靴。 柔らかい高級な皮で出来ているのが一目で分かる。 おしゃれ〜! おや、この暑い中、ピンクのYシャツの袖口にはしっかりカフスボタンが・・。 髪の毛は明るい栗色。それがツンツン尖ってあちこち向かって立ち上がっている。 それを神経質そうな細い指で何回もツンツン度を確認している。 結婚指輪がまた、幅広! 模様入りの指輪が細い指には重そう・・・。 こんなに幅広い指輪をしていて、この暑さで湿疹にならないかしら・・・といらない心配をしてしまう。 私は昔、指輪が当たる部分から湿疹が出来て浮腫み、どうにも抜けなくなってお店で細い鋸で切り取って貰った苦い経験がある。 その後作り直した指輪を今もしているが、あれから25kgも増えた体重がしっかり指にも影響し、今や指に食い込んで、死ぬまで抜けないだろう・・・。 これでまた湿疹でも出来たらどうしよう・・・と悩んでいる私。 今の内に指から切り取って貰い、大きく作り変えて貰おうかしら。 でも、主人が結婚以来一度も薬指から外したことが無い事を思えば、そんなに何回も作り変えるのもなぁ・・・。 車中の暇な思考から、要らないお節介心でちらちら見ていると、脇に置いた新聞を取り出した彼。 「日本経済新聞」! 栗色つんつんヘァーにピンクのYシャツ、指が切れそうなプレスが効いた細身のズボン、編み上げ靴、幅広指輪・・・。 そんなイメージに、プラス「日経新聞」。 熱心に隅から隅まで目を通しているのは良いのだけれど、爪を噛むのはよしましょう。 カジカジカジ。 その日経の新聞広告の大きな字が目に入る。 「嫉妬を制するものは 人生を制する」・・・う〜ん、良いキャッチだ。 その後彼が何処で降りたかは知らない。 人ごみに揉まれて私も日暮里で降りる。 寸分の皺も許さず、寸分のかっこ悪さも許さず、びりびり緊張感を漂わせた彼の日常生活ってどんなものかしら・・・。 彼の奥様はさぞ大変だろうなぁ・・・。 少なくとも私だったら1ヶ月で離婚を言い渡される(こちらから言うかも)だろうなぁ・・・。 それだけは「間違いない!」(流行語を使ってみました)(^_-)-☆
04/7/ 30 (55) 車中ウォッチング(化粧編) 毎日暑い! どすこいMEMEとしては耐え難い苦難。 昔は30度を越えると「わぉ!」という感覚だったが、今や39度を越える日も・・・。 いったい何処まで行くのやら、この気温。 そんな中、日暮里までウェディングドレスの事で出掛けて来た。 さすが電車の中は汗がすっと消えほっとする。 次の駅で乗り込んで来た美しい女性が斜め前に楚々と座った。 ハタチ前後のみずみずしい肌とピンクのシャツがとても清清しい。 と・・・。バッグからごそごそと袋を取り出して・・。 あれま、やっぱりお化粧を始めてしまった!折角心の中で褒めていたのに・・・。 お化粧は人前でやるものではありません〜! あの楚々としたお顔も、「ウェ〜!」の発音状態に大きく広げたお口は似合いませんぞ! そのお口に、紅筆で何回も何回も、いや、何十回も輪郭をとっては塗りつぶしている熱心なまなざし! そんなに何十回も塗ったのに、薄いピンクのルージュでは塗る前と全然変わらない口元。 全然変化もない口元を満足げに鏡で確認し、今度は睫毛の機械(?)を取り出した。 今度は先ほど塗り捲った可愛い唇を「ウォ〜!」の発音状態にして睫毛を機械に挟んでぎゅ!ぎゅ! いいなぁ、挟む睫毛があって・・・。 イジケMEMEは、目から発生した帯状疱疹の為、只でさえ短くて挟めない状態の睫毛がずっぽりと取れてしまい、今では左目半分スカスカ状態。 睫毛がない目って、自慢じゃないが凄いぞん!(^_-)-☆ 全て終了。それからは前髪に取り掛かる。 鏡に映った前髪をちょちょっといじっては「ふりふり!」と頭を揺する。 「ふりふり」「なでなで」ふりふり」「なでなで」を10回位繰り返したところでヘァも納得。 一回直してはなんで頭を振るのよぉ。 暑い外を歩けば、そよ風が前髪をもてあそんでくれるのだから、気にしないで自然のヘァスタイルを楽しみましょうよ。 それはさておき、孤軍奮闘の20分の成果を確認して満足げにとある駅に降り立った彼女。 でも、絶対前と何にも変わっていないように見えるぞ! ちなみにMEMEのお化粧は、朝鏡に向かい、下唇に一直線に口紅をグイ!と塗って、それを「むぎゅむぎゅむぎゅ」と上下の唇でこすり合わせてオシマイ! 紅筆などという洒落たものは持ち合わせていない・・・。(自慢にならない!) だってそんな紅筆があったところで、私の唇の形がもともと「辛子明太子」なのだから無駄なのだ! あぁ・・・。
04/7/ 22 (54) ほわほわ 今年も8月がやってくる・・・。 今から10年前の夏、私にとっては記憶に残る日々を経験した。 ガンセンターで「多分ガンです。手術をしましょう」の宣告。 日ごろの、只ならぬダルさと不調に悩まされていた私。 50台半ばの年恰好もあって、近所の医院で「更年期障害でしょう」の診断で済まされていたある日、新聞のある記事に目が行った。 「甲状腺ガンの症状」にまさにぴったり!の私の症状。 確信した私は、渋る医者にお願いしてCTスキャンで診察して貰った。 それまで「更年期障害ですよ」と受け流していた医者の態度が急変! 「ガンセンターに紹介状を書きます。直ぐに行ってください」。 主人と行った真新しい柏のガンセンターでも「ガンでしょうね、すぐ手術をしましょう」のお言葉。 それから入院までの数日は、身辺整理で押入れをひっくり返して過ごした。 預かっていた生地を事情を話して返送したり、暑い中を息つく間もなく過ごし、清清しい気持ちでいざ!病院へ。 「ガンですってぇ?! およよよ」みたいな気分は微塵も無かった。 近所の医者にがんセンターの診断を報告に行った時、先生がおっしゃった言葉! 「良かったですねぇ!!ガンの診断がついて」 それほどに悩まされていた「更年期障害」とやらの症状が、これで解決する!と思うと、うきうきしながらの入院だった。 結果的には「良性の腫瘍」だったのだが、17日間の入院でいろんな方々との出会いがあり、大げさに言えば私の価値観や人生観が変わった日々ともいえるものを貰った。 4人部屋の中のお一人、大阪から肝臓腫瘍の為入院していた方は、手術はしないで薬を注入することで治療していた。 数年前にプラスチック工場経営のご主人を亡くし、女手で社長を引き継いで来たこともあり、その地では肝っ玉女史で通っていたらしい。 遅く出来た一人息子さんを、中学から全寮制の超有名な進学校に入れ、希望と期待をかけて頑張ってきたのに、彼が東京のK大学に入学したとたんに病魔に襲われてしまったとのこと。 息子さんとの大事な7年間、敢えて別居までして良い大学に行かす為に頑張ってきた自分の生き方を、病床で行きつ戻りつ頭の中で彷徨していらっしゃるのが何とも悲しい・・・。 「こんな運命なら、親子二人で寄り添って生活してくれば良かったのかしら・・ねぇ・・。」 左の薬指には、大きな大きなダイヤの指輪。 「亡くなった主人と一緒に闘っているの」と。 大阪では「社用」で東京に来ている・・ということになっているらしく、治療途中ながら仕事関係で一時帰阪。 その時は、病院の美容室で髪をセットし、大きな花柄の華やかなツーピースに身を包み、お化粧もばっちり効かせて、本当にびっくりするような別人に変身していそいそと病院を後にした。 その後、私の退院の方が早くなり、お目に掛からないままお別れしてしまった。 後日病室に見舞ったら、受付で「あの後すぐに大阪の病院に移られました」とのこと。 数ヶ月後、入院仲間で食事した際、「彼女、その後退院なさったかしらね」と話が弾み、大阪の自宅に電話をしてみたら・・・。 「大阪の病院に帰ってきて直ぐに亡くなりました」とのご返事。 あんなに息子さんのことを想い、あんなに越し方を悩み、あんなに華やかに着飾って一時退院した彼女。 今でも思い出しては涙ぐむことがある・・・。 入院時のある朝、彼女はトイレから出てきて声弾ませて言った。 「うれしいわ!今日は、ふわふわした綺麗な形をしたのが二つだったの、みんなに見て欲しい位!」 その日の彼女の晴れやかな笑顔。 その事で苦しんできた人にしか分からない解決のうれしさを大きな声で報告する彼女を見て、一緒にうれしくなると同時に、涙が出てしまった・・・。 人間の本当の姿をそこに見たような気がした。 ブランド物に身を包み、息子さんの為ならと別々に住まい、地域の肝っ玉女史として頑張ってきた彼女も、一人の生身の女性。 いじらしい可愛い女性の姿がそこにあった。 そんな彼女は、それから3ヶ月も経たないで逝ってしまった。 今でも時々「ふわふわ!みんなにも見て欲しい位!」と叫んだあの時の彼女を思い出す・・・。 人っていじらしい。そして素晴らしい。 最近、すっかり忘れていた「あること」を知り、感動を新たに思い出した。 それは、どうしても止められなかったタバコ(パイプ)をその日を境にピタッと止めた主人の心。 あれから10年を迎えようとしている。
04/7/ 22 (53) 家事 我が家のスプーンが何時の間にやら少なくなっている。 怪奇現象か、はたまた知らぬ間に私が食べちゃっているものか・・・(ん〜な!) 兎に角スプーンが何時の間にやら何処かに消えているらしく、お客さんにコーヒーを出そうとして、数が揃わず慌ててしまうことが度々。 先日も揃わないスプーンでコーヒーを飲んでいる時、言い訳混じりに知人にそんな話をしたら、なんと!「うちもそうなのよ」といううれしい言葉! 我が家だけかと思っていた・・・。 つまり、私の道具の取り扱いが雑でこういうことになっているのかと・・。 それも多分正解だと思う。 昔から、私の家事の速さには定評があったらしい。 毎日洋裁などをごそごそやっていて、切羽詰った家事の時間の捻出に、勢い馬車馬の如き行動に出るらしい。 前に友人家族が泊まりに来た折、一緒に朝の歯磨きをしていてびっくりされた。 「あなたのパワーの秘密が分かったわ!」 つまり、歯を磨く行動が「コマ落とし」のような速さなのだとか。 のんびりやの彼女の目に映った私の姿を想像して、今でもクスリ!と笑ってしまう。 人間、同じ24時間しか頂いていないのだから、何かをやろうとしたらその分ハジカレル時間というのもあるだろう。 その彼女のお宅で食事をご馳走になった時、私も別の意味でびっくりした! お茶碗に炊き込みご飯を盛るのに、何回おしゃもじを動かしただろう! 綺麗に、綺麗に、丁寧に、丁寧に、まるで仏様のご飯みたいに綺麗に盛り上がったお茶碗を受け取った時、自分の家事の行動の雑さを思い知った。 私なら、バッと盛り、ざっざっと二・三回小高く整えるだけで終わるだろう。 ある方の洗濯物の干し方を見ていてびっくりしたことがある。 丁寧に丁寧に竿に干し、隅々キチン!と伸ばしたりさすったり叩いたり、一枚のシャツを干すのに何分掛かったことやら。 それに引き換え私の干し方ときたら、「バン!」と一振り、竿に通してびっ!と裾を引っ張っていっちょ上がり! ちょっと情緒に欠けるかなぁ・・。 でも、私としては気分上々、「あ〜〜ぁ!しあわせ!」と深呼吸などしながら満足感の権化と化してヒラメク洗濯物を眺めているのだ。 着る時に、ちょっとでこぼこした皺の感触がまたうれしかったりして・・・。 あい?やっぱり私って雑? そんなこんなで、今日も「雑な」時間が流れていく・・・。
04/7/1 (52) 味 久しぶりに友達4人とランチを食べようということに。 初めて入る中華料理店に決める。なかなか綺麗なお店だ。 何食べる?と賑やかにメニューと首っぴきの結果、それぞれの好みの料理を注文をする。 程なくして運ばれてきたあつあつの美味しそうなお料理! わくわくにこにこ「いっただきま〜す!」と箸をつけたとたん、「しょぱいぃ!何この味付け!」とT女史。 どれどれ・・・と私も一口。 確かに味がしっかり目だが、私にとっては別に・・・という感じ。 一口毎に「あ〜しょっからい!」と文句たらたらのT女史は、しまいには「コックに文句言おうかしら」とまで言い始める。 彼女の鋭敏な味覚の為に、その場には気まずい雰囲気が漂う。 *** それと同じような場面は結構ある。 楽しいパーティの最中、ぱくぱくにこにこ美味しく頂いている横で、「私はコレステロールが高いので、これは食べられないの」とか「私これ嫌い!」とか。 私だったら、その場は皆と同じように頂き、嫌いなものがあったら(ない!)皆に気付かれないようにそっと端に残し、カロリーやコレステロール系が心配でも美味しく頂き、その後の自宅での食生活で辻褄を合わせる工夫をするなぁ・・・。 先述のお店の「味付け」の事でも、我慢出来ない程の場合は別として、「しっかりしたお味だこと!」と楽しみ、薄味の場合は「お上品なお味だこと!」と楽しみ、自分で選んで入ったお店なのだから最後までしっかりと頂いて帰るなぁ・・・。 もし我慢できない程だったら、二度と行かなければ良いのだから。 これはもしかして、味音痴の為? こんな日和見な私だから、お料理が上手くならないのかも知れない・・。 だって、どんなものでも美味しいと感じるのだもん! (恥)
04/7/1 (51) 牛丼 今日はスカッと晴れた素敵なお天気! こんな日は、お洗濯物が無くても無理やりシーツを剥がしてお洗濯したくなる貧乏性。 だって、折角のお日様を素通りさせるのが勿体無いのですもの・・・。 そこで今しがた大きなシーツをパン!パン!と引き伸ばして干して来たところ。 あ〜〜!良い気持ち! それにしても私って、ケチなのかしら鷹揚なのかしら・・・。 「お日様をのがすな!」とシャカリキになる割りには「雨もいいなぁ・・屋根に守られている私って何てしあわせ!」などとそぼ降る雨を窓から飽きずに眺めていたり・・・。 洋服生地はハギレが大好き!まるでパズルをするように、あぁでもない・・こうでもない・・と型紙をはめこんで、出来る筈もないような少しの生地から自分の洋服を作り出した時の喜びは例えようも無い満足感。 そんなケチ君の私が、「高級一着分」などという生地を、惜しげもなく皆様にダンボール箱で差し上げたり・・・。(「ドレスの小路」で実施) 話は飛ぶが、去年のこと。 6年だった孫が塾通いで良く立ち寄っていたらしい「吉野家」の牛丼を、「ツユダク」だとか何とか「通」ぶって話しているのを聞いて、私も急に行きたくなった。 「テスト100点取得記念」(? 理由は何でもいいのです。我が家的には・・・)ということで、一家で吉野家へ!いざ! わ〜ん、良い匂い! どれにしようかな・・・と迷っていたら、息子が小さな声で「ココはささっ!と決めるのがオキテ!」 そこで慌てて例の「ツユダク」と卵を追加で注文。 あっという間に出来てきた「吉野屋の牛丼」!わ!これこれ!わくわく。 ショウガはとり放題・・ですと?。やっほー! そこで私がやったこと! そのショウガをワンサとつまんで丼に獲得! ふと見回すと、他の皆は必要なだけのちょびっとしか取っていない・・・。 そこで私の「欲張り精神」が露呈・・。(^_^;) そのテンコ盛りのショウガをなるべく早く消費すべく、目を白黒しながら食べた経験は、ほんとに辛いショウガの味でした! そんなケチMEMEなのに、スーパーのチラシに目を通したことがなく、買いたい時に買いに行くという鷹揚さ。(ま、たかだか二人分だということもあるけど) 私って、ケチなのかしら・・・、鷹揚なのかしら・・・。 「吉野家の牛丼」、早く復帰して欲しいな。 その時は「鷹揚に」ショウガをちょびっとつまんで、すまし顔でいただくぞぉ〜ん!
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