MEMEの「ことども 」 11〜20
11/10 (20) 既製服 第一話 先日友人達と旅行に行った先の宿でのこと。 わいわいと家から持ってきた普段着に着替えて一休み。 「んっ」 Y女史と同じニットのワンピースを私も持っている・・・。 しかも、道中着にしようかと迷ったけど家に置いて来た物。 あ〜、気取ってそれを着て来なくてよかった! だって、敵は「普段着」で着用だぞ!。 わいわいがやがや、ひと通りの騒ぎが収まって、さあ寝よう!ということに・・・。 と、くだんのY女史、「私、この服寝巻きにしてるんだぁ、だからこのまま寝るね・・・」 ますます「着て来なくてよかったぁ〜!!」 第二話 宅急便を出さなくちゃ!と駈けつけた近所のお酒屋さんでのこと。 手続きをしている私のスカートをちらちら見ていた3人連れのお客さんたち。 「ん?」 なにやらこそこそ・・・。 耳をダンボにしてさりげなく会話をきいてみる・・・。 「あのスカート、○ちゃんとおんなじだ〜!」 「ほら、あのデパートのバーゲンの時買ったのさぁ〜!」 自分の着る物は全部自作自演を謳っている私だが、たまたまプリーツの穿き易そうなスカートがすっごくお安かったので買ったものなのです。 プリーツは作れないですもの・・ねっ。 こそこそ・・・。お値段まで分かられてしまった! 聞こえぬ振りしてお店を後にしたのでした。 第三話 極め付きは友人の洋服の話。 ある超有名コーラスグループの「結成○○年記念コンサート」に行った時のこと。 4人コーラスの「バス」を受け持っている○氏の奥方の友人が皆でお祝い方々応援にいったのでした。 NHKホールでの「○○年記念特別リサイタル」ともなると、皆それなりに気を使ってドレスアップで集合。 特別席を取って貰って、席に着く・・・。 と! 私の隣りの友人と全く同じ洋服を着た方が前の列の斜め前に・・・。 ぎゃ! おしゃれさんである友人は、この日の為に探し回って手にしたそうで、みんなで「素敵ねぇ〜」「お似合いよぉ」などと言い合った直後のこのアクシデントに、周囲の友人達も言葉を失った・・・。 コンサート終了後、銀座での「貸し切りレストランパーティ」へと流れる。 あぁ、やっと息詰まる「攻防戦(?)」から開放されて、駅へ向かう・・・なんと!その先に例の洋服(を着ている人)が! 切符売り場にいるではありませんか! 叉もや皆は固まってしまいました。 でも、見なかったことにして電車の中へ・・・。 やれやれ・・・。ふぅ〜! と! くだんの洋服が「貸し切りレストラン」に入って行くではありませんか・・・。 しかも、グループごとに丸テーブルに設えられたお席がまた隣り!! いや〜ん! 誰も、一言もその件については黙したまま、パーティーは終わったのでした。 一番困ったのが、くだんの相手とこちらの体系の決定的な違い。 アチラガ「S」ならこちらが「LL」。 同じお洋服の「体系見本市」の様。 彼女が一言・・・「このお洋服、デパートでは特選売り場で買ったのよぉ・・・」。
11/08 ( 19) 同級会 今週末に、4年に一回の中学の同級会が行われる。 60才の声を聞いてからは、なるべくこういう会には出席することにしている。 親友がもう何人も☆になってしまった・・・。 悲しい事だけれどこれも現実なのだから、残された日々を美しく彩って大事にしていかなくては・・・と思うこの頃。 (なんていって、100才まで生きたらどうしよう・・・まだ40年近くある・・・) そんな気持ちも手伝って、ここ何回か出席している。 中学卒業以来、45年振り位に初めて同級会に出席した時のこと。 今から8年前ということになるかしら・・・。 生まれ育った新潟を後にして東京へ出て早35年以上、新潟地震の後の新潟は変貌し、実家が引っ越した事もあって、まるで浦島太郎。 同級会でみなさんにお会いするのも45年ぶりの方もいらっしゃることとて、念入りにお化粧をし、髪も綺麗にセットし、意気揚揚と(?)出かけたことでした。 ところが、会場のもよりのバス停を間違って、一つ先まで乗り越してしまったのです。 真夏のかんかん照りの太陽が容赦無くふりかかり、タダでさえ焦っているのに、この時とばかりにお洒落なヒールの靴を履いて来たのを後悔しても後の祭。 あへあへいいながら靴を引きずり、あせびっしょりになって会場に辿りついたものの、大幅遅刻! 大広間にはみんなが揃って私を待っていた・・。 お料理を運び込むのも待って貰って・・・。 もう、恥ずかしいやら申し訳ないやらで、整然と座っているみんなのところへ行こうとして、焦って、ドタン!尻餅を着いてしまったドジさ加減! 折角お洒落に念を入れてきたのに!「ドシン!」で全部おしゃか。 やれやれ。 でも、それで45年振りに会う緊張も解けて、楽しい会に入っていけたのでした。 後で手洗いにたって鏡をよーく見てびっくり! いつもよりたっぷり厚化粧をした挙句汗だくで走ってきたので、汗の通リ道がほっぺに一筋二筋・・・。 今年はさりげなく出かけよう! でも、あれから5kgは太ったから、皆分かるかなァ私って・・・。 同級会は懐かしくてそして怖い!
11/08 (18) いいこにしてるから・・・。 3ヶ月ごとに薬を貰いにいく病院でのこと。 そこは国立の「ガンセンター」。 話せば長くなるけれど・・・(長くなりそうなのでこの先はカット!)、私はここへ3ヶ月置きに通ってはや7年。 すっかり「患者の最長老」になりかけているこの頃。 暑い夏の予約日。ふうふういいながら出かけていき、大いに待たされた後、久しぶりに血液検査を。とのご命令。 検査室へ向かうと、向こうから子供の声がする。 良く聞くと「良い子にしてるからぁ〜!」という涙混じりのだだをこねている声。 なんだろう・・・。どうしてこんなところに子供が?といぶかりながら声の主を探すと、いたいた! 若いお父さんと、2才位の女の子と、だだっこ男の子4才位が、三人で廊下の目立たない隅に座っている。 「いいこにしてるからぁ!」「いいこにしてるからぁ!」何度も何度も同じ言葉をお父さんに訴えている男の子。 女の子を膝に抱き、だんだん大きな声になってで叫ぶ男の子の頭を時々なでて「しっ・・・」と口に手をやるお父さん。 それでも同じ言葉を繰り返す。「いいこにしてるからぁ!」 そうか、お母さんが検査を受けているんだ! そして、ただならぬ気配でおかあさんの危機を感じているんだ! 検査室に入っているお母さんを待つ親子三人。 採血室にも「いいこにしてるからぁ!」という声がずっと聞こえていた・・・。 気が付くと、下の待合室に親子4人の姿があった。 支払いをしているお母さんを、三人の塊がしっかりと寄り添ってまっていた。 見かけは元気そうに笑顔もあるお母さん。 それだけが救いだったが、それからのあのご家族に平和が訪れているのだろうか・・・。 あれから3ヶ月が経つ。 間もなくまた予約日がやって来る。 あの「いいこにしてるからぁ!」と訴えていたあの坊や。お母さんの胸に顔をうずめているかな・・。 「いいこにしてるから、お母さん元気になってね!」という叫び声が今も頭から離れない。 「いいこにしてるからぁ!」「いいこにしてるからぁ!」
11/08 (17) 麗人三人 * 一人目の麗人 先日電車の中で、美しい初老のご婦人に会った。 上野行きの常磐線中距離電車だったから、筑波学園の先生の奥様かな・・・と想像しながら隣りの席へ。 私より少しお年を召していらっしゃるご様子。 殆ど白髪になった髪をショートに切りそろえ、ちょっと見では初老の普通の方なのだが、何か惹き込まれるモノを感じた。 そこで、さりげなくこの「不思議な魅力」の研究に(?)とりかかってみる・・・。 (何しろ電車の中は暇なもので・・・ (~_~;) まずお顔。 ほんとに普通・・・。いや、もしかしたら(・・・・・・)。 でも、キチンとお手入れしてきた年輪が感じられるお肌。 お化粧をさりげなくしていて、目立たないピンクの口紅が、洋服の薔薇の花柄に合わせてある。 びっくりしたのが着ているお洋服。 奥ゆかしい「お顔立ち・白髪」に不似合いな程の大きな「薔薇の花柄」。 真夏に良く合う、荒い織りの白の「麻地」に、ブルーとピンクを基調とした大ぶりの薔薇の花。 デザインも何もかも「シンプル」で、どこがどう・・・と分からないのだけれど、襟のくり具合から半袖の長さにいたるまで、兎に角その方そのもののデザインだったのです。 ベージュのバッグと、履き心地の良さそうな年配向きの靴。 この方の横顔をみていて(さりげなくですよ!)「麗人!」という響きのある昔の言葉がぴったりな方だな・・・と感じ入ったのでした。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 * 二人目の麗人 ある日バスに乗っていると、お使い帰りのようなご婦人が乗ってきて私の隣りに座った。 (また乗り物の中での観察です・・・。) ちょっと長めの髪を無造作にまとめてバレッタで止め付けた様子は、そこのデパートで食料品を買ってきた・・・という感じ。 でも、なにか不思議な魅力が・・。 さてさて、またまた「暇人」の研究心がむくむく。 お化粧も極普通。 髪も、大急ぎで束ねてくくり付けてきた感じ。 では、お洋服・・・。 う〜ん。渋い・・・。 茶色のニットTシャツにベージュの小花模様。 スカートもその色調路線のちょっと濃い茶色の無地。 セミフレアーがここち良さそう。 それだけのことなのだが、何か惹きつけられる「麗人」。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 * 三人目の麗人 美しさに、ハッと思わず後ずさりした三人目の「麗人」は、知人のピアニスト。 あるコンサートで、外国の著名な室内楽の方とのトリオをなさるのを拝聴に会場へ・・・。 舞台に現れた彼女の黒いシンプルなシルエットのドレス姿!(これはMEME作ではありません。念の為・・・) 静かに、静かに歩いてピアノの前に・・・。 たおやかな姿態が、これから演奏に入る「幽霊」という曲のイントロダクションか・・・。という雰囲気を漂わせている。 さあ、演奏! ヴァイオリン・チェロの音色と共に、美しくも不思議な旋律を、時には激しく、時には引き潮のような青ざめた静寂を織り交ぜて曲は進む。 時々「間」を確認しあうお互いの目線のやり取り。 夢見心地の演奏が終わり、「幽霊」という曲の余韻を残しながら静かに静かに黒のドレス姿は消えたのでした。 白い細い腕が舞い上がり、舞い降りる演奏の美しさが、曲と共に頭に焼き付き、しばし呆然。 まさに「麗人」だった・・・。 その後、御一緒にお食事をする機会があり、其の時の「いきさつ」をお聞きしてびっくり! 彼女はその演奏会の時、体調を崩していて、舞台に登場する寸前まで点滴を打ちながら横になっていらしたとか・・・。 あの「麗人」姿は、曲目に合わせた演出ではなかったんだ〜!と納得! ここで気がついたこと! 最近出会ったこの三大麗人に共通する事! 「月見草のような可憐な姿態の持ち主」だということ! ん〜ん、私も25kgダイエットしようかな・・・。 (しても無理無理!) あ〜あ・・・。 月見草・・・。麗人・・・。永遠の憧れ・・・。
11/05 (16) めがね いやはや、このところの老け具合のひどさには参った! 何より困ったのが「目!」 老眼鏡をちゃんとめがねやさんで作って貰っただがどうもそれも合わなくなってきたらしい。 私の目ときたら、「近視」で「乱視」で「老眼」、おまけに「めつき」も悪い。 昔昔のその昔、社会に出たてのうら若き人だった頃のお話。 朝の通勤のバスをまっていると、兄の同級生と目が合った。 「おはようございます・・」小さな声でご挨拶・・・。気が小さい私はそそくさとバスのなかへ。 さあ、それが大変な事に発展してしまったのでした・・・。 なんと、人違いだったんです! それも、それも・・・、その人はなんと以前から「なに」だったらしいのです。 「なに」ってなにか?って? 今の私がそんなことを言っても誰も信じないでしょうけど、取りあえずその頃は一応若い人並みな女の子だったのです。 で、その方は、常日頃からガンをつけて(あ、目ですね・・・)毎日見ていたんですって。 それがある日、恥じらいながらのういういしい(?)「おはようございます・・」。 さあ、その方は舞い上がってしまって、その後はなんじゃら・かんじゃら! もち、事実を間接的にお伝えしたのはゆうまでもありません。 目が悪かったばかりに・・・人違いしたばかりに・・・失意からその方の運命まで変えてしまったのでした・・・。 (ちょっと大げさかな?) この頃の私ときたら、乱視用の眼鏡の上から「カチャッ」と掛ける小さい「跳ね上げ式老眼鏡」を被せて、まるでハンコ職人さんのようなイデタチをしていることが多いのです。 で、パソコンの前ではそれなりの老眼鏡を。そして、洋裁をする時には、またそれなりの度数の眼鏡をして・・・と、目まぐるしく掛けたり外したりをやっている日常。 先日、さ〜て寝ようか・・・と髪に手をやり、カチューシャ(髪止め飾り)をはずしたら、何かまだある・・・。 「ん?」あわてて手でまさぐると眼鏡!、「いや〜ん、眼鏡を上にあげていたわ」。 ややっ!まだ何かある! 再び暗闇の中を手さぐり・・・。ありゃりゃ!また「眼鏡!」それも、例の2重の「跳ね上げ式眼鏡」! なんということ! 合計3つも頭の上に老眼鏡を載せていたのでしたぁ! 道理で今日は頭が重かったぁ!
9/13 (14) 「ことども」再開! やっと「ことども」を再開する決心が付いた. 何から書いて良いやら・・・。この7ヶ月のあまりの激変に戸惑う私。 留守にしていたこの7ヶ月の空白には、目まぐるしいほどのいろんな出来事があった! いま、こうして書き出す勇気が出てきたのも、 「めめちゃん事件」の痛手を、時が解決してくれたものと感謝している。 この「めめちゃん事件」を書かないことには、どうしても先に進めないのだが、 やっとこれを乗り越えて「ことども」に戻る勇気が湧いてきた。 (12)でめめちゃんの事を書いた翌日のこと・・・。 いつものように肩にめめ。 郵便受けを覗きに行こうと玄関のドアを開けた時に悲劇が起こった! そう、空高くはばたいていったのだ!!! 2月の晴れ渡ったキーンとする空気の中、一瞬の衝撃の後、二度と彼の姿を見ることがかなわなかった・・・。 それからの私の「めめちゃん探し」から「あきらめ」への心の変遷は、いつかちゃんとした記録を書いてみるつもりだ。 それを思い出したくないばかりに今日まで「ことども」に戻れないでいた私。 「めめちゃん事件」はおいといて、ここから新しい「ことども」を再開しよう。 ここまで立ち直らせてくれた私の家族・周辺の皆様に心より感謝! 本当に幸せなMEMEです。 さあ、いつもの調子で書き綴って行こう!
(13) 前のひと MEMEは、自慢じゃないがこれでも若い時は人間風だった。 いまでこそ「00」の様だが、どうして・どうして、ちゃんと女性だった。 その頃の、杉並区のとある社宅で棲息していたころの話し。 昼下がりのアンニュイなひとときを過ごしていると、「ピンポーン!」とチャイム。 「は〜い」取りあえず髪など撫で付けながら玄関へ・・・。 新聞販売員の方が立っている。 目をきょとんとして言った。 「あれ、ここにいた前の人、転勤したんですか?」。 「????」 「3ヶ月前に来た時は、わか〜い(!)素敵な奥さんがいたんですが・・・」 「はぁ〜!?」 「転勤ですか・・・」 「・・・。あの、・・・前からここにいましたけど・・・私」。 「いや、もっとわか〜い(!)奥さんでした!」 分かった! 今日はお化粧してない! 「もっとわか〜い奥さんだった!」と主張する新聞やさんに、早々に断りを 入れて引き下がってもらったのは言うまでもない。 前の「わか〜い奥さん」は、転勤したのです! そうそう!そういうことにしましょ! 一人になって、鏡の前。 うん〜ん!。 納得、納得。 「転勤したわか〜い奥さん」を呼び戻しましょ! 時々このシーンを思い出しては、自戒としていたのに、最近の私のおばあさん振りには びっくりする。 お出かけ時は「別人28号!」 これじゃ〜、・・・ね!
12/2/17 (12) めめちゃん MEMEではなく、めめちゃんのお話。 おかめいんこのめめちゃんは、名前に似合わず、男の子。 真っ黒おめめに、頭の上にちょんちょこりんがついていて、ひょうきんな子。 ほっぺがオレンジ色なので、いつも笑っているみたい。 朝目が覚めたとたんに「おはよう!」と大きな声! 出入り自由にしてあるドアから、すぐに飛んできて、左肩に止まって行動を 共にして過ごしている。 だから、お互い意識外のことも多く、「なに」に入るのも一緒。 落ちて流れないようにふたをしてハンドルを回すことも忘れそう! 庭でゴールデンの「レト」ちゃんがうるさくわんわん鳴くと、すかさず「レトちゃん!」と 叱責の言葉。 まるで二人で(?)一人のよう。 私が電話中は、自分も参加するものと決めていて、送信口にくちばしをつけて、 「ごしょごしょぐにゅぐにゅ」おしゃべりをするものだから、「・・・・。 今のなに??」 初めての人は、突然へんなノイズが入るので、びっくりする。 訳知りの方は、「そうかいそうかい、めめちゃんげんき?」などと話しかけてくれる。 時々カーテンレールに止まって口笛を気持ち良さそうに吹いている。 レパートリーは、5つほど。 5歳になるけれど、今でも新しい歌を覚えてくれる。 今は「出た出た月が」を学習中。 面白いのは、鳥でも「5・7・5」の調子が覚え易いらしく、ぴーよこぴーよこたん!と 調子の良いこと! おしゃべりより、口笛の方が上手。 面白いのは、こちらが一節吹くと、次を歌う事。 オウム返しと言う言葉があるが、めめちゃんは、ちゃんと次から歌う。 うちの子は天才!と、ひとりごちている。 ひっくり返って新聞をよんでいる時は、いっしょに私の額の上に座り込んで・・・。 そこで悲劇(?)が起きたのです〜! ある日、床暖でねころんで新聞を読んで居るうちに、つい、うとうと・・・。 と、 「ピンポーン!」 宅急便。 あわてて飛び起き、「あ、はいはいは〜い!」などと時間をかせぎながら 玄関へ。 宅急便のおにいさんがはんこを押しながら、見てはいけないものを見るような 妙な目線をして上目使いでちらちら。 あれ、ねぼけた顔を見破られたか!? それとも、よだれ?・・・・ 「どうもありがとうございました〜!」とドアを閉めたとたん、鏡の前へ。 ・・・・・・・・。 どういうことが起きていたと思いますぅ〜?! 額にふたつ、めめのなに! それも、床暖に寝そべっていたバチで、即乾! こびこびに貼りついた場所がいけない。 まるで「牛若丸っぅ〜!!」 めめのなにで、もうひとつ困ったこと。 私のいる場所の周辺でうろうろしているので、なにがあちこち。 しかも、今、床暖房なので、すぐこびこびになる。 それと、PCの廻りの紙という紙を退屈しのぎに「ぺちぺち」改札切符のように(古い!) 穴を空けまくるので、私のPC使用時間がばっちり分かるのだ! 主人が帰ってきて、「お、今日は随分お励みだったようですね!」などとばればれ。 はっと気付けばMEMEさん(これは私)の廻りは紙ふぶき。 ちょっとはなれていてよ〜!めめちゃん。
(11) どこへ?? 今日はコンサートへ出かけた。 MEME作成のドレスが活躍する舞台(主客転倒!)を見に(聞きに!)池袋の 芸術劇場へ・・・。 イタリアンシルクの「朱色」の生地に、胸の部分に黒のベルベットをはさみ、 金と黒、赤を基準にした同系色のビーズで刺繍を施した、お手間入り。 さぁ〜て、舞台映りはどうかしら・・・。 会場に吸い込まれて行く人波を見ると、いつも胸が高鳴ってくる。 「何千人のこの人々が、舞台で一時間はMEMEのドレスを見続けるのだわ!」 作る時は、ただ楽しく仕事に没頭しているのだが、皆様の反応をここへ来て 初めて感じて慌てるのはいつもの事。 もう、10年以上もドレスに携わっているのに、「学習」が足りないMEME.。 しわぶきの後のシーンとした緊張感! と!・・・・ カツカツと足音も高く舞台に登場した「かのドレス!」 イタリアンシルクのきぬずれの音も聞こえんばかりの静寂の中、手塩にかけた 我がドレスが風を孕み、風を捲いて裾のトレインも鮮やかに登場! 胸がたかなる・・・。 ん!胸の黒がぐっと効果的!刺繍がライトにどう反応しているか・・・。 「ラロ:スペイン交響曲 二短調 作品21」(ヴァイオリン協奏曲第2番)・・・。 素晴らしい・・・。いつもの事ながら、さすが世界の小林美恵さん! 華奢な身体からエネルギッシュな旋律がほとばしる。 クライマックスの身体のしなりで、ビーズ・スパン・ラインストーンがきらきら光る。 う〜ん・・・。この曲に合わせたイメージのドレス、成功!成功!大成功! カーテンコールが7〜8回。熱狂的に拍手は鳴り響く・・・。 こんな大舞台にMEMEのドレスを着て下さることに感謝! 何千人の人々の拍手の中第一部が終わり、ホォ〜!! さて、二部の「ベルリオーズ:幻想交響曲作品14 ==ひとりの芸術家の生涯のエピソード== が始まる。あまり聞き慣れない曲だ・・・。 今回は、2階席。いつもは一階の前の方の指定席が多いので、全体が 見下ろせて新鮮な感覚。 曲が進むにつれて、だんだん曲から思考が離れていく。(聞きなれない曲 だからか、ドレスの大役が済んでほっとした為か・・・) メンバーの後ろ列に陣取るティンパニー。大太鼓。左に座って出番をじっと かたずをのんで待っているシンバル係り(?)。 お、出番だ!。おもむろにシンバルを取り上げたぞ。じっと待つ。じっと待つ!。 それ!ジャ〜ン! あらら、折角頑張ったのに、他のパートも目一杯力を込めて演奏するクライマックス なので、全然目立たない。 そのうち、最左に座っていた人が(シンバルばかりに目が行っていたので、 何をしていた方か分からなかったんだが・・・)つい!と立ちあがると、なんと、 おもむろに左の舞台を歩いて出入り口に・・・。 うぬ??? もしかして、急にお腹が痛くなったとか?はたまた、楽器を忘れて取りにいったとか?? そのまま曲は進んで・・・。 と、ある楽章まできたところで、突然、綺麗な鐘の音が・・・。 見渡しても、鳴り響く鐘を打っている人はいないようだ。 とすると、彼が裏で打っているのかな???。 えっ?えっ?・・・ 疑問のうちにシンバルおじさんの出番が多くなるクライマックスの演奏が鳴り響き、 じゃ〜ん!!で「幻想交響曲」が終わった。 もしあの「鐘」担当者だったのなら、盛大な拍手の渦の中、そっと(大威張りで)席に 帰っても良さそうなのに、その「消えた」おじさんは帰ってこなかった・・・。 どこへ・・・?なにしに・・・?どうして・・・? 疑問だらけで素敵なコンサートは終了したのだった! それにしても、どこへ???
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