MEMEの「ことども」 1〜10
(1) ことども 明けましておめでとうございます。 今年は2000年の記念すべき年。 MEMEも、1月4日で62歳になりました。 ここまでくると、祝っていただくより、両親に感謝することの方が 先になってしまいます。 折角ここまで年を重ねてきましたので、年なりのいろいろな事どもを 書いてみたいと思いつきました。 恥ずかしいこともきっと(絶対)出てきますので、「スクロール」にしておきます。 もし、よろしかったら読んでみてくださいね。 第1ページのご挨拶はこの辺で・・・。 今年が、皆様にとりまして、素敵な日々になりますようお祈り もうしあげます。
(2) W の悲劇 息子一家と温泉旅行をしました。 孫たちは大喜び!プールではしゃいだり、おいしいものをお腹一杯 食べて、さあ、温泉に入りましょう! 実は、MEMEは、あまりの「育ち過ぎ」のお腹を、誰にも見せずに あの世に行きたいものと願って頑張ってきたのですが、 「おばあちゃんも一緒に入ろう!ねぇ〜、はいろうよぅ〜」と 手を引かれて考えました。 「生か死か、そいつが疑問だ・・・」・・・じゃなくて、もとい。 「今この、す、姿を見せておけば、免疫が出来て、いつか <介護>などどいう厄介な事がおきても、免疫ができていたら、 ショックも少なくて済むかも。 「いや、あまりといえばあまりのこの姿・・・。 これをみせちゃ〜、おばあちゃんのこけんにかかわる・・・!」 手を引かれている短い瞬間の決断!! よ〜し、一緒に入ろう! どうせなら、彼女が小さいうちに<なにげなく><さりげなく> <気にしてないよ〜ん!>て顔で入ろう! 温泉に着きました。 脱ぎ始めました。うぅ・・・・ 4歳の孫娘も脱ぎ始めました。 視線も普通です!「わおぉ〜〜」と叫びませんでした! 成功成功!。 タオルで隠しながら、隠しながら、何とか「お湯の中の人」に・・・。 後はもう、平気!平気! ちっとも「奇異」の視線をむけなかったぞぉ!しめしめ。 MEMEが気にし過ぎていたんだ! なぁ〜んだ、なぁ〜んだ。 無事に「ぽんぽこりん」のご披露を終わって、るんっるんっ。 お部屋に帰って、さ〜てなにする? 「お絵かき!」と孫娘。 ここで悲劇が起きました! 「じょうずね〜、00ちゃん」 皆の注目の中、彼女が次に書いたのが「W」の字。 「???」「・・・」 「これ、おばあちゃんの おっぱいぃ〜!」 W のしたのとんがりに、点を二つつけて叫びました! ずこ! これぞまさしく「W の悲劇〜〜〜!」 (断っておきますが、湯船の中だからこうなるんです!)なんて! 言えば言うほど「み・じ・め」 ああ・・・。
(3) よぴ 今日は、孫娘「はぴ」ちゃんのお誕生日! おじいちゃんは、前の日から勇んでケーキやさんに予約。 「はぴちゃん、5さいのおたんじょうび おめでとう!」のプレート つきの特製ケーキも届き、さあ、パーティー開始! お食事も済み、クライマックスのケーキタイム。 「わ〜、<はぴちゃん、5さいのおたんじょうび おめでとう>だって!」 はぴも興奮気味。 クッキーで出来たプレートが立っていて、チョコレートの文字も鮮やか。 飾りの、扇にかたどったチョコも豪華なムード。 ローソクを5本、規則正しい間隔で並べて、さあ、点燈! おじいちゃん(MEMEの主人)が、おもむろにマッチをする。 10の瞳に囲まれて、心なしかおじいちゃんの手がふるえる・・・。 ローソクに火がともります。 「1本」「2本」「3本」・・5本目のローソクにもほのかなあたたかい炎がともりました。 と! その時です!、余りにも慎重に、丁寧に灯をつけていたので、 燃え尽きたマッチの軸がケーキの上に ぽとり! 「あ〜〜っ」・・・。 みんなの視線の中、豪華さを誇っていた扇型の飾りのチョコがチュクチュクと 溶けていく・・・。 あわてて取り除き、さあ、気を取りなおして「ふっ」しましょ! はぴちゃんに続き、もう一度点火し直して、8歳のおにいちゃんまでリクエスト! お部屋の電気を消すのは、おばあちゃんの役目。 さあ、お祝いのケーキをみんなでいただきましょう! 切り分けるのはママ。 「・・・きゃ〜!<はぴちゃん>が<よぴちゃん>になっている〜!」 先ほどのアクシデントで、<は>の左が溶けて無くなって<よ>になって いたのでした!
(4) ダブル 近々息子一家とスキーに行こうかという計画が・・・。 それには色々細々としたものも買いたいし。 ということで、近くに開店した大型アウトレット店に 見に行く事になりました。 「わ〜っっすご〜い!なに!この広さ!」などど、度肝を抜かれながら 奥へ・・・。 と、目に飛び込んできたのが「1,980円」の数字。 なんと、あったかそうなスキーウェアの上着・・・。 「うそ!」 でも、よ〜くみると、派手派手なものが並んでいます。 それにしても、「1,980円!」 「ねぇねぇ、私がこんな色着たら、恥ずかしいかしら?」 念の為いってみる。 「あ、いいかも!。ゲレンデで迷子になっても、すぐ分かるよ」と息子。 「そうそう、お年寄りが綺麗な色を着たほうが素敵ですよ」とママ(息子の 連れ合い。今後彼女の事はこう呼びます)。 そっと手にとって見る。 ショッキングピンクに、黒のリボンが縫い付けてあるウェアは、息子達が 恥ずかしくないのなら、挑戦して着てみようかな?という気になってきた。 「サイズ、サイズ。あ、<0>ってな〜に?」 「<0>って、LLサイズと同じですよ。」 「あらぁ〜。それじゃ、私でもダイジョウブネ!」 「ちょっと着てみたら?」 「よぉ〜し!!」 早速袖を通してみました。 おっ!入った入った!お〜!、素敵ジャン! ウェストがゴムで絞ってあるデザインに、初めて気が つきました。 でも、でも、入ったし、若若しい色だし、ゲレンデでうろうろ歩き 廻る(!)のに、凄く素敵! なにしろ、「1,980円」ジャン! 「あ、これ、まともだと 50,000円の値札がついていますよ!」 おぉ、何と言うお買い得! もう、私の目は血走ってきました。 同じウェアが3枚並んでいます。 今のうちに買っておこうと、レジに持って行こうとしたら、 「後にしたら?こんなド派手な迷子用のウェア、今シーズンが終わる頃まで 売りきれないよ!」と息子。 何てことをいうの!睨み付けながらも、心はうきうき! 「もう一度着てみる!」 と、・・・。 何だかスナップが余計有り余っているのに気が付きました。 ん? お腹のあたりを掻き分け掻き分け、よくよく見てみたら、な、なんと、 このデザインは、「ダブル」なのでした!! ダブルをシングルにして着ていたのでした! がびょ〜ん! 幸い私には、「洋裁」の腕が! ウェストのゴムを取り外せばちゃんと着られますわイ! 「50,000円が1,980円」! 普段着れないショッキングピンク! 誰になんと言われようと、さっさとレジに向かったのはいうまでもありません。
(5) ストッキング 久しぶりのお出かけ。 この頃、似合わない事は百も承知の「パンツ」姿が多いMEME、 さあ、おしゃれをしてスーツででかけるぞぉ〜。 心うきうき、ウェストゴム100パーセントのスカートを、 うんこら引き伸ばして何とかはき、鏡の前に。 うんうん、まっ何とかかっこがついたぞ!。 「馬子にも衣装」とは良くいったもの。 スーツなら、上着でお腹も隠れるし、安心安心。 このバッグが良いかな・・・、いや、この服にはあのバッグの方が・・・。 身体を斜めにしたり、そり返ったり、ひとしきり鏡の前で ファッションショー。 さっ、いざ出陣。 久しく穿いていなかったヒールが少しあるパンプスで気取って 出発。 ヘアーもちゃんとカーラーで丁寧に巻いたし、お化粧も念入りに 厚化粧。 ご近所の方に会っても分からないかも・・・。 「別人28号!」むふふっ! 足取りも軽く(?)駅へ・・・。 しばらく歩くと、なんか変!足のあたりがなんか変。 唐突ですが、MEMEは、「パンティーストッキング」なるものが 苦手なのです。 何故かは「L L」の経験者ならピンと来ると思いますが、 つまさきから一寸のたるみもなく穿いていっても、 幅に取られて、最後の所で足りなくなるのです。 したがって、最後の所は、「水かき」状態。 「まち」入りのそれなりのストッキングも売ってはいるのですが、焦って、 えいやっと穿くものだから、どうしても破いてしまうのです。 「お腹を引き締めます」などという注釈のついた高級なものなら、 なおさら穿きづらく、装着し終わった時には、 ぜ〜ぜ〜・・・。 それに、汗をかくと、ナイロンと相性が悪いらしく、太ももがかゆかゆに・・・。 そんなこんなで、最近は、「膝した」ストッキングを愛用していたのですが、 それがなんか落ち着かないのです。 あ!あ!、なんかずりおちてきたみたい・・・。 立ち止まって、なにげない風を装い、膝下のゴムをずり上げる・・・。 数十歩歩くと、またまたずりずり・・・。 小田原ちょうちんの如く規則正しくシワが刻まれて、ほわほわ状態で辛うじて ふくらはぎに止まっている。 ゴムが足のふくらはぎから少しでも下まで来たら、いっかんの終わり!。 ストン!と「祭りの終わったちょうちん」状態になるのは目に見えている。 焦りました。 数十歩歩いては「よんこらしょ」をして、何とか駅まで辿りつきました。 電車が来るまで考えました。 「最近のストッキングは、確かに安くなってきた。だけど、こんなにずりおちたり、 穿き辛い商品を売るのはどうだろう。 もっと、しっかりした商品を売って欲しいものだわ!」。 そこで、はたと気が着きました! 最近、3kgも一挙に「成長」したことを! 「水かき」ならぬ、「小田原ちょうちん」版も、やっと原因が究明されました! ドウすりゃ良いのさ、このわ・た・し!
(6) 目・鼻・口 昨日は朝から頭痛に悩まされた。 でも、今日は大丈夫! どんよりと昨日のぐづつき模様を引きずっていたお天気も、 先ほどから陽も差してきたような・・・。 朝から溜まったお洗濯物を干し終えて、さあ、今日は昨日の分も 取り戻すぞ! 頭痛中は「何で私は頭痛持ちなんだろう!なんて不幸なお・ん・な!」 などと、かこちながら、うだうだと気だけ昂ぶった一日を過ごしたが、 「普通」のうれしさを実感出きる今日の為に昨日があったのだわ!と 妙に感動! 何でもそう考えると、「必要無いもの、必要無い経験、必要ないことども」って、 そうあるものではないと、この頃つくづく思う。 苦しい事をクリアした後には、必ず何か「得る」ものがあることに 気づく。 振り返って見た時、「あ、あの時のことは、今日のこの事につながって いるんだぁ〜!」 という事を、何度も経験した。 あのことが無かったら、いまの心の「落ち着き先」を見つけられなかった かもしれないな!と。 例えばMEMEの容姿。 若い時には、人並みに美しい顔に憧れて、「どうせ私なんか・・・」 とひねくれる寸前だった。 小さくて細い目! 大きくて厚い鼻! 大きくて厚い口! アゴに「庶民」を象徴するような張り! どれをとっても全部「反対」にすると「美人顔」。 「小さい」を「大きい」、「大きい」を「小さい」にしてみると、 見事麗人に・・・。 でも、人並みに家庭も築き、愛する家族に囲まれ、毎日感謝で過ごせるのも、 「人は人、私は私」として、比較をやめたところに 心の幸せが訪れたのではないかと思う。 こんなに全てに、<麗人>の反対を風切って進んでいる MEMEでも、愛してくれる「奇特」な主人がちゃぁ〜んとこの世に 存在してくれたうれしさ。 ものは考えよう! 「小さい目!」は、ごみが入らないように特別神様が おとりはからってくださった・・・。 「大きな厚い鼻!」は、空気を一杯授けてくださる為に。(でも、「厚く」なくても よいのでは・・・。神様!) 「大きな厚い口!」は、おいしいものを一杯頂けるように!・・・(厚さはなんで?) 「張ったあご!」は、なんでも噛めるように・・・。 ね! こんな風に考えれば、大丈夫! 心ですよ!こころ! いまさらお嫁に行く訳じゃなし、(あなた、幾つだと思っているの?・・ はい、62歳) 「人としての幸せ」は、容貌には関係ないのだと 知ったのは、大分後になってしまったが・・・。 「比較」することを止めた時、心の幸せがやってくる・・・。 美人だったら、もっと素敵な彼と出会えたかも・・・!などとは 決して考えない。(ん?) なぁんて大きな事を言っている裏で、「気象庁」を恨んでいる MEME. なんでって?。 「昨日のお天気、外れたじゃない! <気圧の谷が通過する>事を予知してなかったから、私頭痛の原因が 分らなかったじゃない!」 気圧に弱いMEMEでした。
(7) めがかれる 二階に住む孫たち二人が一階の我が家に「お泊まり保育(!)」。 たった一階下なのに、週末になるとママパパの許可を貰って 嬉々として我が一階へ。 やっぱり気分が変わって楽しいのだろう。 簡易ベッドを二つ用意しておいて、 バタン、バタンとセットして一丁上がり。 そこでテレビを見たり、ゲームをしたり、しりとりをしたり、 本当に楽しそう。 思わず夜更かししても明日は日曜。お寝坊しても大丈夫。 昨日も例によってお泊まり。 今朝の食事はサンドウィッチと紅茶と牛乳。 朝の光さんさんと入るリビングで、こうして孫と食事をしている おばあちゃんはし・あ・わ・せ! と・・・・、孫娘はぴが言った。 「おばあちゃんのめがかれてるんだよね!」 「ん?・・・」 「だからさぁ〜。おばあちゃんのめ! かれているんだよね!」 「目が枯れている?・・・」 「この前言ったじゃない!おばあちゃんの<つぶつぶ>、 枯れたから出来たんだって!」 あぁ〜!、思い出した! 彼女が言う、<つぶつぶ>。 <ぶつぶつ>じゃないところが大事。 つまり、顔の「しみ(!)」の事。 前に、しみじみ顔を覗きこんで 言ったものだ。 「おばあちゃんの顔の<つぶつぶ>はなぁ〜に?」 つまり、顔の年輪、「しみ」のことをいっていることに気が付いた。 ママやパパや、おにいちゃんには無いものを発見して 不思議に思ったのだろう。 ぎょっとしながらも、おもむろに話し出した。 「これはね〜、はぴちゃん、 年をとると、みんな出来るのよ。ほら、葉っぱが枯れる時は 最初に少し茶色のぼちぼちが出来て、 それがどんどん広がって、 ぜ〜んぶ茶色くなって枯れて落ちていくでしょう?。 それとおんなじで、おばあちゃんも年をとったから、 少し茶色いつぶつぶが出来てきたのよ。」 はぴ、「ふ〜ん!、じゃ、おばあちゃん、もうすぐ死ぬんだ!」 ま、待ってよ。そこまで先走られるとおばあちゃん、 ぎゃふん! それも、凄い事を発見したように、得意げに声タカラかに いわれてみると、何やら悲しい。 そこで、最初から説明しだした。 「樹って、最初、若い芽(!)がでてくるでしょ。そして二つの若葉が 出来て、つやつや綺麗に輝いているよね! それから、丈夫な葉っぱが出てきて、どんどん成長して いくでしょ。 そのころがはぴちゃんとか、おにいちゃんの年の葉っぱなの。 きれいで、力強くて、みずみずしくて、・・・。 そして、大人の葉っぱになると、濃いいろの 硬い立派な葉になり、 堂々と陽を浴びて広がっているよね。 その頃がパパとママの葉っぱ。 でも、冬が近付いてくると、少しづつ茶色の つぶつぶが出来て、そして、全部茶色になって 枯れてしまうのね・・・。 「葉っぱのフレディ」の本さながらの話をした・・・。 つもりだったのだが、4歳のはぴには、 「芽」「つぶつぶ」「死んじゃう」がインプットされて しまったらしい。 「目」は「芽」だった! 「芽が枯れている・・・」 明るい朝の陽の光の中で、彼女の目の中 には、まさに 「芽が枯れる」おばあちゃんが存在したのだろう。 光って、きらい!
(8) サイズ 25 自慢じゃないが、MEMEの足は大きい。 女性にあるまじき「サイズ 25」。 太ってみて初めて分かったのだが、体重に添ってちゃんと足のサイズも成長するのだ! MEMEだって独身時代は、スマートな身体だった!(しみじみ・・・) ウェストだって、58cmだったんだから!(誰にいっているんだか・・・) その時から比べると、驚くことに、「25kg」も成長したことになる! 簡単に25kgと言うが、考えると、5kgのお米の袋を持ち上げるのだって大変なのに、 それが、なんと、5袋!! そいつを、片時も離さず、毎日毎日かついで生活していることを思うと、実にけなげ! 孫の小二の坊主君が丁度そのくらいの体重。 とすると、彼くらいの子供一人をお腹にいれてしまったことになる・・・。 うそ! 人様はMEMEのことを、「そ〜んなぁ〜。そんなに太って見えないわよぉ〜」などと お世辞(?)を言うが、実際ほんとのところほんとにほんとに困っている。 まずは「靴」。 どこを探しても「ご婦人用」の「25サイズ」は無い。 あるとしても、「どうでも、入ればいいんでしょう?はいれば! 」みたいなデザインの、ばこん、ばこんという音がしそうな ぺたぺた靴。 少しはしゃれっけも残っている私としては、ご辞退したい。 おまけに「外反母趾」とやらで、無理してこじいれて穿いたら穿いたで、 後が悲惨。 「サイズ25」「横幅 EEEE」「外反母趾」「 ときたらもう、絶望的! そのくせ、洒落っ気がまだ残存している・・・。 こんな私、洋裁の腕が少々あるにかこつけて、ウェストが少しきつくなれば、 「はいはいはい」と直してしまい、ダブルの打ち合わせを、ボタンを移動させてシングルに してしまうなどは朝めし前! 従って、洋服関係では不自由なし!(だ〜からいけないんですけど!) ここまで書いてきて、ふと、読者諸氏の頭の中のMEMEをイメージしてみる・・・。 ぎゃ〜。 自虐趣味?と思えるほどの我が姿・・・。 いいえ、そういう趣味はございません! でも、太っているからというだけで自他共に暗い人生を送っている女性の皆様に 大きく出た〜!)、ここに、めげずに生きているMEMEさんがいるよってメッセージを 送りたいのです! 実は私の場合、「甲状腺腫瘍」の手術後、ホルモン療法をしているため、 脂肪代謝のバランスが崩れ勝ちでこういうことになっているのだが(多分)、 滅入っていても何の進歩もない。 それならば笑っていようということに変身したのだ。 どうにもならないことだったら、丸ごと引き受けて、 「冗談」まじりに話が出来た方が人生楽! 病から立ちあがり、これだけ元気を取り戻せたんですもの! 「食事ひかえれば〜?!」などとひとごとの様に言う息子。 朝食「トースト半枚」を、どう減らすの?。 「じゃ〜、運動、運動!運動不足だよ!」。 うんうん、確かに。 でも、「老人性膝関節変形症」で、先日、足が曲がったまま動けなくなったのも, 気合を入れてウォーキングを始めたとたんの出来事。 次に同じ症状が出たら、即、手術!と脅されて居る身。 怪獣のような容姿をインプットさせているであろう読者諸氏の頭の中。 でも、それなりにお洒落心を保ちつつ、そのお腹を何とか包み込む ドレスを作りつつ、25サイズの ぽたんぽたん音のしない靴を探し続けて、 でも、元気に明るく生きて行くMEMEなのです! ご声援を・・・。(な〜にいってんだか!)
(9) 白毛 今日は油絵教室の日。 いつもなら某公営局の「朝のテレビドラマ」を見終わるとそそくさと電車に乗って 教室に出かけるのに、今日の私は、なんか駄目。 「昨日抜いた歯がな〜・・・。歯医者にもいかなきゃなんないし・・。」 (何時でも良いのに!) ドレスも作らなくちゃな〜!(一日伸ばしはいつものこと) 雨模様なんだよな〜、キャンバスがぬれちゃう・・・。 なんだかんだ理由を付けて、今日はお休みすることに。 そこで、だらだらとテレビを見ていたら、歌手と若いダンサー元夫妻の離婚の 慰謝料の話題で盛りあがっている。 「ここまで育てたのだから、慰謝料を一億およこし!」と40台の歌手。 ダンサーの方は、うちの次男と同じ年。 33歳で い・ち・お・く !の慰謝料! 子供が欲しいと言っても「あなたの収入で暮らせないでしょう?」と、にべも無く・・・。 23歳で結婚しちゃったんだもの、大変だったよな〜。 うちのアイツは、まだ独身貴族を謳歌しているのに・・・。 10年間もよく夫婦生活が続いたもんだよな〜・・・。 二人が、3年位前に公営テレビに出ていたとき、何回も「誰のお陰で ここまで来れたと思うの?」と夫であるダンサーに言っていたのを思い出す。 「00ちゃんのお陰です!」と、その度に頭を下げていた夫。 あ、これはもう駄目になりそうな予感がして強がっているな! と直感した私。 そんなことはどうでも良いのだけれど、その討論会(?)に出席していた、さる弁護士 (元検事)の美しい女性が、アップになる度に、横向きの姿の、頭のてっぺんの 巻き目のあたりに白い毛が一本、ライトに当たってピカリと光るのが気になる。 気になりだすと、UPになる場面は、身を乗り出して見てしまう。(変なの!) そこで気が付いた。 なんで「白毛」ってピンと立ちあがるのだろう? 加齢のあかしなので、もう少し遠慮してくれたら良いのに・・・。 何故か「白毛」のくせに、力強くて、張りがあって、逞しくて、元気良く ピン!と 自己主張している。 思えば、私が20歳位の頃は、「60歳」なんておばあちゃんもおばあちゃん、 この世の人とは思えない位おばあちゃんの様に思っていた。 父母の「還暦祝い」の席でも、「ああ、もう一緒にいられるのもいくばくか・・・」 などと、密かに涙したりしていたのに、何たること!あれからもう、30年! 母は今も元気に過ごしているし、70歳から描き始めた油絵を HPにして 「けいの部屋」も大人気。 若い時、「オバタリアン」(こんな言葉も無かった時代だが・・・)にだけは なりたくない!と、心にしっかと誓った私。 でも、自分がこの年(62歳)になって分かった事.。それは、 「白毛」と同じく、疎まれながらも逞しく、疎外されながらもどっかと根を 据えて、「抜かれるもんか!!」と頑張っている姿! そう、白毛にも意地があるのだ! そうだ!そうだ! 「芽が枯れて」なんていられないぞぉ〜〜! おおぉ〜! 額の白毛を染めるのにおおわらわのMEMEの雄(?)たけびでした。 ビデオを後でじっくり見た弁護士(元検事)さん、あの白毛を抜かないで!
(10) ありがとう、おばあちゃん。 久しぶりにベイホテルでの昼食会にでかける。 シャンプー・・・よし! お化粧・・・よし! ちょっと華やかな服・・・よし! いつになく朝から華やいだ気分で昂揚して準備万端怠り無く・・・。 電車が少し混んでいる。 ディズニーランドに行く人達が、楽しげにさざめきあっている。 若いって良いな〜。 顔も、太ももも、ぷちぷちしている。 高校生かな?。 薄化粧にピアス。 今時の高校生って、お化粧もしているんだ・・・。 座っている私の前で、ぺちゃくちゃおしゃべりで楽しそう。 あ、私の両端の席が空いた・・・。 友達同士が一緒に座れるように、私は席をひとつ移る。 「ああ、良いことをしたわい!、なんて気が利くんでしょう!私って!」 「どうぞ!」 にこやかに、おごそかに、親切心を湛えた目線で言う私。 と・・・。 「ありがとう、おばあちゃん!」 「うぬぬ!・・・」。 そ、そんな大きな声でお礼を言わないでよ! 「おばあちゃん!・・・」 まだまだ若いとうぬぼれていたが、やっぱし・・・。 それにしても・・・。それにしても・・・。 うっうっうっ!! うらめしい視線をなげかけた。 でも、お隣さん、「そいでさぁ〜」「いくらだったぁ〜??」と さっきの話の続き・・・。 めげているのを周囲に悟られないように、「えほん!」と咳払いをして 気持ちを整える。 孫が「おばあちゃん〜」などと話しかけると、「な〜にぃ〜」などと にやけているのに、「他人のあんたのおばあちゃんじゃない!」と 鼻息荒く考える事でもないか・・・。 でも・でも・でも・・・。 70歳の知人がこぼしていたセリフを思い出した。 「電車で、おばあさん!てよびかけられたのよぉ〜! 悔しそうに言っていたのは、もう、何年前か。 その時は「だって〜。じゃ〜、なんていえばいいの?やっぱりおばあさんじゃない?・・・」 などと、つれない心の中。 年を重ねないと分からない事ってほんとに多い。 でも私、その方と同じ70歳まで、8年もあるも〜ん! (おんなじようなもんか・・・。) あ〜ぁ、席を変えてあげるんじゃなかった・・・!
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