MEMEのことども (60〜)
更新 04/12/18
04/12/18 (61) 注射 今年もあと僅か。 毎年の事ながら、年の瀬が迫ってから市の健康診断に慌てて駆けつける。 もっと早く受けておけばいいものを、後で・・後で・・と一日伸ばしにしているとこんな時期になってしまう。 病院の待合い室で、壁に掛けてある「小磯良平」のパステル画や油絵などを眺めていたら、先に診察室に入っている方の採血風景がカーテンの隙間からちらりと見えた。 ちょっと髪の薄くなった50前後の働き盛りのおじさんが、注射針を見ないように、出来る限り首を回して目をぎっとつぶって我慢している様子が可愛かった。 私は絶対、最初から最後までじっと確認しないと気が済まないタチ。 針が何時刺されるか、血管に上手く命中するか、全部リアルタイムで凝視していないと嫌なのだ。 ひっ、いつ刺されるのかな・・・痛いかな・・・と見ぬふりでどきどきしている方が不安。 自分に起こる全てのことを知っておきたい性分。 この二派はきっと、癌の告知でも同じ様に二派に分かれるのだと思う。 私は自分の病状を全部知り、調べ上げた上で自分の余命を自分でツカサドりたい。 主人はどうも他派のようだ。 目をぎっちりつぶって耐えていたあのおじさん派は、人生もふわりと夢多くすごしているのだろうなぁ・・・。 現実を見据えて、痛みも自分のものにしてしまう私のような生き方は、ちょっとリアルで甘さがなく、可愛げが無いかもしれないが、その分「いつ刺されるか」という不安からは逃避できる気がする。 などなど考えながら、待ち時間をすごしていたことだった。 で・・・。「白内障のようですね・・」だって! げっ!
04/10/2 (60) TOTO 先日、NHK「プロジェクトX」でウォッシュレットの開発の苦労話を取り上げていた。 前にも一度見た事があったが、この番組は何度見ても新たな感動を頂けるところが凄い! 何気なく便利に使わせて貰っているいろんな物が、実は、試行錯誤の末に完成した苦労の結晶だという事に気づかされる素晴らしい番組だ。 人間的な器の小さい私にとっては、どんな苦労や挫折にもメゲズに歯を食いしばって目標に突き進む登場人物が眩しい。 会社の存続を背に背負いながらも、失敗の屈辱から雄雄しく立ち上がる男達! 決して特別な方たちではないと思う。 苦労の末、見事に世間から評価を受けるような成功を手にした人たちの数の、何倍もの挫折者がいる事だろう。 それでもこつこつと会社の片隅で「いつかは・・・」という希望を持ち続けて頑張る、名も無い研究者や実務者たち。 小さなことでくよくよし、「ドレスの仕事なんて止めちゃおうかな!」と落ち込んでしまう私の甘さをしっかりと感じる。 何事も、当たり前のように思っている事が、実は水面下の努力と血の滲むような思いで成り立っている事に思い至る。 折りしも、今、シアトルマリナーズの「イチロウ」が年間最多安打記録「258本」を84年ぶりに更新する快挙のニュースが耳に飛び込んで来た。 素晴らしいという他ない! 彼の打法を見ていると、ぽいっ!と軽くバットを振るだけの様に見えるが、私達の知らないところでの努力と研鑽は凄いものがあるのだろう。 我が家の長男や孫も野球小僧で小さい時から涙のシゴキに耐えているが、「好きだから」出来ることで、イチロウのようにチームの責任を背負ったプレッシャーの中での身体作りはさぞ辛いだろう。 でも、それを感じさせないバッターボックスでのリラックスした姿態はどうだろう! 人間って素晴らしい!イチロウって素晴らしい! 千葉の片隅に生息して、くよくよしたり感動したり、毎日それなりに充実した日々を送っているつもりの私。 それのなんと小さいことよ! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それはさておき、冒頭の「プロジェクトX」の洗浄便座に話は戻る。 (~_~;) 彼らのお陰で毎日快適な生活をさせて貰っているが、便器のお掃除の複雑さには少々参っている。 全てに「雑なお掃除」が得意な私、やっているつもりでも直ぐに汚れてしまうのが難点。 友人の家で新しい洗浄便座を入れた時のこと、定年退職したご主人に退屈凌ぎに便座掃除をお願いして外出から戻って見ると、何と!新しいピカピカの便座に無数の傷が! 乾いたペーパーでごしごし擦ったらしい。 焦ってその上からまた擦って居る内にますますドツボにはまってしまったとか。 笑うに笑えない出来事を聞いた事がある。 掃除といえば、こんなことも・・・。 ある友人のお宅に伺った時の事。 神経質で、少しの妥協も許せないようなキッチリやさんのお宅は、見るからのキリリとした佇まい。 妥協だらけの私には、さすがぁ!!と、眩しい室内。 思わず長居となってしまって、帰り際にお手洗いをお借りすることになった。 そこでびっくり! 便器の中が、茶色に変色している。 室内のぴかぴかさとの対比の凄さに、思わずタジログ。 帰りの電車の中で、ふと思いついた。 「彼女は、綺麗好きのあまり、ごしごし毎日毎日ブラシで擦ったのね・・。きっと。」 一度傷が付いたら、それが気になるからそれに上掛けてまた擦る・・・。 それの繰り返しであんなことになったのだわ・・・。 もしかして、怠慢MEMEのやり方の方が正しかったのかも・・・ねっ。 と。 (ただし便器に関してのみ!) 「プロジェクトX」を見たのに関連して、便座のエピソードを・・と思って書き始めたが、途中イチロウのテレビ中継が入った為に、何だか支離滅裂なコメントになってしまった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー そこで、まとめ * 日々何気なく使っている物にも、制作の苦労と研鑽が裏にあることへの思い。 * 日ごろの鍛錬の積み重ねで、記録を作れる身体とチャンスが来る事への思い。 * 日ごろの几帳面さにも時として思わぬ落とし穴がある事への思い。 つまり、家事怠慢MEMEにも一筋の言い訳が出来ることがある!ということの発見。 (^_-)-☆ と・・・、こじつけてみる・・・。(ばしっ)
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